神奈川県では、中小企業・小規模事業者・個人事業主などを対象に、さまざまな補助金制度が実施されています。
設備投資やデジタル化、ロボット導入、省エネ、再生可能エネルギー、事業承継、EV導入、観光客の受入環境整備など、補助対象となる取り組みは幅広くあります。
一方で、補助金によって対象者、補助金額、補助率、対象経費などは異なります。
また、補助金は年度によって公募内容や受付期間が変更されるため、利用を検討する際は最新の公募情報を確認することが重要です。
本記事では、神奈川県内の事業者が活用を検討できる主な補助金を紹介します。
神奈川県では、事業者が抱えるさまざまな経営課題に合わせて補助金が用意されています。
例えば、工場や店舗の設備を導入・更新したい場合には生産性向上や省エネ関連の補助金、業務をデジタル化したい場合には小規模事業者向けのデジタル化支援、人手不足を解消したい場合にはロボット導入支援などが候補になります。
そのほか、M&A・事業承継、観光DX、太陽光発電、EV・充電設備、商店街活性化などに利用できる制度もあります。
重要なのは、「購入したい設備」だけで補助金を探すのではなく、「その投資によって何を改善するのか」から制度を選ぶことです。
補助金 | 主な対象 | 補助金額 | 補助率等 |
|---|---|---|---|
神奈川県地域未来投資促進事業補助金 | 新たな取組・分野への投資 | 最大1,000万円 | 1/3以内 |
ロボット導入支援補助金 | 対象ロボットの導入 | 最大100万円 | 1/3または1/2 |
神奈川県事業承継補助金 | 親族承継・M&A等 | 最大100万円 | 1/2、小規模事業者2/3 |
神奈川県観光客受入環境整備費補助金 | 観光・宿泊関連事業者等 | 最大100万円 | 1/2 |
神奈川県商店街リバイバル支援事業費補助金 | 商店街団体 | 経費区分により最大500万円等 | 1/2、一定団体2/3 |
「紙版かながわトクトクキャンペーン!」事業費補助金 | 商店街団体等 | 上限なし・下限15万円 | 10/10以内 |
神奈川県事業用等EV導入費補助金 | EVバス・タクシー・トラック等 | 最大1,500万円 | 1/4~1/3等 |
中小企業生産性向上促進事業費補助金 | 生産性向上設備 | 最大4,000万円 | 1/2、小規模事業者2/3等 |
小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金 | IT・デジタル化 | 最大50万円 | 2/3 |
中小企業省エネルギー設備導入費等補助金 | 省エネ設備 | 最大500万円、一定の場合600万円 | 1/3 |
自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金 | 太陽光等・蓄電池 | 設備容量等により算定 | 定額 |
以下、それぞれの制度について詳しく紹介します。
神奈川県地域未来投資促進事業補助金は、厳しい事業環境のなかでも、将来の成長に向けて新たな取組や分野への投資を行う県内中小企業等を支援する制度です。
地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」と関連した投資であることなど、一定の要件があります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 神奈川県内の中小企業者等で、地域経済牽引事業計画等の要件を満たす事業者 |
補助金額 | 最大1,000万円 |
補助率 | 1/3以内 |
主な対象 | 新たな取組・分野への投資に必要な設備等 |
一般的な設備の買い替えに利用する制度ではなく、「新しい分野や取組への投資」である点がポイントです。
申請を検討する際は、その年度の対象要件や公募条件を確認しましょう。
参考記事:神奈川県地域未来投資促進事業補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請時の注意点を解説
中小企業生産性向上促進事業費補助金は、物価高騰や人手不足などの課題に対応し、生産性向上につながる設備投資を支援する制度です。
製造業の機械設備だけでなく、業務効率化や人手不足解消につながる設備も対象になり得ます。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 神奈川県内の事業所で補助事業を実施する中小企業者等 |
補助金額 | 一般枠:最大500万円 グループ化支援枠:1グループ最大4,000万円 創業者成長支援枠:最大300万円 |
補助率 | 一般枠:原則1/2以内、小規模事業者等2/3以内 創業者成長支援枠:2/3以内 |
主な対象 | 生産性向上・業務効率化・人手不足解消につながる設備等 |
製造設備、加工設備、省力化設備など、比較的大きな設備投資を検討している企業は確認しておきたい制度です。
年度によって公募枠や要件が変わる可能性があるため、最新情報を確認しましょう。
参考記事:神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金とは?対象者や補助額、申請枠、対象経費を解説
小規模事業者がデジタル技術を活用して、人手不足の解消や業務効率化を進める際に利用できる制度です。
セルフオーダー、顧客管理、生産管理、予約管理など、比較的小規模なIT・デジタル投資にも活用しやすい補助金です。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 神奈川県内の小規模事業者等 |
補助金額 | 最大50万円 |
補助率 | 2/3以内 |
主な対象 | システム・ITサービス等の導入 |
セルフオーダーや顧客管理、生産管理、工程管理、予約管理、会計システムなど、人手不足解消や業務効率化につながるデジタルツールの導入が対象となります。
ホームページ作成やパソコン、タブレット等については、年度によって補助上限や対象条件が個別に設定される場合があるため注意が必要です。
参考記事:神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請時の注意点を解説
神奈川県では、「さがみロボット産業特区」の取組を活用して商品化された生活支援ロボット等の普及を支援しています。
人手不足への対応や、業務負担の軽減につながるロボットの導入を検討している事業者が活用できます。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 県内に事務所・事業所を有する法人・個人事業者等、対象者へ貸与するリース・レンタル事業者等 |
補助金額 | 1申請者あたり最大100万円 |
補助率 | 原則1/3 一定の中小規模法人・個人・個人事業者は1/2 |
主な対象 | 指定された対象ロボットの購入・貸与にかかる費用 |
すべてのロボットが対象になるわけではなく、県が指定する対象ロボットを導入する必要があります。
配膳、運搬、介護などの分野でロボット導入を検討している事業者は、対象製品を確認してみましょう。
参考記事:神奈川県ロボット導入支援補助金とは?対象者や補助額、対象ロボット、申請時の注意点を解説
神奈川県事業承継補助金は、親族承継や第三者承継・M&Aなどを支援する制度です。
親族承継では株価算定、第三者承継ではデューデリジェンス、企業価値算定など、事業承継を進めるために必要な費用が対象となります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 中小企業支援法に規定する中小企業者 |
補助金額 | 親族承継枠:最大20万円 第三者承継枠:最大100万円 |
補助率 | 1/2以内 小規模事業者は2/3以内 |
主な対象 | 株価算定、デューデリジェンス、企業価値算定、対象となる人件費等 |
第三者承継では、買い手側だけでなく売り手側を支援する区分が設けられる場合があります。
後継者問題やM&Aを検討している企業は、契約を進める前に補助対象経費を確認しておきましょう。
参考記事:神奈川県事業承継補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請時の注意点を解説
神奈川県内の観光関連事業者が、国内外からの観光客を受け入れるための環境整備を行う際に利用できる補助金です。
多言語対応やWi-Fiだけでなく、観光DX、手荷物預かり設備、観光コンテンツの開発など、幅広い取り組みが対象になります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 県内の観光案内所・観光施設等の設置・管理者、観光地の店舗・事業所、宿泊事業者等 |
補助金額 | 1事業者最大100万円 |
補助率 | 1/2 |
主な対象 | 多言語化、Wi-Fi、翻訳用端末、手荷物預かり設備、トイレ整備、観光DX等 |
インバウンド対応や観光客の利便性向上を検討している店舗・宿泊施設などは確認しておきたい制度です。
対象となる取組や募集区分は年度によって変わる可能性があります。
参考記事:神奈川県観光客受入環境整備費補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請時の注意点を解説
商店街の老朽化したアーチ・アーケードの撤去と、撤去後の集客力向上を支援する補助金です。
一般の店舗単体を対象とした補助金ではなく、商店街振興組合や商店街団体などが対象となります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 神奈川県内の商店街振興組合、商店街団体等 |
補助金額 | 調査・計画等:合計最大300万円 撤去工事:最大500万円 集客力強化活動:最大250万円 |
補助率 | 1/2以内 一定の要件を満たす団体は2/3以内 |
主な対象 | 調査・点検、アーチ・アーケード撤去、広告宣伝、イベント等 |
補助率2/3が適用されるかどうかは、団体の規模など一定の条件によって判断されます。
設備撤去だけでなく、その後のイベントや広告宣伝など、商店街の活性化につながる取り組みも対象となります。
商店街内の経済循環を促進し、消費者の負担軽減や地域商業の活性化を目的として、商店街団体等による紙の商品券事業を支援する制度です。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 商店街振興組合、法人化された商店街団体、一定の任意団体、商工会・商工会議所等 |
補助金額 | 上限なし、下限15万円 |
補助率 | 10/10以内 |
主な対象 | 商品券のプレミアム分、印刷費、広告宣伝費、販売・換金に係る事務費等 |
構成員の過半数が県内中小企業者であることなど、一定の条件があります。
商品券のプレミアム率や補助対象となる実施回数などにも条件が設定されるため、公募要領を確認しましょう。
中小企業等が省エネ設備への更新や、既存設備の保守・機能向上を行う際に利用できる制度です。
空調、LED照明、ボイラー、給湯設備、コンプレッサー、変圧器、冷凍冷蔵設備などが対象になります。
対象者は中小企業だけではなく、一定の学校法人、医療法人、社会福祉法人などが含まれる場合があります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 県内で対象事業を行う中小企業等。一定の学校法人、医療法人、社会福祉法人等を含む |
補助金額 | 最大500万円 一定の認定・認証を受けた場合は最大600万円 |
補助率 | 1/3 |
主な対象 | 設計費、設備費、工事費 |
一定以上の省エネ効果やCO2削減効果が求められる場合があります。
単に古い設備を新しい設備へ交換するだけではなく、「どれだけ省エネにつながるか」を確認することが重要です。
参考記事:神奈川県中小企業省エネルギー設備導入費等補助金とは?対象者や補助額、対象設備、申請時の注意点を解説
事業者が自家消費を目的として再生可能エネルギー設備を導入する際に利用できる補助金です。
太陽光発電だけでなく、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などが対象となる場合があります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 法人または一定の要件を満たす個人事業者等 |
補助金額 | 再エネ発電設備:設備容量に応じて算定 蓄電システム:最大500万円等 |
補助率 | 定額 |
主な対象 | 太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス発電設備、対象設備と併設する蓄電システム |
太陽光発電設備については、一定以上の発電出力が必要となる場合があります。
また、蓄電システムは再生可能エネルギー発電設備と併せて導入することが条件となる場合があるため、設備構成を事前に確認しましょう。
参考記事:神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金とは?対象者や補助額、対象設備、申請時の注意点を解説
人流・物流分野の脱炭素化を進めるため、EVバス、EVタクシー、EVトラック、EVレンタカーなどの導入を支援する補助金です。
個人が購入する一般的な自家用EVではなく、事業用車両が中心となります。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 県内でバス、タクシー、トラック、レンタカー等の事業に供する対象EVの所有者となる法人・個人事業者等 |
補助金額 | EVバス:最大1,500万円 EVタクシー:最大100万円 EVトラック:最大500万円 EV軽トラック:20万円 EVレンタカー等:最大100万円 |
補助率 | EVバス・タクシー等:1/3 EVトラック:1/4 EV軽トラック:定額 |
主な対象 | 対象となる事業用EVの車両本体購入費等 |
車種ごとに補助金額や補助率、対象要件が異なります。
運送業、タクシー業、バス事業、レンタカー事業などでEVへの切り替えを検討している場合は確認してみましょう。
参考記事:神奈川県事業用等EV導入費補助金とは?対象者や補助額、対象車両、申請時の注意点を解説
補助金を選ぶときは、設備名だけで判断するのではなく、「その投資によって何を実現したいのか」を整理することが重要です。
例えば、機械設備によって生産性を高めたい場合と、電気使用量を減らすために空調設備を更新したい場合では、同じ設備投資でも検討する補助金が異なります。
デジタル化、省力化、省エネ、脱炭素、事業承継など、自社が解決したい経営課題を先に整理すると制度を選びやすくなります。
「神奈川県内に会社がある」というだけですべての県補助金を利用できるわけではありません。
制度によって、中小企業、小規模事業者、観光関連事業者、商店街団体、特定業種の事業者など、対象者が細かく定められています。
特にEV関連や商店街関連の補助金は対象者が限定されているため、申請前に必ず確認しましょう。
補助金を活用する際に注意したいのが、設備の契約・発注・工事を行うタイミングです。
多くの補助金では、交付決定前に事業へ着手すると補助対象外になる場合があります。
設備投資を検討している場合は、「設備を買ってから補助金を探す」のではなく、「契約・発注する前に使える補助金を確認する」ことが重要です。
補助金は毎年必ず同じ条件で募集されるとは限りません。
予算や政策によって、募集時期、補助金額、補助率、対象者、対象経費、申請要件などが変更される場合があります。
また、予算上限に達した時点で受付が終了する制度もあります。
利用を検討する際は、過去の制度内容だけで判断せず、最新年度の公募状況を確認しましょう。
神奈川県の補助金とは別に、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、藤沢市など、県内の各市町村が独自の補助金を実施している場合があります。
設備投資、創業、DX、販路開拓、省エネ、店舗改装など、市町村ごとに支援内容は異なります。
神奈川県の制度だけでなく、会社や事業所が所在する市区町村の制度まで確認することで、利用できる補助金が見つかる可能性が高まります。
神奈川県では、設備投資、デジタル化、ロボット導入、事業承継、観光、商店街活性化、省エネ、再生可能エネルギー、EVなど、幅広い分野で事業者向けの補助金が実施されています。
代表的な制度としては、地域未来投資促進事業補助金、中小企業生産性向上促進事業費補助金、小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金、ロボット導入支援補助金、神奈川県事業承継補助金、中小企業省エネルギー設備導入費等補助金などがあります。
ただし、制度によって対象者、対象経費、補助金額、補助率などは異なります。
また、年度によって公募内容が変更されたり、予算上限によって受付が終了したりする場合があります。
設備導入やシステム導入、新規事業、事業承継などを予定している場合は、実際に契約や発注を行う前に、自社で活用できる神奈川県の補助金がないか確認してみましょう。
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