神奈川県では、県内中小企業の新たな事業や分野への展開を支援する制度として、「神奈川県地域未来投資促進事業補助金」が実施されています。
本補助金は、米国関税政策による不安定な国際経済環境、中東情勢の緊迫化、日産自動車追浜工場の生産縮小等により、県内中小企業を取り巻く事業環境が厳しさを増している中でも、将来の成長に向けた投資に取り組む事業者を支援する制度です。
対象となるのは、県内に補助事業を実施する工場・施設等を有し、かつ県内に本社または事業所を有する中小企業者です。また、県内に本社または事業所を有する複数の企業で構成されるグループも対象となる場合があります。
補助率は補助対象経費の3分の1以内、補助上限額は1,000万円です。対象経費には、地域経済牽引事業計画の遂行に必要な施設や設備の導入費用が含まれます。
令和8年度の申請受付は、令和8年11月30日まで随時受け付けられます。ただし、交付決定後に事業へ着手し、令和9年2月26日までに事業を完了して実績報告を行うことができるものに限られます。
本記事では、神奈川県地域未来投資促進事業補助金の概要、対象者、補助額、対象経費、申請方法、申請時の注意点をわかりやすく解説します。
神奈川県地域未来投資促進事業補助金は、地域未来投資促進法に基づく「神奈川県基本計画」の趣旨に沿って、地域の民間企業等が行う地域経済牽引事業を支援する補助金です。
米国関税政策による不安定な国際経済環境、中東情勢の緊迫化、日産自動車追浜工場の生産縮小等の影響を受ける中でも、将来の成長に向けて新たな取組や分野への投資を行う県内企業を後押しすることを目的としています。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度 神奈川県地域未来投資促進事業補助金 |
実施主体 | 神奈川県 |
対象地域 | 神奈川県 |
対象者 | 県内に補助事業を実施する工場・施設等を有し、かつ県内に本社または事業所を有する中小企業者 |
対象となるグループ | 県内に本社または事業所を有する複数の企業で構成されるグループ |
対象事業 | 新たな事業や分野への展開に取り組むため、施設等への投資を行う事業 |
必要な計画 | 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画 |
補助率 | 補助対象経費の3分の1以内 |
補助上限額 | 1,000万円 |
申請受付期間 | 令和8年11月30日まで随時受付 |
補助事業完了期限 | 令和9年2月26日まで |
実績報告期限 | 補助事業完了日から30日を経過した日、または令和9年2月26日のいずれか早い日まで |
申請方法 | 電子メールで提出 |
受付終了条件 | 予算の上限に達した場合は受付終了 |
補助金額は、補助対象経費の3分の1以内で、上限は1,000万円です。ただし、予算の範囲内で補助金を交付するため、申請額どおりに交付決定されない場合があります。
本補助金の対象となるのは、補助対象事業を実施する中小企業者であり、以下のいずれにも該当する者です。
対象者 | 内容 |
|---|---|
県内中小企業者 | 県内に補助事業を実施する工場・施設等を有する中小企業者 |
県内に拠点を有する事業者 | 県内に本社または事業所を有する中小企業者 |
影響を受けている事業者 | 米国関税政策、中東情勢、日産自動車追浜工場の生産縮小等による影響を受け、地域経済牽引事業計画に影響が生じている県内中小企業者 |
企業グループ | 県内に本社または事業所を有する複数の企業で構成されるグループ |
企業グループで申請する場合は、補助対象事業の実施主体となる企業を明確にする必要があります。
本補助金では、基本計画に基づく「地域経済牽引事業」として承認を受け、事業計画期間中である事業、または交付決定の日までに新たに承認を受ける見込みである事業が対象です。
地域経済牽引事業計画の承認を受けることができない場合は、補助対象者となりません。申請を検討する場合は、補助金申請とあわせて、地域経済牽引事業計画の承認状況や承認見込みを確認しておく必要があります。
本補助金の主な要件は以下のとおりです。
要件 | 内容 |
|---|---|
新たな事業・分野への展開 | 補助対象となる投資により、中小企業者が新たな事業に取り組むこと |
地域経済牽引事業計画 | 地域経済牽引事業として承認済み、または交付決定日までに承認見込みであること |
外部環境変化の影響 | 米国関税政策、中東情勢、日産自動車追浜工場の生産縮小等により、地域経済牽引事業計画に影響が生じていること |
県内拠点 | 県内に本社または事業所を有すること |
県内での施設・設備投資 | 県内に補助事業を実施する工場・施設等を有すること |
交付決定後の着手 | 交付決定後に事業に着手すること |
重複補助不可 | 同一の補助対象事業について、国、県、市町村その他の団体から補助金等の交付を受けていないこと |
事業実施主体 | 事業の実施主体が実質的に補助事業者であること |
特に、交付決定前に発注・購入・契約等を行った経費は対象外です。すでに着手済みの設備投資については、原則として補助対象にならないため注意が必要です。
また、事業の実施主体が実質的に申請者ではないと認められる場合は、補助金の交付対象外となります。外部委託やグループ申請を行う場合でも、申請者が補助事業の主体として実施することが必要です。
補助対象となるのは、本補助事業の趣旨に沿って、新たな事業や分野への展開に取り組むために施設等への投資を行う事業です。
具体的には、以下のいずれにも該当する必要があります。
項目 | 内容 |
|---|---|
新たな事業 | 補助対象となる投資により、中小企業者が行う新たな事業であること |
地域経済牽引事業 | 基本計画に基づく地域経済牽引事業として承認済み、または交付決定日までに承認見込みであること |
施設・設備投資 | 新たな事業や分野への展開に必要となる施設または設備の導入等を行うこと |
事業完了 | 令和9年2月26日までに事業を完了し、実績報告を行えること |
地域経済牽引事業計画に基づく投資であっても、新たな事業や分野への展開と関係が薄い投資や、補助事業期間内に完了できない投資は対象外となる可能性があります。
補助額は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
補助率 | 補助対象経費の3分の1以内 |
補助上限額 | 1,000万円 |
補助下限額 | 記載なし |
補助対象経費 | 地域経済牽引事業計画の遂行に必要な経費 |
補助上限額は1,000万円ですが、予算の範囲内での交付となるため、申請額どおりに交付決定されない場合があります。
補助対象となる経費は、地域経済牽引事業計画の遂行に必要な経費です。対象経費は「施設」と「設備」に分かれています。
経費区分 | 内容 |
|---|---|
施設 | 倉庫、生産設備、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業所、原材料置場、その他補助事業の実施に不可欠と認められる建物 |
設備 | 建物に付随する構造物、機械装置、器具・備品、システム・ソフトウェア |
上記の補助対象経費には、資材・工事費、設備の調達費、移転設置費が含まれます。
たとえば、新分野展開のために必要な製造設備、加工施設、検査設備、販売施設、システム・ソフトウェアなどが対象となる可能性があります。
以下のような経費は補助対象外です。
対象外経費 | 内容 |
|---|---|
交付決定前の経費 | 交付決定日前に発注、購入、契約等を実施したものに係る経費 |
家賃等 | 施設等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費、電話代等 |
金券購入費 | 商品券等の金券購入に要する経費 |
定期購読料等 | 雑誌定期購読料、新聞代 |
運営費 | 企業運営や施設運営に要する経費 |
飲食費 | 飲食に要する経費 |
土地関連費 | 土地の取得、整地、賃借、補償に要する経費 |
車両費 | 車両の購入、修理、車検に要する経費 |
税務・法務費用 | 税務申告、決算書作成のために税理士・公認会計士等に支払う費用、訴訟等のための弁護士費用 |
振込手数料 | 金融機関等への振込手数料 |
公租公課 | 税金等 |
支払利息等 | 借入金等の支払利息、遅延損害金 |
汎用機器 | 汎用性があり、目的外使用になり得るパソコン、プリンタ等の購入経費 |
中古品 | 中古品の購入に要する経費 |
その他 | 知事が不適当と認める経費 |
特に、交付決定前の発注・契約、土地取得、車両購入、汎用的なパソコン・プリンタ、中古品は対象外です。設備投資の内容を検討する際は、補助対象経費に該当するかを事前に確認しましょう。
令和8年度の申請受付は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
申請受付期限 | 令和8年11月30日まで |
受付方法 | 随時受付 |
受付終了条件 | 予算の上限に達した場合は受付終了 |
補助事業完了期限 | 令和9年2月26日まで |
実績報告期限 | 補助事業完了日から30日を経過した日、または令和9年2月26日のいずれか早い日まで |
申請は令和8年11月30日まで随時受け付けられます。ただし、交付決定後に事業へ着手し、令和9年2月26日までに事業を完了し、実績報告を行うことができるものに限られます。
申請書類は、神奈川県産業労働局産業部産業振興課技術開発グループ宛に、電子メールで提出します。
メールの件名は、以下の形式で記載します。
〖令和8年度神奈川県地域未来投資促進事業補助金〗(法人名)
メール本文には、法人名、担当者名、電話番号、メールアドレスを記載します。
最新の公募情報は以下リンクの公式ページよりご確認ください。
主な申請書類は以下のとおりです。
書類 | 内容 |
|---|---|
交付申請書 | 神奈川県地域未来投資促進事業補助金交付申請書 |
補助事業計画書 | 補助事業の内容、目的、実施内容等を記載 |
資金支出内訳表 | 補助対象経費や資金支出の内訳を記載 |
収支予算書 | 補助事業に係る収支計画を記載 |
役員等氏名一覧表 | 法人の役員等の情報を記載 |
見積書 | 申請する経費の見積書 |
県税の納税証明書 | 県税の未納がないことを証する納税証明書 |
企業グループで申請する場合は、企業ごとに資金支出内訳表、役員等氏名一覧表、県税の納税証明書を用意する必要があります。各種書類への押印は不要です。
本補助金の一般的な流れは以下のとおりです。
行程 | 内容 |
|---|---|
1. 地域経済牽引事業計画の確認 | 承認済み、または交付決定日までに承認見込みか確認 |
2. 申請準備 | 補助事業内容、対象経費、見積書、収支計画を整理 |
3. 交付申請 | 申請書類を電子メールで提出 |
4. 書面審査 | 申請書類と地域経済牽引事業計画の承認申請時書類に基づき審査 |
5. 結果通知 | 申請後2か月以内に交付の可否を通知 |
6. 交付決定 | 交付決定通知を受領 |
7. 補助事業着手 | 交付決定後に発注・契約・購入等を実施 |
8. 補助事業完了 | 納品、工事完了、支払いまで完了 |
9. 実績報告 | 完了後30日または令和9年2月26日のいずれか早い日までに提出 |
10. 実績審査・補助金額確定 | 実績報告書を県が確認 |
11. 補助金交付 | 令和9年3月頃に補助金交付 |
審査は、申請書類および地域経済牽引事業計画の承認申請時に提出された書類に基づき、書面審査で行われます。必要に応じて、追加資料の提出や説明を求められる場合があります。
本補助金では、地域経済牽引事業計画の承認が重要な要件です。
すでに承認を受けている場合は、事業計画期間中であることを確認しましょう。これから承認を受ける場合は、交付決定日までに承認を受ける見込みがあるかを早めに確認する必要があります。
地域経済牽引事業計画の承認を受けることができない場合は、補助対象者となりません。
交付決定の日より前に、発注、購入、契約等を実施した経費は補助対象外です。
採択や申請だけでは事業着手できません。交付決定通知を受けた後に、発注、契約、購入、工事着手等を行う必要があります。
補助対象事業について、国、県、市町村その他の団体から補助金等の交付を受けている場合、本補助金は交付されません。
同じ設備投資や施設整備について、他の補助金と重複していないか確認する必要があります。
事業の実施主体が実質的に申請者ではないと認められる場合は、補助金の交付対象外となります。
外部委託やグループ申請を行う場合でも、申請者自身が補助事業の主体として、事業計画、経費支出、施設・設備投資、実績報告を管理する必要があります。
公募要領では、申請書類には審査に必要な事項を可能な限り具体的に記載することとされています。
新たな事業や分野への展開の内容、外部環境変化による影響、地域経済牽引事業計画との関係、導入する施設・設備の必要性、期待される効果を整理して記載しましょう。
補助金は、実績報告書の審査と補助金額の確定後、令和9年3月頃に交付される予定です。
そのため、施設整備や設備導入に必要な資金は、いったん事業者側で立て替える必要があります。資金繰りを確認したうえで申請しましょう。
神奈川県地域未来投資促進事業補助金は、県内中小企業者が新たな事業や分野への展開に取り組むため、施設や設備を導入する際に活用できる補助制度です。
補助率は補助対象経費の3分の1以内、補助上限額は1,000万円です。対象経費には、倉庫、生産設備、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業所、原材料置場などの施設や、機械装置、器具・備品、システム・ソフトウェアなどの設備が含まれます。
一方で、対象となるには、地域経済牽引事業計画の承認を受けている、または交付決定日までに承認を受ける見込みがあることが必要です。また、米国関税政策、中東情勢、日産自動車追浜工場の生産縮小等による影響を受け、地域経済牽引事業計画に影響が生じている県内中小企業者が対象です。
申請受付は令和8年11月30日まで随時行われていますが、予算の上限に達した場合は受付終了となります。また、交付決定後に事業へ着手し、令和9年2月26日までに事業を完了して実績報告を行う必要があります。
申請を検討する場合は、地域経済牽引事業計画の承認状況、対象経費、見積書、事業スケジュール、資金繰り、他補助金との重複有無を早めに確認しましょう。
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