神奈川県では、国内外からの観光客の受入や、新たな観光需要に対応するための環境整備を支援する制度として、「神奈川県観光客受入環境整備費補助金」が実施されています。
本補助金は、神奈川県内の観光関連事業者が行う、多言語表記等の整備、デジタル技術を活用した観光需要の創出や業務効率化、ユニバーサルツーリズムへの対応、GREEN×EXPO 2027を見据えた観光需要への対応などに要する経費の一部を補助する制度です。
補助率は補助対象経費の2分の1、補助上限額は1事業者あたり100万円です。対象となる事業には、外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業と、新たな観光需要への体制整備事業があります。
令和8年度は、当初は令和8年8月31日17時までの受付でしたが、スポーツツーリズムを除く全事業について、令和8年10月30日17時まで受付期間が延長されています。一方、スポーツツーリズムをテーマとした観光需要に対応する事業は、予算額に達したため受付終了となっています。
また、令和8年10月6日時点で、スポーツツーリズムを除く全事業の申請合計額は予算額の98%に達しています。予算額に達し次第、申請期間内であっても受付終了となるため、申請を検討している場合は早めの準備が必要です。
本記事では、神奈川県観光客受入環境整備費補助金の概要、対象者、補助額、対象経費、申請方法、申請時の注意点をわかりやすく解説します。
神奈川県観光客受入環境整備費補助金は、国内外からの観光客の受入や、新たな観光需要に対応するための環境整備を支援する補助金です。
外国人観光客の受入環境整備や、観光DX、ユニバーサルツーリズム、サステナブルツーリズム、GREEN×EXPO 2027を見据えた観光需要への対応など、観光関連事業者の取組に活用できる可能性があります。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度 神奈川県観光客受入環境整備費補助金 |
実施主体 | 神奈川県 |
対象地域 | 神奈川県 |
対象者 | 神奈川県内の観光関連事業者、宿泊事業者等 |
主な対象事業 | 外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業、新たな観光需要への体制整備事業 |
補助率 | 補助対象経費の1/2 |
補助上限額 | 1事業者あたり100万円 |
申請受付期間 | 令和8年7月1日9時から令和8年10月30日17時まで |
受付状況 | スポーツツーリズムをテーマとした事業は受付終了。スポーツツーリズムを除く事業は受付中 |
申請方法 | e-kanagawa電子申請 |
補助事業実施期間 | 交付決定日から令和9年1月31日まで |
実績報告期限 | 事業完了後20日以内 |
受付終了条件 | 予算額に達した場合は、申請期間内でも受付終了 |
補助上限額100万円は、1事業者あたり全項目の合計額です。補助対象経費に補助率を乗じた額に千円未満の端数がある場合は、その端数金額を切り捨てます。
令和8年10月6日時点では、スポーツツーリズムを除く全事業の申請合計額が予算額の98%に達しています。予算額に達し次第、申請期間内であっても受付終了となります。
最新の公募情報は以下リンクの公式ページよりご確認ください。
本補助金の対象となるのは、神奈川県内で観光関連施設や宿泊施設等を設置・管理・運営する事業者です。
対象者 | 内容 |
|---|---|
観光案内所・観光施設等を設置または管理する者 | 神奈川県内に観光案内所、観光施設等を設置し、または管理する事業者 |
観光地の店舗・事業所等を運営する者 | 神奈川県内の観光地で店舗・事業所等を運営する事業者 |
宿泊事業者 | 神奈川県内の宿泊施設で旅館業を営む者、または住宅宿泊事業を営む者 |
観光施設等の例としては、神社・寺院・教会、城跡・城郭・宮殿、庭園・公園、動植物園・水族館、博物館・美術館、テーマ公園・テーマ施設、道の駅、みなとオアシス、観光案内所、観光拠点情報・交流施設などが挙げられています。
宿泊事業者については、旅館業法に基づく許可を受け、神奈川県内の宿泊施設で旅館業を営む者、または住宅宿泊事業法に基づく届出をして住宅宿泊事業を営む者が対象です。ただし、店舗型性風俗特殊営業を営む者は対象外です。
申請は、1事業者、つまり法人または個人事業主ごとに行います。県内で複数の施設を運営している場合は、1回の申請に複数の施設をまとめて申請します。
神奈川県内に旅行者の利用が見込まれる施設等を有していない場合、たとえばウェブサイト上のみで事業を行っている場合などは対象外です。また、国または地方公共団体からの申請も対象外です。
創業から間もない事業者は、申請時までに申請する店舗・事業所等の運営が確認できる必要があります。これから開業する場合や、既存施設を観光客向けに開放する場合には、観光客の受入れに向けた事業計画等の提出を求められる場合があります。
本補助金の主な要件は以下のとおりです。
要件 | 内容 |
|---|---|
募集要領に沿う事業 | 令和8年度の募集要領に沿った事業であること |
対象事業との関連 | 外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業、または新たな観光需要への体制整備に資する事業であること |
県内施設で実施 | 補助対象となる事業を神奈川県内の施設で実施すること |
申請者の費用負担 | 申請者の費用負担で実施する事業であること |
交付決定後の着手 | 交付決定日以降に着手し、令和9年1月31日までに完了すること |
重複補助不可 | 国・地方公共団体が補助する他の制度と重複する事業でないこと |
公序良俗 | 公序良俗に反する事業でないこと |
不適切な使途の除外 | 公的資金の使途として社会通念上、不適切と判断される事業でないこと |
暴力団排除 | 神奈川県暴力団排除条例に該当しないこと |
国や地方公共団体の補助金の交付を過年度に受けたことがある、現在受けている、または今後受ける予定の事業は対象外です。観光庁、市町村、その他自治体等の補助金を活用している場合は、同じ事業や同じ経費が重複していないか確認しましょう。
また、指定管理業務の範囲内の事業も申請できません。
本補助金の対象事業は、大きく以下の2つです。
事業区分 | 主な内容 |
|---|---|
外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業 | 多言語対応、観光案内整備、公衆無線LAN、マナー啓発、手荷物預かり、トイレ整備など |
新たな観光需要への体制整備事業 | 観光DX、サステナブルツーリズム、ユニバーサルツーリズム、災害時対応、GREEN×EXPO 2027関連の観光需要対応など |
令和8年度は、新たな対象として、外国人対応整備事業に「監視カメラ、ロッカー・クローク等の手荷物預かり設備の設置に係る費用」が追加されています。また、GREEN×EXPO 2027を見据えた観光需要に対応する事業も新設されています。
補助額は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
補助率 | 補助対象経費の1/2 |
補助上限額 | 1事業者あたり100万円 |
補助下限額 | 記載なし |
端数処理 | 千円未満切り捨て |
交付方式 | 実績報告後、適正に実施されたことを確認したうえで支払い |
補助上限額100万円は、1事業者あたり全項目の合計額です。複数の施設や複数の取組を申請する場合でも、1事業者あたりの上限は100万円となります。
外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業では、外国人対応整備事業とトイレ整備事業が対象となります。
区分 | 主な補助対象経費 |
|---|---|
外国人対応整備事業 | 観光案内板、デジタルサイネージ、ピクトグラム案内板等の作成・設置 |
外国人対応整備事業 | 観光マップ、観光ガイドブック、観光パンフレット等の作成 |
外国人対応整備事業 | 観光アプリ、観光ウェブサイトの作成・リニューアル |
外国人対応整備事業 | 多言語案内・翻訳用タブレット端末、システム機器の購入 |
外国人対応整備事業 | 音声案内ツールの整備 |
外国人対応整備事業 | 公衆無線LAN機器購入、公衆無線LANネットワーク回線の設置 |
外国人対応整備事業 | マナー啓発、日本と外国の生活文化の違いの案内等の作成 |
外国人対応整備事業 | 監視カメラ、ロッカー・クローク等の手荷物預かり設備の設置 |
外国人対応整備事業 | 多様な食習慣を持つ外国人観光客に対応したメニュー開発等 |
トイレ整備事業 | 和式トイレの洋式化 |
トイレ整備事業 | 温水洗浄便座の新設 |
和式トイレの洋式化は対象となりますが、内外装のリフォーム等に係る費用は対象外とされています。
新たな観光需要への体制整備事業では、観光DX、サステナブルツーリズム、ユニバーサルツーリズム、災害時対応、GREEN×EXPO 2027を見据えた観光需要対応などが対象となります。
区分 | 主な補助対象経費 |
|---|---|
マイクロツーリズム、アドベンチャーツーリズム、高付加価値化対応 | コンテンツ開発、モデルコース・ツアー造成、アプリ・ウェブサイト作成 |
スポーツツーリズム | サイクルラック、工具、貸出用自転車、ヘルメット、サイクリスト向け物品購入、コンテンツ開発等 |
観光DX | 非接触型チェックイン・チェックアウトシステム、電子宿泊台帳、非対面決済端末、セルフレジ |
観光DX | 情報共有用電子機器、省人化・省力化のための専門家助言、システム開発、ビッグデータ活用、デジタルマーケティング |
サステナブルツーリズム | コンテンツ開発、モデルコース・ツアー造成、アプリ・ウェブサイト作成 |
ユニバーサルツーリズム | コンテンツ開発、モデルコース・ツアー造成、スロープ板、手すり、点字・音声案内、車椅子使用者用トイレ等 |
災害時対応整備 | 非常用電源装置、非常用電源装置の整備に附随する機器購入 |
GREEN×EXPO 2027対応 | コンテンツ開発、モデルコース・ツアー造成、アプリ・ウェブサイト作成 |
ただし、スポーツツーリズムをテーマとした観光需要に対応する事業は、予算額に達したため受付終了となっています。
補助対象となる経費は、以下の要件を満たす必要があります。
要件 | 内容 |
|---|---|
必要性 | 補助対象事業の遂行に必要なものとして明確に特定できる経費 |
期間内実施・支払い | 交付決定日から令和9年1月31日までに事業を実施し、支払いが完了した経費 |
証拠書類 | 経費支出の証拠書類によって支払金額が確認できる経費 |
内容の明確性 | 品目が具体的で、数量等が明確になっている経費 |
消費税等除外 | 消費税等の公租公課を除いた経費 |
利益排除 | 補助事業者自身、グループ企業、関係会社の商品等を調達する場合は利益を除外した経費 |
補助対象経費は、事業実施期間中に事業を実施し、かつ期間中に支払いが完了した経費に限られます。
以下のような経費・事業は補助対象外となります。
対象外となる主な例 | 内容 |
|---|---|
交付決定前に着手した経費 | 交付決定前に発注・契約・登録・申込等を行った経費 |
期限後に完了した経費 | 令和9年2月1日以降に納品・工事完了等または支払いを行った経費 |
他補助金との重複 | 国・地方公共団体が補助する他制度と重複する事業に係る経費 |
指定管理業務の範囲内の事業 | 指定管理業務の範囲内とされる事業 |
公序良俗に反する事業 | 公序良俗に反する事業 |
社会通念上不適切な事業 | 公的資金の使途として社会通念上不適切な事業 |
県内施設で実施しない事業 | 神奈川県内の施設で実施しない事業 |
証拠書類が確認できない経費 | 支払金額や内容を証明できない経費 |
消費税等 | 消費税等の公租公課 |
交付決定前の着手や、令和9年1月31日までに納品・工事完了等および支払いが完了しない経費は補助対象外です。
令和8年度の申請受付期間は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
当初申請期間 | 令和8年7月1日9時から令和8年8月31日17時まで |
延長後の申請期間 | 令和8年10月30日17時まで |
延長対象 | スポーツツーリズムを除く全事業 |
受付終了済み | スポーツツーリズムをテーマとした観光需要に対応する事業 |
受付方式 | 先着順 |
交付決定までの目安 | 受付から約1か月程度 |
事業完了期限 | 令和9年1月31日まで |
実績報告期限 | 事業完了後20日以内 |
スポーツツーリズムを除く全事業については、令和8年10月30日17時まで申請期間が延長されています。ただし、受付は先着順で、申請合計額が予算額に達した場合は、受付期間中でも受付終了となります。
申請は、e-kanagawa電子申請から行います。郵送や持参による申請は受け付けられません。
e-kanagawa電子申請に入力すると、申請書等が自動的に作成されます。提出後に変更が生じないよう、申請前に内容を十分確認しておく必要があります。提出後に経費の追加や削除を行う場合は、申請書の差し替えとなり、差し替え書類が整った段階から審査が開始されます。
最新の公募情報は以下リンクの公式ページよりご確認ください。
公式:令和8年度神奈川県観光客受入環境整備費補助金について
主な交付申請書類は以下のとおりです。
書類 | 内容 |
|---|---|
交付申請書 | 神奈川県観光客受入環境整備費補助金交付申請書 |
役員等氏名一覧表 | 役員等の情報を記載する書類 |
補助事業計画書兼収支内訳書 | 事業内容、対象経費、収支内訳等を記載 |
誓約書 | 電子申請画面で入力 |
補助金振込先指定届 | 補助金の振込先口座を指定 |
チェックリスト | 電子申請画面で入力 |
見積書等 | 申請する経費の見積書等の写し |
工事前写真・改修前資料 | 工事やウェブサイト改修等を行う場合に必要 |
履歴事項全部証明書等 | 法人・個人事業主の実態確認書類 |
通帳の写し | 県から補助金の支払いを受ける金融機関の通帳 |
他補助金申請に係る書類 | 他補助金を申請している場合等に必要 |
運営・事業計画書等 | 事業実態を確認する書類 |
実績報告時には、実績報告書、補助事業報告書兼収支内訳書、経費支出の証拠書類、事業実施の証明書類、必要に応じて通帳の写し等を提出します。
本補助金の一般的な流れは以下のとおりです。
行程 | 内容 |
|---|---|
1. 対象事業の確認 | 事業区分、対象経費、補助要件を確認 |
2. 見積書等の準備 | 対象経費の見積書、仕様書、現況写真等を準備 |
3. 交付申請 | e-kanagawa電子申請で申請 |
4. 審査 | 県が申請内容を確認・審査 |
5. 交付決定 | 交付決定通知書を受領 |
6. 事業着手 | 交付決定後に発注・契約・登録・申込等を実施 |
7. 事業実施 | 納品、工事、支払いまで完了 |
8. 実績報告 | 事業完了後20日以内にe-kanagawa電子申請で提出 |
9. 実績審査 | 県が実績報告書類を確認 |
10. 補助金額確定 | 適正に実施されたことを確認後、額を確定 |
11. 補助金交付 | 指定口座へ補助金を振込み |
県から交付決定通知書が届いた後に、補助対象事業に着手し、事業完了後に所定の実績報告書類を提出します。最終的に、実績報告書類の審査により、適正に補助事業が行われたことを確認できた場合のみ、補助金が支払われます。
スポーツツーリズムをテーマとした観光需要に対応する事業は、予算額に達したため受付終了となっています。
一方で、スポーツツーリズムを除く全事業については、令和8年10月30日17時まで申請期間が延長されています。ただし、令和8年10月6日時点で予算額の98%に達しているため、申請期間内でも受付終了となる可能性があります。
交付決定日より前に、発注、契約、登録、申込等を行った経費は補助対象外です。
申請しただけでは事業に着手できません。補助金を活用する場合は、交付決定通知書を受け取ってから、発注・契約・購入・工事着手等を行う必要があります。
補助対象となるのは、交付決定日以降に着手し、令和9年1月31日までに納品・工事完了等および支払いが完了した事業です。
令和9年2月1日以降に納品・工事完了等または支払いを行ったものや、納品・工事完了等または支払いが未完了である経費は対象外となります。
補助事業が完了した場合は、速やかにe-kanagawa電子申請で実績報告書類を提出する必要があります。
提出期限は、事業完了後20日以内です。令和9年1月31日までに事業が完了しなかった場合や、事業完了後20日以内に実績報告を提出できなかった場合には、交付決定が取り消されることがあります。
国や地方公共団体の補助金の交付を過年度に受けたことがある、現在受けている、または今後受ける予定の事業は対象外です。
観光庁、市町村、その他自治体等の補助金を活用している場合は、同じ事業や同じ経費が重複していないか確認しましょう。
交付決定後に、事業内容や補助対象経費の内訳を変更する場合は、事前に変更申請を行い、県の承認を受ける必要があります。
特に、補助対象経費合計や内訳金額に20%を超える変更がある場合、または事業内容を変更する場合は、変更承認申請や変更交付申請が必要です。補助申請額を増額することはできません。
補助金により購入したもののうち、単価50万円(税抜)以上のものや、不動産の従物に該当するものは、処分制限財産に該当します。
処分制限財産は、補助事業終了後も一定期間、補助事業目的以外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等が制限されます。不動産およびその従属物は10年、それ以外のものは原則5年の処分制限期間があります。
補助事業に関係する書類は、一般の書類と区分し、いつでも閲覧できるようにしておく必要があります。
交付申請書、交付決定通知書、発注書、請求書、支払証憑などの関係書類は、令和19年3月31日まで10年間保存しなければなりません。
神奈川県観光客受入環境整備費補助金は、神奈川県内の観光関連事業者が、国内外からの観光客の受入環境整備や新たな観光需要への対応を行う際に活用できる補助制度です。
補助率は補助対象経費の2分の1、補助上限額は1事業者あたり100万円です。対象となる事業には、外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業と、新たな観光需要への体制整備事業があります。
対象経費には、多言語観光案内板、デジタルサイネージ、観光マップ、観光アプリ、観光ウェブサイト、翻訳用タブレット端末、公衆無線LAN、手荷物預かり設備、トイレ整備、観光DX、ユニバーサルツーリズム対応、非常用電源装置、GREEN×EXPO 2027を見据えたコンテンツ開発などが含まれます。
令和8年度は、スポーツツーリズムを除く全事業について令和8年10月30日17時まで受付期間が延長されています。ただし、スポーツツーリズム関連は予算額に達したため受付終了済みです。また、令和8年10月6日時点で、スポーツツーリズムを除く全事業の申請合計額は予算額の98%に達しています。
申請を検討する場合は、対象事業・対象経費に該当するか、交付決定後に着手できるか、令和9年1月31日までに納品・工事完了等と支払いを完了できるか、他補助金と重複していないかを早めに確認しましょう。
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