飲食店や外食事業者が活用しやすい補助金をまとめています。省人化設備、予約・会計システム、販路開拓、新サービス開発、インバウンド対応など、目的別に制度を比較できます。対象者、補助上限額、申請期限、注意点を確認し、自店舗の経営課題に合う制度を探してみてください。
人手不足に悩む飲食店を含む中小企業・小規模事業者などが、現場に合わせた省力化設備やシステムを導入する際に検討できる補助金です。IoT(機器をインターネットにつなぐ技術)やロボットなどを活用し、売上拡大、生産性向上、付加価値向上と賃上げにつなげる取組を支援します。既製品に限らず、オーダーメイド性のある設備・システムを組み合わせられる点が特徴です。
主な条件は次のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
補助上限額 | 従業員5人以下750万円、6~20人1,500万円、21~50人3,000万円、51~100人5,000万円、101人以上8,000万円 |
特例適用時の上限 | 最大1億円。従業員数により異なる |
補助率 | 中小企業1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者2/3 |
補助率の特例 | 中小企業は最低賃金引上げ特例により2/3 |
対象経費 | システム構築費、設備費、器具備品費、機械装置費 |
第8回 | 2026年9月18日公募開始、10月16日17時受付終了 |
飲食店では、個別の店舗運営に合わせた機器とソフトウェアを一体的に導入する計画が候補になります。ただし、具体的な設備が対象になるかは公募要領で確認してください。
申請にはGビズIDプライムが必要です。また、応募申請・交付申請中の事業者や、交付決定後に事務局からの補助金支払いが完了していない事業者は申請できません。第8回は終了しているため、次回以降を検討する場合は最新回のスケジュールを確認しましょう。計画では、設備導入そのものではなく、人手不足をどの工程で解消し、生産性や付加価値、賃上げへどう結び付けるかを具体化することが重要です。
参考記事:中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?カタログ注文型との違いや活用例・申請手順も解説
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業や小規模事業者、個人事業主などが、業務効率化や生産性向上を目的としてITツールを導入する際の費用を支援する制度です。
飲食店では、予約管理システムやPOSレジ、会計ソフト、受発注システム、在庫管理システム、顧客管理ツールなどの導入が活用例として挙げられます。AI機能を備えたツールも対象となる場合があり、店舗運営の効率化や業務負担の軽減に役立ちます。
主な申請枠は以下のとおりです。
通常枠
インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス枠(電子取引類型)
セキュリティ対策推進枠
複数者連携デジタル化・AI導入枠
制度の概要は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象者 | 中小企業・小規模事業者など(個人事業主を含む) |
補助上限額 | 申請枠によって異なる。通常枠は最大450万円 |
補助率 | 申請枠や事業者の規模・要件によって異なる |
対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウドサービス利用料、導入関連費、保守・サポート費用など。申請枠によってはハードウェア費も対象 |
申請方法 | IT導入支援事業者と連携し、申請マイページから手続き |
補助対象となるのは、原則として事務局に登録されたITツールです。導入したい製品があっても、登録されていなければ補助対象にならない場合があります。また、申請枠によって対象経費や補助率、補助上限額が異なるため、事前に公式サイトで確認しましょう。
申請にはGビズIDプライムの取得やSECURITY ACTIONの宣言など、事前準備が必要です。原則としてIT導入支援事業者と連携して申請するため、導入したいシステムや店舗の課題を整理したうえで、支援事業者に相談しましょう。
参考:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは?補助額や申請方法、スケジュール、注意点などを解説
中小企業などによる生産性向上と賃上げを目的に、革新的な新製品・新サービスの開発、自社にとって新しい市場への進出、海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化を支援する補助金です。飲食事業者も、単なる設備更新ではなく、新たな価値を提供するサービスや新しい顧客市場への進出を伴う計画で活用を検討できます。
3つの申請枠の概要は次のとおりです。
申請枠 | 補助率 | 補助上限額 | 主な対象経費 |
|---|---|---|---|
革新的新製品・サービス枠 | 中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3。特例あり | 最大2,500万円、賃上げ特例で最大3,500万円 | 機械装置・システム構築費、原材料費、外注費、広告宣伝費など |
新事業進出枠 | 1/2、特例で2/3 | 最大7,000万円、賃上げ特例で最大9,000万円 | 機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、クラウド利用費など |
グローバル枠 | 2/3 | 最大7,000万円、賃上げ特例で最大9,000万円 | 上記に加え、海外旅費、通訳・翻訳費など |
上限額は従業員数と特例の適用状況によって変わります。また、枠ごとに必須となる経費区分や補助下限額があるため、詳細は公募要領で確認してください。
補助事業終了後3~5年の計画では、付加価値の年平均成長率4.0%以上、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くする要件があります。未達の場合は返還が生じることがあります。既存設備の更新だけではなく、顧客に提供する新たな価値、市場の新規性、売上・賃金への波及を具体的に説明することが重要です。
参考資料:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?対象者・補助額・対象経費をわかりやすく解説
小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>は、小規模事業者が申請を検討できる全国制度です。飲食店が対象となるかどうかは、従業員数を含む小規模事業者の定義や各回の要件によって判断されます。対象となる取組、対象経費、申請者要件の詳細は、第20回公募要領で確認してください。
公式サイトで確認できる第20回の日程は次のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
補助上限額 | 公募要領で確認 |
補助率 | 公募要領で確認 |
対象経費 | 公募要領で確認 |
申請受付開始 | 2026年11月5日 |
事業支援計画書の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
申請受付締切 | 2026年12月15日17時 |
申請方法 | 電子申請。郵送申請は不可 |
補助上限額や補助率は、通常枠の基本条件に加え、適用する特例などで変わる可能性があります。本ページに提示された一次情報では数値を確定できないため、最新の公募要領を参照してください。
申請では、締切日より前に事業支援計画書の発行を依頼する必要があります。申請締切と発行受付締切が異なる点に注意し、直前ではなく早めに準備しましょう。採択審査があるため、申請すれば必ず補助される制度ではありません。経営上の課題、実施する取組、期待する効果、必要経費の関係を一貫させ、見積書などの準備条件も公募要領と申請システム操作手引きで確認してください。予定は変更される場合があるため、申請直前にも公式サイトの最新情報を確認することが重要です。
参考記事:小規模事業者持続化補助金とは?対象者や補助額、申請方法、スケジュールを解説
東京都内の飲食店を含む観光関連事業者が、訪都外国人旅行者の利便性や快適性を高める新たな取組に利用できる補助金です。都内の飲食店は中小企業者であることが条件です。多言語メニューや利用案内、外国人向けグルメサイトへの掲載、従業員研修、公衆無線LAN、キャッシュレス機器、手荷物預かり設備、多機能トイレ、防災マップ、防犯カメラなどが支援例として示されています。
主な条件は次のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
補助率 | 補助対象経費の1/2以内、多言語対応は2/3以内 |
飲食店の補助上限額 | 1店舗当たり300万円 |
団体・グループの上限額 | 1団体・グループ当たり1,000万円 |
防犯カメラ | 1施設当たり上限90万円、最大15カ所 |
対象経費 | 通訳・翻訳費、人件費、研修費、広告宣伝費、システム構築費、工事費、設備・器具備品費など |
募集期間 | 2026年4月1日~2027年3月31日 |
申請方法 | 簡易書留による郵送、またはJグランツ |
飲食店単独での上限は300万円であり、1,000万円は中小企業団体などや観光関連事業者グループに適用されます。具体的な経費区分と対象可否は申請の手引きで確認してください。
対象となるのは交付決定後に開始する事業です。事前に購入・設置したものは対象になりません。また、代行申請は認められておらず、発注予定先が申請書作成や相見積書の取得まで代行した場合も交付対象外です。Jグランツを利用する場合はGビズIDプライムを早めに取得しましょう。募集期間内でも予算額に達した時点で受付を終了するため、複数のサービスを価格比較し、必要書類と見積書をそろえて早めに申請することが大切です。
参考記事:インバウンド対応力強化支援事業補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請時の注意点を解説
飲食店も、各制度の対象者要件を満たせば申請できます。ただし、業種だけで自動的に対象となるわけではありません。
資本金や常時使用する従業員数を確認する
本店・店舗所在地などの地域要件を確認する
導入設備や取組が補助目的に合うか確認する
法人だけでなく個人経営の飲食店が対象になる制度もあります。最終的な対象可否は、申請する公募回の公募要領で判断してください。
個人事業主も対象に含む制度があります。例えば、デジタル化・AI導入補助金は中小企業・小規模事業者等に個人事業主を含む制度として案内されています。
開業状況や事業実態を証明できるようにする
確定申告書など指定書類を準備する
従業員数や所在地の条件を確認する
制度によって対象者の定義は異なります。法人向けと決めつけず、公募要領の「補助対象者」と必要書類を確認しましょう。
異なる事業や経費であれば併用できる場合がありますが、同一の経費に対する補助金の重複受給は原則として避ける必要があります。
同じ設備代を複数制度へ計上しない
事業期間や対象経費を明確に分ける
各制度の重複申請・受給制限を確認する
申請中の制度があると申請できない補助金もあります。判断が難しい場合は、各事務局へ事前に確認してください。
原則として、契約・発注・購入をする前に申請し、交付決定を受ける必要があります。交付決定前に支払った費用は対象外になることがあります。
公募開始前から事業計画と見積書を準備する
GビズIDが必要な制度は早めに取得する
支援機関の書類発行期限も確認する
受付期間内でも予算到達により終了する制度があります。公式サイトを確認し、余裕を持って申請しましょう。
一般的には、申請書、事業計画書、見積書、決算・確定申告関係書類、事業実態を確認する書類などが必要です。
法人は履歴事項全部証明書や決算書類
個人事業主は確定申告書など
導入品の仕様書、見積書、経費明細
賃上げ要件に関する賃金台帳など
必要書類は制度と申請枠で異なります。古い様式を流用せず、最新回の公募要領と申請様式を使用してください。
採択率は制度、公募回、申請枠によって変動するため、一律には示せません。募集件数が多い場合でも、申請内容の完成度や審査基準との適合性が重要です。
公式の採択結果や交付決定件数を確認する
審査項目に沿って事業計画を作成する
売上や省力化効果を根拠とともに示す
採択率だけで制度を選ばず、自店舗の課題と補助目的が一致する制度を優先しましょう。
次回公募があり、申請制限に該当しなければ再申請できる場合があります。不採択は事業そのものを否定するものではありません。
審査項目と事業計画のずれを見直す
市場性や費用対効果の根拠を補強する
見積内容と実施スケジュールを精査する
次回公募の制度変更を確認する
再申請の可否や過去申請の扱いは制度ごとに異なるため、最新の公募要領を確認してください。
飲食店が活用できる補助金は、省力化・IT導入、新商品や新市場への進出、販路開拓、インバウンド対応など、目的によって適した制度が異なります。補助上限額だけで選ばず、対象者、補助率、必須要件、交付決定前の発注制限、事業終了後の賃上げ要件まで確認しましょう。
まずは導入したい設備ではなく、自店舗が解決したい課題と期待する効果を整理してください。そのうえで最新の公募要領を読み、判断が難しい場合は事務局や専門家へ相談しましょう。候補を絞り込む際は、補助金コネクトのAI診断も活用できます。

