小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路拡大や生産性向上の支援を目的とした補助金制度です。
令和6年能登半島地震の被災者向けの<災害支援枠>と区別するため、小規模事業者持続化補助金<一般型>と表現されることもあります。
この制度は、事業者が自社の経営を見直し、経営計画を立てながらビジネスを進められるように設計されています。
具体的には、以下のような取り組みを行っている、または計画している事業者が補助の対象となります。
販路獲得のための新規市場への参入
新規顧客獲得に向けた商品開発、改良
事業発展のための業務効率化
小規模事業者持続化補助金の対象者は、法人、個人事業、特定非営利活動法人であり、かつ以下の従業員数の要件を満たす必要があります。
業種 | 常時使用する従業員数 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
他にも、小規模事業者であることの確認のため、以下の要件も満たす必要があります。
資本金、出資金が5億円以上の法人に100%株式を保有されていない(法人のみ)
確定済み(申告済み)直近3年分、もしくは事業年度分の課税所得が年平均額15億円未満
要件を満たせば株式会社や合同会社だけでなく、個人事業主も対象となります。
なお、過去に小規模事業者持続化補助金に申請し採択された事業者でも、再申請が可能である場合があります。詳しくはお問合せください。
小規模事業者持続化補助金の補助率は2/3となります。補助額は上限50万円に加え、2つの特例が準備されています。特例の併用も可能です。
特例枠 | 概要 | 上乗せ額 |
---|---|---|
インボイス特例 | 免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者 | 50万円 |
賃金引上げ特例 | 補助事業実施期間に事業場内最低賃金を申請時より+50円以上と した小規模事業者 | 150万円 ※赤字事業者の補助率は3/4に引き上げ |
それでは、それぞれの特例枠の概要と申請要件を解説します。
2021年9月30日~2023年9月30日の属する課税期間で、一度でも免税事業者であった事業者、及び2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録が確認できた事業者であることが適用要件です。
免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者に対して補助上限額 を一律50万円上乗せされます。 ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合、補助金は交付されません。
補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の事業場内最低賃金より+ 50円以上である事業者に対し、補助上限額に一律150万円を上乗せし、赤字事業者については補助率が3/4に引き上げされます。
インボイス特例同様、、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は補助金は交付されないため注意しましょう。
小規模事業者持続化補助金で補助対象となる経費は以下のとおりです。非常に幅広い経費が対象となります。
経費の種類 | 対象となる例 | 対象とならない例 |
---|---|---|
機械装置等費 | 生産販売拡大のための調理器具 特定業務用ソフトウェア(顧客管理ソフトなど) | 自転車 パソコン 事務用プリンタ |
広報費 | 広告外注費、発送費 看板作成費 新聞・雑誌への広告費 | 名刺 会社案内パンフレット 未使用のチラシ |
ウェブサイト関連費 | サイトや動画の作成費用 インターネット広告 | コンサルティング費 未公開動画 |
展示会等出展費(オンラインも含む) | 展示会出展の出展料 運搬費、翻訳料 | ガソリン代 駐車場代 飲食費を含んだ商談会費 |
旅費 | 展示会や新商品生産のため宿泊代 交通費(バス、電車、新幹線、航空機) | 日当 ガソリン代 タクシー代 セミナー参加の旅費 |
開発費 | 新製品の原材料費 新パッケージのデザイン費 | 使い切れなかった材料分 既存デザインの印刷費 |
資料購入費 | 書籍代(10万円未満) | 同じ図書の複数購入 |
雑役務費 | 臨時の雇用者のアルバイト代 派遣労働者の派遣料 | 社会保険適用の正規型の労働者の賃金 |
借料 | 機器や設備のリース、レンタル料 | 事務所家賃 |
設備処分費 | 既存事業の設備機器の解体、処分、修繕費用 | 消耗品の処分費用 自己所有物の修繕費 |
委託・外注費 | 店舗改装工事 インボイス制度の専門家相談費用 | 単なる店舗移転のための旧店舗の解体費用 |
ウェブサイト関連費は、補助金総額の1/4(最大50万円)が上限となり、ウェブサイト関連費のみでの申請はできませんので注意しましょう。
対象経費は非常にややこしいため、採択はされたが交付許可が下りなかったというケースも珍しくありません。必ず事務局に確認するか、専門家に相談するようにしましょう。
補助金は誰でも採択されるわけではありません。
申請時は「基礎審査」「計画審査」「加点審査」の3点を抑えて、採択率アップを狙いましょう。
基礎審査の審査観点は以下のとおりです。
必要資料をすべて提出しているか
要件などを満たしているか
事業遂行力はあるか
小規模事業者が主体的に活動し、技術やノウハウを活かせるか
基礎審査では、事業者がそもそも補助対象かどうか、公金を投入し支援するのに相応しいかどうかに着目して審査されます。
計画審査は、提出した経営計画書や事業計画書についての評価です。
この評価が高い順から採択されますので、計画書は必ず以下の観点を抑えて作成しておきましょう。
自社の経営状況を適切に把握しているか
自社の強みや特性を活かせているか、目標設定は適切か
事業が実現可能で有用性があり、小規模事業者ならではの事業か
費用の積算が明確かつ正確であるか
これら以外にも、事業計画の中にITを有効に活用しているなど細かい基準がありますので、事前に公募要領で確認しておきましょう。
加点審査では、政策的観点からの加点が行われます。該当するものについては事前に確認しておきましょう。主なものを以下に示します。
引用:小規模事業者持続化補助金 <一般型 通常枠> ガイドブック
小規模事業者持続化補助金の申請は以下の流れになります。
必要書類(応募時提出資料・様式集)の作成
経営計画書、補助事業計画書(様式2・3)の写し、希望枠や加点に関する書類を商工会議所の窓口へ提出
商工会議所発行の「事業支援計画書」(様式4)を受領
補助金事務局まで電子申請で提出
受付は電子申請のみとなりますので注意しましょう(申請URLはこちら)。
また、電子申請を行うためにははGビズIDプライムのアカウントが必要となります。取得に2週間程度かかりますので、お持ちでない方は今すぐ手続きを行うことをおすすめします。
参考:小規模事業者持続化補助金の申請代行は依頼できる?費用相場や注意点を解説
第17回公募のスケジュールは以下のとおりです。
項目 | 日程 |
---|---|
事業支援計画書交付の受付締切 | 2025年6月3日(火) |
申請受付締切日 | 2025年6月13日(金) |
事業実施期間 | 交付決定日から2026年7月31日(金) |
実績報告書提出期限 | 2026年8月10日(月) |
実際の申請を行う前に、所在地の商工会議所へ事前申請が必要です。非常にタイトなスケジュールになっているため、注意しましょう。
小規模事業者持続化補助金は、上手く活用すれば企業の事業を資金面で手助けしてくれる心強い補助金制度です。
対象経費が幅広いため、まとまった出費を予定されている方は、補助されるものがないか確認してみてください。
合否は事業計画によって決定されますので、申請資料の作成には商工会議所のサポートを受ける前提で進めて行くのがポイントです。
商工会議所によっては対応が遅かったりするので、時間のかかる計画書の作成は外部の専門家の手を借りるのもおすすめです。
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