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IT・Web系中小企業のための主要補助金と活用のポイント

補助金
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更新:2026/02/05

IT・Web系の中小企業にとって、事業資金の確保は持続的成長の要です。しかし、高度なITシステムの導入や新規サービス開発には多額の投資が必要となるため、なかなか手が回らない事業者も多いのではないでしょうか。そこで注目を集めているのが補助金制度です。

政府や自治体が実施するこれらの補助金は、IT・Webへの投資を検討する企業にとって有力な資金調達手段となります。

本記事では、IT・Web系事業者が活用できる主要な補助金制度の概要と要点、活用のコツや注意点をわかりやすく解説していきます。

最新の情報をもとにまとめましたので、これから補助金申請を行い、事業の効率化や拡大、競争力強化を図りたい方はぜひご覧ください。

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IT・Web系事業者が使える補助金

IT・Web系事業者は、サービスの開発や保守、クラウド環境の構築、人材確保など、さまざまな場面で継続的なコストが発生しやすい業種です。

特に、クラウドインフラの利用料や高度なIT人材の採用費、マーケティングツールの導入費用などは、事業成長に欠かせない一方で、大きな資金負担となりがちです。

こうした投資をすべて自己資金で賄うことは容易ではなく、資金繰りを圧迫してしまうケースも少なくありません。そこで有効な選択肢となるのが、国や自治体が提供する各種補助金・助成金制度です。

中小企業向けには、研究開発、設備投資、ICT化などを支援する多様な制度が用意されています。IT・Web系事業者はデジタル技術との親和性が高いため、これらの補助金を活用しやすい立場にあるといえます。

ここではでは、IT・Web業界の資金ニーズと補助金活用の背景について、詳しく見ていきます。

IT業界の資金ニーズと補助金活用の背景

IT・Web業界では、事業成長のために継続的な資金投下が必要となる点が大きな特徴です。開発初期のスタートアップではシステム開発やプロトタイプ作成に費用がかかり、既存事業者であってもクラウド環境の整備、セキュリティ対策、人材育成など、投資対象は多岐にわたります。

加えて技術革新のスピードが速く、最新技術への対応が遅れること自体が競争力低下につながるため、研究開発やテスト導入への支出も避けられません。

こうした背景から、IT・Web系事業者にとって補助金制度は重要な資金調達手段の一つとなっています。補助金は、民間資金だけでは踏み切りにくい新規開発や業務改革を後押しし、革新的なサービス創出を支援する目的で設けられています。

特にデジタル技術を活用する事業は政策との親和性が高く、国としてもDX推進やデジタル社会の実現に向け、IT関連分野への支援を強化しています。

また、インボイス制度の導入や会計・労務管理の高度化など、制度変更への対応が求められる局面では、補助金を活用してシステム整備を進める企業が増えています。

早期にデジタル化を進めることで、業務効率の向上だけでなく、取引先からの信頼性向上や新たな受注機会の創出といった経営上のメリットも期待できるでしょう。

主要補助金制度の一覧と特徴

下記一覧表では、IT・Web事業者向けによく利用されている国の補助金をピックアップしました。補助率や上限額、対象とする取り組み内容は各制度で大きく異なります。それぞれ自社の計画する投資内容や要件に合うものを慎重に選ぶ必要があります。

<IT・Web系事業者向け 主要補助金概要一覧>

補助金名称

主な対象経費

補助率

上限額

省力化投資補助金(一般型)

生産性向上を目的とした設備導入、IT化、RPA

1/2~2/3

750万円〜8,000万円(従業員規模などに応じ最大1億円)

デジタル化・AI導入補助金

各種ソフトウェア、クラウド導入、AIシステム等

1/2~4/5

450万円(導入規模により変動)

ものづくり補助金

新たな製品・サービス開発投資全般、試作品製作

1/2~2/3

750万円〜3,000万円(大幅な賃上げに取り組む事業者は補助額上乗せあり)

小規模事業者持続化補助金

販路開拓用の広告費やWeb制作費用、ITツール等

2/3(特例で3/4・4/5)

通常枠50万円、賃上げ・インボイス特例で最大200万円上乗せ

新事業進出補助金

新市場向け製品開発、事業拡大の設備・システム投資

1/2

750万円〜7,500万円(賃上げ特例で9,000万円)(

働き方改革推進支援助成金

テレワーク導入、勤務環境整備のシステム導入

3/4

1,000万円(コースによって変動)

業務改善助成金

生産性向上のためのIT導入費、研修費など

3/4~4/5

90~600万円(コースにより異なる)

一覧から分かるように、それぞれの補助金は対象となる経費や補助率が異なります。例えば「デジタル化・AI導入補助金」はITツール導入費用に特化し、複数年のクラウド利用料も補助対象となる枠が用意されています。

一方、販路開拓のためのWebマーケティング費用やECサイト構築費用を補助してくれる「小規模事業者持続化補助金」は、IT・Web系事業者でも幅広く使えるという特徴があります。

自社が計画するプロジェクトや投資内容を明確にし、申請時に要件を満たすことが重要です。次のセクションからは、各補助金の詳細を順番にご紹介していきます。

省力化投資補助金(一般型)

近年、通常の生産性向上や業務効率化のほか、DX推進に向けた大規模投資を行う企業が増えています。そうした企業を対象に、設備導入による省力化に加え、IT化や自動化の取り組みを支援する制度が「省力化投資補助金(一般型)」です。

中小企業庁が主体となって実施している事業が多く、対象範囲も幅広いのが特徴です。ソフトウェア導入、RPAロボット構築など、IT・Web系が得意とする自動処理や省力化プロダクトの開発にも適用される場合があります。

大きな特徴としては、企業が行う生産性向上プロジェクトに対して、設備費だけでなくIT関連経費への助成を含んでいる点です。

自社でAIやアルゴリズムを組んで試作し、それを他社向けに提供する体制を整備する際などにも活用できます。また、この補助金で省力化設備を入れた結果、一定の賃上げ要件を達成すると補助率が引き上げられるため、IT・Web企業にとっては新卒エンジニアの採用や既存エンジニアの給与改善などにもメリットが波及しやすいと言えるでしょう。

省力化投資補助金の概要と対象経費

本補助金における支援内容は、「設備の導入」や「業務プロセスの省力化」を図る取組みがメインとなります。単に機械を入れるだけでなく、ITツールを活用して工程管理や品質管理を高度化するプロジェクトも幅広く対象になるため、IT・Web系企業が自社利用するソフトウェアを構築するケースや、RPAの導入を含むバックオフィス業務の自動化なども適用対象になる場合があります。

ただし、これらが実際に補助の対象となるかは公募要領に定めがあるため、実際には事前確認が必要です。例えば、以下のような項目が対象経費として検討されます。

<省力化投資補助金の主な対象経費例>

対象経費

具体例

機械設備費・装置

3Dプリンタ、ロボットアーム、IoTセンサなど

ソフトウェア開発費

RPAシステム、クラウド型勤怠管理、AIアルゴリズムの実装等

専門家謝金・外注費

コンサルティング、エンジニアリングサービスなど

研修費用

システム操作研修、外部講師によるスキルアップ研修

その他資材費・ツール導入費

リモートワーク設備、ネットワークインフラ装備

これらの支援メニューからわかるとおり、単なるハードウェア購入だけでなく、IT導入や教育研修など幅広く経費をカバーできるのが本補助金の魅力です。企業が生産性を高め、労働時間を削減して収益力を高めるための取り組みを包括的に後押しする仕組みといえます。

中小企業省力化投資補助金に関しては以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

参考:中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?カタログ注文型との違いや活用例・申請手順も解説

IT・Web事業との相性と具体例

IT・Web系のスタートアップや既存事業会社の場合、例えば「クラウド技術を使ったサービス提供基盤を構築し、工数削減とサービス品質向上を図りたい」というシナリオが考えられます。このように、プロダクト開発の自動化ツール提供やAI解析システムの導入による省力化といった取り組みが該当し得ます。

具体的には、以下のような活用も想定されています。

  • RPA導入でブックキーピングや注文処理を自動化し、人的ミスや工数を削減

  • AIアルゴリズムを活用してユーザーサポートの自動応答システムを開発し、顧客満足度向上とコスト削減を同時に実現

  • クラウド型サービス管理ツールを導入し、社内外の業務管理を一元化することで効率化を目指す

省力化投資補助金(一般型)は幅広い経費を対象としているため、IT・Web企業にとって使い勝手のよい制度であるといえます。ただし、申請時には細かな要件を満たす必要があるため、早めに公募要領を確認し、申請書類をしっかり整えることが大切です。

デジタル化・AI導入補助金

旧「IT導入補助金」が改組される形で、より広範なAI・デジタル技術を含むITツール導入をサポートする補助金として登場したのが「デジタル化・AI導入補助金」です。

これは、ソフトウェアやクラウドソリューションを導入して業務効率化や生産性向上を実現する取り組みに対して、導入費用の一部を補助する制度です。IT・Web系の企業が自社サービスを導入する際や、クライアント向けにシステムを構築する際などにも利用できます。

この補助金が従来と大きく異なるのは、「インボイス枠」「電子取引類型」など新たな制度設計がおこなわれている点です。加えて、AIやクラウド導入を強力にサポートする枠組みが導入されました。

さらに「セキュリティ対策推進枠」や「複数者連携デジタル化・AI導入枠」など、多彩な枠が用意されており、それぞれの企業規模や導入内容に合わせて選択できるようになっています。

デジタル化・AI導入補助金の概要

本補助金の中核的な申請枠は下記のようにまとめられます。

<デジタル化・AI導入補助金 主な申請枠例>

申請枠名

概要

補助率

補助上限額

通常枠

業務効率化を目的としたITツールの導入全般(ソフト・クラウド)

1/2~2/3以内

5万円~450万円

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度対応の会計ソフト・受発注ソフト、PCハードウェア購入など

3/4~4/5

350万円

インボイス枠(電子取引類型)

電子取引システムのクラウド導入を商流単位で行う。中小企業・小規模事業者をはじめ大企業も含め複数社連携で申請可

1/2~2/3以内

350万円

セキュリティ対策推進枠

サイバーセキュリティ対策ソフト・サービス導入

1/2~2/3以内

5万円~150万円

複数者連携デジタル化・AI導入枠

連携する複数企業が共同でDX化を図る事業に補助。商店街などの地方案件も想定

1/2~4/5以内以内

3,000万円

これらの枠組みでは、基本的に「IT導入支援事業者」へ登録されたソフトウェアもしくはクラウドサービスを導入することが必須要件となります。申請フローとしては、IT導入支援事業者のサポートを受けながら補助金の事務局に申請するという段取りです。また、導入後には効果報告(生産性向上率など)の提出が求められるため、継続利用することが大前提となります。

さらに、インボイス制度によってレシート・請求書などで適格請求書の発行が必要となるケースが増えています。これを機に会計ソフトや受発注システムを見直す事業者も多く、補助率が優遇されたインボイス対応枠の人気が高い状況です。

デジタル化・AI導入補助金に関しては、以下の記事でより詳しく紹介しております。

参照:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは?補助額や申請方法、スケジュール、注意点などを解説

IT分野での活用事例とメリット

IT・Web系事業者が「デジタル化・AI導入補助金」を活用しやすいポイントとして、以下が挙げられます。

  1. ソフトウェア開発やクラウド導入の実費負担を軽減

  2. AI実装や受発注管理の電子化でDX推進を後押し

  3. インボイス対応レジやPOSシステム導入の補助

  4. セキュリティ投資も対象となり、情報漏洩リスクを低減

特にクラウド型ITツールやAIシステムの導入は、初期導入費用が大きくなりがちですが、本補助金を使えば実質的な自己負担を少なく抑えられます。

また導入後も、インボイス対応やセキュリティ強化で顧客・取引先の信頼性を高める効果が期待できるため、自社の成長と安定経営に寄与するメリットが大きいでしょう。

さらに加点項目として、賃上げの取り組みやセキュリティ対策に力を入れている事業者は審査面で優位になる可能性があります。

IT・Web業界では人材確保が特に重要ですので、賃金引き上げプランを明確に示しながら補助金を申請することで、採択率向上と社内環境整備の一石二鳥が狙えます。

ものづくり補助金

「ものづくり補助金」は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業が行う生産プロセスやサービスの改善・開発を支援する代表的な大型補助金です。従来は製造業や加工業などがイメージされがちでしたが、近年ではIT・Web系のサービス開発にも幅広く活用されています。

<ものづくり補助金の概要>

項目

内容

補助上限

750万円〜3,000万円(大幅な賃上げに取り組む事業者は補助額上乗せあり)

補助率

中小企業は1/2、小規模事業者は2/3

賃上げ要件

給与支給総額アップ、最低賃金+30円等を満たす必要

対象となる経費

設備費、技術導入費、システム導入費など幅広い

採択の着眼点

革新的な試みか、地域経済への波及効果があるか等

大きな予算が組まれるため競争倍率が高くなる傾向もあり、採択を得るには事業計画の完成度が重要です。ものづくり補助金については以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

参照:ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説

ものづくり補助金の概要

ものづくり補助金は、中小企業が「革新的な製品・サービス開発」や「生産工程の改善」を行うプロジェクトに対し、設備投資やシステム導入費などを補助する制度です。おもに以下のような取り組みが対象になります。

  • 自社製品や新サービスの開発(ITソリューションの新機能拡充を含む)

  • プロトタイプ製作や試作用の機材調達

  • 業務工程の自動集約化による効率化

  • 先端技術(AI・IoT・クラウド等)を使った生産プロセスの最適化

IT・Web事業者の場合、例えばソフトウェアの新しいアーキテクチャを導入、またはクラウド基盤を刷新して大量アクセスに耐えうるシステムを構築する、AI解析サービスの開発などが該当しやすいと言えるでしょう。開発費やテスト運用費のほか、外注費やコンサルタント費用、デザイナー費なども幅広く対象となります。

この補助金を活用するためには、「革新性」や「生産性の向上」「賃上げの実施」など、いくつかのポイントを申請計画において明確に示す必要があります。

特にIT業界の場合、「新技術の投入でどのような社会的・産業的価値が生まれるのか」「事業としての収益拡大がどのように見込めるか」を具体的に提示して、審査員に納得してもらうことが大切です。

IT・Web系事業者が活用できる事例

ものづくり補助金は製造業に限らず、サービス業や小売、IT産業でも「ものづくり」の概念を広く捉えて活用できます。IT・Web事業者による具体的事例は次のとおりです。

  • ビッグデータ解析ツールの新機能開発:IaaS環境で大規模データを高速処理する仕組みを構築し、クラウド上で顧客企業へのサービス提供を試みる

  • AR/VR技術を活用したオンライン接客プラットフォームの開発:従来のECサイトと連動し、リアル店舗並の接客体験をオンラインで実装

  • AIを用いた翻訳エンジンの高度化:独自アルゴリズムを開発し、多言語の文章を自動解析する新サービスを生み出す

これらのプロジェクトの立ち上げにあたり、研究開発費やサーバ導入費、外注するUI/UXデザイン費などをまとめても補助対象となりうる可能性があります。

もちろん、全てが承認されるわけではなく、申請書には細かい仕様・開発予定・成果目標などを盛り込み、審査を通るための根拠づけが欠かせません。自社が狙うマーケットや事業拡大の見通しをしっかりと示して、採択率を上げる工夫をしましょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や事業の持続化を図る取り組みに要する費用の一部を補助する制度です。従業員5名以下または20名以下(業種による)で構成される小規模事業者が対象となり、IT・Web系のフリーランスや個人事業主にとっても有力な補助金です。

支給される補助金は一般的に上限50万円で、補助率は原則2/3(特定の要件を満たすと3/4)です。さらに、賃上げの実施や特定創業支援制度の活用など一定の条件を満たすと100万円以上へ上限が引き上げられる特別枠も用意されるなど、柔軟な運用が特徴です。

補助対象と上限額・補助率

小規模事業者持続化補助金は、「販路開拓(売上拡大)に資する取り組み」であれば幅広く対象となるほか、「業務効率化を通じて販路開拓を目指す取り組み」もカバーします。特にITツール導入による販路拡大や受注促進は最たる例とされており、次のような経費が認められる場合があります。

<小規模事業者持続化補助金で対象となる主な例>

補助対象となる経費

具体的な事例

Webサイト制作やEC構築費

自社ホームページリニューアル、ネットショップ構築、オンライン予約システム導入など

広告宣伝費

Web広告出稿費、SNS広告運用費、リスティング広告など

ITツール導入費

顧客管理システム(CRM)、在庫管理ソフト、会計ソフトなど

開発・デザイン外注費

アプリUI/UX改善、ロゴデザインや動画制作の外注など

資料作成・印刷・翻訳費

製品パンフの多言語化、オフラインPR用リーフレット制作

補助上限額は基本的に50万円ですが、「賃金引上げ特例」「インボイス特例」などの要件を満たすと最大200万円に引き上げられる場合があります。

小規模事業者持続化補助金に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

参考:小規模事業者持続化補助金とは?対象者や補助額、申請方法、スケジュールを解説

ITサービスの導入事例と注意点

小規模事業者持続化補助金は、デジタルマーケティングやEC運営に活用しやすいのが特徴です。特にIT・Web系フリーランスが新たにウェブ広告を展開したり、自社公式サイトをリニューアルして集客力を強化したりするための費用を一部補填できる点が魅力です。シンプルな広告費だけでなく、サイトやアプリの保守・開発を外注する場合なども該当する場合があります。

ただし、申請にあたっては「補助金適用後の売上増加見込み」や「事業継続性」の説明が不可欠です。

単にシステム導入費だけで終わるのではなく、それによって「新規受注が増える具体的根拠」や「取引先拡大の見通し」を申請計画に盛り込みましょう。さらに、重複補助の禁止など、ほかの補助金との併用条件にも留意が必要です。

新事業進出補助金

新事業進出補助金は、企業が新市場への進出や新商品・サービスの開発など、高度なチャレンジを行うために必要な投資を支援する制度です。

IT・Web系企業であれば、既存の事業領域から一歩踏み出して新分野に参入する際や、大幅な事業転換を図る場合に活用が期待できます。

例えば、ゲーム開発会社がVR教育分野に参入したり、Web制作会社が地方創生のためのオンラインコミュニティ事業を始めたりするなど、新しい市場を攻略するための試作的投資が対象となりやすいです。

新事業進出補助金に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

参考:中小企業新事業進出補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請スケジュールを解説

新事業進出補助金の概要

名称や詳細は年度や実施主体によって変わりますが、一般的な新事業進出補助金では、下記のような経費が対象となります。

<新事業進出補助金の対象経費例>

主な対象

具体的事例

新製品・新サービス開発

SaaS型プラットフォーム開発、AIを用いた新規アプリケーション開発など

市場調査費・PR費

マーケットリサーチ、展示会出展費、広告宣伝など

設備投資・システム構築

クラウド環境整備、サーバ増強、ネットワーク機器導入など

コンサルティング・外注費

戦略コンサル、専門家招聘、外部デザイン会社への委託など

IT・Web系企業の場合、デジタル技術を活かした新規サービスの立ち上げに充当できる点が魅力です。例えば、既存事業で培ったノウハウを活用し、まったく別の業種の顧客をターゲットにしたSaaSを開発するなどが該当します。

実施計画には、なぜこの新事業にチャンスがあるのか、その市場規模や自社の優位性を具体的に示す必要があるでしょう。

IT・Web事業に役立つポイント

新規分野への進出はリスクも高いですが、成功すれば大きなリターンが見込めます。特にIT分野のサービスはスケーラビリティが高いため、短期間でビジネスを拡大する可能性があります。

ただし、新規事業進出補助金の審査では「実現可能性」が重視される傾向が強いため、しっかりした資金計画、事業計画を作り込むことが鍵です。

事業計画書には「事業転換の理由」「目指すマーケットの分析」「具体的な収支見通し」を含め、行政担当者が確かに成長機会があると認めるだけの説得力を持たせましょう。

外部専門家を活用すると申請成功率が高まるので、必要に応じてコンサルタントなどにアドバイスを求めるのも選択肢です。

働き方改革推進支援助成金

IT技術を活用したリモートワークや柔軟な勤怠管理システムの導入は、中小企業における働き方改革を大きく前進させます。

こうした環境整備を進めるために支給されるのが「働き方改革推進支援助成金」です。厚生労働省所管の助成金であり、正社員の時間外労働削減やテレワークの導入、人材育成などの取り組みに要する費用の一部が助成対象になります。

助成金の仕組みと主要コース

働き方改革推進支援助成金にはいくつかのコースがあり、代表的なものとして以下が挙げられます。

<働き方改革推進支援助成金の主なコース>

コース名

支援内容例

上限額

労働時間短縮・年休促進支援コース

時間外労働の削減や、年次有給休暇の計画的付与、特別休暇の導入などの環境整備に取り組む中小企業を支援。

150万円

勤務間インターバル導入コース

前日の終業時刻から本日の始業時刻までに一定時間以上の休息時間を確保する「勤務間インターバル」制度を導入・促進する企業を支援

120万円

業種別課題対応コース

建設業、運送業、宿泊業、紙・パルプ製造業など、特に長時間労働の是正が必要な特定の業種に対して、生産性向上に資する設備投資などを支援

250万円

団体推進コース

中小企業事業主の団体(組合など)が、その傘下企業に対して働き方改革(時間外労働の削減、賃金引き上げ)を推進する取り組みを支援。

1,000万円

働き方改革推進支援助成金に関しては以下の記事で詳しく紹介してしているので、是非参考にしてください。

参考:働き方改革推進支援助成金とは?制度内容から申請の流れやポイント、事例まで詳しく解説

ITシステム導入で実現できる労働環境整備

IT・Web事業者にとって、働き方改革にはリモートワークやフレックスタイムなどの導入が比較的スムーズに行える環境があります。しかし、制度面での整備やセキュリティ対策などにコストがかかるため、助成金を活用して導入負担を緩和する意義は大きいです。

たとえば、リモートワーク用のVPN環境構築や、クラウド型勤怠管理システムのお試し導入といった費用を助成対象にできれば、従業員の働きやすさを向上させながら生産性を高めることに寄与します。

特に労働時間短縮には、IT技術を活用して業務効率化することが不可欠です。各種クラウド管理ツールやプロジェクト管理システム、電子決裁システムなどをまとめて整えれば、書類処理や商談管理もスピーディーになり、労働時間削減を実現できます。この助成金は、IT活用型の働き方改革を検討している事業者の大きな後押しとなるでしょう。

業務改善助成金

業務改善助成金は、中小企業が生産性を高めつつ賃金引き上げを行う取り組みを支援する助成金です。厚生労働省が所管しており、主に賃金アップと生産性向上を同時に達成するための設備投資やIT導入費、研修費などが補助対象となります。

IT・Web系の事業者にとっては、各種業務システムの導入や自動化ツールの採用を行う際に活用しやすい制度です。

対象となる取り組みと支援内容

具体的には、次のような取り組みが支援対象例に挙げられます。

<業務改善助成金で支援される取り組み例>

取り組み内容

想定される投資・導入事例

業務プロセスのIT化・自動化

顧客管理システム(CRM)、勤怠管理クラウド、RPAツールでの自動処理など

サービス提供効率の向上

セルフオーダーシステム、電子申告・電子契約導入

新製品開発や業務フロー再編

クラウド上での開発環境整備、プロジェクト管理ツール導入

従業員スキルアップ研修の実施

プログラミング教育費、ITリテラシー研修費

助成率や支給上限は企業規模や賃金引上げ率などによって異なります。また賃上げを実行し、その賃上げ状況と生産性向上施策を示すことで助成金が支払われる仕組みになっているため、計画的に賃金アップを検討しているIT・Web企業には非常に有意義です。

なおこの助成金は、申請手続き前に賃金引上げを実施してしまうと対象外となるケースがあるため、必ず先に助成金申請し、その後に計画通り賃金をアップする形をとるのが原則的流れです。

業務改善助成金については以下の記事で詳しく紹介しています。

参考:業務改善助成金とは?上限額や助成率、申請方法を解説

生産性向上のためのIT活用と具体策

会社の競争力を高めるには、IT化で業務効率を上げつつ、そこで生まれた余力を新たなサービス開発や従業員のスキルアップに転用することが重要です。

例えば、RPAを使って経理・総務の定型業務を削減できれば、その分エンジニアのコア業務に集中できるようになります。また、給与計算などをクラウド化して管理コストを削減する手もあります。

このように業務改善助成金を活用すれば、会社全体の労働環境が改善し、従業員への還元(賃上げ)も実行しやすくなるという好循環が生まれます。

ただし、助成金申請の際は単なるIT導入にとどまらず、「導入後どの程度の時間削減や生産性向上が見込めるか」を明確な数値計画で提示しましょう。そのうえで賃上げ幅も計画し、申請書類にセットで盛り込むことで要件を満たしやすくなります。資格や研修制度の充実とセットで進める事例もあり、ITを核とした組織改革を実現するには好都合です。

補助金活用のポイントと注意点

補助金や助成金は大変便利な制度ですが、申請にあたっては一定のハードルも存在します。書類作成や事業計画の整合性、スケジュール遵守など、いずれも慎重に対応しなければなりません。以下では、特に見落とされがちな申請時のポイントや注意点を整理してみましょう。

申請書類の作成と事前準備

申請書類は主に「事業計画書」「補助対象経費の見積もり」「会社概要資料」などで構成されます。IT・Web系であっても内容に差はありませんが、特に以下の点を意識すると良いでしょう。

<申請書類作成で重要な事前準備>

準備項目

解説

事業目的・計画の明確化

投資による売上増、業務効率化、社会的意義を数字と根拠で示す。

費用の見積もり精度の向上

ソフトウェア開発費やクラウド利用料、機器導入費などを過大・過少見積りしないよう留意。

スケジュール管理

交付申請から事業実施、報告までの期間を無理なく設定。

GビズID等のアカウント取得

申請には電子申請が必須となるケースが多い。SECURITY ACTION宣言等も早期に行う。

申請の際は、多くの場合オンライン申請になるためGビズIDプライムのアカウント発行には2週間程度かかる点に注意しましょう。また、IT導入支援事業者や専門家に相談しながら、事前に計画を固めることでスムーズに書類を整えられます。

事業計画と経営ビジョンの明確化

補助金は事業拡大や生産性向上に繋がる投資を促進する目的で設計されています。そのため、審査では「担当者が見て納得できる、魅力ある計画かどうか」が大きな評価ポイントになります。特にIT・Web業界では、技術革新が速いぶん、計画倒れに終わるリスクもあるため、いかに実行力の高さを示すかが鍵です。具体的には、次のような視点が重要です。

  • 経営ビジョンと施策が整合しているか:自社が中期的にどんなポジションを目指すかを踏まえ、補助金で導入するシステム等がどこに寄与するかを明確化。

  • 財務状況と投資規模のバランス:投資額が大きすぎて自己負担分を負えないような計画になっていないかを確認。

  • 具体的な成果指標の設定:投資後、売上や生産性がどの程度改善するのか、KPI(重要業績評価指標)を定量的に提示。

また、賃上げやインボイス対応など、国の方針に沿った取り組みを盛り込めば加点効果が期待できます。IT・Web系の場合はセキュリティ対策やDX実現の観点で政府施策と連携できると、さらに評価が高まりやすいでしょう。

まとめ

ここまで、IT・Web系事業者が活用しやすい代表的な補助金・助成金を紹介してきました。省力化投資補助金(一般型)やデジタル化・AI導入補助金はもちろん、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金なども目的によってはとても効果的です。

加えて、働き方改革推進支援助成金や業務改善助成金では、ITによる生産性向上と人材確保・待遇改善を同時に進める道がひらけることがお分かりいただけたかと思います。

一方で、補助金・助成金はどれも申請手続きが必要で、採択されなければ受け取れません。また、交付決定前に導入費用を支払ってしまうと補助対象外になったり、審査で不備を指摘されて修正が必要になるケースも珍しくありません。申請の準備は余裕をもって行い、事業計画の完成度や必要書類のチェックを慎重に進めましょう。

もし補助金を活用してクラウド会計ソフトや勤怠管理システムを導入したいという場合は、手続きに精通したIT導入支援事業者や専門家へ相談すると効率よく進められます。政府や自治体の支援策を有効に使いながら、IT技術で事業をスピードアップし、競合他社との差別化をはかりましょう。

補助金コネクトでは、IT・Web系事業者が活用しやすい代表的な補助金・助成金の申請サポートを行っております。書類の準備から申請、補助金の交付までお手伝いしております。気になる方は、ぜひ下記よりご相談くださいませ。

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