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ものづくり補助金とは?省力化(オーダーメイド)枠などの申請枠や補助額、対象者、申請方法を公募要領をもとに解説

補助金
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更新:2024/10/15

日本の企業の多くを占める中小企業への支援策「ものづくり補助金」は、令和2年4月の第1次締切以来、情勢に合わせて随時枠組みが刷新されています。

この記事では、ものづくり補助金の最新の申請枠について、制度概要から対象者、補助額、補助率、申請方法まで詳しく解説します。

ものづくり補助金の申請をご検討中の方はぜひ最後までお読みください。

補助金コネクトでは「補助金を活用したい」「補助金の申請方法を知りたい」企業さまに、補助金活用に関する情報提供をしています。資金調達でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言います。生産性向上に向けた取り組みから働き方改革・賃上げなどの制度変更に対応するための設備投資等を幅広く支援する補助金制度です。

補助対象経費

補助対象経費には、以下のものが該当します。

対象経費

概要

機械装置・システム構築費(必須)

機械・装置、工具・器具、専用ソフトウェアの購入・構築等の費用

必ず1つ以上、単価50万円以上の投資が必要

運搬費

運搬料、宅配費用など

技術導入費

知的財産権等の導入に関する費用

知的財産権等関連経費

特許等の取得に要する弁理士費用など

外注費

新製品・サービスの開発に必要な加工、設計、デザイン、検査等にかかる費用

専門家経費

本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる費用

クラウドサービス利用費

クラウドサービスの利用に関する経費

原材料費

試作品の開発に必要な原材料などの購入費用など

幅広い経費が対象となりますが、機械装置やシステム構築などの設備投資が必須となります。

補助対象者

ものづくり補助金の補助対象者は、以下のとおりです。

  • 中小企業者(資本金または常勤の従業員数が、規定の数字以下である会社または個人)

  • 企業組合・協業組合・商工組合などの組合・法人

  • 特定事業者の一部(業種ごとに定められた常勤従業員数を下回る会社・個人のうち、資本金の額または出資総額が10億円未満であるもの。また生活衛生同業組合・酒造組合・内航海運組合・技術研究組合なども該当する)

  • 特定非営利活動法人

  • 社会福祉法人

ただし、補助対象者であっても、経済産業省または中小企業庁から補助金の指定(指名)停止措置を受けている事業者は、補助を受けられませんので注意しましょう。

対象外事業者

上記を満たしていても、以下に該当する事業者はものづくり補助金の対象外となりますので注意しましょう。

  • みなし大企業に該当する事業者

  • 同一法人・事業者が、同じ締切回で複数申請をしている

  • 過去の助成制度と重複・類似した内容の事業で申請している

  • 公序良俗に反する事業を行う

  • 実質的に労働を伴わない事業を行う

  • 資産性が高い事業を行う

  • 大部分を他者へ外注する事業を行う

ものづくり補助金の趣旨に合わない場合、採択された後でも取り消しされる場合があります。公募要項をしっかりと確認し、不明な点は早い段階で事務局へ問い合わせましょう。

申請類型の種類

令和5年度補正予算におけるものづくり補助金の申請類型は以下の3つです。

  • 省力化(オーダーメイド)枠

  • 製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型<DX・GX>)

  • グローバル枠

以下ではそれぞれの申請枠について詳しく解説します。

省力化(オーダーメイド)枠

省力化(オーダーメイド)枠は、人手不足の解消を大きな目的としています。デジタル技術等を活用したオーダーメイド設備を導入することで、生産プロセスやサービス提供方法を革新的に効率化・高度化するために必要な設備やシステム投資等を支援する申請枠です。

国が想定している活用イメージは、熟練技術者が手作業で行なっていた組立工程に、AIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入するというものです。これにより、生産性向上に加えて、熟練技術者が付加価値の高い業務に従事できるようになります。

ここで重要なのは、申請枠の名称にもあるように、導入する設備がオーダーメイド(特注品)であることが必要となる点です。既存の製品や設備の導入では、要件に該当しない可能性があります。

省力化(オーダーメイド)枠の補助額・補助率

省力化(オーダーメイド)枠の補助金額は、従業員の規模によって以下のように異なります。

従業員規模

補助上限額

5人以下

750万円(1,000万円)

6~20人

1,500万円(2,000万円)

21~50人

3,000万円(4,000万円)

51~99人

5,000万円(6,500万円)

100人以上

8,000万円(1億円)

カッコ内は、大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用した場合の上限額です。この特例は、補助事業実施後3年から5年で大幅な賃上げを実施する場合に適用されます。

省力化(オーダーメイド)枠の補助率

区分

補助金額が1,500万円まで

1,500万円を超える部分

中小企業

1/2

1/3

小規模企業者・小規模事業者 再生事業者

2/3

1/3

省力化(オーダーメイド)枠の補助率は、補助金額が1,500万円までは1/2、1,500万円を超える部分は1/3となっています。また、小規模・再生は2/3以内と定められています。

製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型<DX・GX>)

製品・サービス高付加価値化枠とは、中小企業および小規模事業者が、付加価値の高い革新的な製品・サービスの開発に必要な設備投資等を支援する申請枠です。

DXやGXなど、成長が見込まれる分野については、通常類型よりも補助上限額・補助率を引き上げ、重点的に支援します。また、最低賃金の引き上げに取り組む事業者に対しても、通常類型より補助上限率や補助額を上げているのです。

成長分野進出類型では、単に設備やシステムを導入しただけでは、要件に該当しません。導入した設備やシステムに自社の技術力を加えて開発する必要があります。

通常類型において、国が想定している活用イメージは、最新複合加工機の導入で精密加工が可能となり、国際基準に準拠した部品を開発するというものです。また、成長分野進出類型においては、AIやセンサー等を活用した高精度な自立走行搬送ロボットの試作機の開発が該当します。

製品・サービス高付加価値化枠の補助金額

製品・サービス高付加価値化枠の補助上限額は、以下のとおりです。

類型

従業員規模

補助上限額

通常類型

5人以下(通常類型)

750万円(850万円)

同上

6~20人(通常類型)

1,000万円(1,250万円)

同上

21人以上(通常類型)

1,250万円(2,250万円)

成長分野進出類型

5人以下(成長分野進出類型)

1,000万円(1,100万円)

同上

6~20人(成長分野進出類型)

1,500万円(1,750万円)

同上

21人以上(成長分野進出類型)

2,500万円(3,500万円)

カッコ内は、大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用した場合の上限額です。

製品・サービス高付加価値化枠の補助率

区分

通常類型

成長分野進出類型(DX・GX)

中小企業

1/2

2/3

小規模企業者・小規模事業者 再生事業者

2/3

2/3

新型コロナ回復加速化特例

2/3

製品・サービス高付加価値化枠の補助率は、通常類型においては1/2以内となっています。ただし、小規模・再生と新型コロナ回復加速化特例については、2/3に引き上げられます。

また、成長分野進出類型については、2/3以内と定められています。

グローバル枠

グローバル枠とは、海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システムへの投資等を支援する申請枠です。ここでの海外事業とは、海外直接投資・輸出・インバウンド・海外企業との共同事業をさしています。

国が想定している活用イメージは、海外市場を獲得するため、新たな製造機械の導入と新製品の開発とともに、海外展示会へ出展するというものです。

グローバル枠のみ、補助対象経費において以下の項目が追加されています。

  • 海外旅費

  • 通訳・翻訳費

  • 広告宣伝・販売促進費

グローバル枠の補助金額

グローバル枠の補助上限額は以下の通りです。

従業員規模

補助上限額

5人以下

3,000万円(3,100万円)

6~20人

3,000万円(3,250万円)

21人以上

3,000万円(4,000万円)

グローバル枠の補助率

区分

補助率

中小企業

1/2

小規模企業者・小規模事業者

2/3

グローバル枠における補助率は、1/2以内と定められています。小規模事業者については2/3以内です。

ものづくり補助金の採択事例

ものづくり補助金は生産性向上に資する設備投資に幅広く活用でき、業種の制限もないことから、様々な事業で採択がされています。

以下はその一例になります。

  • 歯科用CTの導入による難治性根管治療及びインプラント治療の対応

  • 疑似インターネット環境をアフリカに提供するシステム開発

  • 情報通信技術を使った「ICT土工」の導入

申請枠別、業種別の採択事例は、以下の記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。

ものづくり補助金の採択事例を紹介!採択率や採択されるためのポイント、不採択理由まで解説

ものづくり補助金の申請方法とスケジュール

申請の流れ

申請は電子申告のみとなっていますので、あらかじめ申請時必須になるGビズIDプライムアカウントを取得しておきましょう。

主な申告の流れは以下の通りです。

1.申請用アカウントの取得(2週間以上)

申請にはGビズIDプライムアカウントが必須となります。アカウント取得には2、3週間以上かかりますので、こちらから早めに取得しておきましょう。

2.必要書類の準備

必要書類をPDF化して用意します。申請枠ごとに異なりますが、主に以下の必要書類を提出することになります。

  • 事業計画書

  • 賃金引上げ計画の誓約書

  • 決算書従業員数の確認資料

  • 労働者名簿、など

なお、全ての書類を自社で準備するのは難しいため、必要に応じて補助金コンサルタントなどの支援事業者に依頼しましょう。

支援事業者の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。

ものづくり補助金の申請代行は違法?申請支援を依頼する際の注意点を解説

3.申込

ものづくり補助金総合サイトから必要書類を添付して申し込みます。

4.採択発表(2ヶ月後)

申込締切日から約2ヶ月後に、サイト上で採択可否が発表されます。

5.交付申請手続き・交付決定(採択後1ヶ月程度)

採択後は交付申請書を提出し、交付決定通知を受け取りましょう。この通知を受け取れば補助金の交付が決定します。

6.事業を実施(最大10ヶ月~12ヶ月間)

事業計画通りに実施していきましょう。なお実施期間は交付決定が早いほど延びます。

実績報告の期限は必ず守る必要があります。予定していたスケジュールが伸びないよう、しっかり進めるようにしましょう。

7.補助金請求(実施後1ヶ月以内)

サイト上で実績報告書を提出し、補助金の交付を受けましょう。補助金は後払いなので、資金繰りを調整する必要があります。

また交付後5年間は事業状況を事務局に報告することになるため注意をしておきましょう。

なお、ものづくり補助金のスケジュールの詳細は以下の記事で紹介しています。

ものづくり補助金の最新スケジュールは?制度概要・採択率も紹介!

採択結果・採択率

ものづくり補助金の採択率は概ね30%前後となっており、難易度は高めです。公募回や申請枠によっても大きく異なりますので、詳細は以下のページをご覧ください。

ものづくり補助金の採択結果はいつ?各公募回の採択者数、採択率、重要日付一覧

まとめ

ものづくり補助金は中小企業の新製品やサービス開発のための生産性向上・省力化のための設備投資、システム構築を支援する補助金です。

第17次公募より申請枠が大幅に変更になりましたが、省力化(オーダーメイド)枠の補助額は最大8,000万円と、非常に大型の補助金制度となっています。

機械設備やシステム構築を行う製造業やシステム会社の方は必見です。

公募要項の内容をしっかりと確認しながら、適切に手続きを行っていきましょう。

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