2025年から新たにスタートすると注目を集めている「新事業進出補助金」。既存事業とは異なる市場や高付加価値事業への進出をめざす中小企業などを対象に、設備投資や賃上げに対する手厚い支援を行う制度です。事業再構築補助金の後継的な位置づけともいわれており、これから新しい分野に挑戦する方にとっては見逃せない補助金です。
本記事では「新事業進出補助金」とはどのような制度なのか、対象となる事業者や補助額、経費、申請のスケジュールなどをわかりやすく解説していきます。新たな一歩を踏み出すための情報収集に、ぜひお役立てください。
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新規事業などでまとまった経費を予定されている方は、補助金申請でコスト負担を軽減することができます。
しかし、補助金の調査から書類準備、申請までを自社で調べて行うのは非常に大変です。
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新事業進出補助金は、正式名称を「中小企業新事業進出補助金」といい、2025年より新たに公募が始まった補助金制度です。「既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出」を目指す中小企業の設備投資を支援することを主眼としており、投資額の一部が補助対象となります。
この補助金の特徴は、付加価値の向上とともに、従業員への賃上げを同時に促す仕組みにある点です。
具体的には、補助事業の終了後3~5年の間に最低賃金を一定額引き上げるとともに、年平均で4.0%以上の付加価値額増加を見込む事業計画を策定する必要があります。
また、賃上げ率がさらに高い「大幅賃上げ特例適用事業者」に認定されれば、補助上限額の上乗せも行われる点が大きな魅力です。
本補助金では、建物費や機械装置費、クラウドサービス利用費など、幅広い経費が対象とされています。一方で、投資規模は補助下限の750万円(税抜経費1,500万円相当)からとなるため、設備投資の内容を十分に検討したうえでの申請が重要です。以下の表に、概要をまとめました。
なお、補助金の活用を検討する際は、申請に先立って「GビズIDプライムアカウント」を取得する必要があります。公募開始に向けて情報収集を進めながら、事業計画の策定や自己資金の確保とあわせて、早めに申請準備を進めておくことがポイントとなるでしょう。
新事業進出補助金の対象となるのは、「企業の成長・拡大に向けて新規事業へ挑戦する中小企業等」とされています。具体的には、従業員数や資本構成などの要件を満たした中小企業のほか、個人事業主も対象となり、大企業の子会社にあたる「みなし大企業」は申請できません。
ここでいう「みなし大企業」とは、大企業(資本金や社員数が一定基準を超える企業)が株式や出資の過半数を保有しているなど、実質的に大企業の支配下にある中小企業等を指します。
また、原則として一次産業が主たる事業となる場合は補助対象に含まれないため注意が必要です。なお、会社形態を問わず、一定の要件を満たした企業組合や協業組合なども補助対象に含まれる場合があります。
自社が「中小企業等」の定義に該当するかどうか判断が難しいケースでは、みなし大企業該当性の有無を含めて、早めに確認・相談を進めることをおすすめします。
新事業進出補助金の補助上限額は、企業規模(従業員数)によって段階的に定められており、最小で2,500万円から最大で7,000万円までとなっています。
また、大幅な賃上げを達成する「大幅賃上げ特例適用事業者」として認められた場合は、上限額がさらに上乗せされ、最大9,000万円までの支援を受けることが可能です。
補助率は原則1/2のため、設備投資に要した経費の半分が補助対象になるイメージですが、最低でも750万円の補助金(=経費ベースで1,500万円以上)の投資規模が必要である点には注意が必要です。
大幅賃上げ特例適用事業者として申請を行う場合、一定の賃上げ要件を満たす必要がありますが、その要件を達成できない場合には補助金の返還が求められることもあります。
自社がどの区分に該当するか、また投資計画と賃上げ計画をどのように組み合わせるかを十分に検討したうえで申請を進めることがポイントです。下表に、補助上限額の概要をまとめました。
新事業進出補助金の対象となる経費は、主に「既存事業とは異なる新事業への進出」に不可欠と認められる設備投資費用やコンサルティング費用などが想定されています。具体的には、以下の10項目が補助対象経費として挙げられています。
なお、交付決定前に契約や購入を行った経費は原則として補助対象外となる点には注意が必要です。また、他の補助金や税制優遇制度との併用が制限される場合もありますので、要件や公募要領を十分に確認しながら手続きを進めることが望ましいでしょう。
新事業進出補助金はで第1回目のため、採択結果は公表されていません。しかしながら、事業再構築補助金の後継版と位置づけられていることから、採択基準や合格ラインは似通ってくる可能性があります。
以下のページに各公募回の採択数、採択率をまとめていますのでご覧ください。
参考記事:中小企業新事業進出補助金の採択結果はいつ?各公募回の採択者数、採択率、スケジュールを解説
新事業進出補助金の第3回の公募期間は、令和8年2月17日(火)~令和8年3月26日(木)というスケジュールになっております。
また、令和8(2026)年度末までに4回程度の募集を行い、累計6,000社程度を採択する見込みです。以下に、申請から補助事業終了までのおおまかな手順を表にまとめました。
補助事業期間は「交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)」と定められているため、大型設備や建物を伴う投資の場合は十分な時間配分が求められます。公募開始時期や詳細な募集要領は今後発表される見込みですので、こまめに情報をチェックしながら準備を進めましょう。
新事業進出補助金の申請で重要なのは、「新規性を明確に示しつつ、賃上げを含む事業計画をいかに説得力ある形で示せるか」という点です。特に採択されるためには、設備投資の意義や将来的な売上・付加価値の拡大、従業員の処遇改善まで、総合的にアピールする必要があります。以下のポイントを押さえておきましょう。
既存事業との明確な差別化 新事業進出補助金は、既存事業からの単なる延長線上ではなく、「新しい市場や顧客に向けた新製品・新サービスを提供する」ことが求められます。自社の強みや技術力をどう活かし、新たに参入する分野で他社にはない優位性を生み出すのか、具体的に示しましょう。
事業計画の実現可能性と収益見込み 新事業を起ち上げるには、市場ニーズや競合状況の分析が欠かせません。事業開始後3~5年の期間で、どの程度の売上・利益を見込めるかを試算し、さらに付加価値額(または1人あたり付加価値額)を年平均で4.0%以上増加させる根拠を明確に提示することが大切です。
賃上げ要件を確実に達成する計画 本補助金では、事業所内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高く設定するだけでなく、給与支給総額を一定以上引き上げる必要があります。さらに、「大幅賃上げ特例適用事業者」として申請する場合は、より高い賃上げ率を達成しなければなりません。要件をクリアできないと、補助金返還のリスクがあるため、無理のない計画を立てることが求められます。
設備投資の内容とスケジュール管理 建物費や機械装置費など、補助対象となる経費は広範囲にわたりますが、交付決定前の契約・支払いは補助対象外となる点に注意が必要です。また、補助事業期間(交付決定日から14か月以内)内に全ての導入や支払いを完了する必要があるため、ベンダーや施工業者と早めに調整しておくことが肝心です。
書類作成と審査対策 申請書類には、事業計画だけでなく財務状況や見積書、賃上げ目標の根拠など、多岐にわたる情報を記載・提出する必要があります。客観的なデータや数字を盛り込んだ、わかりやすく説得力のある資料を準備しましょう。
専門家のサポート活用 補助金の申請プロセスや事業計画策定には、経営コンサルタントや中小企業診断士、税理士・公認会計士などの知見が役立つケースも多々あります。事業内容や補助金制度に精通した専門家に早めに相談し、不備のない申請書を作り込むことが採択率アップにつながります。
新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新たな市場や高付加価値事業への挑戦を目指す中小企業の設備投資を支援する、期待の高い補助金制度です。設備導入や工場建設などの大規模な投資が対象となり、付加価値向上と賃上げを両立させる明確な計画を立てることで、最大9,000万円(大幅賃上げ特例適用事業者の場合)の補助金を受け取るチャンスがあります。
一方で、交付決定前の契約は補助対象外となる、最低賃金+30円以上の設定など独自の賃上げ要件がある、補助事業期間が14か月(採択発表から16か月)に限られているなど、押さえるべきポイントも多岐にわたります。公募開始時期はまだ調整中ですが、GビズIDプライムアカウントの取得や事前の事業計画づくりを早めに進めておくことで、スムーズな申請が可能になるでしょう。
補助金コネクトでは補助金申請に関わるご相談、ご支援をお受けしておりますので、ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせいただけますと幸いです。