働き方が変わった昨今、フリーランスや個人事業主など、一人で起業する方も増えています。
一人起業は好きな時間に働くことができるメリットを感じる一方で、どのような事業で起業すべきか悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。
この記事では一人起業を検討している方におすすめの仕事を紹介します。一人起業のメリット・デメリット、成功のポイントも解説しますので、一人起業を検討している方はぜひ参考にしてください。
まず最初に、一人起業におすすめの仕事を9つ紹介します。仕事を評価は様々ですが、ここでは以下の観点から一人起業に向いていると思われる仕事をご紹介します。
自分のスキルや経験を活かしやすい
キャッシュフローが良い(入金が早い)
一人で仕事を完結できる
それでは参ります!
コンサルタントは、クライアントの問題解決に向けたアドバイスやサポートを行う仕事です。
コンサルタントとして仕事をする場合は、何のコンサルタントかをまず決める必要があります。具体的には、「金融」「不動産」「恋愛」「子育て」「経営」など、さまざまな分野があります。自分の知識や経験を生かしたり、得意ジャンルで勝負したい方におすすめです。
ただし、特別な資格が必要であったり、クライアントの信頼を得るための営業力やコミュニケーション能力など対人能力が必要になることも多いため注意しましょう。
<主なコンサルタントの職種例>
経営コンサルタント
ITコンサルタント
不動産コンサルタント
恋愛コンサルタント、など
ライターは、Webサイトや雑誌などに掲載する文章を作成する仕事です。
パソコン1台あれば仕事を始めることができるうえ、特別な資格も必要ないため、資金を抑えて起業したい方におすすめです。
自分が詳しい領域や得意な分野があれば、未経験者でもすぐに仕事を受注できる可能性がある一方で、テーマに合った文章力や読みやすい記事の作成能力が求められます。
取材やインタビュー、ディレクションなどができると、より高い報酬を狙うことができる仕事でもあります。
<主なライターの職種例>
Webライター
雑誌ライター
シナリオライター
コラムニスト、など
エンジニアは、システムの開発・設計・運用などを行う仕事です。ITに関する幅広い知識・スキルがある方や、過去にエンジニアとして仕事をしていた方におすすめです。
IT社会である現代において、エンジニアは重宝される仕事ではありますが、求められるスキルも高くなって来ています。
エンジニアはスキルの習得に時間がかかるうえ、実務経験が必要になるなど、大きな努力が求められる職業でもあります。
<主なエンジニアの職種例>
システムエンジニア
プログラマー
ネットワークエンジニア
AIエンジニア、など
フリーランスエンジニアの場合、以下のサイトで紹介されているようなフリーランスエージェントに登録しておくのもおすすめです。
参考:RiseLife
デザイナーとは、ファッションだけでなく、Webデザイナーやグラフィックデザイナー、インテリアデザイナーなどあらゆるモノのデザインを考える専門家です。
デザイナーは感性だけでなく、行動経済の理論やクライアントの目的に沿ったデザインを生み出す能力が求められます。
普段からデザインに携わっていた方や、デザインに興味があるという方に向いている仕事です。
<主なデザイナーの職種例>
Webデザイナー
グラフィックデザイナー
インテリアデザイナー
ファッションデザイナー、など
デザイナー志望の方は短期のオンラインスクールでスキルアップを目指すのもおすすめです。たとえば株式会社日本デザインでは、副業・フリーランス・在宅ワークといった働き方をしたい、キャリアを良くしたいという方に向けて、「WEBデザイン」「WEBライティング」「動画編集」「プログラミング」などの習得を支援し、誰もが理想の働き方を実現できるようサポートしています。
参考:日本デザイン|WEBデザインの知りたい!知りたかった!が見つかる情報サイト
動画クリエーターは、映像やYouTubeなどの動画を編集する仕事です。近年では、動画編集だけでなく動画の企画や演出、シナリオの作成をする動画クリエーターなども増えています。
パソコンと専用ソフトがあれば始めることができますが、求められるスキルも年々高まって来ています。
<主な動画クリエイターの職種例>
youtube動画の編集者
企業PR動画の作成者
カメラ撮影から編集まで行うクリエーター、など
物販・ネットショップは、自身で作った商品や中古品などを販売して利益を上げる仕事です。
ハンドメイドで作ったアクセサリーや小物などをネット販売したり、中古品を安く仕入れて利益を乗せて販売する方法があります。
専門的な知識やスキルは求められないうえ、近年では簡単にショップ開設できるECサイトも増えているため、簡単に始められるのも特徴です。
一方で、人気商品は競合が非常に多いため、リピーターやファンの獲得に苦戦しやすく、軌道に乗るまで時間がかかりやすい仕事でもあります。
<主な物販・ネットショップサイトの例>
メルカリ
ヤフーオークション
自社ネットショップページを開設、など
フランチャイズとは、多店舗を展開する企業と契約し、加盟店として店舗を運営する方法です。飲食店やクリーニング、コンビニなどさまざまな業種があります。
フランチャイズは、企業側が仕入先の紹介や業務マニュアルの提供、経営のサポートなどを行ってくれますが、店舗の運営を一人だけで行っていくのは困難です。
実店舗を持つ場合、ほとんどのケースで従業員を雇う必要があるため、複数名体制で起業したい方におすすめです。
<主なフランチャイズ店の例>
Family Mart
家工房
くもんの先生
トータルリペア、など
なお、フランチャイズについては以下の記事でも詳しく解説しています。
フランチャイズとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説
士業とは、「○○士」という名称を持つ資格を保有している方のことで、司法書士や弁護士、税理士などが該当します。
士業には法律によって定められた独占業務があることが多いですが、それを担保する高度な専門知識やスキルが必要になります。資格を保有している方におすすめな一人起業の仕事の一つです。
士業のコミュニティに所属したり人脈を広げることにより仕事を得ることが可能です。
<主な士業の例>
司法書士
行政書士
社会保険労務士
土地家屋調査士、など
士業の仕事や報酬の相場については、以下の記事もご参照ください。
社労士の仕事内容とは?依頼するメリットから選び方のポイントまで解説
税理士の相談料の相場は?相談料の内訳やメリット、相談料を安くするコツなどを解説
司法書士料金の相場は?料金の内訳や司法書士を選ぶポイントを解説
弁護士費用の相場はどのくらい?費用の内訳や分野別の相場を解説
行政書士の料金相場はいくら?費用の内訳や行政書士を選ぶポイントを解説
代行サービスとは、業務を代行してその対価を得る仕事です。
市場では様々な作業が代行サービスとして取引されています。作業内容に応じた専門的なスキルが求められ、営業など成果が求められるような業務もあります。
経験があることや得意なことについて、代行サービスとしてのニーズがないかを確認してみましょう。
<主な代行サービスの職種例>
営業代行
広告運用代行
データ入力代行
退職代行、など
なお、フリーランス向けの仕事については以下サイトで色々紹介されていますのでご覧ください。
参考:MediaStar
「一人起業には不安がある」という方も多いですが、もちろん一人ならではのメリットもあります。ここでは3つのメリットを紹介するため、一つずつ確認しておきましょう。
自由度が高い
少額で始められる
経営のスピードが速い
一人起業の最大のメリットは、何をするにも自由度が高い点です。自分のやりたい仕事ができ、自分の好きなタイミングで休むこともできます。
会社員の場合、自分がやりたくない仕事を任されてしまう可能性もありますが、一人起業であれば、好きな仕事を始められます。
指示されたり組織に挟まれたりすることがないため、仕事に対するストレスが減り、やりがいも感じられるという方も多いです。
少額から始められることも一人起業のメリットです。自宅でできる仕事であれば、オフィスを借りる必要もなく、人件費もかかりません。
また、仕事の内容によっては数万円で購入できるパソコン1台で始めることもできます。事業が起業に乗るまでお金を掛けたくない人や、借入れをせずに始めたい人に向いています。
経営のスピードが早い点も、一人起業のメリットです。一般的な企業は重要な経営判断を行う際、役員や従業員との話し合いを行うことが一般的ですが、一人起業では独断で決めることができます。
判断が早いと、事業の着手や展開をすぐに行うことができます。また、従業員に教える手間や時間もかからない点も大きなメリットの一つです。
一方で、一人起業にはデメリットもあります。以下の3点を紹介します。
自己管理が必要
雑務が多い
悩みを一人で抱えてしまう
一人がゆえのデメリットとなりますので、起業前に確認しておきましょう。
一人起業は、好きなタイミングで仕事ができる一方で、自己管理をしっかりしなければいけません。
自己管理をきっちりできないと、その日のモチベーションなどによって仕事の量や質が大きく左右されてしまいます。
また一人起業では自分の換えが効かないため、体調管理にも注意が必要です。
売上についても会社員とは異なり固定給がないため、管理をきっちり行うようにしましょう。
一人起業では、日々の経理作業や事務的な作業も、すべて一人で行わなければいけないというデメリットがあります。
雑務に追われてしまうと、取り掛かるべき仕事に取りかかれず遅れをとってしまうかもしれません。また、専門的な知識が求められる仕事は、すべて一人で対処するのが難しい場合があります。
雑務を外注する方もいらっしゃいますが、事業が軌道に乗るまでは出費は抑えたいと考える人も多く、結果雑務に追われてしまうこともよくあります。
一人起業では相談者もおらず、悩みを一人で抱えてしまう人もいらっしゃいます。一人で起業する以上、あれこれと悩まず、問題は短期間で解決していくことが必要でしょう。
そのためには相談相手を作っておくことがおすすめです。出来る人ほど何でも自分でやってしまいがちですが、一人で出来ることにも限りがありますので、精神安定のためにも周りに頼るようにしましょう。
ここでは一人起業のポイントを3点紹介します。
ニーズがある領域から始める
相談できる人を見つける
個人事業主か法人か有利な選択をする
すべて起業前に確認しておきたいポイントです。ひとつずつ確認しておきましょう。
一人起業する事業は、ニーズがある領域から始めるようにしましょう。
起業というと新しいことを始める必要があると考える人も多く、「誰もやっていないからチャレンジしたい」「新たな事業を思い付いた」といったきっかけで起業される方も多いです。
もちろん成功すれば、競合が少ない分大きな利益を狙うことができますが、これまで誰もやっていないサービスはそもそも需要がないとも考えられます。
事業は需要と供給のバランスで成り立ちます。特に起業当初は資金繰りに苦労することが多いため、ニーズがないサービスから始めてしまうと、事業が成功する確率は大幅に低くなってしまうことでしょう。
まずはしっかりとしたマーケティング調査を行い、自分がやりたい仕事にニーズがあるのかを調査しておきましょう。
既に一人起業で成功している方や、経営のサポートを行ってくれるコンサルタントなど、悩みがあった時に相談できる相手を見つけておくこともポイントです。
起業すると、事業の成長とともにあらゆる課題が出てきます。その際相談できる相手がいると、問題解決が早くなったり、メンタルケアにもなります。
相談する相手がいないと、解決に時間がかかってしまうばかりか、悩んでしまってモチベーションが下がってしまう可能性もあるので、早いうちに信頼できる相談者を見つけておきましょう。
なお、情報収集は以下のようなフリーランス向けメディアから行うことも可能です。
起業する際は、個人事業主と法人のどちらが有利かを検討してみましょう。法人を設立する場合、開業資金が増えてしまいますが、法人税率が適用され、年間所得がある程度の金額(900万円前後)以上になると、個人より法人の方が税負担が軽くなります。
片や個人事業主は、設立にほとんど費用がかかりませんが、経費計上できる項目が制限されるなどのデメリットもあります。
個人事業主から始めて法人を設立するパターンもあります。具体的にどの段階で法人成りをすれば良いかは、税理士等の専門家に相談してみても良いでしょう。
日本では起業する方を支援する制度が数多く設けられています。補助金であれば「小規模事業者持続化補助金」、融資であれば「創業融資制度」「新規開業資金」など、さまざまな公的制度やサポートが利用できます。
一人起業をする際は、資金繰りが困難となったり、そもそも経営をするのが初めてという人も多いですが、経営サポートを行っている国や自治体、企業などは多くあります。
無計画に起業を行うのではなく、国や自治体、企業が行っている起業支援サービスを利用してみましょう。
起業時に受けられる支援について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
起業時に受けられる支援とは?補助金や助成金、相談会などの制度と活用時の注意点を解説
この記事では、一人起業におすすめの仕事を紹介しました。
一人でやるからには自分の好きな仕事を選ぶのはもちろんですが、立ち上げをスムーズにするためニーズのある領域から始めるようにしましょう。
また、一人起業は自由に働くことができる一方で、相談する相手がおらずメンタルにも支障をきたす可能性もあります。
そのため、信頼できる相談者を見つけたり、国や自治体の支援制度など利用できるものは最大限利用しましょう。