補助金を申請する際、気になるのは採択されるのかという点です。せっかく準備して申請したものの、採択されなければ時間の無駄となってしまうことでしょう。
そこで、この記事では採択率が高い補助金ランキングTop7を紹介します。補助金の活用を検討している方は、ぜひ活用してください。
経産省と東京都の主要な補助金を、採択率でランキングしました。結果は以下のとおりです。
※採択率は公表値から再計算しています。公表値は各補助金ごとに前提が異なるため、採択率はあくまで目安としてください。
それでは、それぞれの補助金について概要をご紹介します。
採択率平均が最も高いのは、「省エネルギー投資促進支援事業(指定設備導入事業)」です。
省エネルギー投資促進支援事業(指定設備導入事業)とは、昨今の世界情勢によるエネルギー不足の問題に対応すべく、省エネルギー性能の高い機器や設備導入に要する費用を一部補助する制度です。
省エネルギー投資促進支援事業の補助金対象者は「国内において事業活動を営んでいる法人及び個人事業主(青色申告者)」です。
ただし、大企業に関しては、以下のいずれかの要件を満たしていることが対象者となります。
省エネ法の事業者クラス分け評価制度において「Sクラス」または「Aクラス」に該当する事業者
中長期計画書の「ベンチマーク指標の見込み」に記載された2030年度(目標年度)の見込みがベンチマーク目標値を達成する事業者
一方で、以下の項目に該当する場合は補助金の対象外となります。
新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所へ新たに導入する設備は対象外とする。
既存の事業所において新たに設備を追加する増設の場合は対象外とする。
故障等の事由により事業活動に供していない設備を更新する事業は対象外とする。
専ら居住を目的とした事業所又は居住エリアにおける設備更新は対象外とする。
発電設備を新たに導入する場合は、売電を目的とする事業は対象外とする。
売電する事業所であって発電設備を更新する場合は、売電量が増加する事業は対象外とする。
環境アセスメント制度対象(出力11.25万kW以上の火力発電所に該当)の事業所に設置するコンバインドサイクル発電方式の設備は補助対象外とする。ただし、廃熱を事業所内で活用する熱電併給が可能なコンバインドサイクル発電方式の設備はその限りではない。
出展:令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金 公募要領
対象経費は、「設備単位型」と「エネルギー需要最適化型」の2種類に分かれ、以下の項目に該当するものです。
EMS(エネルギーマネイジメントシステム)機器の導入に関する費用が対象です。EMSとは、エネルギー使用をモニタリングし、運用効率を最適化するためのシステムのことです。各設備ごとのエネルギー利用状況が見える化され、エネルギー消費の改善と省エネに繋げることができます。
エネルギー需要最適化型では、一般社団法人環境共創イニシアチブに登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、効果的な省エネルギー化及び最適化を図る必要があります。具体的には省エネ率2%以上を実現させるEMSの制御効果と、省エネ診断等の運用改善効果が求められます。
補助金額は、令和4年度補正において「1次の平均補助金額は991万円」、「2次の平均補助金額は631万円」であったため、1件あたり平均して811万円となってますが、令和5年度では、「設備単位型の上限は1事業あたり1億円、下限は30万円」と設定されています。また、エネルギー需要最適化型においては、上限額は同じですが、下限額は100万円と引き上げられます。
※その他とは、みなし大企業に該当する法人、もしくは株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・有限会社以外の法人であり、かつ従業員が300人超えの法人のことを指します。
なお、省エネ機器の導入で利用できる補助金をお探しであれば、他にも色々あります。詳しくは以下の記事もご覧ください。
参考:省エネ補助金とは?省エネルギー投資促進支援事業費補助金など省エネルギー設備投資に使える補助金を解説
中小企業省力化投資補助金の採択率は65.6%です。
中小企業や小規模事業者等の人手不足への対応や生産性向上を目的として、 省力化設備の導入を支援する補助金制度 です。「既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出」を目指す中小企業の設備投資を支援することを主眼としており、投資額の一部が補助対象となります。
省力化投資補助金は、導入する設備の種類や事業規模に応じて複数の類型に分かれ、それぞれ補助額や補助率が異なります。
新事業進出補助金の対象は、中小企業や個人事業主で、新規事業に挑戦する企業です。大企業の子会社など「みなし大企業」は申請できず、一次産業を主事業とする場合も原則対象外となります。
また、一定の要件を満たせば企業組合や協業組合も対象になることがあります。自社が中小企業等に該当するかどうか判断が難しい場合は、「みなし大企業」該当性も含めて早めに確認・相談することが重要です。
新事業進出補助金の対象となる経費は、既存事業とは異なる新事業への進出に不可欠と認められる設備投資費用やコンサルティング費用などが該当します。詳しくは下表を参考にしてください。
中小企業省力化投資補助金の補助率と補助額は、以下のとおり、種類によって異なります。
中小企業省力化投資補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
参考:中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?カタログ注文型との違いや活用例・申請手順も解説
第3位の採択率となっているのは「事業承継・M&A補助金」で、11次~12次の採択率は60.9%となりました。
事業承継・M&A補助金は、事業承継・引継ぎ補助金の後継と捉えられており、事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者等が、事業承継やM&Aに際して行う設備投資等や、事業承継・事業再編及び事業統合に伴う経営資源の引継ぎ、または引継ぎ後の経営統合に係る経費の一部を補助する補助金です。
事業承継・M&A補助金の対象となるのは、中小企業基本法で定められた中小企業者や個人事業主で、事業承継やM&Aを通じて経営資源の引継ぎを行う事業者です。ただし、大企業の支配下にある「みなし大企業」や、要件を満たさない事業者は対象外となります。
専門家活用枠とは、事業再編・事業統合に伴う中小企業者等の経営資源の引継ぎに方が対象となり、その際の経費の一部を補助する事業で、「買い手支援類型」、「売り手支援類型」の2種類に分かれます。
M&Aの成約に向けて検討を進めている方や、M&Aに着手しようと考えている方に向いています。
事業承継促進枠とは、親族内承継や従業員承継等の事業承継を契機として経営や事業を引き継ぐ予定である中小企業 者及び個人事業主が、引き継ぐ予定である経営資源を活用するための設備投資等に係る取り組みを行う際の費用の一部 を補助することで、中小企業者等の生産性を向上させることを目的とした枠です。
廃業・再チャレンジ枠とは、M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主や個人事業主が、地域の新たな 需要の創造や雇用の創出にも資する新たなチャレンジをするために、既存事業を廃業する場合にかかる経費の一部を 補助する枠です。
PMI推進枠とは、経営資源の引継ぎ(M&A)を行った又は行う予定の中小企業者及び個人事業主が、事業再編・事業統合等の取り組み(以下、「PMI」という。)に際して活用する専門家の費用及び統合に伴う設備投資費用等の一部を補助することによって、中小企業者等の事業再編・統合後の生産性向上を通じた経済の活性化を図ることを目的とした枠です。
事業承継・M&A補助金の補助額・補助率は以下のとおりです。
補助上限額については条件を満たせば上乗せが適用されます。事業承継・M&A補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
参考:事業承継・M&A補助金とは?制度概要や対象者、補助額、申請方法などを解説
第4位となったのはものづくり補助金で、採択率は47.4%です。
ものづくり補助金とは、生産性向上を目的として中小企業等が行う、新製品・新サービスの開発、生産プロセスの向上などに必要な設備投資等を支援する補助金のことで、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」が正式名称です。
本補助金は業種に関係なく、生産性の向上につながる設備導入であれば、対象となります。ものづくり補助金には「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の2つの申請枠があります。。
製品・サービス高付加価値化枠・・・製品・サービス開発の取組として、製品・サービスの 高付加価値化やDXやGXに資するものをを支援するために創設された枠。
グローバル枠・・・海外需要開拓等の取組として海外事業の拡大・強化に資するものを支援する枠
それぞれ申請枠によって活用用途が異なるうえ、補助上限額や補助率にも違いがあります。
ものづくり補助金の対象者は以下の項目に該当する方です。
中小企業・個人事業主
組合や法人関連の中小企業者
一部の特定事業者
特定非営利活動法人
ものづくり補助金の対象経費は、生産性向上のための機械やシステムなどの設備投資費用が基本となります。他にも、クラウドサービス利用費や特許取得のための費用なども含まれます。
ものづくり補助金の補助額・補助率は申請枠により異なりますが、最大で4,000万円までの補助が受けられます。
ものづくり補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
参考:ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説
小規模事業者持続化補助金の採択率は、令和元年~令和2年で47.5%です。令和4年度以降に関しては以下の表のとおり、54%と採択率が上昇傾向にあります。
小規模事業者持続化補助金とは、持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで、販路拡大や生産性向上などの取り組みをする小規模事業者にその経費の一部が補助される制度です。
本補助金の通常枠の補助対象者は日本国内に所在する小規模事業が対象です。小規模事業者は以下の表の通り、各業種に該当する従業員数で判断します。
上記の業種と従業員の数で、会社や個人事業主などが対象となりますが、社団法人や財団法人、福祉法人などは対象外となります。
小規模事業者持続化補助金は50万円と定められておりますが、上乗せ特例が設けられています。
小規模事業者持続化補助金の対象となる経費は主に以下の項目が該当します。
機械装置等費
広報費
ウェブサイト関連費
展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
旅費
新商品開発費
資料購入費
借料
設備処分費
委託・外注費
補助上限額は特例枠によって変動しますが、50万円~250万円となっています。補助率は2/3が基本となります。
小規模事業者持続化補助金については以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
参考:小規模事業者持続化補助金とは?対象者や補助額、申請方法、スケジュールを解説
続いて6位の採択率となったのは「IT導入補助金」で、5次〜17次の採択率平均は75.21%にもなります。ただし、2025年度に関しては、採択率は45%前後に集約しています。
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等の労働生産性を向上させるために、業務効率化やDXのためのITツール導入を支援する補助金制度のことです。
IT補助金は「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「インボイス電子取引類型」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の5つに分かれ、それぞれ補助額や補助率が異なります。
IT導入補助金の対象となる事業者は、以下の画像に該当する「中小企業」と「その他の法人」、「小規模事業者」です。
補助対象者は情報サービス業以外にも、農林水産業や小売業、飲食、宿泊、医療、保険などITツールを導入して生産性が上がる日本国内の事業者であれば、幅広い業種が該当します。
対象経費はIT補助金の枠ごとによって異なります。ここでは種類ごとの概要と補助対象を以下の表にまとめました。
補助対象をIT補助金の種類ごとに紹介しましたが、大きく分けると「ソフトウェア購入費」「クラウド利用料」「インボイス対応に関する機能」などが挙げられます。ただし、枠ごとに詳細な補助対象が定められています。
IT導入補助金の補助率と補助額は、以下のとおり、種類によって異なります。
IT導入補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
参考:IT導入補助金とは?補助額や申請方法、スケジュール、注意点などを解説
創業助成金(東京都)の採択率は過去7年間を平均すると15.6%です。創業助成金(東京都)とは、東京都内で創業を予定されている方、または創業して5年未満の中小企業者等に対して、創業初期に必要な経費の一部を助成する制度です。
都内で創業を予定されている方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、以下の要件を満たす方が対象です。
TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者
東京都制度融資(創業)利用者
都内の公的創業支援施設入居者
対象となる経費は以下の項目に該当するものです。
賃借料
広告費
器具備品購入費
産業財産権出願・導入費
専門家指導費
従業員人件費
委託費(市場調査・分析費)
助成金額は上限額が400万円、下限額が100万円となっています。ただし、事業費及び人件費を助成対象とする場合は助成限度額300万円まで、委託費を助成対象とする場合は助成金の助成限度額100万円までです。助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内と定められています。
創業助成金については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
参考:創業助成金とは?対象者、要件から手続き、メリット、デメリットまで解説
採択率が高い補助金ランキングTOP7を紹介しました。補助金制度によって採択率は大きく異なるため、対象経費や事業の目的に合わせて、どの補助金を選択するかが重要になります。
少しでも採択率を高めたい方は、補助金申請代行業者を利用しましょう。金額が大きくなればなるほど、手続きが煩雑になり、自社で取り組むプレッシャーは大きくなりますので、専門家に支援してもらえると安心です。また、代行業者を利用すれば、採択率を大きく高めることができるうえ、本記事では紹介されなかった補助金も利用できる可能性も高いです。
補助金の申請をする前に、まずは補助金申請代行業者へ相談してみることをおすすめします。