これから起業したい・もしくは起業してから間もない方が受けられる助成金や補助金は、制度を実施する自治体によって名称や内容も様々です。東京都では「創業助成金」という名称で助成制度が行われていますが、どのような内容なのでしょうか?
今回は、創業助成金の制度について、概要や申請条件・手順、メリット・デメリットなどを紹介します。東京都内で起業を検討している方、または創業間もない方は是非ご一読ください。
最初に、創業助成金とはどのような制度なのか、概要を紹介します。
創業助成金とは、公益財団法人東京都中小企業振興公社によって実施されている助成金制度をさします。東京都内において、一定の要件を満たしたうえで創業を予定(もしくは創業してから5年未満)している中小企業者等に、経費の一部を助成する制度です。5年未満とは、個人事業主は開業届を税務署へ提出してから・法人は法人登記からの期間で判断します。
創業支援事業の助成対象期間は、助成金の交付が決定した日から6か月以上(最長2年)となっています。
助成される経費は、以下のとおりです。
事業費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、 専門家指導費、試作品・サンプル製作費
人件費:従業員人件費
委託費:市場調査・分析費
創業助成金の助成限度額は、上限400万円・下限100万円となっています。助成率は、助成対象となる経費のうち、3分の2以内です。
創業助成金は、平成27年度から始まっていますが、各年度の採択率はどの程度で推移しているのでしょうか。ここでは、令和に入ってからの採択率を見てみましょう。
上記の表を見て分かるように、採択率は毎年およそ10%台で推移しています。これには、申請要件が厳しいことが理由として考えられます。助成を受けるのはかなりハードルが高いため、しっかりと事前の準備を進めることが必要です。
創業助成金の申請要件は、細かく規定されています。公社が定める申請要件の1から4を全て満たすことが必要です。
申請要件1に該当するかどうかは、以下のチャートを使って判断しましょう。
上記のチャートでは、創業前の個人・個人事業主・法人・特定非営利活動法人の4つに分け、要件に該当するかどうかが確認できます。
申請要件2については、以下の表に記載された1~20の創業支援事業のいずれかを利用することが要件となっています。
上記のように、申請要件2はかなり詳細に定められているため、自分が該当する要件があるかどうか見落としのないようにしましょう。
なお、「当年度」「前年度」は、下記の期間を指します。
「当年度」:令和7年(2025年)4月1日から令和8年(2026年)3月31日
「前年度」:令和6年(2024年)4月1日から令和7年(2025年)3月31日
申請要件3、申請要件4には、申請を行う事業者が該当すべき条件や活動内容なども詳細に定められています。詳細は最新の募集要項をご覧ください。
創業助成金を申請するには、まず申請書を作成し、提出します。申請書の提出と同時に、WEB登録が必須となっていますので、忘れずにWEB登録を行ないましょう。WEB登録が可能なのは、申請期間中のみですので注意が必要です。
申請書を提出したのち書類審査が行なわれ、通過した事業者のみ面接審査が行われます。その後、総合審査を経て交付が決定され、採択通知が発送される流れです。
交付決定後、事業を実施し完了報告をします。その後で、助成金が交付されます。
創業助成金は、融資ではなく交付される金銭であるため、返済不要である点が大きなメリットです。要件をクリアすることで、事業内容が第三者から公的に評価されたという証明にもなります。
創業助成金の要件のひとつに創業支援事業の利用が含まれており、事業計画書の作成手順や基本の経営ノウハウも習得しているため、ゼロから事業を開始するよりも経営ノウハウがあると評価されることも、メリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、創業支援事業の利用要件を満たすまでに2か月以上かかるうえ、申請してから交付を受けるまでにもさらに時間がかかります。スピーディーに資金を調達したい時には、適用できない手段です。前述したように、要件が厳しいため、採択率も低い数値となっています。経費の全額が支給されるのではなく、3分の2までしか支給されないことにも注意しましょう。
創業支援金は、交付を受けるのに厳しい条件をクリアしなくてはなりません。その分、条件を満たすことで社会的な信用を得られ、取引先からも信頼を勝ち取る可能性が高まります。
信用度を上げ、業績を伸ばしていきたい事業者の方は、ぜひ創業支援金の利用を検討してみてください。