東京都内の中小企業等を対象に、革新的な技術・製品開発を支援する制度として、「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」が設けられています。
本事業は、都内中小企業等が「イノベーションマップ」に基づき、自社のコア技術を基盤として、他企業・大学・公設試験研究機関等の社外の知見やノウハウを活用して行う技術・製品開発を支援する助成事業です。成長産業分野への参入や新たな事業化を目指す中小企業にとって、大型の研究開発助成として活用できる可能性があります。
助成限度額は最大8,000万円、申請下限額は1,500万円です。助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内で、助成対象期間は令和9年3月1日から令和12年2月28日までの最長3年間です。
本記事では、TOKYO戦略的イノベーション促進事業の概要、対象者、開発支援テーマ、助成対象経費、申請時の注意点をわかりやすく解説します。
TOKYO戦略的イノベーション促進事業は、東京都内中小企業等が「イノベーションマップ」に基づき、自社のコア技術を活用しながら、社外の知見やノウハウを取り入れて行う革新的な技術・製品開発を支援する制度です。
参考:東京都で使える助成金制度まとめ|創業・設備投資・DX・販路開拓に活用できる制度を解説
東京都中小企業振興公社の募集要項では、本事業の目的について、都内中小企業等の成長産業分野への参入を促進し、東京の産業の活性化を図ることとされています。
以下に、本事業の概要をまとめます。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度 TOKYO戦略的イノベーション促進事業 |
対象地域 | 東京都 |
対象者 | 都内の本店または支店で実質的な事業活動を行っている中小企業者等、都内での創業を具体的に計画している個人 |
助成対象 | イノベーションマップに基づき、社外連携を活用して行う技術・製品開発 |
助成限度額 | 8,000万円 |
申請下限額 | 1,500万円 |
助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内 |
助成対象期間 | 令和9年3月1日から令和12年2月28日まで。最長3年間 |
主な対象経費 | 原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、専門家指導費、直接人件費、規格等認証・登録費、産業財産権出願・導入費、展示会等参加費、広告費 |
申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
必要なID | GビズIDプライム |
本事業では、経費助成に加えて、連携コーディネータによるハンズオン支援も行われます。連携コーディネータは、採択後に公社から派遣され、月1回程度、採択事業者を訪問し、進捗状況の確認や事業化に向けた助言、中間・完了検査に向けたフォローを行います。
イノベーションマップとは、東京が抱える課題を解決するため、成長産業分野における開発支援テーマと技術・製品開発動向等を示した技術開発指針です。東京都が策定しており、本事業では、このイノベーションマップに基づいた技術・製品開発であることが求められます。
申請する研究開発内容がどのテーマに該当するか、どのテーマを選択すべきかは審査項目の一部となります。公式資料でも、申請時に「開発支援テーマ」に該当するかどうかは個別回答できないため、申請者自身で開発支援テーマとイノベーションマップを確認する必要があるとされています。
本事業では、次の9つの分野に関する技術・製品開発が支援対象として示されています。
開発支援テーマ | 技術・製品開発の例 |
|---|---|
防災・減災・災害復旧 | 安否確認システム、災害情報収集・配信システム、災害予測技術、分散型非常用電源、耐震強化技術など |
インフラメンテナンス | インフラ点検・診断技術、モニタリング技術、自己修復材料、補修技術、自動・遠隔施工技術など |
安全・安心の確保 | 防犯カメラ・画像解析、侵入検知、次世代ホームセキュリティ、個人認証技術、ディープフェイク対策など |
スポーツ振興・障害者スポーツ | スポーツ技術向上、スポーツ観戦、障害者スポーツ用具、eスポーツ、バーチャルスポーツなど |
子育て・高齢者・障害者等の支援 | 教育ツール、見守り技術、ベビーテック、フェムテック、介護支援技術、ユニバーサルデザインなど |
医療・健康 | 健康管理システム、パーソナルヘルスケア、EHR・PHR、医療機器、オンライン診療、救急・救命技術など |
環境・エネルギー・節電 | エネルギーマネジメント、蓄電池、再生可能エネルギー、リサイクル、食品ロス削減、スマート農業など |
国際的な観光・金融都市の実現 | メタバース、AR・VR、バーチャルツアー、多言語ナビゲーション、キャッシュレス決済、ブロックチェーンなど |
交通・物流・サプライチェーン | コネクティッドカー、自動運転支援、ドローン、物流最適化、自動配送ロボット、サプライチェーン最適化など |
なお、医薬品医療機器等法に規定する医薬品・医薬部外品およびそれに類するものは、原則対象外とされています。一方で、テーマの例示はあくまで一例であり、開発支援テーマに即した内容であれば、周辺技術や構成部品の開発も対象となる可能性があります。
本事業の助成対象となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
要件 | 内容 |
|---|---|
開発支援テーマとの適合 | イノベーションマップに掲げられた開発支援テーマに合致した技術・製品の研究開発であること |
社外連携 | 他企業・大学・公設試験研究機関等との連携が含まれていること |
早期事業化 | 販売等により収入が発生する「事業化」を早期に目指す研究開発であること |
情報開示 | 開発に関する情報を公社に開示できること |
統括管理者 | 事業全体の進捗管理や必要書類の管理を担う統括管理者を1名設置すること |
社外連携には、委託、外注、共同研究などによるノウハウ等の活用が含まれます。連携先は、大企業や都外の企業・大学・公設試験研究機関等も対象となります。一方で、自社単独での開発は対象となりません。
本事業における「事業化」とは、販売等により収入が発生することをいいます。採択後も、事業化に向けた準備状況については適宜確認されるため、研究開発だけでなく、その後の販売・展開まで見据えた計画が必要です。
本事業では、技術・製品開発に関する取り組みであっても、すべてが対象になるわけではありません。
主な対象外事業は以下のとおりです。
対象外となる事業 | 内容 |
|---|---|
開発以外の経費を目的とする事業 | 開業費、運転資金などの助成を目的とするもの |
設備投資を目的とする事業 | 生産・量産用の機械設備の導入等を目的とするもの |
試作品自体の販売を目的とする事業 | 開発した試作品そのものを販売するもの |
自社開発ではない事業 | 研究開発の主要な部分が申請者による開発ではないもの |
大部分を外注する事業 | 研究開発の全部または大部分を外注・委託しているもの |
既に事業化されている事業 | 量産化段階にある技術や、すでに事業化され収益を上げているもの |
既製品の模倣 | 既製品の模倣にすぎないもの |
技術的開発要素がない事業 | 技術的な開発要素がないもの |
申請時点で概ね終了している事業 | 申請時に研究開発が概ね終了しているもの |
期間内に完了できない事業 | 令和12年2月28日までに研究開発の完了が見込めないもの |
特定顧客向けで汎用性がない事業 | 特定の法人・個人向けで、汎用性がないもの |
成果物の保存が見込めない事業 | 助成事業完了後、試作品等を一定期間保存できないもの |
公序良俗等に反する事業 | 公序良俗に反する事業、東京都の政策・方針にそぐわないと判断されるもの |
本事業は、あくまで「成長産業分野への参入」や「事業化を目指す革新的な技術・製品開発」を支援する制度です。単なる設備購入、既存製品の模倣、受託開発に近い特定顧客向け開発、外注先にほぼ任せる開発は対象外となる可能性が高いため注意が必要です。
本事業の対象となるのは、以下のいずれかに該当する事業者等です。
対象者 | 内容 |
|---|---|
中小企業者 | 会社および個人事業者 |
中小企業団体等 | 事業協同組合、協業組合等 |
中小企業グループ | 都内の複数の中小企業者等が集まって構成する共同申請グループ |
創業予定者 | 東京都内での創業を具体的に計画している個人 |
中小企業団体等は、中小企業等協同組合法に基づく組合、または中小企業団体の組織に関する法律に基づく中小企業団体で、構成員の半数以上が都内に実質的な事業所を有する中小企業であるものとされています。
中小企業グループで申請する場合は、代表企業を設定し、代表企業が申請書の提出や助成金の受領、共同事業の運営・管理を担う必要があります。また、共同申請者間での取引は助成対象外となり、グループに連携先を含めることはできません。
一方で、社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人、学校法人、有限責任事業組合等は助成対象外とされています。
中小企業者の範囲は、業種ごとに以下の基準で判断されます。
業種 | 資本金・従業員数の基準 |
|---|---|
製造業、建設業、運輸業、情報通信業、その他の業種 | 3億円以下または300人以下 |
ゴム製品製造業 | 3億円以下または900人以下 |
卸売業 | 1億円以下または100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下または100人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下または200人以下 |
小売業 | 5,000万円以下または50人以下 |
なお、情報通信業のうち、放送業、情報サービス業の一部、映像・音声・文字情報制作業の一部などは、サービス業に該当するものとして扱われます。
本事業では、対象者の区分に応じて、都内での事業実態や提出書類、助成事業の実施場所などが確認されます。
主な申請要件は以下のとおりです。
要件 | 内容 |
|---|---|
法人の都内事業実態 | 基準日現在で都内に登記簿上の本店または支店があり、登記簿謄本を提出できること |
法人の事業期間 | 基準日現在で都内で実質的に1年以上事業を行っていること、または都内で創業し事業期間が1年に満たない未決算法人であること |
個人事業者 | 開業届の写しにより、納税地・主たる事業所等の都内所在地等が確認できること |
個人事業者の事業期間 | 基準日現在で都内で実質的に1年以上事業を行っていること、または都内で創業し事業期間が1年に満たない者であること |
創業予定者 | 基準日現在で都内での創業を具体的に計画している個人であること |
創業予定者の開業 | 交付決定後、速やかに開業し、開業届または登記簿謄本により都内所在地等が確認できること |
事業継続 | 助成事業の成果を活用し、都内で引き続き事業を営む予定であること |
実施場所 | 自社の事業所・工場等であり、原則として東京都内であること |
重複助成不可 | 同一テーマ・内容で、公社・国・都道府県・区市町村等から助成等を受けていないこと |
同一年度申請 | 本助成事業の同一年度の申請は、一企業につき一件であること |
納税・債務 | 事業税等を滞納していないこと、東京都・公社に対する債務の支払いが滞っていないこと |
法令遵守 | 必要な許認可を取得し、関係法令を遵守すること |
基準日は令和8年8月1日です。また、「都内で実質的に事業を営んでいる」とは、登記簿や開業届に記載された所在地に単に建物があるだけではなく、客観的に見て都内に根付く形で事業活動が行われていることを指します。申請書、Webサイト、名刺、看板、電話等の状況、事業実態や従業員の雇用状況などから総合的に判断されます。
TOKYO戦略的イノベーション促進事業の助成限度額・助成率は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
助成限度額 | 8,000万円 |
申請下限額 | 1,500万円 |
助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内 |
助成対象期間 | 令和9年3月1日から令和12年2月28日まで。最長3年間 |
助成金は後払いです。事業者が事業を完了し、その実績を確認・検査した後に助成金が支払われます。なお申請時に設定した研究開発の達成目標を達成できなかった場合は、助成金が支払われないため注意が必要です。
また、事業計画において助成事業の実施段階に応じて助成対象期間を明確に区分できる場合、「期」を設定することができます。ただし、期を設定する場合は、それぞれ1年以上の期間を設定する必要があります。
本事業の助成対象経費は、助成対象事業として決定を受けた事業を実施するための必要最小限の経費であり、助成対象期間内に契約、取得、使用または履行、支払いが完了したものに限られます。
主な助成対象経費は以下のとおりです。
経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
原材料・副資材費 | 開発品の構成部分や研究開発等に直接使用・消費される原料、材料、副資材の購入費 |
機械装置・工具器具費 | 研究開発に直接使用する機械装置、工具器具、ソフトウェア等の購入・リース・レンタル・据付費用 |
委託・外注費 | 研究開発に必要な外部委託、外注、共同研究、試験、分析、加工等の経費 |
専門家指導費 | 外部専門家から技術指導や技術相談を受けるための謝金・相談料等 |
直接人件費 | 研究開発に直接従事する役員・従業員等の人件費 |
規格等認証・登録費 | 開発品の規格認証や登録に要する経費 |
産業財産権出願・導入費 | 特許権等の出願や、他者からの実施許諾等に要する経費 |
展示会等参加費 | 開発品を展示会等へ出展するための出展料、資材費、輸送費、通訳・翻訳費等 |
広告費 | 開発品の展示会出展等に関連する広告物制作や広告掲載に要する経費 |
原材料・副資材費は、開発品の構成部分や研究開発に直接使用し消費される原料、材料、副資材の購入費です。鋼材、機械部品、電気部品、化学薬品、試験用部品などが例示されています。
原材料費を計上する場合は、受払簿を作成し、受払いを明確にする必要があります。また、助成事業終了時点で未使用の残存品は助成対象となりません。
機械装置・工具器具費は、研究開発の実施に直接使用する機械装置、工具器具等の購入、リース、レンタル、据付費用です。試作金型、計測機械、測定装置、サーバ、ソフトウェア等が例示されています。
1件100万円(税抜)以上の購入品については、原則として2社以上の見積書が必要です。また、助成対象とする機械装置・工具器具は、原則として申請書記載の助成事業実施場所に設置・保管し、完了検査で公社の確認を受ける必要があります。
直接人件費は、研究開発に直接従事する社員等の人件費に加え、統括管理者の人件費も対象となる場合があります。統括管理者については、本助成事業に係る提出用経理書類等の取りまとめ、進捗状況管理に伴う公社との打合せ等も対象例として示されています。
対象となるのは、助成事業者の役員および直接雇用の従業員等のうち、毎月一定の報酬・給与が直接支払われている方です。採択後には、就業規則と賃金規程の提出が必要となり、報告時には従事者別の作業日報や賃金台帳の提出が必要になります。
一方で、資料収集、打合せ、仕入れ、在庫管理、専門家指導の受講、移動、スケジュール管理、進行管理、特許事務所との打合せ等、研究開発に直接関係しない業務は原則として対象外です。ただし、統括管理者による対公社作業等は除かれます。また、現金支給、所定労働時間外の超過勤務、休日労働も対象外とされています。
なお、直接人件費の助成金交付申請額は、研究開発従事者と統括管理者を合わせて1年につき1,000万円が上限です。また、1人当たりの従事時間は1日8時間、年間1,800時間までとされています。
展示会等参加費は、開発品を展示会等に出展するための費用です。展示会では、本助成事業の開発品が主たる展示物、概ね半分以上になっている必要があります。また、完了検査終了まで販売行為は禁止されています。
広告費は、開発品を展示会等に出展する際に要するパンフレットやPR映像等の制作費、新聞・雑誌・Web等への広告掲載費などが対象となる場合があります。展示会等参加費と広告費の助成金交付申請額は、合計で1,000万円が上限です。また、規格等認証・登録費、産業財産権出願・導入費、展示会等参加費、広告費の合計は、全体の2分の1が上限です。
助成対象経費に該当するように見える場合でも、以下のような経費は対象外となる可能性があります。
対象外となる経費 | 内容 |
|---|---|
対象期間外の経費 | 契約から支払いまでの一連の手続きが助成対象期間内に行われていない経費 |
納品確認ができない経費 | 発注どおりに納品・履行されたことが確認できない経費 |
帳票不備の経費 | 公社指定の帳票類が不備の経費 |
未使用原材料等 | 完了時点で未使用の購入原材料等 |
申請書に記載されていない経費 | 申請書に記載されていないものを購入した経費 |
通常業務と混合した支払い | 通常業務や他取引と混合して支払いが行われている経費 |
相殺払い | 他の取引と相殺して支払いが行われている経費 |
手形・小切手等 | 他社発行の手形や小切手等により支払いが行われている経費 |
ポイント相当分 | 契約・支払いに際して取得・使用したポイント相当分 |
関連会社等との取引 | 親会社、子会社、グループ企業、役員や親族が関係する会社等との取引 |
共同申請者間の取引 | 中小企業グループによる共同申請の場合の共同申請者間での取引 |
著しく高額な経費 | 一般的な市場価格や研究開発内容に対して著しく高額な経費 |
社会通念上不適切な経費 | 公的資金の用途として不適切と認められる経費 |
また、委託・外注費では、第三者へ再委託・再外注された経費、技術開発要素を伴わないデザイン・翻訳等、人材派遣に係る経費、納品物で未使用部分がある場合の経費なども対象外例として示されています。
令和8年度の申請エントリー期間は令和8年7月9日から8月12日17時までで、すでに終了しています。申請書類の提出期間は令和8年8月14日から9月3日17時までです。申請書類の提出は、申請エントリーを行った方が対象です。
項目 | スケジュール |
|---|---|
申請エントリー期間 | 令和8年7月9日〜8月12日17時 |
申請書類提出期間 | 令和8年8月14日〜9月3日17時 |
一次審査 | 令和8年9月上旬〜12月上旬 |
一次審査結果通知 | 令和8年12月上旬 |
現地調査 | 令和8年12月上旬〜下旬頃 |
二次審査・面接 | 令和9年1月上旬頃 |
助成対象者決定 | 令和9年3月上旬頃 |
助成対象期間 | 令和9年3月1日〜令和12年2月28日 |
申請はJグランツによる電子申請で受け付けられます。Jグランツを利用するには、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。公式ページでは、GビズIDプライムの発行には原則2週間程度かかると案内されています。
また、持参、郵便、宅急便、FAX、電子メール等による提出は受け付けられていません。申請書類に不足や不明点がある場合は、事務局から連絡が行われる場合があります。
最新情報は以下の公式サイトをご確認ください
本事業の一般的な流れは以下のとおりです。
行程 | 内容 |
|---|---|
1.GビズIDプライム取得 | Jグランツ申請に必要なアカウントを取得 |
2.申請エントリー | 公社Webサイトから事前エントリー |
3.申請書類作成 | 募集要項、申請書、提出資料一覧等を確認し、申請書類を作成 |
4.Jグランツ提出 | 申請書類提出期間内に電子申請 |
5.一次審査 | 書類審査等 |
6.現地調査 | 必要に応じて実施 |
7.二次審査 | 面接審査 |
8.総合審査会 | 一次審査・二次審査を踏まえて総合判断 |
9.交付決定 | 採択された場合、Jグランツで交付決定通知 |
10.助成事業実施 | 助成対象期間内に研究開発を実施 |
11.中間検査・完了検査 | 進捗、成果物、経費関係書類等を確認 |
12.助成金額確定 | 完了検査後、助成金額を確定 |
13.助成金支払い | 請求手続きを経て助成金が支払われる |
本事業では、完了検査において、研究開発の目標達成状況や、購入物・支出経費、販路開拓状況などが確認されます。助成金は原則後払いです。なお、研究開発を段階的に区分して「期」を設定した場合は、各期の完了検査後に助成金の支払いを受けることができます。
本事業は助成限度額が大きい一方で、要件も厳しく、研究開発計画・連携体制・事業化計画の説得力が重要になります。
申請する研究開発は、イノベーションマップに掲げられた開発支援テーマに合致している必要があります。
単に「新しい技術を開発する」というだけでなく、9つの開発支援テーマのどれに該当し、東京が抱える課題の解決にどのように貢献するのかを明確に示しましょう。開発支援テーマとの適合性は審査項目となるため、申請書上での説明が重要です。
本事業では、「自社のコア技術を基盤」として開発を行うことが前提です。外部企業や大学等と連携する場合でも、単に外注先へ開発を任せるのではなく、自社がどの技術を持ち、どの部分を担うのかを明確にする必要があります。
自社の既存技術、特許、ノウハウ、開発実績、保有設備、人材体制などを整理し、今回の開発にどう活かすのかを説明できるようにしておきましょう。
自社単独での開発は対象外です。本事業では、他企業・大学・公設試験研究機関等との連携が条件となります。
連携先に何を依頼するのか、どのような技術・知見を活用するのか、共同研究なのか、外注なのか、委託なのかを具体的に整理しましょう。
連携先との関係性を示す資料として、連携先が作成した「関心表明書」を任意で提出することもできます。提出した場合は審査資料として扱われます。
本事業では、早期に事業化を目指す研究開発であることが求められます。事業化とは、販売等により収入が発生することを指します。
そのため、開発完了後にどの市場へ展開するのか、誰に販売するのか、どのような価格帯・販売チャネルを想定するのか、どの時期に売上化を目指すのかを具体的に示すことが重要です。
研究開発の主要な部分が申請者による開発ではないものや、研究開発の全部または大部分を外注しているものは対象外とされています。
外部連携は必要ですが、外注依存になりすぎると対象外となる可能性があります。自社の担当範囲、連携先の担当範囲、共同で取り組む範囲を明確に区分しましょう。
助成金は後払いであり、交付決定額は支払いを保証するものではありません。完了検査の結果、助成金額が減額される場合もあります。
そのため、研究開発に必要な資金をどのように確保するのか、自己資金・借入・助成金の入金時期を踏まえた資金繰り計画を立てることが重要です。
本事業では、展示会等参加費や広告費も対象経費に含まれますが、上限があります。
展示会等参加費と広告費の助成金交付申請額は、合計で1,000万円が上限です。また、規格等認証・登録費、産業財産権出願・導入費、展示会等参加費、広告費の合計は、助成金交付申請額全体の2分の1が上限です。
研究開発費だけでなく、販路開拓や広告宣伝まで計画に含める場合は、経費区分ごとの上限に注意しましょう。
助成事業により取得または効用が増加した設備、研究開発物、試作品、その他成果物は、管理状況を明らかにし、一定期間保存する必要があります。完了検査が終了した日の属する会計年度の翌年度から起算して5年経過する日まで保存し、この期間内に処分する場合は、あらかじめ公社の承認が必要です。
TOKYO戦略的イノベーション促進事業は、東京都内の中小企業等が、自社のコア技術を活かし、他企業・大学・公設試験研究機関等と連携して行う革新的な技術・製品開発を支援する大型助成制度です。
助成限度額は最大8,000万円、申請下限額は1,500万円、助成率は2/3以内で、助成対象期間は最長3年間です。原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、専門家指導費、直接人件費、規格等認証・登録費、産業財産権出願・導入費、展示会等参加費、広告費などが対象となります。
一方で、自社単独での開発は対象外であり、他企業・大学・公設試験研究機関等との連携が必要です。また、開発支援テーマとの適合性、早期事業化の見込み、自社コア技術の活用、研究開発の主要部分を自社で担うことなどが重要になります。
申請を検討する場合は、自社の開発テーマがイノベーションマップのどの分野に該当するか、社外連携先とどのような役割分担で進めるか、研究開発後にどのように事業化するかを整理したうえで、申請書類を準備しましょう。
また、東京都には他にも活用しやすい制度が沢山あります。以下の記事でまとめて紹介しておりますので、合わせてご覧ください。
参考:東京都で使える助成金制度まとめ|創業・設備投資・DX・販路開拓に活用できる制度を解説
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