愛知県の「中小企業デジタル化・DX促進補助金」は、県内の中小企業や小規模企業者がデジタル技術を活用し、生産性向上や省力化に取り組む際の費用を支援する制度です。
令和8年度は、デジタルツールの導入、既存システムの改修、新システムの構築などを対象に、最大200万円の補助が実施されました。
補助率は中小企業が2分の1以内、小規模企業者が3分の2以内です。ただし、令和8年度の公募は2026年5月12日に終了しています。
本記事では、令和8年度の公式情報に基づき、補助対象者、補助金額、対象経費、申請方法、注意点などを詳しく解説します。
中小企業デジタル化・DX促進補助金は、愛知県内の中小企業や小規模企業者が、デジタル技術を活用して業務効率化や省力化、生産性向上に取り組む際に利用できる補助金です。
公益財団法人あいち産業振興機構が実施しており、デジタルツールの導入だけでなく、業務プロセスの分析や既存システムの改修、新システムの構築なども対象としています。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度中小企業デジタル化・DX促進補助金 |
実施主体 | 公益財団法人あいち産業振興機構 |
対象地域 | 愛知県 |
補助対象者 | 愛知県内に事業所を有する中小企業・小規模企業者 |
補助上限額 | 200万円 |
中小企業の補助率 | 1/2以内 |
小規模企業者の補助率 | 2/3以内 |
主な対象事業 | コンサルティング、デジタルツール導入、システム改修・構築 |
申請方法 | 電子メール |
令和8年度の公募では、補助対象となる取り組みがA・B・Cの3種類に分かれています。
対象となる事業 | 活用例 |
|---|---|
業務・生産プロセスの可視化や課題認識のためのコンサルティング | 業務フローの分析、デジタル化に向けた課題整理 |
生産性向上や省力化のためのデジタルツール導入 | 受発注管理、在庫管理、顧客管理システムの導入 |
既存システムの改修または新システムの構築 | 既存システムへの機能追加、新たな業務システムの開発 |
いずれか1種類を単独で申請できるほか、AとB、またはAとCを組み合わせた申請も認められています。
例えば、業務分析のコンサルティングを受けた後に、課題を解決するためのデジタルツールを導入する場合は、AとBの組み合わせが考えられます。
一方、既存システムに不足している機能を追加する場合は、Cの区分が候補となります。
ただし、BとCの組み合わせや、A・B・Cの3事業をまとめた申請は、令和8年度の対象となる組み合わせには含まれていません。
国のデジタル化・AI導入補助金と、愛知県の中小企業デジタル化・DX促進補助金は別の制度です。
国の制度は、原則として事務局に登録されたITツールを、IT導入支援事業者とともに申請する仕組みです。
一方、愛知県の制度では、既存ツールの導入に加えて、業務分析のコンサルティングや個別システムの改修・構築も対象事業となっています。
比較項目 | 愛知県の中小企業デジタル化・DX促進補助金 | 国の制度 |
|---|---|---|
対象地域 | 愛知県内の対象事業者 | 全国の対象事業者 |
主な対象 | コンサルティング、ツール導入、システム改修・構築 | 登録ITツールの導入等 |
申請方法 | 令和8年度はメール申請 | 電子申請 |
補助上限額 | 200万円 | 申請枠・類型によって異なる |
補助率 | 中小企業1/2以内、小規模企業者2/3以内 | 申請枠・類型によって異なる |
どちらの制度が適しているかは、導入するシステムの内容や事業目的によって異なります。
なお、同一目的の事業について国などの補助金を受ける場合は、愛知県の本補助金では対象外となるため注意が必要です。
国の制度については、以下の公式ページよりご確認ください。
参考記事:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは?補助額や申請方法、スケジュール、注意点などを解説
令和8年度の補助対象者は、愛知県内に事業所を有する中小企業または小規模企業者です。
本社所在地だけでなく、実際に補助事業を実施する事業所が愛知県内にあるかを確認する必要があります。
令和8年度の主な申請要件は、以下のとおりです。
要件 | 内容 |
|---|---|
所在地 | 愛知県内に事業所を有すること |
企業規模 | 中小企業または小規模企業者に該当すること |
コンソーシアム加入 | あいち産業DX推進コンソーシアムに加入していること |
事業内容 | デジタル技術を活用した生産性向上や省力化に取り組むこと |
対象事業 | A・B・Cのいずれか、または認められた組み合わせに該当すること |
特に注意したいのが、「あいち産業DX推進コンソーシアム」への加入要件です。
令和8年度は、補助金の申請にあたってコンソーシアムへの加入が必要とされていました。
また、対象となる企業規模は、業種ごとの資本金額や常時使用する従業員数などによって判断されます。
申請にあたっては、必ず公募要領に記載された中小企業・小規模企業者の定義を確認してください。
個人事業主については、申請年度の公募要領に定められた対象事業者の範囲を確認する必要があります。
公式サイトでは対象者を中小企業・小規模企業者としていますが、個人事業主の具体的な取扱いや必要書類については、公募要領による確認が必要です。
愛知県内に事業所を有している場合でも、企業規模や事業実態などの要件を満たす必要があります。
令和8年度の制度では、以下のような場合は対象外となる可能性があります。
愛知県内に事業所がない
あいち産業DX推進コンソーシアムに加入していない
デジタル化やDXによる生産性向上につながらない
一般的な経営相談やマーケティング戦略の立案だけを行う
自社が提供するサービス等を自社から調達する
パソコンやタブレットなどの汎用機器の購入のみを目的とする
単にデジタルツールを購入すれば補助対象になるわけではありません。
自社の業務課題と導入するシステムの関係を明確にし、生産性向上や省力化への効果を説明することが重要です。
令和8年度の補助上限額は200万円です。
補助率は、中小企業が2分の1以内、小規模企業者が3分の2以内となっています。
事業者区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
中小企業 | 1/2以内 | 200万円 |
小規模企業者 | 2/3以内 | 200万円 |
例えば、補助対象経費が300万円の場合、中小企業では最大150万円、小規模企業者では最大200万円の補助を受けられる計算です。
ただし、補助上限額の200万円が必ず交付されるわけではありません。
実際の補助金額は、補助対象経費の認定や審査結果などによって異なります。
また、対象外経費や補助金で賄えない費用については自己負担となります。
令和8年度は、デジタル化やDXによる生産性向上・省力化に直接必要な経費が補助対象とされていました。
対象となる経費は、コンサルティング費用、デジタルツール導入費用、既存システムの改修費用などです。
経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
コンサルティング費 | 業務フローの分析、可視化、デジタル化に向けた課題整理 |
デジタルツール導入費 | 業務管理、顧客管理、在庫管理などのデジタルツール導入費 |
初期設定費 | デジタルツールの導入に必要な初期設定費 |
サブスクリプション費 | 支給対象期間中のクラウドサービス利用料 |
システム改修費 | 既存システムの機能追加、改善に必要な費用 |
システム構築費 | 新たな業務システムの設計・開発費 |
ただし、費目に該当する場合でも、必ず補助対象になるわけではありません。
自社の課題解決に必要な経費であることや、支給対象期間内の支出であることなどを確認する必要があります。
中小企業デジタル化・DX促進補助金では、業種ごとにさまざまなデジタル化の取り組みが考えられます。
業種 | 想定される活用例 |
|---|---|
製造業 | 生産管理システム、工程管理、設備稼働状況の可視化 |
卸売業 | 受発注管理、在庫管理システムの導入 |
小売業 | 顧客管理、販売管理、在庫管理の連携 |
サービス業 | 予約管理、案件管理、請求業務のデジタル化 |
建設業 | 工程管理、原価管理、工事進捗管理システムの導入 |
運輸業 | 配送管理、配車管理、業務報告のデジタル化 |
例えば、製造業で紙に記録している生産実績をシステムへ集約し、集計作業を自動化する場合などが考えられます。
また、小売業で受発注情報と在庫情報を連携させ、在庫確認や発注作業の時間を削減する取り組みなども候補になります。
ただし、上記は制度要件を踏まえた想定例であり、採択実績を示すものではありません。
実際の対象可否は、導入するツールや事業目的によって判断されます。
令和8年度は、以下のような経費が対象外とされていました。
対象外経費 | 主な内容 |
|---|---|
汎用機器 | パソコン、プリンター、タブレット端末等 |
一般的な経営コンサルティング | 経営戦略や一般的な経営相談 |
市場調査 | 一般的な市場調査やマーケティング戦略の立案 |
自社調達費 | 自社が提供するサービス等を自社から調達する費用 |
特に注意したいのが、パソコンやタブレットなどの汎用機器です。
業務システムを利用するために必要であっても、汎用性が高く、目的外使用が可能な機器は原則として対象外です。
また、既存システムの通常保守や契約更新費用についても、対象となる範囲を公募要領で確認する必要があります。
令和8年度の公募は、2026年3月6日から5月12日17時まで実施されました。
申請方法は電子メールによる提出で、指定されたメールアドレスへ申請書類一式を送付する方式でした。
項目 | 日程 |
|---|---|
公募開始日 | 2026年3月6日 |
申請締切 | 2026年5月12日17時 |
採択事業の公表 | 2026年7月14日 |
支給対象期間 | 支給決定日~2026年12月31日 |
受付状況 | 令和8年度の公募終了 |
令和8年度の採択事業は、2026年7月14日に公表されています。
現在は令和8年度の新規申請を受け付けていません。
令和8年度は、電子メールによる申請が指定されていました。
項目 | 内容 |
|---|---|
申請方法 | 電子メール |
提出先 | |
メール件名 | 申請書類の提出(貴社名) |
申請締切 | 2026年5月12日17時 |
申請書類に不備がある場合、締切までに修正が間に合わない可能性があります。
そのため、申請時には添付ファイルの不足や記載内容を確認し、余裕を持って提出することが重要です。
なお、令和8年度は支給決定などの通知についても電子メールで行われると案内されていました。
書類 | 主な内容 |
|---|---|
支給申請書 | 事業計画、導入内容、経費等の申請 |
登記簿謄本 | 法人の基本情報の確認 |
決算書類 | 直近2期分の貸借対照表・損益計算書 |
ツール・システムの概要資料 | 導入する製品やシステムの仕様 |
金額の算出根拠資料 | 見積書、カタログ等 |
他の補助金に関する資料 | 国などの補助金にも申請する場合に必要 |
登記簿謄本については、発行から3か月以内の履歴事項全部証明書が必要とされていました。
また、1件50万円以上の契約については、金額の算出根拠となる見積書やカタログなどの提出が求められていました。
必要書類は申請内容によって異なるため、詳細は公募要領で確認してください。
令和8年度の申請から補助金受給までの基本的な流れは、以下のとおりです。
補助対象となる事業者・事業内容の要件を確認する
あいち産業DX推進コンソーシアムへの加入状況を確認する
自社の業務課題と導入するシステムの内容を整理する
見積書やツール・システムの概要資料を準備する
指定されたメールアドレスへ申請書類を提出する
審査を経て支給決定の通知を確認する
支給対象期間内にシステムの導入や改修を実施する
導入費用の支払いを完了し、実績報告を行う
支給額の確定後、補助金を受け取る
申請書類を提出しただけでは、補助金の支給が決定するわけではありません。
支給決定後も、対象期間内に事業を実施し、必要な報告を行うことが求められます。
令和8年度の支給対象期間は、支給決定日から2026年12月31日までです。
そのため、支給決定前に契約や発注、支払いを行う場合は、補助対象外となるおそれがあります。
見積書の取得やシステムの仕様検討と、正式な契約・発注は区別して進める必要があります。
既存システムの契約更新や、無料試用から有料契約へ切り替える場合なども、対象となる時期や条件を公募要領で確認してください。
令和8年度は、同一目的の事業について国などの補助金を受ける場合、本補助金の対象外とされていました。
例えば、同じ業務管理システムの導入費を、愛知県の本補助金と国のデジタル化・AI導入補助金の双方へ重複して計上することはできません。
一方、異なる事業や経費であれば併用できる可能性もありますが、各制度の要件によって判断されます。
複数制度の活用を検討する場合は、事前にそれぞれの事務局へ確認することが重要です。
補助金は、一般的に事業実施や支払い、実績報告などを経て交付されます。
そのため、補助金を受け取る前に、設備やシステムの導入費用を支払うための資金が必要となります。
特にシステム開発や改修は、初期費用だけでなく、保守費用やクラウドサービスの利用料などが継続的に発生する場合があります。
補助金の交付額だけで判断せず、導入後の維持費用も含めて資金計画を立てることが重要です。
本補助金では、デジタルツールを導入すること自体ではなく、生産性向上や省力化につながることが重要です。
例えば、受注情報の入力作業を月80時間から40時間へ削減する計画であれば、月40時間、年間480時間の作業時間削減が見込まれます。
このように、導入前の課題と導入後の改善目標を数字で整理すると、事業の必要性を説明しやすくなります。
ただし、作業時間が削減されても、その時間がそのまま人件費の削減につながるとは限りません。
削減した時間を営業活動や顧客対応などに活用し、事業全体の生産性向上につなげる計画を立てることも重要です。
個人事業主も対象となる可能性がありますが、愛知県内に事業所を有することや、中小企業・小規模企業者の定義に該当することなどが判断のポイントとなります。
原則として対象外です。
令和8年度は、パソコン、プリンター、タブレット端末などの汎用機器が対象外経費として示されていました。
はい。令和8年度は、既存システムの改修や機能追加が対象事業Cに含まれていました。
ただし、通常の保守や契約更新などが対象となるかは、公募要領による確認が必要です。
同一目的の事業について国などの補助金を受ける場合は、本補助金の対象外です。
異なる事業や経費について併用できるかは、それぞれの制度の要件によって異なります。
中小企業デジタル化・DX促進補助金は、愛知県内の中小企業・小規模企業者が、デジタル技術を活用して生産性向上や省力化に取り組む際の費用を支援する制度です。
令和8年度の補助上限額は200万円で、補助率は中小企業が2分の1以内、小規模企業者が3分の2以内でした。
対象となるのは、業務・生産プロセスの可視化に関するコンサルティング、デジタルツールの導入、既存システムの改修・新システムの構築などです。
一方、パソコンやタブレットなどの汎用機器、一般的な経営コンサルティング、自社サービスの調達費などは対象外とされています。
令和8年度の申請受付は2026年5月12日に終了しています。
今後、同様の制度を検討する場合は、自社の業務課題、導入するシステムの内容、投資額、導入後の効果などを事前に整理しておくことが重要です。
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