千葉県内で企業や大学、自治体などが連携し、新しい製品・サービスやビジネスモデルの実証実験を行う際に活用を検討できるのが、「ちば地域産業創出実証プロジェクト補助金」です。
令和8年度は、千葉県内に本社を有する中小企業者等を含む複数の法人による連携体を対象として、地域産業の創出につながる実証実験や社会実装に必要な費用の一部を支援しました。
補助率は5分の4以内、補助額は1プロジェクト当たり100万円以上1,000万円以下です。
ただし、機械器具等の購入そのものを目的とした申請は採択対象になりません。地域の特性や地域資源を活用し、革新的なアイデアや新しいビジネスモデルを実際の地域で検証することが重視されます。
また、単独事業者による申請はできず、連携体の形成や公的支援機関による事前確認など、特徴的な要件があります。
なお、令和8年度の募集期間は2026年3月24日から4月24日までで、すでに終了しています。
最新の公募情報は、以下リンクの公式ページよりご確認ください。
本記事では、令和8年度の千葉県公式資料に基づき、補助対象者、補助額、対象経費、申請方法、注意点などを詳しく解説します。
ちば地域産業創出実証プロジェクト補助金は、千葉県内で企業、大学などの多様な主体が連携して行う実証実験を支援する制度です。
地域の特性や地域資源を生かした新たな産業の創出を目的としており、将来的に地域経済の活性化や雇用創出につながる取り組みが期待されています。
千葉県では「千葉県実証実験ワンストップ窓口」を設置し、実証実験を行いたい企業や大学などと、実証フィールドとなる市町村等とのマッチングも支援しています。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度ちば地域産業創出実証プロジェクト補助金 |
実施主体 | 千葉県 |
補助対象者 | 県内に本社を有する中小企業者等を1者以上含む、2者以上の法人による連携体 |
対象事業 | 地域産業の創出につながる実証実験・社会実装 |
実施場所 | 千葉県内 |
補助率 | 補助対象経費の5分の4以内 |
補助上限額 | 1,000万円 |
補助下限額 | 100万円 |
事業予算 | 5,000万円 |
募集期間 | 2026年3月24日~4月24日17時 |
事業期間 | 交付決定日~2027年2月28日 |
審査方法 | 書類審査・プレゼンテーション審査 |
申請方法 | ちば電子申請サービス |
実証実験とは、新しい技術やサービス、ビジネスモデルなどについて、実際の環境で有効性や実現可能性を検証する取り組みです。
例えば、地域の農業資源を活用した新しいサービスや、複数企業が連携する地域産業モデルなどが考えられます。
本補助金では、実証実験を行うだけでなく、その後の事業化や社会実装によって地域産業の創出につながることが重視されます。
また、コンピューター上のシミュレーションだけを行う事業は対象外です。事業期間中に実地での実証実験を実施する必要がありました。
令和8年度の公募では、千葉県内に本社を有する中小企業者等を1者以上含む、複数の法人による連携体が対象でした。
1社単独での応募は認められず、2者以上で連携体を形成する必要がありました。
確認項目 | 主な要件 |
|---|---|
構成者数 | 2者以上(上限なし) |
県内中小企業 | 千葉県内に本社を有する中小企業者等を1者以上含む |
資本関係 | 連携体の構成企業間に資本の出資関係がないこと |
代表申請者 | 連携体を代表する企業等を設定すること |
代表者 | 同一の代表者だけで構成された連携体ではないこと |
法人格 | 構成者が法人格を有すること。市町村には特例あり |
法令遵守 | 法令や公序良俗に反していないこと |
経営状況 | 会社更生・民事再生に関する所定の除外要件に該当しないこと |
反社会的勢力 | 反社会的勢力等との関与がないこと |
指名停止 | 千葉県から指名停止措置を受けていないこと |
連携体の構成者には法人格が必要であり、個人事業主や個人が構成者として参加することはできません。
ただし、市町村については特例が設けられており、連携体の構成者として参加できます。
また、連携体に含まれる県内中小企業者等が代表申請者である必要はありません。
大企業、県外企業、大学等、市町村が代表申請者となることも可能でした。
連携体を形成する場合、各構成者が実証プロジェクトにおいて具体的な役割を担う必要があります。
例えば、技術開発を担当する企業、実証フィールドを提供する事業者、効果測定や事業化を支援する大学などが連携する形が考えられます。
なお、連携体の構成者すべてに補助対象経費が発生する必要はありません。
アドバイザーとして参加する場合や、既存設備の提供などによって協力する場合も認められます。
ただし、単なる名義貸しのように実質的な役割がない場合は、連携体の構成者として認められません。
令和8年度の公募では、革新的なアイデアや新たなビジネスモデルを活用し、地域産業の創出につながる実証実験・社会実装が対象でした。
要件 | 内容 |
|---|---|
地域産業創出 | 将来的に地域産業の創出につながる実証実験・社会実装であること |
実施場所 | 千葉県内を実証フィールドとすること |
事業完了 | 2027年2月28日までに事業を完了すること |
実施体制 | 代表申請者を中心に構成者が連携すること |
事前確認 | 公的支援機関から事業内容の確認を受けること |
宣言登録 | 全構成者がパートナーシップ構築宣言に登録していること |
令和8年度の公募では、申請前に公的支援機関から事業内容の確認を受ける必要がありました。
対象となる主な支援機関は、以下のとおりです。
千葉県よろず支援拠点
公益財団法人千葉県産業振興センター
千葉県内の商工会議所・商工会
公的支援機関による確認には一定の期間を要するため、申請期限に余裕を持って相談することが求められていました。
ただし、公的支援機関の確認を受けたことによって、採択が保証されるわけではありません。
令和8年度の公募では、連携体を構成するすべての主体が「パートナーシップ構築宣言」に登録していることが要件でした。
パートナーシップ構築宣言とは、企業が取引先との適正な取引やサプライチェーン全体の共存共栄に取り組むことを宣言する制度です。
代表申請者だけでなく、連携体の全構成者について登録状況を確認する必要がありました。
令和8年度の補助率は、補助対象経費の5分の4以内です。
補助額は1プロジェクト当たり100万円以上1,000万円以下となっており、補助金額の千円未満は切り捨てられます。
項目 | 内容 |
|---|---|
補助率 | 5分の4以内 |
補助上限額 | 1,000万円 |
補助下限額 | 100万円 |
事業予算 | 5,000万円 |
端数処理 | 千円未満切り捨て |
例えば、補助対象経費が500万円の場合、最大400万円の補助を受けられる計算です。
また、令和8年度は申請額100万円以上、事業費125万円以上が条件でした。
ただし、補助対象外の経費や補助金で賄えない費用は自己負担となります。
補助金の入金前に事業費の支払いが必要となるため、あらかじめ資金を確保しておくことが重要です。
令和8年度の募集要領では、実証事業の実施に必要な経費について、次の費目が補助対象として定められていました。
経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
人件費 | 補助事業に直接従事する人員の人件費 |
機械器具等借上料 | 実証に必要な機械・設備等のレンタル、リース料 |
備品費 | リース等ができない場合に必要な備品購入費 |
消耗品費 | 実証事業で直接使用・消費する原材料や消耗品 |
報償費 | 外部専門家や技術指導員への謝金 |
通信運搬費 | 郵便代、通信費、運送料 |
広報活動費 | 実証事業に関するチラシ、パンフレット、動画等の制作費 |
旅費 | 補助事業に直接必要な移動費、宿泊費等 |
調査費 | 特許・実用新案の調査・取得費、市場調査費等 |
安全対策費 | 保険料、保安警備料等 |
外部委託料 | 試作品開発、設計、加工、実験、分析・検査等 |
その他経費 | その他、知事が事業実施に必要と認める経費 |
なお、上記の費目に該当する場合でも、補助事業に直接必要であり、金額や支払内容を証拠書類で確認できることが必要です。
補助事業に直接従事した人員の人件費も対象となります。
ただし、給与をそのまま計上できるわけではありません。
令和8年度は、所定の人件費単価に補助事業へ直接従事した時間数を乗じて計算する方法が定められていました。
人件費を計上する場合は、業務日誌や給与関係資料などによって、従事時間や計算根拠を確認できるようにする必要があります。
実証に必要な機械器具等は、原則としてレンタルやリースによる導入が想定されています。
リース等が不可能な場合に限り、備品購入費が対象となる場合があります。
ただし、機械器具等の購入そのものを目的とした申請は採択対象になりません。
また、補助金で購入した機械装置や製作した試作品を売却することはできません。
試作品の開発、設計、デザイン、加工、実験、分析・検査などについて、外部へ委託する費用も対象となります。
ただし、外部委託費については次の制限があります。
補助事業の中核となる部分を委託することはできない
外部委託費は経費全体の50%以下とする
委託内容や金額を明記した契約書が必要
委託成果物は補助事業者に帰属する必要がある
なお、連携体の構成者同士で行う業務は外部委託には該当しません。
連携体内部で発生する経費を補助対象として計上する場合は、人件費等の適切な経費区分で整理する必要があります。
対象外経費 | 内容 |
|---|---|
交付決定前の経費 | 交付決定日前に契約・発注・支出した経費 |
経常的経費 | 光熱水費など |
汎用品 | 名刺、文房具、書籍など |
消費税・地方消費税 | 原則として対象外。一部例外あり |
振込手数料 | 金融機関への手数料 |
申請書類の作成費 | 事業計画書や交付申請書の作成費用 |
事務所費 | 家賃、敷金、保証金、仲介手数料 |
公租公課 | 税金等 |
その他 | 公的資金の用途として不適切と認められる経費 |
消費税・地方消費税は原則として補助対象外です。ただし、市町村等が最終消費者として負担し、仕入控除税額とならない消費税については、補助対象となる場合があります。
また、単なる企業PRや営業活動のための広報費、展示会出展費なども補助対象外です。
経費を計上する際は、実証事業に直接必要な支出であるかを確認し、通常業務の費用と明確に区分して管理する必要があります。
令和8年度の公募では、ちば電子申請サービスによるオンライン申請のみ受け付けていました。
郵送や千葉県庁への持参による申請はできませんでした。
千葉県内に本社を有する中小企業者等を含む連携体を形成する
実証事業の計画や実施体制を具体化する
公的支援機関から事業内容の確認を受ける
パートナーシップ構築宣言への登録状況を確認する
申請書類と必要な添付資料を準備する
ちば電子申請サービスから申請する
書類審査・プレゼンテーション審査を受ける
採択結果と交付決定の通知を確認する
書類 | 提出対象 |
|---|---|
交付申請書 | 代表申請者 |
エントリーシート(別紙1) | 代表申請者 |
経費明細書(別紙2) | 代表申請者 |
補足資料(別紙3) | 代表申請者 |
誓約書 | 連携体内の全法人(市町村を除く) |
役員等名簿 | 連携体内の全法人(市町村を除く) |
登記事項証明書 | 代表申請者 |
会社案内・パンフレット等 | 代表申請者は必須。ほかの構成者は必要に応じて添付 |
令和8年度は、登記事項証明書について、2026年1月1日以降に発行されたものが必要でした。
また、登記情報提供サービスで取得した登記情報も認められていました。
申請前には、代表申請者だけでなく、連携体の各構成者について必要書類を確認し、提出漏れがないようにすることが重要です。
令和8年度の公募では、一次審査として書類審査、二次審査としてプレゼンテーション形式の審査が実施されました。
審査では、事業の先進性や独自性、地域資源の活用、実施体制、費用対効果、地域産業創出への貢献などが評価されます。
技術的な新しさだけでなく、地域産業の創出にどのようにつながるかを説明することが重要です。
令和8年度は、交付決定日前に発注・購入・契約した経費は、原則として補助対象外でした。
採択通知を受けた場合でも、交付決定日を確認する前に正式な発注や契約を行わないことが重要です。
令和8年度の事業期間は、交付決定日から2027年2月28日まででした。
事業期間終了後に納品や検収等を行ったものも、原則として補助対象外です。
実証実験だけでなく、納品、検収、支払いなどの手続きも見据えてスケジュールを管理する必要がありました。
令和8年度のFAQでは、完全に同一の内容で国や他県の補助金・競争的資金を受けた事業は対象外とされていました。
ただし、過去の事業と類似した内容でも、仕様の変更や新しい実証フィールドでの挑戦など、明確な相違点がある場合は対象となる可能性があります。
本補助金は、事業終了後の実績報告や審査を経て精算される仕組みでした。
そのため、実証事業に必要な経費については、補助金が交付される前に支払うための資金を確保しておくことが重要です。
特に複数の法人が連携して実施する場合は、構成者ごとの経費負担や支払時期を事前に整理しておきましょう。
令和8年度は17件の応募があり、審査の結果、6件のプロジェクトが採択されました。
採択事業には、ブルーカーボンを活用した地域産業創出、多古米を活用した発酵産業、廃校を利用した植物工場、遊休農地を活用した地域活性化、一次産業と企業研修を組み合わせた事業などが含まれています。
これらの事例から、地域の特性や資源を活用し、複数の主体が連携して新しい産業の創出を目指す事業が支援対象となっていることがわかります。
ちば地域産業創出実証プロジェクト補助金は、千葉県内を実証フィールドとして、革新的なアイデアや新しいビジネスモデルによる地域産業の創出を目指す実証実験を支援する制度です。
令和8年度は、補助率5分の4以内、補助額100万円以上1,000万円以下で実施されました。
対象となるのは、県内に本社を有する中小企業者等を1者以上含む、2者以上の法人による連携体です。
また、公的支援機関による事前確認や、パートナーシップ構築宣言への登録など、一般的な設備投資型補助金とは異なる要件がありました。
令和8年度の募集はすでに終了していますが、次年度以降の活用を検討する場合は、連携先の確保、実証フィールドの調整、事業計画の具体化などを早めに進めることが重要です。
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