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ものづくり補助金のグローバル枠とは?海外展開・インバウンド対応に最大3,000万円の補助金を活用する方法

補助金
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更新:2025/06/04

中小企業が海外進出やインバウンド需要への対応を図る際、大きな壁となるのが資金調達です。そんな時に活用したいのが『ものづくり補助金』。その中でも2025年現在、海外展開や訪日客向けに特化した「グローバル枠」が注目されています。

本記事では、グローバル枠の最新制度概要からメリット・申請要件・採択事例・注意ポイントまで、中小企業の経営者が知っておくべき情報を徹底解説します。海外事業を検討している経営者の方は是非最後までお読みください。

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ものづくり補助金のグローバル枠とは

中小企業が新たな設備投資や事業転換にチャレンジする際、国が運営する「ものづくり補助金」は、募集中の補助金制度の中でも歴史の深い制度の1つです。中でも「グローバル枠」は、海外への直接投資・輸出・インバウンド対応・海外企業との共同研究等、グローバル市場獲得に特化した取り組みを支援します。最大3,000万円の大型投資にも活用できます。

グローバル枠の制度概要と目的

ものづくり補助金グローバル枠は、「海外事業を行い国内生産性も高める」ための設備・システム投資を支援する補助金です。これにより、新たなグローバル競争に挑む中小企業・小規模事業者を後押しします。

  • 所管:中小企業庁

  • 目的:海外事業の拡大・強化、インバウンド需要の獲得、国内拠点の生産性向上

  • 申請時期:年3~4回(最新の日程詳細は公式サイト参照)

他申請枠との違い

ものづくり補助金には革新的な商品・サービス開発に利用できる「製品・サービス高付加価値化枠」があります。グローバル枠は以下の点で異なります。

  • 海外事業・海外顧客/インバウンド向けの新設備・サービス開発などが対象

  • 最大3,000万円(他枠は最大2,500万円)の高い補助上限額

  • 海外旅費・通訳・翻訳・海外出展費用等、グローバル展開に必要な経費を幅広く補助

参考:ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説

幅広い対象事業と活用シーン

グローバル枠で想定される活用事例は以下のとおりです。

  • 海外向け新製品開発と輸出強化(例:JAPANブランド構築)

  • 海外支店・子会社・現地パートナー等を巻き込んだ現地生産体制の強化(直接投資)

  • 訪日客への新サービス展開(例:多言語観光案内、インバウンド専用商品の開発)

  • 外国法人との共同研究・先端開発

この多様性が、コロナ禍以降の生産拠点の分散や、輸出の本格化、インバウンド回復局面で極めて実用的なメリットといえます。

グローバル枠の申請要件

「自社が本当に対象となるのか?」を厳密に確認することがグローバル枠を検討する上での第一歩となります。

基本要件(全枠共通)

まず、ものづくり補助金の全申請枠共通で、以下のKPIが要求されます。

  • 3~5年の事業計画期間にて

    • 付加価値額(※営業利益+人件費+減価償却費)の年平均成長率3%以上UP

    • 給与支給総額の年平均成長率2.0%以上UP

    • 事業場内最低賃金を毎年地域最低賃金+30円以上とする

    • 従業員21名以上なら「一般事業主行動計画」の策定・公表(※次世代育成支援法/厚労省サイト『両立支援ひろば』で公開)

未達の場合は補助金返還義務があるため、達成可能な計画立案とKPIに対する経営者のコミットメントが必須となります。

グローバル枠独自の追加要件

グローバル枠では次の要件もプラスされます。

  • 海外事業に関する実現可能性調査の実施

  • 社内に海外事業の専門人材の配置、または外部専門家との連携体制確立(専門家は申請時に明記)

  • (必要な場合)金融機関の確認書類提出(ファンド等からの資金調達時)

この実現可能性調査や体制面で、多くの申請者が準備段階から手間取ることがあるので注意しましょう。

4つのグローバル要件

また、グローバル枠で申請を行う事業は、以下の4つのグローバル要件のいずれかに該当する必要があります。

①海外への直接投資

日本本社が補助事業者となり、海外支店/子会社/現地工場等に設備や外注投資を行い、本社・現地の双方で生産性UPを目指すモデルです。

  • 補助経費の過半が海外拠点に充当されることがポイント

  • 例:海外子会社工場の自動化ライン新設+国内ヘッドオフィスの関連システム構築

②海外市場開拓(JAPANブランド)

  • 国内拠点で作った製品サービスの売上半分以上が海外顧客向けとなる事業計画を立案

  • 事前マーケティング調査・現地試作品評価レポート(採択後)必須

  • 例:食品メーカーがアメリカ向け新商品を開発・販路開拓し、本計画期間中に輸出売上を急拡大

③インバウンド市場開拓

  • 訪日外国人顧客を売上の過半とする新サービスや仕組みを日本国内で提供

  • マーケット調査(報告書必須)、仮説検証レポート提出必要

  • 例:多言語対応の観光ガイドアプリ、新規訪日客向けアクティビティ事業

④海外企業との共同事業

  • 外国法人と設備等で共同開発・研究し、その成果物の権利の全部または一部が自社に帰属するモデル

  • 契約書(検討中案もOK)、本邦に経費を使うことが前提

  • 例:中国現地企業と共同で最新医療機器を開発、日本側に製造権・販売権が発生

まとめると以下の表のようになります。

類型

具体例

①海外直接投資

現地子会社設立/工場整備

②海外市場開拓(輸出)

食品・部品の海外販路拡大

③インバウンド市場開拓

外国人観光客向けサービス

④海外事業者との共同研究

海外企業との合弁開発等

グローバル枠の申請フローと必要書類

ここからは、実際に補助金をもらうまでに必要なステップを時系列で見ていきましょう。

申請から受給までの流れ

申請から実際に補助金が入金されるまでの流れは主に以下のとおりです。

  1. 公募要領確認・スケジュール把握

  2. 満たすべきグローバル要件の選択、GビズIDの取得(2週間程度かかる場合あり)

  3. 事業計画書の作成(計10ページ以内。公式参考様式あり)

  4. 必要書類準備(詳細下記)

  5. 電子申請(jGrants) 本申請のみ(紙申請不可)

  6. 審査・採択発表(平均採択率20~30%台。通常枠より厳しい)

  7. 交付決定後、補助事業スタート(交付決定前の契約・発注は対象外)

  8. 実績報告・検査・補助金請求・入金

  9. その後5年にわたり事業化状況報告・知財権報告などが義務付け

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引用:第20回公募要領概要版

主な必要書類と作成ポイント

通常の必要書類に加え、グローバル枠独自の書類が必要となりますので注意しましょう。最も重要な書類は事業計画書になります。

  • 事業計画書(10ページ以内/全類型共通、公式参考様式あり)

  • 各種誓約書(賃金引き上げ、経費関連等)

  • 直近期の決算書(貸借対照表・損益計算書等)

  • 従業員数確認資料、労働者名簿

  • グローバル枠独自要件書類(例:市場調査報告書、契約書等)

  • (状況によって)金融機関の確認書類

ポイントは「海外展開やインバウンド向けの具体的ターゲット」「現地調査等に基づいた説得力のあるマーケ資料・商談先・販売計画」までを詳細に記載することです。再現性の高い計画であることを、説得力のあるストーリーを持って説明する必要があります。

グローバル枠の活用事例

実際どんな企業がどのように採択されているのか、2020年代以降の代表的な例を紹介します。

代表的な採択事例の紹介

【事例1】食品製造業

  • 米国向けに新しい無添加惣菜を開発、自社ブランドを形成し大手スーパーと提携。現地展示会の出展費や、専用機械導入経費、販路開拓のマーケ費用を補助金で賄った。

【事例2】観光業

  • インバウンド需要回復に対応し、中国・台湾観光客向けの多言語音声ガイドシステムを自社で開発。機器の開発費・広報動画制作・VR体験ブース設置費用などに充当。

【事例3】製造業+海外直接投資

  • ベトナム子会社と連携し、新ラインの工場を設立。国内設備と海外現地装置の双方に補助金を使い、人材研修も含めて現地進出の壁を克服。

参考:公式 採択事例

グローバル枠申請時の注意点

ものづくり補助金の採択率は、一般的な枠でもおおむね30%前後にとどまります。なかでもグローバル枠は審査基準が一段と高いため、2025年度18次公募では約24%にまで低下しました。つまり、提出書類の完成度が少しでも甘いと、採択ラインに届かない可能性が高いということです。理由は、要件の複雑さ・書類作成負担・現地調査等の高い要求水準などにあります。

申請書作成のコツ

審査でまずチェックされるのは「裏付けの有無」です。たとえば海外市場調査報告書、現地で見込める顧客像、売上予測の根拠など、数字と一次情報で説明できない計画は「実現可能性が低い」と見なされ、ほぼ確実に不採択となります。逆に、現地で取ったアンケート結果や商談メモ、競合分析などを添付し、売上・利益のシミュレーションを具体的に示せれば、説得力が大きく向上します。

その一方で、申請書は専門的かつ煩雑です。自社だけで作り切るよりも、中小企業診断士や認定支援機関といった専門家のレビューを受け、「計画性」「市場性」「現地展開の実現可能性」の三点を第三者目線でブラッシュアップすることで採択率を向上させることができます。

また、締切前には申請が集中し、認定支援機関や金融機関も書類確認に追われるため、ちょっとした手戻りでスケジュールがずれ込むケースが後を絶ちません。余裕を持った準備と、早めの書類依頼が欠かせないポイントです。

最後に注意すべき落とし穴が「交付決定前の支出」です。契約や着工、発注を交付決定より前に進めてしまうと、その経費は補助対象外となり、後から請求しても補助金は一切受け取れません。資金繰りや工期に影響が出ないよう、必ず交付決定通知を受けてから発注手続きを行い、計画を慎重に組み立てましょう。

よくある質問と回答

Q. 海外展開したことがなくても申請できますか? A. 過去の海外展開実績は必須ではありませんが、「想定顧客」「市場調査」の具体性・信頼感は厳しくチェックされます。

Q. スタートアップ/小規模事業者でも使えますか? A. はい。補助下限100万円とハードルは下げられましたが、事前準備は入念に行いましょう。

Q. 通常枠や他の補助金と並行して申請できますか? A. 原則1件のみですが、内容や事業者形態によっては複数枠の併用も相談できます。使い分けのコツも専門家に相談してください。

まとめ

ものづくり補助金グローバル枠は、日本の中小企業にとって『海外進出・インバウンド市場獲得』の強力な武器です。要件や採択率は厳しいですが、専門家の力を借りることでチャレンジの幅が一気に広がります。もしご興味があれば、制度説明や事前診断も行っています。早めのご相談で、グローバル事業を拡大していきましょう。

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