本記事をご覧になっていらっしゃる方は、ものづくり補助金の申請を検討している方が多いのではないでしょうか。
ものづくり補助金は中小企業や小規模事業者などが取り組む革新的な新商品開発・サービス開発や生産プロセスの向上・改善を支援する補助金です。
申請する際には「ものづくり補助金へ今から申請しても間に合うのか」「どのようなスケジュールで進んでいくのか」などを確認しておくことで、申請準備を進めることができます。
そこで本記事では、ものづくり補助金のスケジュールについてわかりやすく紹介していきます。
他にも申請手続きの流れや採択率、ものづくり補助金に関するてよくある質問もまとめています。
ものづくり補助金に申請を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ものづくり補助金とは、前述したように中小企業や個人事業主を含めた小規模事業事業者などが行う設備投資を支援する補助金です。
「ものづくり」という名前のイメージが先行し、製造業に近しい業種しか申請できないと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
そのため、ものづくりに限らずサービスや生産プロセスの改善であれば幅広い業種が対象となります。
つまり、製造業以外にも小売業や運輸業など幅広い職種が対象になるという特徴を持ちます。
補助金の目的としては、昨今のインボイス制度導入や働き方改革など事業を進める上での環境変化に対応するためです。
ご自身の事業発展の際に、設備投資の負担を軽減しつつまとまった投資を行いたいという方向けの補助金といえるでしょう。
ものづくり補助金の対象者は以下の2つの基本要件を満たす必要があります。
資本金もしくは従業員数が一定数以下の事業者
以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行を行う事業者
付加価値額+3%以上/年
給与支給総額+1.5%以上/年
事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円
つまり、設備投資などを行い現場の売り上げと賃金を3~5年でアップさせられるような事業計画を策定している事業者が対象となります。
ものづくり補助金の対象経費として、以下が挙げられます。
機械装置・システム構築費
運搬費(宅配料、郵送料など)
技術導入費(知的財産権の導入関連費など)
知的財産権等関連経費(特許申請の手続き代行費など)
外注費(加工やデザイン設計などの委託費など)
専門家経費(コンサルティング料、旅費など)
クラウドサービス利用費
原材料費(材料や副資材などの購入費など)
これ以外にも様々な経費が支援され、申請枠の1つであるグローバル展開型であれば海外旅費(渡航費など)も対象となります。
ものづくり補助金は、通常枠以外に回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル展開型などが用意され、合計5つの枠が用意されています。
申請枠 | 補助額 ※()は従業員数 | 補助率 |
---|---|---|
通常枠 | 100万円~750万円(5人以下) 100万円~1,000万円(6~20人) 100万円~1,250万円(21人以上) | 1/2(小規模事業者などは2/3) |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 | 〃 | 2/3 |
デジタル枠 | 〃 | 〃 |
グリーン枠 | 100万円~1,000万円(5人以下) 100万円~1,500万円(6~20人) 100万円~2,000万円(21人以上) | 〃 |
グローバル展開型 | 1,000万円~3,000万円 | 1/2(小規模事業者などは2/3) |
申請枠によって補助率と上限が異なっています。
ものづくり補助金は、製造業以外にも以下の幅広い業種が対象となります。
製造業
建設業
卸売業
運輸業
サービス業
小売業
他にも病院やホテル、旅館なども対象となります。
条件を満たしてさえいれば、業種の垣根を越えて申請可能であるのは本補助金の強みといえます。
なお、ものづくり補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
ものづくり補助金とは?省力化(オーダーメイド)枠などの申請枠や補助額、対象者、申請方法を公募要領をもとに解説
ものづくりの補助金のスケジュールを確認していきましょう。
2022年12月現在で発表されている、ものづくり補助金の13次公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始:令和4年10月24日(月)17:00~
申請受付:令和4年11月7日(月)17:00~
応募締切:令和4年12月22日(木)17:00
採択発表:令和5年2月中旬頃
ものづくり補助金の13次以降のスケジュールに関して、具体的な日時は発表されていません。
しかし、2023年度も継続することが決定しています。
経済産業省が発表した補正予算の資料によれば、中小企業生産性革命推進事業に対して2,000億円が補正予算の対象となっています。
引用元:hosei2_yosan_point.pdf (meti.go.jp)
さらに14次公募や2023年以降の変更点や、今後のスケジュール案に関して「令和6年後にかけて、切れ目なく事業を実施する」とされています。
つまり、2023年はもちろん2024年以降も補助金が継続する可能性は高いと考えられるでしょう。
ものづくり補助金の申請手続きから、補助金を受け取るまでの流れは以下の通りです。
流れ | 詳細 | 時期(13次の場合) |
---|---|---|
準備 | 事業計画書と必要書類を揃える | ~2022年12月22日 |
申請 | gBizIDプライムにて電子申請する | 〃 |
採択通知 | 採択結果を公式サイト上で確認する | 2023年2月中旬 |
交付申請 | 採択されれば、交付申請を実施 | 採択の1ヶ月後 |
交付決定 | 申請後、交付決定が通知される | 〃 |
事業実施 | 交付決定すれば、補助事業をスタートする | 交付決定後、10ヶ月以内 |
実績報告 | 事業終了後、実績報告する | |
補助額決定 | 問題なければ、受け取る補助金額が通知される | 実績報告後、1ヶ月程度 |
請求 | 金額決定通知が来れば、請求を行う | 〃 |
受取 | 補助金を受け取る | 〃 |
ものづくり補助金の申請は、gBizIDプライムのアカウントを取得した上でオンライン申請を行います。
発行までに1~2週間要するため、申請予定の方は早めにgBizIDプライムの公式サイトからアカウント発行を行っておきましょう。
流れに関して注意すべき点は「採択と交付」の2つに合格しないと補助金をもらえないことです。
採択通知はあくまでも「補助事業対象として申し分ないか」という審査で、交付は決定していません。
採択された事業者が交付申請を行うことで、やっと「補助金を受け取って良い」という交付決定を受け取れるのです。
採択結果を確認した後も、交付申請を速やかに行うようにしておきましょう。
ものづくり補助金は公式サイトにて採択結果が公表されています。
直近の申請枠ごとの採択率は以下の通りです。
締切回 | 応募者数 | 採択者数 | 採択率 |
---|---|---|---|
11次(一般型) | 4,668 | 2,786 | 59.6% |
11次(グローバル展開型) | 76 | 31 | 40.7% |
申請した全員が採択されるわけではなく、約40%~60%の申請者が採択審査を通過できているのです。
ものづくり補助金に関するよくある質問をいくつか紹介していきます。
採択率をあげるには、公募要項の加点項目を満たす必要があります。
公募要項には成長性加点、政策加点、賃上げ加点などの評価項目が設けられ、どうすれば加点対象となるのかが明記されています。
これらを満たして加点してもらうことで、採択率をあげることにつながるのです。
基本的な申請要件を満たし、わかりやすい事業計画書を作成した上で、公募要領を確認しながら加点されるよう進めていきましょう。
加点対象の場合、客観的にエビデンスが証明できる書類を用意して申請することになります。
余裕を持って2ヶ月以上前から準備を進めておきましょう。
申請時に必要なgBizIDプライムのアカウント発行で2週間、書類収集で1週間、事業計画書の策定に3週間はみておくのがおすすめです。
ただし準備期間には個人差があります。
書類収集と事業計画書を同時進行し、その間にアカウント発行手続きを行っておけば数週間程度で申請できる事業者の方もいらっしゃいます。
ものづくり補助金を活用するメリットは、対象経費の1/2~2/3などまとまった金額で支援してくれることです。
業種も限定されていないので、条件を満たしてさえいれば多くの事業者が申請対象となります。
事業の発展のために、設備投資をしたいと考える方にぴったりの補助金となっています。
ものづくり補助金の13次の申請締切は、令和4年12月22日までとなっています。
採択されれば交付申請を行い、交付決定を受けた上で事業を実施し、最終的な経費額が決定した後で補助金を受け取っていきましょう。