千葉県内でバス、タクシー、トラックなどを運行している事業者にとって、電気自動車や燃料電池自動車への切り替えは、二酸化炭素排出量の削減や燃料費の見直しにつながる重要な設備投資です。
一方、車両本体の購入だけでなく、充電設備や蓄電池などの整備にも費用がかかるため、導入に慎重になる中小企業も少なくありません。
そこで活用を検討したいのが、「千葉県地域交通等次世代自動車導入促進補助金」です。
令和8年度は、千葉県内のバス、タクシー、トラック、カーシェアリング、レンタカー事業者を対象に、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の導入や、充電設備・蓄電池・ソーラーカーポートなどの整備を支援しています。
補助金額は車両の種類や設備によって異なり、1事業者当たり最大2,000万円の補助を受けられる可能性があります。
ただし、車両は導入完了後に申請する一方、車両関連設備は交付決定前に発注・工事着手ができないなど、申請手続きが異なります。
本記事では、令和8年度の千葉県の公式資料をもとに、対象事業者、対象車両・設備、補助額、申請期間、申請方法、注意点などを詳しく解説します。
千葉県地域交通等次世代自動車導入促進補助金は、運輸部門の脱炭素化を進めるため、地域交通を担う事業者などが次世代自動車や関連設備を導入する際の費用を支援する制度です。
令和8年度は、車両の導入だけでなく、既に次世代自動車を保有している事業者による関連設備の導入・更新も支援対象となっています。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 千葉県地域交通等次世代自動車導入促進補助金 |
実施主体 | 千葉県 |
対象者 | 県内で対象となる運送事業やカーシェアリング・レンタカー事業を行う事業者等 |
対象車両 | 電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車 |
対象設備 | EV用充電設備、水素供給設備、蓄電池、ソーラーカーポート |
補助金額 | 対象車両・設備によって異なる |
補助上限額 | 1事業者当たり2,000万円 |
車両の申請期間 | 2026年5月1日~2027年3月5日 |
設備の申請期間 | 2026年5月1日~12月24日 |
申請方法 | 電子申請、電子メール、郵送 |
申請受付期間内であっても、予算がなくなり次第、受付は終了します。
なお、車両と車両関連設備では申請のタイミングが異なるため注意が必要です。
申請区分 | 申請時期 |
|---|---|
車両 | 登録・引渡し・支払い等を完了した後 |
車両関連設備 | 交付決定前に発注・工事着手をしない |
本補助金は、千葉県内でバス、タクシー、トラック、カーシェアリング、レンタカー事業などを行う事業者が対象です。
法人だけでなく、要件を満たす個人事業主も対象に含まれています。
事業区分 | 主な対象事業者 |
|---|---|
バス | 一般乗合旅客自動車運送事業者、一般貸切旅客自動車運送事業者など |
タクシー | 一般乗用旅客自動車運送事業者 |
トラック | 一般貨物自動車運送事業者、貨物軽自動車運送事業者など |
カーシェアリング | 県内でカーシェアリング事業を営む事業者 |
レンタカー | 県内でレンタカー事業を営む事業者 |
自動車リース | 対象となる事業者へ次世代自動車を直接貸し渡すリース事業者 |
バス・タクシー・トラックについては、千葉県内に事務所または事業所を有することが必要です。
また、対象となる事業の許可や登録など、関係法令に基づく要件を満たしている必要があります。
本補助金では、自社の荷物を自社の車両で運ぶ自家用トラック(白ナンバー)は対象外です。
一方、一般貨物自動車運送事業者の緑ナンバー車両や、貨物軽自動車運送事業者の黒ナンバー車両などは、所定の要件を満たせば対象となります。
また、カーシェアリングやレンタカーでは、導入する次世代自動車を同車格の内燃機関車以下の料金で貸し渡すことなども必要です。
自社の事業形態や車両の使用目的が対象に該当するか、申請前に確認しておきましょう。
本補助金では、対象となる事業区分によって導入できる車両の種類が異なります。
用途 | 電気自動車(EV) | プラグインハイブリッド(PHV) | 燃料電池自動車(FCV) |
|---|---|---|---|
バス | 対象 | 対象 | 対象 |
タクシー | 対象 | 対象 | 対象 |
トラック | 対象 | 対象外 | 対象 |
カーシェアリング | 対象 | 対象 | 対象 |
レンタカー | 対象 | 対象 | 対象 |
なお、令和8年度は新車が対象であり、中古車や新古車は対象外です。
また、車両については、国が実施する補助金の交付を受けていることが必要です。
初度登録日は、2026年4月1日から2027年2月26日までである必要があります。
設備 | 主な内容 |
|---|---|
EV用充電設備 | 電気自動車用の急速充電設備・普通充電設備 |
水素供給設備 | 燃料電池自動車への水素供給設備 |
蓄電池 | 充電用電力の蓄電などに使用する設備 |
ソーラーカーポート | 太陽光発電設備を備えた駐車場設備 |
既に次世代自動車を導入している事業者が、関連設備を新たに導入・更新する場合も補助対象になります。
また、車両と関連設備の両方について補助を受けることも可能です。
ただし、蓄電池については、原則として導入する事務所または事業所に太陽光発電設備を併設する必要があります。本補助金を活用してソーラーカーポートを導入する場合は例外があります。
ソーラーカーポートについては、新設する太陽光搭載型または太陽光発電一体型のカーポートが対象です。既設のカーポートに太陽光発電設備を後付けする場合は対象外となります。
令和8年度の補助金額は、車両と車両関連設備で計算方法が異なります。
車両は国の補助金額を基準として算定し、車両関連設備は補助対象経費に所定の補助率を掛けて算定します。
また、電気自動車や充電設備については、太陽光発電設備の設置状況によって補助率が変わります。
対象 | 太陽光発電設備等の条件 | 県の補助額 |
|---|---|---|
電気バス | 条件を満たす | 国の補助金額の1/2 |
電気バス | 条件を満たさない | 国の補助金額の1/4 |
電気タクシー | 条件を満たす | 国の補助金額の1/2 |
電気タクシー | 条件を満たさない | 国の補助金額の1/4 |
電気トラック | 条件を満たす | 国の補助金額の1/2 |
電気トラック | 条件を満たさない | 国の補助金額の1/4 |
対象となるカーシェアリング・レンタカー用電気自動車 | 条件を満たす | 国の補助金額の1/2 |
対象となるカーシェアリング・レンタカー用電気自動車 | 条件を満たさない | 国の補助金額の1/4 |
ここでいう条件とは、事業完了までに車両を導入する事務所・事業所に所定の太陽光発電設備を設置している場合、または本補助金を活用してソーラーカーポートを設置する場合です。
例えば、国の補助金額が100万円の対象車両を導入した場合、条件を満たせば県の補助額は計算上50万円、条件を満たさなければ25万円となります。
なお、実際の交付額には、補助対象経費や国・県の補助金合計額による上限が適用されます。
燃料電池バス、燃料電池タクシー、燃料電池トラック、燃料電池自動車によるカーシェアリング・レンタカーは、国の補助金額の2分の1が県の補助額となります。
対象車両 | 県の補助額 |
|---|---|
燃料電池バス | 国の補助金額の1/2 |
燃料電池タクシー | 国の補助金額の1/2 |
燃料電池トラック | 国の補助金額の1/2 |
燃料電池カーシェアリング・レンタカー | 国の補助金額の1/2 |
例えば、国の補助金額が600万円の燃料電池バスを導入した場合、県の補助額は計算上300万円です。
ただし、国と県の補助金の合計額は、補助対象経費を超えることができません。
対象設備 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
EV用充電設備(太陽光発電設備等の条件を満たす場合) | 1/3 | 1台当たり150万円 |
EV用充電設備(上記以外) | 1/6 | 1台当たり75万円 |
蓄電池 | 1/6 | 1台当たり40万円 |
ソーラーカーポート | 1/6 | 1事務所・事業所当たり100万円 |
燃料電池自動車用の関連設備 | 1/3 | 1台当たり150万円 |
補助率等によって算定した金額に千円未満の端数がある場合は、切り捨てとなります。
なお、車両と設備を合わせた千葉県からの補助金の交付額は、1事業者当たり2,000万円が上限です。
補助対象となるのは、車両本体や車両関連設備の購入に必要な経費のうち、千葉県が認めるものです。
区分 | 対象経費 |
|---|---|
車両 | 国の補助金の交付対象となる車両本体価格 |
EV用充電設備 | 設備本体・必要な付属品の購入費 |
水素供給設備 | 設備本体・必要な付属品の購入費 |
蓄電池 | 設備本体・必要な付属品の購入費 |
ソーラーカーポート | 設備本体・必要な付属品の購入費 |
車両については、メーカーオプションやディーラーオプションは補助対象経費に含まれません。
また、車両関連設備については、設備本体や必要な付属品の購入費が対象となり、設置工事費などは対象外です。
経費 | 取扱い |
|---|---|
設備の設置工事費 | 対象外 |
車両のメーカーオプション | 対象外 |
車両のディーラーオプション | 対象外 |
消費税・地方消費税 | 対象外 |
値引きされた金額 | 値引き後の価格を基準に算定 |
例えば、充電設備の本体価格が120万円、設置工事費が80万円の場合、補助対象経費として計算するのは、原則として設備本体の120万円です。
太陽光発電設備等の条件を満たし、補助率が3分の1の場合、補助金額は計算上40万円となります。
なお、自社製品や関連事業者から調達した製品については、利益等を除外して補助対象経費を算定する必要があります。
令和8年度の申請受付期間は、車両と車両関連設備で異なります。
区分 | 申請受付期間 |
|---|---|
車両 | 2026年5月1日~2027年3月5日 |
車両関連設備 | 2026年5月1日~12月24日 |
申請受付期間内でも、予算がなくなり次第終了します。
車両の場合は、登録・引渡し・代金の支払いなどが完了した後に申請します。
対象車両と国の補助金制度を確認する
対象車両を購入・登録する
車両の引渡しと代金の支払いを完了する
国の補助金の交付要件を満たし、交付を受ける
千葉県へ交付申請書兼実績報告書を提出する
県の審査・交付決定を受ける
補助金の交付請求を行い、補助金を受け取る
初度登録日が2026年4月1日から2027年2月26日までであることも必要です。
車両の購入代金は補助金を受け取る前に支払うため、自己資金や借入れなどによる資金計画も必要になります。
車両関連設備の場合は、交付決定前に発注・契約・工事着手を行うことができません。
導入する設備の種類・仕様を決める
設置場所や見積書を確認する
千葉県へ交付申請書と事業計画書を提出する
県の審査・交付決定を受ける
設備を発注し、設置工事を行う
設備の導入・支払いを完了する
実績報告書を提出する
補助金額の確定後に請求し、補助金を受け取る
設備の交付決定前に施工会社へ正式発注した場合、補助対象外となる可能性があるため注意しましょう。
千葉県では、申請内容に応じて以下の様式を公開しています。
書類 | 主な使用場面 |
|---|---|
交付申請書(第1号様式) | 車両関連設備の交付申請 |
交付申請書兼実績報告書(第1号様式の2) | 車両導入後の申請 |
重要事項確認書(第2号様式) | 申請条件の確認 |
誓約書(第3号様式) | 申請要件に関する誓約 |
事業計画書(別紙様式1) | 設備導入計画の説明 |
事業実績書(別紙様式2・3) | 事業完了後の実績報告 |
補助金交付請求書(第8号様式) | 補助金の請求 |
このほか、車両の登録情報、契約書、請求書、支払記録、設備の仕様書など、申請内容に応じて添付書類が必要となります。
実際の提出書類は、千葉県が公開している申請時提出書類一覧表や実施要領を確認してください。
令和8年度は、以下の方法で申請書類を提出できます。
提出方法 | 内容 |
|---|---|
電子申請 | ちば電子申請サービス |
電子メール | |
郵送 | 千葉県環境生活部温暖化対策推進課 |
電子メールの場合、添付ファイルは7.2MB以内とされています。
また、複数の提出方法を組み合わせる場合は、利用したすべての提出方法に所定の申請時提出書類一覧表を添付する必要があります。
車両については、国が実施する補助金の交付を受けていることが申請要件です。
そのため、千葉県の補助金だけを単独で申請することはできません。
導入予定の車両が国の補助対象であるか、国の申請期限や交付条件を満たしているかを確認しておく必要があります。
なお、千葉県の他の同種の補助金との重複受給は認められていません。
太陽光発電設備の設置状況によって、電気自動車や充電設備の補助率が変わります。
高い補助率の適用を受けるためには、原則として車両や設備を導入する事務所・事業所に所定の太陽光発電設備を設置している必要があります。
また、設備が設置されていても、故障して発電機能を有していない場合や、ポータブルソーラーパネルなどは要件を満たしません。
補助金は、車両や設備を導入すればすぐに受け取れるものではありません。
車両の場合は、登録・引渡し・支払いなどを完了した後に県への申請を行います。
設備の場合も、交付決定後に発注・工事を行い、完了後の実績報告等を経て補助金が支払われます。
そのため、補助金が入金されるまでの資金を確保しておく必要があります。
車両価格や設備費だけでなく、電気料金、維持費、修理費、借入返済額なども含めて投資計画を立てましょう。
はい。令和8年度は、所定の要件を満たす個人事業主も対象です。
ただし、千葉県内で対象となる運送事業やカーシェアリング・レンタカー事業を行っていることなどが必要です。
いいえ。令和8年度は新車が対象で、中古車や新古車は対象外です。
既に対象となる次世代自動車を導入している事業者が、関連設備を新たに導入・更新する場合も補助対象となります。
ただし、設備そのものが補助対象の要件を満たし、交付決定前に発注・工事着手を行っていないことなどが必要です。
はい。太陽光発電設備がない場合でも、対象となる電気自動車や充電設備について申請できる場合があります。
ただし、太陽光発電設備等の条件を満たす場合に比べて、補助率や上限額が低くなります。
また、蓄電池の導入については、原則として太陽光発電設備の併設が必要です。
はい。車両については、むしろ国の補助金の交付を受けていることが申請要件です。
ただし、国と県の補助金の合計額が補助対象経費を超えることはできません。
千葉県地域交通等次世代自動車導入促進補助金は、県内のバス、タクシー、トラック、カーシェアリング、レンタカー事業者などによる次世代自動車や関連設備の導入を支援する制度です。
令和8年度は、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の導入に加え、EV用充電設備、水素供給設備、蓄電池、ソーラーカーポートなども補助対象となっています。
県からの補助金額は1事業者当たり最大2,000万円ですが、実際の補助額は対象車両・設備や国の補助金額、太陽光発電設備の設置状況などによって異なります。
また、車両は導入完了後に申請する一方、車両関連設備は交付決定前に発注・工事着手ができない点に注意が必要です。
申請を検討する場合は、対象要件、国の補助金との関係、導入スケジュール、必要書類を確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
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