愛知県内で地域資源を活用した新製品の開発や販路拡大を検討している中小企業が活用できる制度の一つが、「あいち中小企業応援ファンド新事業展開応援助成金」です。
2026年度の一般枠では、愛知県内に本社または主たる事務所を有する中小企業者等を対象に、新製品・新商品の開発、販路拡大、それらにつながる人材育成に必要な費用の一部を支援しました。
助成率は原則2分の1以内、助成額は50万円以上300万円以内です。小規模企業者向けの区分や、原油・原材料高騰等の影響を受けた事業者への助成率引上げも設けられています。
ただし、単なる設備購入や既存製品の軽微な変更は対象になりません。また、一般枠では食品、繊維、家具、窯業、伝統的工芸品などの主要地場産業が対象分野から除かれています。
なお、2026年度の申込受付はすでに終了しています。
本記事では、公式情報に基づき、助成対象者、助成額、対象経費、申請方法、注意点などを詳しく解説します。
あいち中小企業応援ファンド新事業展開応援助成金は、愛知県内の地域資源を活用して新たな事業活動に取り組む中小企業者等を支援する制度です。
公益財団法人あいち産業振興機構が実施しており、地域資源を生かした新製品・新商品の開発や販路拡大を通じて、中小企業の新事業展開を後押しすることを目的としています。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 2026年度あいち中小企業応援ファンド新事業展開応援助成金(一般枠) |
実施主体 | 公益財団法人あいち産業振興機構 |
助成対象者 | 愛知県内に本社または主たる事務所を有する中小企業者等 |
対象分野 | 主要地場産業を除く産業分野 |
対象事業 | 新製品・新商品開発、販路拡大、人材育成 |
助成率 | 原則1/2以内、所定の要件で2/3以内 |
助成上限額 | 300万円(小規模企業者向け区分は100万円) |
助成下限額 | 50万円 |
助成規模 | 総額5,000万円程度 |
事前確認期間 | 2026年6月8日~7月10日 |
本申請期間 | 2026年6月15日~7月17日17時 |
助成事業の実施期間 | 交付決定日から1年以内 |
申請方法 | 電子メール |
受付状況 | 2026年度の受付終了 |
本制度では、愛知県内の地域資源を活用し、中小企業の経営革新につながる新たな事業活動を支援しています。
ここでいう地域資源とは、地域経済と密接な関係がある鉱工業品やその生産技術、農林水産物、観光資源などです。
例えば、愛知県内に蓄積された加工技術を応用して新しい製品を開発する事業や、地域の観光資源を活用した新サービスの開発などが考えられます。
対象となる新事業展開には、次のような取り組みが含まれます。
新商品の開発または生産
新しいサービスの開発または提供
商品の新たな生産方式や販売方式の導入
サービスの新たな提供方式の導入
ただし、これらに該当する事業であっても、地域資源との関連性や新規性などを満たす必要があります。
2026年度の一般枠では、愛知県が定める主要地場産業が対象分野から除かれています。
区分 | 主な産業 |
|---|---|
食料品 | 食料品製造業(飲料・飼料を含む) |
繊維工業 | 繊維関連産業 |
家具・装備品 | 家具・装備品製造業 |
窯業・土石製品 | 陶磁器、窯業、土石製品関連産業 |
伝統的工芸品 | 愛知県内の指定された伝統的工芸品産業15業種 |
伝統的工芸品産業には、有松・鳴海絞、常滑焼、名古屋仏壇、三河仏壇、豊橋筆、赤津焼、岡崎石工品、名古屋桐箪笥、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、尾張七宝、瀬戸染付焼、尾張仏具、三州鬼瓦工芸品、名古屋節句飾が含まれます。
これらの分野に該当する場合は、一般枠ではなく、地場産業枠など別の支援区分を確認する必要があります。
なお、自社の事業が主要地場産業に該当するか判断が難しい場合は、公募要領や実施機関への確認が必要です。
2026年度の一般枠では、愛知県内に本社または主たる事務所を有する中小企業者、小規模企業者、中小企業者グループ、中小企業者団体が対象でした。
ただし、事業者の区分によって適用される法律上の定義や要件が異なります。
事業者区分 | 主な要件 |
|---|---|
中小企業者 | 愛知県内に本社または主たる事務所を有し、地域未来投資促進法に定める中小企業者に該当すること |
小規模企業者 | 愛知県内に本社または主たる事務所を有し、中小企業基本法に定める小規模企業者に該当すること |
中小企業者グループ | 対象となる中小企業者が複数で構成するグループ |
中小企業者団体 | 愛知県内に本社または主たる事務所を有し、地域未来投資促進法に定める団体に該当すること |
個人事業主についても、所在地や企業規模などの要件を満たす場合は対象となります。
また、中小企業者グループで申請する場合は、事業全体の管理責任者となる1者が代表して申請手続きを行う必要があります。
なお、同一法人・事業者からの応募は1件に限られます。
2026年度の公募では、以下に該当する事業者は応募できないとされていました。
直近3事業年度の国税・地方税を完納していない事業者
宗教活動や政治活動を目的とする事業者
暴力団や暴力団員が役員となっている団体
暴力団等と密接な関係を有する団体
また、申請内容に虚偽がある場合や、公募要領に違反する場合などは審査対象から除外されます。
公式ページでは、仲介・あっせんなどの行為を行う者が介入した場合、審査対象から除外するとされています。
そのため、外部の支援事業者や専門家への相談を検討する場合は、どのような関与が認められるか、事前にあいち産業振興機構へ確認することが重要です。
申請する事業の内容や経費については、申請者自身が正確に理解し、説明できるようにしておきましょう。
2026年度の助成率は原則2分の1以内で、助成額は50万円以上300万円以内です。
ただし、小規模企業者向けの区分や、原油・原材料高騰等による売上等の減少要件を満たした場合には、助成率が3分の2以内となる制度が設けられていました。
区分 | 助成率 | 助成額 |
|---|---|---|
一般の区分 | 1/2以内 | 50万円以上300万円以内 |
売上等減少の特例 | 2/3以内 | 50万円以上300万円以内 |
小規模企業者向け区分 | 2/3以内 | 50万円以上100万円以内 |
小規模企業者は、上限300万円で助成率2分の1以内の区分と、上限100万円で助成率3分の2以内の区分から選択できます。
例えば、助成対象経費が400万円の場合、助成率2分の1以内の区分では最大200万円の助成を受けられる計算です。
ただし、実際の助成額は対象経費の認定や審査結果によって異なります。
2026年度は、原油・原材料高騰等の影響によって売上等が減少した事業者について、助成率を3分の2以内へ引き上げる特例が設けられました。
対象となるには、事業収入、売上総利益、営業利益のいずれかについて、所定の比較期間で10%以上減少している必要がありました。
項目 | 内容 |
|---|---|
対象となる指標 | 事業収入、売上総利益、営業利益のいずれか |
対象期間 | 2025年7月から申請日の属する月の前月までの任意の連続3か月 |
比較期間 | 2020年から2021年の同期間 |
減少率 | 10%以上 |
特例適用後の助成率 | 2/3以内 |
ただし、中小企業者が複数で構成するグループは、この助成率引上げの対象外です。
また、売上等の減少を証明するためには、所定の資料によって数値を確認できる必要があります。
2026年度の一般枠では、地域資源を活用した新事業展開のために実施する、新製品・新商品の開発、販路拡大、人材育成が助成対象でした。
経費は大きく「事業費」と「試作・開発費」に分かれています。
対象事業 | 主な内容 |
|---|---|
新製品・新商品開発 | 地域資源を活用した製品開発、試作、性能試験等 |
販路拡大 | 新製品等の販路開拓、展示会出展、広告宣伝等 |
人材育成 | 新製品開発や販路拡大につながる人材育成 |
例えば、地域の加工技術を活用した新しい製品を開発し、その製品を展示会で紹介して新規取引先の開拓を目指す事業などが考えられます。
ただし、既存製品の通常の販売促進や一般的な社員研修だけを目的とする場合は、対象事業として認められない可能性があります。
経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
専門家謝金 | 技術指導や専門的な助言に必要な謝金 |
旅費 | 従事者・専門家の国内旅費、海外展示会旅費 |
会場関連費 | 会場借料、会場整備費 |
印刷製本費 | パンフレット等の印刷費 |
通信運搬費 | 郵便、運送等の費用 |
調査研究費 | 市場調査等に必要な費用 |
広告宣伝費 | 新製品等の広告・宣伝費 |
雑役務費 | 補助事業に必要な所定の役務費 |
保険料 | 補助事業に直接必要な保険料 |
産業財産権取得費 | 特許権等の取得に必要な費用 |
委託費 | 試作・開発費に該当しない業務委託費 |
販路拡大に必要な広告宣伝費や展示会関連費などが対象費目に含まれています。
ただし、通常の営業活動や補助事業に直接関係しない費用まで認められるわけではありません。
経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
原材料費 | 試作品に使用する原材料 |
補助材料費 | 試作・開発に必要な補助材料 |
機械装置導入費 | 試作・開発に必要な機械装置 |
工具器具・備品購入費 | 試作に必要な工具、器具、備品 |
借損料 | 設備等の借用費 |
試験・分析費 | 製品の性能評価や分析 |
外注加工費 | 試作品の加工等に必要な外注費 |
委託費 | 試作・開発に関する業務委託費 |
機械装置導入費や工具器具・備品購入費も対象費目に含まれていますが、設備の購入だけを目的とする事業は対象になりません。
例えば、新製品の試作に必要な機械装置を導入する場合は、なぜその設備が必要なのか、どのような製品を開発するのか、既存設備では対応できない理由などを説明する必要があります。
2026年度の公募では、次のような事業は対象外とされていました。
従来製品の素材やデザインを単に変更するだけの事業
機械・器具等を購入することだけを目的とする事業
同一事業について国または愛知県の他の助成金を受ける事業
試作の全部または大部分を外部へ委託する事業
農林水産物の新品種開発や品種改良等
また、対象費目に該当する場合でも、補助事業との関連性や支出の妥当性などが確認されます。
そのため、申請前に公募要領で対象経費の詳細を確認することが重要です。
2026年度の一般枠では、本申請の前に事務局職員による申請内容の事前確認を受ける必要がありました。
事前確認と本申請の受付期間は異なっており、いずれも期限内に手続きを行う必要がありました。
項目 | 期間 |
|---|---|
事前確認期間 | 2026年6月8日~7月10日17時 |
本申請受付期間 | 2026年6月15日~7月17日17時必着 |
交付決定予定 | 2026年10月上旬頃 |
助成事業の実施期間 | 交付決定日から1年以内 |
受付状況 | 2026年度の申込受付終了 |
愛知県の公式発表では、2026年10月から2027年9月末までに実施する事業が対象と案内されています。
ただし、個々の事業の実施期間は交付決定日から1年以内となるため、正式な交付決定通知などに記載された期間を確認する必要があります。
2026年度は、主に以下の流れで申請する方式でした。
対象事業者や対象分野の要件を確認する
地域資源を活用した新事業の内容を具体化する
助成対象経費や事業計画を整理する
交付申請書・助成事業計画書などを準備する
あいち産業振興機構へ事前確認を申し込む
事務局職員による申請内容の確認を受ける
指定された方法で本申請を行う
審査結果と交付決定の通知を確認する
助成対象期間内に事業を実施する
事業完了後に必要な実績報告や請求手続きを行う
なお、事前確認は任意の相談ではなく、本申請前に必要な手続きでした。
申請書や添付書類に不備がある場合は受付できないため、余裕を持って準備することが重要です。
書類 | 主な内容 |
|---|---|
交付申請書(様式第1号) | 助成金の交付申請 |
助成事業計画書(別紙1) | 新事業の内容、実施計画、対象経費等 |
申立書 | 申請要件等に関する申立て |
決算関係書類 | 事業者の経営状況の確認 |
現在事項全部証明書等 | 法人・事業者情報の確認 |
会社案内・パンフレット等 | 事業内容の確認 |
その他の添付資料 | 対象者や事業内容に応じて必要な資料 |
また、公式の申請書類には、事業事前着手届出書(様式第2号)も含まれていました。
ただし、届出書を提出すれば交付決定前のすべての発注や契約が認められるわけではありません。
事前着手の対象期間や適用条件については、公募要領に基づく確認が必要です。
2026年度の本申請は、電子メールによる提出が指定されていました。
申請書データはExcel形式、添付書類はPDF形式などで準備し、公益財団法人あいち産業振興機構へ送付する方法です。
項目 | 内容 |
|---|---|
提出方法 | 電子メール |
申請書 | Excel形式 |
添付書類 | PDF形式等 |
提出先 | |
本申請締切 | 2026年7月17日17時必着 |
問い合わせ電話 | 052-715-3075 |
事前確認については、電話等で予約したうえで申請書類を持参するか、Excel形式の申請書とPDF等の添付資料を電子メールで送付する方法が案内されていました。
なお、2026年度の申込受付は終了しています。次年度以降に申請する場合は、最新の提出方法や受付期限を確認してください。
本制度では、事業事前着手届出書が用意されています。
ただし、事前着手が認められる条件や経費の取扱いについては、公募要領で確認する必要があります。
交付決定前に設備を発注したり、外部委託先と契約したりする場合は、事前にあいち産業振興機構へ確認してください。
自己判断で手続きを進めると、対象経費として認められない可能性があります。
2026年度は、同一事業について国または愛知県の他の助成金を受けている場合、対象外とされていました。
そのため、同じ新製品開発や販路拡大事業について複数の助成金を利用する場合は、重複申請に注意する必要があります。
一方、別の事業や明確に区分した経費について他制度を活用できるかは、それぞれの制度の要件によって異なります。
試作品の開発や加工に必要な外注費は対象費目に含まれています。
ただし、試作の全部または大部分を外部へ委託する事業は対象になりません。
そのため、自社が担当する開発工程や技術的な役割を明確にし、外部委託する範囲を整理する必要があります。
助成金の交付を受ける場合でも、事業者が一定の自己負担を行う必要があります。
また、助成対象経費として認められない費用が発生する可能性もあります。
事業計画を立てる際は、設備購入費、試作費、外注費、広告宣伝費などの支払時期を確認し、自己資金や融資も含めた資金計画を準備しておくことが重要です。
助成金の具体的な入金時期や実績報告に必要な書類については、交付決定後の案内などを確認してください。
はい。個人事業主も対象となる場合があります。
ただし、愛知県内に主たる事務所を有し、中小企業者または小規模企業者の要件を満たす必要があります。
いいえ。単なる機械・器具等の購入を目的とする事業は対象外です。
ただし、新製品・新商品の試作や開発に必要な機械装置については、対象経費として認められる場合があります。
2026年度の一般枠では、食料品製造業などの主要地場産業が対象分野から除かれていました。
該当する場合は、地場産業枠など別の区分を確認する必要があります。
はい。2026年度は、小規模企業者向けに助成率3分の2以内、助成額50万円以上100万円以内の区分が設けられていました。
ただし、通常の区分との選択になるため、事業費や助成上限額を比較して検討する必要があります。
2026年度は、同一事業について国または愛知県の他の助成金を受けている場合、対象外でした。
別事業について併用できるかは、それぞれの制度の要件を確認する必要があります。
あいち中小企業応援ファンド新事業展開応援助成金は、愛知県内の地域資源を活用した新製品・新商品開発、販路拡大、それらにつながる人材育成を支援する制度です。
2026年度の一般枠では、助成率は原則2分の1以内、助成額は50万円以上300万円以内でした。
また、小規模企業者向けの区分や、原油・原材料高騰等の影響による売上等減少要件を満たした場合の助成率引上げも設けられました。
一方、主要地場産業は一般枠から除かれており、単なる設備購入や既存製品の軽微な変更などは対象になりません。
2026年度の募集はすでに終了し、一般枠では18件の交付先が決定しています。
今後、同様の制度の活用を検討する場合は、地域資源との関連性、新事業の内容、対象経費、販売計画などを整理し、最新の公募要領を確認することが重要です。
最新の公募情報は、以下リンクの公式ページよりご確認ください。
公式:2026年度あいち中小企業応援ファンド新事業展開応援助成金(一般枠)
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