非常に人気のある事業再構築補助金ですが、自社で使えるのかどうか疑問を持たれている方も多いと思います。
そこで今回は、補助金コネクトのコンサルタントが実際に過去に支援した事業計画を大公開いたします!
事業再構築補助金は一体何が特別なのか、そしてどのような計画が採択されやすいのか、是非参考にしてみてください。
事業再構築補助金の事例は非常に幅広いです。
具体的には、新規事業、新分野への展開、店舗の撤退、工場閉鎖等の原状回復、そして内製化、製造方法・提供方法の転換、等・・・、これらすべてに関して取り組むことが可能です。
もちろん例外はあり、例えば製造方法・提供方法については「新商品・新市場への取り組みがない場合は設備撤去が必須」といった要件がありますが、基本的には色んなケースで使えると考えてください。
では実際の活用イメージを見ていきましょう。
公式資料の飲食業の例には、「コロナ前に居酒屋を経営していたところコロナの影響で売り上げが減少してしまい、コロナ後に店舗での営業を廃止し、オンライン専用の弁当宅配事業を新たに開始」という内容があります。
この場合、事業再構築補助金を活用できます。補助経費の例として、
店舗縮小にかかる建物改修の費用
新規サービスにかかる機器導入費や広告宣伝のための費用
といったものが補助の対象になってきます。
公式資料の小売業の例は、紳士服の販売業を営んでいた事例です。
活用イメージ1(飲食業)と同様、店舗の営業を縮小し、紳士服のネット販売事業やレンタル事業に業態転換しています。
こちらも、
店舗縮小に係る建物改修の費用
新規オンラインサービス導入に係るシステム構築の費用
などが補助対象の経費になります。
新規のオンラインサービス導入に係るシステムの構築費用なども、補助金の対象経費として事業計画の中に織り込んでいくことが可能です。
他にも、事業再構築補助金はあらゆる業種業態で活用が可能となっています。
飲食業のほか、ガソリン販売からフィットネスジムの運営に切り替えを行った事例、サービス業、ヨガ教室、製造業など多岐に渡っています。
中でも情報処理はITなので、どちらかというとコロナの影響を受けづらい事業という印象ですが、そのような場合でも売り上げの減少要件などに該当していれば新規事業・新分野展開として事業再構築補助金の活用が可能となります。
他の補助金もそうですが、あらゆる業種に対応していることがわかります。
あらゆる業種で使えるのは分かったけど、ほかの補助金もそうでしょ?何が特別なの?
そんな疑問を持った方のために、事業再構築補助金の重要な特徴を3つご紹介します。
1つ目は、建物が補助経費の対象になるという、非常に画期的な内容です。
補助金コネクトの支援メンバーには長年経営コンサルタントをやっているメンバーもいますが、補助金で建物、建物附属設備が取得できることは、事業再構築補助金が初めてで、まさに画期的な補助金の一つと考えています。
しかし、事業再構築補助金の第6回公募では、新築の場合には一定の制限があったり、土地に根抵当権が設定されている場合は手続きが必要といった要件があるものの、基本的には建物も補助金で取得できる点は継続であり、非常に特別なオファーにはなります。
事業再構築補助金における根抵当権の取り扱いについては以下記事をご覧ください。
事業再構築補助金、土地建物に根抵当権が設定されているとどうなる?抵当権の場合、根抵当権の場合、取るべき対策を解説
2つ目の特徴は「事前着手OK!」というものですが、こちらも非常に画期的な内容です。
現在の第6回公募では、2021年12月20日以降の設備購入契約等、さかのぼって補助金請求、補助金申請ができるという内容になっています。別途事前の着手申請が必要ですので、注意してください。
事業再構築補助金は、2021年になんと過去最大級で桁違いの予算額1兆円が組まれました。記事執筆時点の2022年予算も、6,000億円を超える金額が組まれています。
過去最大の補助金であった「ものづくり補助金」でも、年間の予算額は約1,000億円程でしたので、その10倍の予算が組まれています。政府の本気度が伝わってきます。
第6回公募は9月上旬に採択発表になると予想されており、事前着手によって補助対象とする経費の期間を9か月前後延ばせる予定です。ここでは、通常の流れと事前着手の違いを見ていきましょう。
通常の手続きでは、公募が開始された後、申請締切り、採択判断があり、その後の交付申請、交付決定を経て設備の購入等が可能となります。要するに出費は交付申請まで待たなければならないのが通常の補助金の手続きの流れです。
一方、事前着手を実施する場合は、2021年12月20日以降の設備の購入契約等が補助対象となり得ます。公式の資料にも補助対象期間は12月20日まで遡ることができる旨、記載されています。
補助対象期間というのは、通常の場合は交付決定の後になります。交付決定後12ヶ月程で購入の意思決定、発注契約、そして設置支払い完了等、すべて完了させる内容になっています。
ところが事前着手申請を行うことで、12月20日まで遡ることができ、補助事業期間を大幅に延ばすことが可能になります。そのため第6回公募では、おそらく9月上旬に採択発表になると予想されます。
事前着手によって、9ヶ月前後も大幅に対象期間を延ばすことができるようになります。
では実際に、どのような計画が採択されているのか気になる方も多いのではないかと思います。
実は、採択された事業計画のタイトルや概要は、公表されています。
企業名、認定支援機関名も公開されており、どんな事業計画が事業再構築補助金に採択されているのかを見ることができます。エクセルで公開されていますのでキーワードで検索し、思いついたアイデアや自分がやりたい業種業態など確認することが可能です。
以下に事務局の採択結果のページURLを載せておりますので、ぜひご覧いただけたらと思います。 https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.php
では公表されている採択された事業計画の概要を見ていきましょう。
こちらは第4回公募の宿泊業、飲食サービス業の採択結果の一部です。
例えば、ECサイト構築によるお肉のブーケのネット販売事業、フランスの郷土料理メニューの冷凍自動販売事業等、思いついたアイデアが採択されているか否か見ることができます。
このような情報が各公募毎に8,000件ほど掲載されていますので、見るだけでも非常に勉強になるのではないでしょうか。ぜひ見ていただけたらと思います。
補助金コネクトのコンサルタントが過去に支援した事業計画について、具体的な事例を公開できる範囲でご紹介します。
対面営業からEC販売への転換を行いました。支店をIT拠点化し、その事務所の内装工事費等も申請して採択されました。
食品の製造業で、店舗があり、実際に店舗に来ていただいたお客さまを自社のオンラインサイトに誘導していくような仕掛けをし、その食品の手作りキットを販売しているという内容で採択されました。
過疎地域の複合型の生活インフラ事業とは、簡単に説明すると、生活に必要な衣食住に関わる設備を設置し、地域の方々に使っていただこうという事業計画で採択されました。
こちらは採択が早かったです。 先端技術を用いたものになっており、審査員の心象が良かったことが影響したと考えています。今までは人がパソコンの画面上で手作業で行っていた画像加工も、AI技術を用いて半自動化しようという事業計画でした。
こちらの事業者様は、以前から自社でも雑貨は作っていたものの量としては少なく、また基本は仕入れ販売でしたが、これを自社で作れるようにしました。
販売経路はたくさん持っていたので、結果として新商品を開発することになり、既存のお客さまにどんどん販売できるという事業計画でした。
こちらはシステムの開発でした。デジタルサイネージに映像が表示され、カメラが付いていてお客さまと会話ができる等、受付のインフォメーションの代わりに置いていただけるものを開発しました。
人が立たないときには広告を流せるなど臨機応変に対応可能な機器の開発で採択を受けました。
ホテル事業です。空室が沢山あるホテルでワークとバケーションを一緒に盛り上げ、Wi-Fi環境も整備し、ビジネスに必要なプリンター等も設置しました。このような、ホテル内でのワーケーション事業も採択を受けることができます。
この事業は、 車の大改造・改良をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。クラシックカー自体を新品同様にすることをレストアというそうですが、そのような事業に乗り出した例です。店舗販売だけ、もしくは自社で取り付けて販売していた修理業でしたが、部品も通販にし、中古車販売業に転換した事例です。
その他も多数の事業計画を作成させていただいて、お客さまには採択を勝ち取っていただいております。
事業再構築補助金は業種を選ばず幅広い活用が可能、そして画期的な「建物への補助」と「事前着手」ができるということがポイントです。
すでに支払い、発注、契約済みの場合でも、昨年の12月20日以降という制限はあるものの、さかのぼって補助金の申請が可能という点がメリットです。
ご自身の事業に適用できるかどうかは、ご紹介した採択例等を見てみてください。事務局のサイトでも採択された計画のタイトル、概要等は見ることができますので、自分が考えたアイデアが採択されそうかどうか、また他者の事業を参考として見ていくだけでも、よりブラッシュアップされていくでしょう。アイデアの宝庫として活用していただければと思います。
事業再構築補助金の具体的な申請スケジュール等についてはこちらの記事でもご紹介していますので、合わせてお読みいただければ幸いです。