事業再構築補助金は、新規分野に事業展開する企業や業種転換を行う企業に向けて交付される大型補助金です。
本記事では、事業再構築補助金の第13回公募要領より、制度の概要や申請枠、活用方法を紹介します。事業再構築補助金を検討している方や、内容を知らない方はぜひ参考にしてください。
※第13回をもって事業再構築補助金は終了となりました。新たな制度「新事業進出補助金」 がスタートしております。
参考:中小企業新事業進出補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請スケジュールを解説
補助金コネクトでサポートした企業様の成功事例をご紹介します。
事例①サービス業
BLUE ONION(ブルーオニオン) | 事業再構築補助金の成功事例
補助金で他業種へ新規店舗を出店し、集客力アップとリピート率の向上を達成。
事例②製造業
生産ラインの自動化に必要な設備導入費用を補助金でカバーし、生産効率が大幅に向上。
事例③人材紹介業
新サービス開発の資金調達に成功し、市場拡大に伴う売上増を実現。
事業再構築補助金とは、新商品や新サービスの開発、新しい分野への進出や業種の変更などの、企業の付加価値を高める取り組みを支援する補助金です。2021年3月より取り入れられた制度で、2025年1月10日より第13回公募が開始されています。
第13回公募期間:令和7年1月10日(金)~令和7年3月26日(水)
事業再構築補助金は、中小企業の新分野進出や業種転換、事業再生などを通して、企業の付加価値の向上や経済の活性化を行うことを目的としています。
事業再構築補助金に申請するためには、該当する事業目的でかつ国が認定した支援機関と事業計画書を作成する必要があります。「事業再構築要件」「金融機関要件」「付加価値額要件」の3つの要件に分かれるため、それぞれ紹介します。
事業再構築要件では、事業が以下いずれかの類型に該当している必要があります。
事業再構築補助金に申請するためには、該当する類型ごとの要件を満たさなければいけません。たとえば新分野展開であれば、「過去に製造実績がない」「既存の事業と新規の事業では顧客が異なる」「売上高が10%増加する計画」などをクリアする必要があります。
事業再構築補助金を申請する際は金融機関等又は税理士、中小企業診断士などの認定経営革新等支援機関と相談の上で事業計画書を作成し、確認を受ける必要があります。
金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合には、資金提供を受ける金融機関による事業計画の確認を受け、「金融機関による確認書」を提出しなければいけません。自己資金のみで補助事業を実施する場合は、認定経営革新等支援機関による事業計画の確認を受け、「認定経営革新等支援機関による確認書」の提出をします。
従来の要件では、補助金額が3,000万円を超える場合に「金融機関による確認書」が必要でしたが、第12回公募から資金提供を受ける場合に「金融機関による確認書」が必要となりましたので、注意してください。
事業再構築補助金で求められる数値目標は、「補助事業終了後の3年〜5年で付加価値額を年率平均4%以上の増加」もしくは「従業員一人当たり付加価値額の年率平均4%以上」増加させることです。
ここで付加価値額とは、以下によって計算されます。
補助金申請者は付加価値額を増加させる根拠を示した事業計画書の提出が求められます。具体的には利益や人件費、減価償却などを年単位で算出し、増加することを証明する必要があります。
ただし申請枠によって求められる付加価値額の平均増加率が異なるため、注意してください。
事業再構築補助金の必須要件を3つ紹介しましたが、以下に該当する事業は事業再構築補助金の対象外となります。想定している事業が該当しないかチェックしてみてください。
事業再構築の実施の大半をアウトソーシングし、企画だけを行っている事業者
グループ会社が既に実施している事業を行うなど、再構築事業内容が容易に実施できる事業
実質的な労働を行わない事業(不動産経営・暗号資産のマイニング、資産運用的性格が強い事業)
会員制ビジネスであって、その会員の募集・入会が公に行われていない事業
農業を⾏う事業者が単に別の作物を作る、飲⾷店が新しく漁業を始めるなど、新たに取り組む事業が1次産業(農業、林業、漁業)である事業
従業員を解雇して付加価値額要件を達成させるような事業
公序良俗に反する事業
法令に違反する及び違反する恐れがある事業等
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項及び同条第13項第2号により定める事業(申請時に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項及び同条第13項第2号により定める事業を実施している中小企業等であっても、当該事業を停止して新たな事業を行う場合は、支援対象となります。)
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条に規定する暴力団又は暴力団員と関係がある中小企業等又はリース会社による事業
重複案件や二重受給となる事業(同じ法人または事業者が今回の公募で複数の申請を行っている場合/テーマや事業内容から判断し、国が助成する他の制度(補助⾦、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と同一⼜は類似内容の事業/他の法⼈・事業者と同一⼜は類似内容の事業)
申請時に虚偽の内容を含む事業
その他制度趣旨・本公募要領にそぐわない事業
事業再構築補助金の対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者、中堅企業となります。
中小企業者は、資本金や従業員数が以下の項目以下になる会社または個人が該当します。
中堅企業は、会社もしくは個人又は法人税法別表第二に該当する法人、農業協同組合法に基づいて設立された農事組合法人若しくは法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人で、以下の要件を満たしている事業者が対象です。
中小企業者、もしくは中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人に該当しないこと。
資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人であること。
資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること。
上記の他にも細かな要件が定められています。詳しくは「第12回 事業再構築補助金 公募要項」をご確認ください。
事業再構築補助金は類型によって対象や補助上限が異なります。詳しくは以下の表をご確認ください。
次の項からは必須要件に加え、類型ごとの細かな条件と補助上限額、補助率について紹介します。
成長分野進出枠(通常類型)はポストコロナ社会に対応した事業再構築に取り組む中小企業を支援します。
取り組む事業が過去から今後10年間で、市場規模が10%以上拡大し◆成長枠の対象となる業種・業態の一覧に属していること(事務局が指定した業種・業態に該当していなくても要件を満たすことを証するデータを提出することで認められることがある)
事業終了後3年~5年で給与支給総額を年率平均成長率2%以上増加させること
過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の新規事業を実施すること
地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
*()内は短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+ 6%を達成すること)を行う場合に適用されます。
成長分野進出枠(GX進出類型)は、ポストコロナに対応したグリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから行う事業者を支援します。
取り組む事業が、グリーン成長戦略「実行計画」14分野(※)に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当すること
事業終了後3〜5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること。
※14分野は以下の通り
※1 ()内は短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+ 6%を達成すること)を行う場合に適用されます。
※2 中堅企業とは、①資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人であること、②従業員数が2,000人以下であること、などの条件を満たす法人です。
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)は、コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援します。
以下のコロナ借換保証等(※)で既往債務を借り換えていること(任意)
2022年10月から2023年9月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること
*()内は、コロナ借換保証要件を満たさない場合
各事業類型の補助事業を通して(サプライチェーン強靱化枠と中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置を除く)、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対する上乗せ支援をします。
成長分野進出枠又はコロナ回復加速化枠の補助事業の終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること
各事業類型の補助事業を通して(サプライチェーン強靱化枠と中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置を除く)大規模な賃上げに取り組む事業者に対する上乗せを支援します。
成長分野進出枠又はコロナ回復加速化枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
長分野進出枠又はコロナ回復加速化枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年平均成長率1.5%以上増員させること
なお、各上乗せ措置の両方に申請することはできませんので、注意しましょう。
事業再構築補助金を受けるために発生する費用は、すべて経費になるわけではありません。サプライチェーン強靱化枠とそれ以外によって経費計上できる内容が異なるため、以下の表を参考にしてください。
一方で人件費や旅費、不動産や株式の購入費などは経費対象外です。さらに販売する商品やサービスに関する材料費や光熱費、通信費なども対象となるため注意してください。
経費などは会社の経営に大きく影響するポイントでもあるため、税理士などの専門家に確認しておきましょう。
第12回まで実施されていた事前着手申請は廃止されました。交付決定前に支払い済みの経費は対象外となりますので、ご注意ください。
事業再構築補助金の申請から入金までの流れは以下のとおりです。
具体的なスケジュールや、各ステップで必要な書類については、以下の記事で詳しく解説しています。
事業再構築補助金はいつから申請できる?第13回公募の具体的スケジュールと申請方法
より事業再構築補助金のイメージを分かりやすくするため、ここでは補助金を使った事例を3つ紹介します。
カーボンニュートラルの実現や脱炭素時代への変化から、ガソリン車からEV車への切り替えを検討していた自動車会社。新規分野転換や業態転換として補助の対象となった事例があります。
EVの充電時間の短縮や消費エネルギー量を軽減した車を開発し、従来より省エネに特化した自動車が完成した事例です。
居酒屋を経営していたものの、コロナや営業時間の短縮により経営難になったため、営業を廃止してECサイトに業種転換した事例です。
冷凍食品の販売を行うためのECサイトの制作費や新商品を開発するための機械などが経費となったうえで補助金が交付されました。
オフィスビル管理業を行っていたものの、コロナによって多くの企業が地方へ移転したことで業績不振になりました。空調管理も行っていた実績があるため、補助金を利用して空気清浄機の製造へ業種転換した事例があります。
新規制要件をクリアし、事業計画期間終了後の空気清浄機の売上高が最も高くなることを事業計画書で示し、対象となりました。
事業再構築補助金は新分野展開や事業転換、業種転換などを行う中小・中堅企業などに向けて交付される補助金です。
申請枠や申請要件は、従来から大きく変わって来ていますので、申請の際は最新の公募要領をご確認ください。
事業再構築補助金は申請枠によって補助金額や条件が異なるため、税理士やコンサルタント等の専門家に相談して検討するようにしましょう。
