埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金は、加工用米や酒造好適米の価格高騰による経営負担を軽減するため、埼玉県が実施する支援制度です。
県内に本社または主な事業所を有し、清酒や味噌、米菓などを製造する中小企業者が対象となります。2025年産米の価格上昇分の原則2分の1を支援し、加工用米は1kg当たり最大90.4円、酒造好適米は最大87.5円が交付単価の上限です。
2026年度の申請期限は11月10日で、対象となる米は10月31日までに納品・支払いを完了する必要があります。
本記事では、支援対象となる事業者や米の種類、支援金額の計算方法、申請手続き、注意点について詳しく解説します。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金 |
実施主体 | 埼玉県 |
対象者 | 県内に本社または主な事業所を有する中小企業者で、対象となる米加工食品等を製造する事業者 |
支援内容 | 2025年産の加工用米・酒造好適米の価格上昇分の一部 |
支援割合 | 購入単価上昇分の原則1/2 |
交付単価上限 | 加工用米:90.4円/kg、酒造好適米:87.5円/kg |
対象となる米 | 2025年産の国産加工用米(うるち米・もち米)および酒造好適米 |
納品・支払期限 | 2026年10月31日 |
申請期間 | 2026年5月29日~11月10日 |
申請方法 | 電子申請または郵送 |
公募状況 | 申請受付中(2026年10月28日時点) |
埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金は、加工用米や酒造好適米の価格上昇によって経営への影響を受けている県内中小企業者を支援する制度です。
米を原料として製造する酒類、味噌、米菓などの事業者にとって、原材料価格の上昇は製造原価の増加につながります。
一方で、原材料価格の上昇分をすべて販売価格に反映することは容易ではありません。
こうした事業者の負担を軽減するため、埼玉県では2025年産の加工用米等について、2024年産と比較した価格上昇分の一部を支援しています。
本制度の主な特徴は、以下の3点です。
新たな設備投資ではなく、対象となる米の購入経費を支援する制度であること
2024年産米と2025年産米の購入単価の差をもとに支援金額を算定すること
2026年10月31日までに納品と支払いが完了した対象米が支援対象となること
設備投資を行う補助金とは異なり、すでに購入した原材料についても、制度の要件を満たせば支援対象となる点が特徴です。
本制度の対象となるのは、埼玉県内に本社または主な事業所を有し、玄米または精米を主たる原料とする米加工食品等を製造する中小企業者です。
主な対象事業者は以下のとおりです。
業種・製造品目 | 対象となる事業の例 |
|---|---|
酒類製造業 | 清酒などの製造 |
調味料製造業 | 味噌などの製造 |
菓子製造業 | せんべい、あられなどの米菓製造 |
米加工食品製造業 | もち、だんごの製造 |
製粉業 | 米穀粉、玄米粉の製造 |
加工米飯製造業 | 冷凍米飯などの製造 |
これらは公式資料に記載されている製造品目の例です。実際の対象可否は、事業内容や使用する米の種類などによって判断されます。
中小企業者の判定には、中小企業基本法の基準が用いられます。
本制度の対象となる製造業の場合、以下の基準が適用されます。
事業者区分 | 基準 |
|---|---|
法人 | 資本金・出資総額3億円以下、または常時使用する従業員数300人以下 |
個人事業主 | 常時使用する従業員数300人以下 |
法人の場合は、資本金または従業員数のいずれかの基準を満たしていれば、中小企業者に該当します。
個人事業主も申請対象となり得ますが、対象となる製造事業を営んでいることなど、その他の申請要件も満たす必要があります。
本制度では、米を使用している事業者であっても、すべてが対象となるわけではありません。
特に、飲食業、弁当製造業、惣菜製造業およびこれらに類する事業者は支援対象外です。
事業内容 | 対象の考え方 |
|---|---|
日本酒を製造する酒蔵 | 対象となる可能性がある |
米菓を製造する食品メーカー | 対象となる可能性がある |
味噌を製造する事業者 | 対象となる可能性がある |
ご飯を提供する飲食店 | 対象外 |
弁当を製造・販売する事業者 | 対象外 |
惣菜を製造する事業者 | 対象外 |
また、埼玉県暴力団排除条例に規定する暴力団または暴力団員と密接な関係を有する者は、支援対象となりません。
申請前に、所在地や企業規模だけでなく、実際に製造している商品や事業内容が制度の対象に該当するか確認しましょう。
支援対象となるのは、2025年産の国産加工用米または酒造好適米で、玄米もしくは精米の状態で購入したものです。
対象となる米は次のとおりです。
加工用米(うるち米)
加工用米(もち米)
酒造好適米
加工用米とは、酒類、加工米飯、味噌などの調味料、米粉、米菓類などの原料として、用途を限定して販売された米のことです。
酒造好適米は、山田錦や五百万石など、酒造に適した品種を指します。
さらに、対象となる米は2026年10月31日までに納品および購入代金の支払いが完了している必要があります。
本制度では、米の生産年、形態、区分によって対象可否が異なります。
確認項目 | 対象となる米 | 対象外となる米 |
|---|---|---|
生産年 | 2025年産 | 2024年産以前 |
米の形態 | 玄米・精米 | 砕米・割米・くず米 |
米の区分 | 加工用米・酒造好適米 | 主食用米 |
産地 | 2025年産の国産米 | 外国産米 |
注意したいのは、米加工食品の製造に使用していても、主食用米は支援対象外となることです。
例えば、米菓の製造に主食用米を使用している場合、その購入経費は本制度の対象にはなりません。
購入した米が加工用米または酒造好適米に該当するか、契約書や購入書類で確認してください。
また、2025年産の対象米であっても、納品または支払いが2026年11月以降となる場合は対象外です。
親会社や子会社、関連会社など、同じ企業グループ内で行われる米の購入取引は支援対象外です。
例えば、親会社から加工用米を仕入れている場合、その購入経費は支援対象にはなりません。
申請前に、仕入先との資本関係や取引関係についても確認しておきましょう。
本制度の支援金額は、2024年産米と2025年産米の税抜購入単価の差額をもとに算出します。
基本的な計算方法は次のとおりです。
支援金額 = 交付対象となる単価 × 購入量(kg)
交付対象となる単価には、以下のうち低い金額を使用します。
2025年産と2024年産の購入単価の差額の2分の1
制度で定められた交付単価上限
交付単価上限は、米の種類によって異なります。
米の種類 | 交付単価上限 |
|---|---|
加工用米(うるち米) | 90.4円/kg |
加工用米(もち米) | 90.4円/kg |
酒造好適米 | 87.5円/kg |
なお、購入価格は税抜で計算し、交付基準単価の算定では小数点第2位以下を切り捨てます。
また、加工用米は種別・等級ごと、酒造好適米は銘柄・等級ごとに2024年産と2025年産の購入単価を比較します。
複数種類の米を購入している場合は、それぞれの購入実績を整理したうえで算定する必要があります。
例えば、加工用米を1,000kg購入した場合を考えてみましょう。
2024年産の購入単価が300円/kg、2025年産の購入単価が460円/kgだったとします。
この場合、価格上昇分は160円/kgです。
160円 × 1/2 = 80円/kg
交付単価上限の90.4円/kgを下回るため、80円/kgを用いて支援金額を算出します。
80円 × 1,000kg = 80,000円
このケースでは、支援金額は8万円となります。
購入単価や数量が異なる場合の計算例は以下のとおりです。
2024年産単価 | 2025年産単価 | 購入量 | 支援金額 |
|---|---|---|---|
300円/kg | 400円/kg | 1,000kg | 50,000円 |
300円/kg | 460円/kg | 1,000kg | 80,000円 |
300円/kg | 500円/kg | 1,000kg | 90,400円 |
300円/kg | 500円/kg | 2,000kg | 180,800円 |
※加工用米の交付単価上限90.4円/kgを適用した計算例です。価格はすべて税抜で、他制度との併用による調整がないものとしています。
このように、購入量が多い事業者ほど支援金額が大きくなる可能性があります。ただし、価格上昇分が大きくても、交付単価の上限を超えて支援金が交付されるわけではありません。
2024年産米の同一種別・同一等級の購入実績がない場合でも、直ちに申請対象外となるわけではありません。
公式資料では、2024年産米の売買契約書に該当する価格が記載されている場合は、その価格を使用します。
売買契約書でも価格を確認できない場合には、次の基準価格を適用する取扱いが定められています。
米の種類 | 2024年産の基準価格 |
|---|---|
加工用米(うるち米・もち米) | 215.8円/kg |
酒造好適米 | 321.6円/kg |
この基準価格は、銘柄や等級を問わず適用されます。
前年の購入実績がない場合は、価格を自己判断せず、申請要領に沿って算定することが重要です。
2026年度の申請スケジュールは以下のとおりです。
項目 | 日程 |
|---|---|
申請受付開始 | 2026年5月29日 |
対象米の納品・支払期限 | 2026年10月31日 |
申請受付終了 | 2026年11月10日 |
原則として、最後の納品・支払いが完了した日から1か月以内に申請する必要があります。
ただし、申請受付期間の最終日は2026年11月10日のため、納品・支払いの完了時期にかかわらず、この期限までに申請を完了する必要があります。
なお、2026年7月15日に申請方法が一本化されているため、過去に公開された案内資料と申請手続きが異なる場合があります。
申請前には、必ず最新の公式情報を確認してください。
埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金は、対象となる米の納品と支払いを完了した後に申請する制度です。申請から受給までは、以下の流れで進みます。
対象要件の確認
まず、自社が対象となる中小企業者に該当するか、購入した米が2025年産の加工用米または酒造好適米に該当するかを確認します。
対象米の納品・支払い
2026年10月31日までに、対象となる米の納品と購入代金の支払いを完了します。いずれかが期限を過ぎた場合は支援対象外となります。
購入実績の整理と支援金額の算定
2024年産と2025年産の購入単価、購入数量を整理し、価格上昇分をもとに支援金額を計算します。米の種類や等級によって算定方法が異なるため注意が必要です。
必要書類の準備
交付申請書兼請求書、購入量等集計表、売買契約書、納品書、支払証明書などを準備します。購入金額の計算根拠が分かる補足資料も必要です。
申請書類の提出
必要書類をそろえ、電子申請または郵送で提出します。申請期限は2026年11月10日です。
審査・支援金の受給
提出した書類をもとに事務局で審査が行われます。必要に応じて書類の補正を求められる場合があり、審査を経て交付決定・額の確定後、指定口座に支援金が振り込まれます。
なお、申請は原則として1事業者につき1回です。対象となる米の納品・支払いをすべて完了したうえで、まとめて申請してください。
主な必要書類は次のとおりです。
必要書類 | 内容 |
|---|---|
交付申請書兼請求書 | 所定の様式第1-1号 |
加工用米等購入量等集計表 | 所定の様式第2-1号 |
暴力団排除に関する誓約事項 | 所定の様式第3号 |
売買契約書等 | 2025年産の対象米の購入に係る契約内容 |
納品・購入実績の証拠書類 | 2024年産・2025年産米の納品書、請求書、領収書、通帳の写し等 |
振込先口座の確認書類 | 金融機関名、口座番号、名義人等が分かる通帳の写し等 |
事業者確認書類 | 法人は発行後6か月以内の履歴事項全部証明書、個人事業主は開業届の写し等 |
補足資料 | 購入量・単価・請求額の算定根拠 |
2026年6月10日からは、補足資料の提出が必要となっています。
補足資料には、以下の情報を記載します。
購入数量の単位(kg、t、俵など)
購入単価の単位
請求額の算定根拠が分かる計算式
実際に購入した際の単価
複数回に分けて納品されている場合は、納品ごとの計算根拠が分かるように整理する必要があります。
また、購入数量に応じて契約単価から割引が適用される場合は、実際の購入費用をもとに購入単価を算定してください。
申請は、原則として電子申請で行います。
電子申請の場合は、専用サイトから申請フォームに進み、必要情報を入力して書類を提出してください。
電子申請が難しい場合は、郵送での申請も可能です。
申請方法 | 申請期限 |
|---|---|
電子申請 | 2026年11月10日23時59分まで |
郵送申請 | 2026年11月10日(当日消印有効) |
メール・窓口持参 | 受付対象外 |
郵送申請の場合は、追跡が可能なレターパックや特定記録郵便などを使用してください。
郵送先は以下のとおりです。
〒260-0031
千葉県千葉市中央区新千葉2-12-1 第11東ビル3階
埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金事務局 行
※郵送先は埼玉県内ではなく、千葉県内に設置された事務局です。
電子申請フォームの入力画面の保存時間は60分となっているため、必要書類を準備してから手続きを開始しましょう。
本制度では、2026年10月31日までに納品と支払いの両方が完了している必要があります。
例えば、10月中に代金を支払っていても、実際の納品が11月になる場合は対象外です。
反対に、10月中に納品されていても、支払いが11月になる場合は対象外となります。
申請期限だけで判断せず、対象となる米の取引が期限内に完了しているか確認してください。
申請には、米の購入量や購入価格、納品、支払いを確認できる証拠書類が必要です。
特に、ほかの原材料と同じ請求書や領収書で購入している場合は、支援対象となる米の取引金額を明確にする必要があります。
公式FAQでは、やむを得ずほかの原材料と同一の証拠書類になる場合、対象経費を特定できるよう該当箇所をマーキングしたり、補足資料を提出したりする対応が示されています。
また、支払いについても、原則として対象外経費との混合払いを避ける必要があります。
混合払いを行った場合は、対象経費と対象外経費を明確に区分できる補足資料を準備してください。
本制度は、国や市町村の同様の補助金等と併用することが可能です。
ただし、ほかの制度で米価格高騰額の2分の1以上の補助を受けている場合は、県の支援金額が調整されることがあります。
例えば、米価格高騰額が16万円で、国や市町村から10万円の補助を受けている場合を考えてみましょう。
項目 | 金額 |
|---|---|
米価格高騰額 | 160,000円 |
国・市町村からの補助金 | 100,000円 |
埼玉県の支援金 | 60,000円 |
合計支援額 | 160,000円 |
この場合、県の支援金のみを申請した場合の金額は8万円ですが、すでに国や市町村から10万円の補助を受けているため、県の交付額は6万円となります。
国や市町村の補助金と県の支援金の合計が、米価格高騰額を超えないように調整される仕組みです。
複数の制度を利用する場合は、それぞれの補助対象や併用条件を事前に確認してください。
申請に使用した証拠書類などは、支援金を受領した年度の終了後から5年間保存する必要があります。
保存が必要な書類には、申請書の写しや添付書類の原本、支援金の入金が確認できる通帳などが含まれます。
交付を受けた後も、契約書や納品書、支払証明書などを適切に管理し、県から提出や提示を求められた場合に対応できるようにしましょう。
本制度では、米を購入しているという事実だけでは支援対象になるとは限りません。
申請を検討する際は、最初に以下の3点を確認することをおすすめします。
自社が対象となる米加工食品等の製造事業者に該当しているか
購入した米が2025年産の加工用米または酒造好適米に該当しているか
2026年10月31日までに納品と支払いを完了できるか
これらを確認したうえで、購入量や価格差から支援金額を算出すると、申請できる可能性と想定支援額を整理しやすくなります。
支援金額の計算には、2024年産と2025年産の購入単価が必要です。
特に複数の銘柄や等級を購入している事業者は、購入価格を一括で管理するのではなく、米の種類・銘柄・等級ごとに整理しておくことが重要です。
例えば、加工用米については種別・等級ごと、酒造好適米については銘柄・等級ごとに比較する必要があります。
前年の購入実績がない場合は、申請要領で定められた基準価格の取扱いも確認してください。
2026年度の対象米の納品・支払期限は10月31日、申請期限は11月10日です。
10月末に最後の納品や支払いが完了する事業者は、その後の申請準備に使える期間が限られています。
そのため、納品が完了する前から契約書や過去の購入実績、事業者確認書類などを整理しておくと、申請時の負担を軽減できます。
また、申請書類に不備がある場合は補正を求められることがあるため、提出前に購入数量・単価・計算式と証拠書類の内容が一致しているか確認することも重要です。
はい。個人事業主も、対象となる中小企業者の要件を満たしていれば申請可能です。
ただし、埼玉県内に本社または主な事業所を有し、対象となる米加工食品等の製造を行っている必要があります。
いいえ。飲食業は本制度の支援対象外です。
例えば、飲食店で提供するご飯や弁当に使用する米は、加工用米であっても対象にはなりません。
はい。2025年産の対象米であり、2026年10月31日までに納品と支払いが完了しているなど、制度の要件を満たす場合は支援対象となります。
本制度は、対象となる米の購入実績に基づいて申請する仕組みです。
はい。前年の同一種別・同一等級の購入実績がない場合でも、制度で定められた価格を使用して算定できる場合があります。
2024年産米の売買契約書や、申請要領に記載されている基準価格の取扱いを確認してください。
はい。国や市町村の同様の補助金等との併用が認められています。
ただし、ほかの制度で米価格高騰額の2分の1以上の補助を受けている場合は、埼玉県の支援金額が調整されることがあります。
併用する場合は、申請前に各制度の補助条件や交付額を確認してください。
埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金は、加工用米や酒造好適米の価格高騰による負担を軽減するため、県内の米加工食品等の製造事業者を支援する制度です。
2025年産の対象米について、2024年産米からの購入単価上昇分の原則2分の1が支援され、加工用米は1kg当たり90.4円、酒造好適米は87.5円が交付単価の上限となります。
申請にあたっては、対象となる米の種類、製造用途、納品・支払期限、購入単価の算定方法を確認することが重要です。
2026年度の申請期限は11月10日です。対象となる事業者は、契約書や購入実績、納品・支払証明書などを早めに整理し、期限内に手続きを進めましょう。
最新の公募情報は、以下リンクの公式ページよりご確認ください。
申請手続きや必要書類については、以下の資料でも確認できます。
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新規事業などでまとまった経費を予定されている方は、補助金申請でコスト負担を軽減することができます。
しかし、自社に合った補助金を見つけるためには、相当の時間と手間が必要になります。
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