埼玉県では、県内の事業所における省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用を促進するため、設備導入にかかる費用の一部を補助する「企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」を実施しています。
本補助金は、太陽光発電設備や蓄電池をはじめ、再生可能エネルギーによる発電設備、熱利用設備、コージェネレーション設備などの導入を検討している事業者に活用できる制度です。設備の種類や事業内容に応じて補助率や上限額が設定されており、最大2,500万円の補助を受けられる場合があります。
電気料金などのエネルギーコスト削減を図りたい事業者や、脱炭素化に向けて設備投資を進めたい事業者にとって、導入費用の負担を軽減できる点が大きなメリットです。
令和8年度の第3回募集は、2026年10月13日から11月9日17時まで申請を受け付けています。ただし、対象設備や申請要件が定められているほか、県が認定する「あんしん事業者」との契約が必要となるため、事前に制度の詳細を確認しておくことが重要です。
この記事では、本補助金の対象事業者や対象設備、補助率・上限額、申請方法や注意点について解説します。
本補助金は、埼玉県内の事業所に省エネ・再エネ活用設備を導入する民間事業者を支援する制度です。事業所の脱炭素化やエネルギー利用の効率化を促進するとともに、災害時などにおける地域のエネルギー供給体制の強化を目的としています。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度 企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金 |
実施主体 | 埼玉県 |
対象者 | 県内の事業所に対象設備を導入する民間事業者 |
対象設備 | 太陽光発電設備・蓄電池、再生可能エネルギー発電設備、熱利用設備、基盤インフラ設備、コージェネレーションシステムなど |
補助率 | 設備区分により異なる |
補助上限額 | 最大2,500万円 |
第3次募集期間 | 2026年10月13日(火)~11月9日(月)17時 |
申請方法 | 必要書類を電子メールで提出 |
補助対象となるのは、埼玉県内の事業所において、県の認定を受けた「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者(企業等向け)」との契約により、対象設備を導入する民間事業者です。
設備を導入するだけでなく、県が認定した事業者を通じて設置することが要件となるため、施工会社や設備導入事業者を選ぶ段階で確認しておきましょう。
申請にあたっては、主に以下の点を確認する必要があります。
埼玉県内の事業所に設備を導入すること
県が認定した対象事業者との契約により設備を導入すること
設備ごとに定められた性能や導入条件を満たすこと
二酸化炭素排出量の削減につながる事業であること
災害時などに地域へエネルギーを提供するための要件を満たすこと
同じ設備について、他の補助金との重複受給に該当しないこと
所定の期限までに設備の設置工事と補助対象経費の支払いを完了すること
設備の種類によって、出力や性能、運用方法などの個別要件が異なります。導入予定の設備に対応する県の要件資料を確認しましょう。
本補助金では、導入する設備の種類によって補助率や上限額が異なります。
補助対象設備 | 補助率・補助額 | 補助上限額 |
|---|---|---|
太陽光発電設備・蓄電池 | 太陽光発電設備:5万円/kW、蓄電池:対象経費の3分の1 | 合計1,500万円 |
太陽光発電設備・蓄電池(特定の事業) | 太陽光発電設備:7万円/kW、蓄電池:対象経費の2分の1 | 合計1,500万円 |
その他の再生可能エネルギー発電設備(水力・バイオマス) | 対象経費の3分の2 | 1,500万円 |
熱利用設備(太陽熱・バイオマス熱・地中熱) | 対象経費の3分の2 | 1,500万円 |
その他の基盤インフラ設備 | 対象経費の3分の2 | 県の公表資料で確認 |
その他の基盤インフラ設備(特定の事業) | 対象経費の4分の3 | 県の公表資料で確認 |
コージェネレーションシステム | 対象経費の2分の1 | 2,500万円 |
※「特定の事業」とは、埼玉版スーパー・シティプロジェクト参加市町村の取組に位置付けられた事業を指します。該当するかどうかは県の案内で確認してください。
太陽光発電設備と蓄電池を導入する場合、通常は太陽光発電設備について1kWあたり5万円、蓄電池について対象経費の3分の1が補助されます。両設備を合わせた補助上限額は1,500万円です。
埼玉版スーパー・シティプロジェクト参加市町村の取組に位置付けられた事業では、太陽光発電設備が1kWあたり7万円、蓄電池が対象経費の2分の1となる場合があります。
太陽光発電設備には出力や蓄電池との一体的な利用などの要件があります。なお、出力は太陽電池モジュールの公称最大出力の合計値とパワーコンディショナーの定格出力の合計値のうち、低い方を基準に算出し、kW単位で小数点以下を切り捨てます。
水力発電設備やバイオマス発電設備などの再生可能エネルギー発電設備は、対象経費の3分の2、上限1,500万円です。
また、太陽熱、バイオマス熱、地中熱などを利用する熱利用設備も対象となり、補助率は対象経費の3分の2、上限額は1,500万円です。熱源や設備の性能などに個別要件があるため、導入予定の設備が対象となるか確認しましょう。
基盤インフラ設備では、自営線、蓄熱設備、熱導管、エネルギーマネジメントシステムなどが対象です。補助率は対象経費の3分の2で、特定の事業では4分の3となります。上限額は県の公表資料で確認してください。
コージェネレーションシステムは、発電時に発生する熱を有効活用する設備です。補助率は対象経費の2分の1、上限額は2,500万円となっています。
補助対象となるのは、補助対象事業の実施に必要な経費です。主に以下の費用が挙げられています。
設備費: 補助対象設備の購入などに必要な費用
工事費: 設備の設置工事などに必要な費用
業務費: 補助対象事業の実施に必要な業務に係る費用
すべての関連費用が補助対象となるわけではありません。費目ごとの対象範囲や対象外経費については、県が公表している補助対象経費の資料を確認してください。
申請時には、契約予定事業者の見積書に加え、原則として契約予定事業者以外の事業者から取得した見積書など、補助対象経費の妥当性を確認できる資料も必要です。設備の仕様や工事内容を整理し、申請書類と見積内容に相違がないよう準備しましょう。
第3次募集期間は、2026年10月13日(火)から11月9日(月)17時までです。
県の案内では先着順ではなく、申請期間内に不備なく提出された申請が審査対象となります。必要書類をそろえたうえで、期間内に電子メールで提出してください。
提出先:埼玉県環境部エネルギー環境課 創エネルギー推進担当
メールアドレス:a3170-02@pref.saitama.lg.jp
電話番号:048-830-3024
県は、メール送付後にデータが届いているか確認の電話をするよう案内しています。送信後は到着確認まで行いましょう。
主な提出書類は以下のとおりです。
交付申請書、事業計画書、審査に関する資料
災害時等のエネルギー提供に関する資料
暴力団排除に関する誓約事項、法人番号提供書、申請チェックリスト
発行後3か月以内の見積書
設備の仕様書・カタログ、工事計画図、導入予定場所の写真
直近1年分の決算報告書
電気使用量のお知らせや発電シミュレーションなど、エネルギー使用量を確認できる資料
契約予定事業者以外の事業者から取得した見積書など、費用の妥当性を確認できる資料(原則1者以上)
個人事業主の場合は、発行後3か月以内の開業届などが必要です。PPAやリースで導入する場合には、契約書案や補助金相当額がサービス料金・リース料金から控除されることを確認できる書類なども求められます。
設備区分や申請者の状況によって必要書類が異なる場合があるため、最新の提出書類一覧とチェックリストを確認しましょう。
手順 | 内容 |
|---|---|
1. 対象要件の確認 | 導入予定の設備や事業が要件を満たすか確認する |
2. 施工事業者の選定 | 県の認定を受けた対象事業者を確認する |
3. 見積もり・計画の作成 | 設備の仕様、工事内容、導入費用などを整理する |
4. 申請・審査 | 必要書類を提出し、県の審査を受ける |
5. 設備の設置・支払い | 交付要綱などに従って工事や支払いを進める |
6. 実績報告 | 工事と対象経費の支払いを完了し、実績報告書を提出する |
7. 事業結果の報告 | 設備稼働後の実績を所定の期間にわたり報告する |
事業の着手時期や手続きの順序は、交付要綱・実施要領に従ってください。交付決定前に事業へ着手してよいかなど、重要な条件は申請前に確認しましょう。
最新情報につきましては以下の公式サイトよりご確認ください。
公式: 埼玉県「令和8年度 企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」
設備の種類によって、出力や性能、運用方法などの要件が異なります。また、地域のエネルギーレジリエンス強化を目的としているため、設備区分に応じて、災害時などに地域へエネルギーを提供するための対応や、県ウェブサイトでの公表、現地での周知などが求められます。
導入予定の設備が要件を満たすかだけでなく、導入後の運用や対応体制も確認しておきましょう。
埼玉県内の一部市町村では、同様の補助制度が設けられています。ただし、対象となる市町村の補助金と本補助金を併用することはできないため、申請前に利用予定の制度を確認しておきましょう。
県が案内している市町村の補助制度は以下のとおりです。
市町村 | 補助制度 |
|---|---|
さいたま市 | さいたま市重点対策加速化事業補助金 |
新座市 | 新座市太陽光発電設備等設置費補助金 |
秩父市 | 屋根置き太陽光発電設備・蓄電池及び高効率照明機器補助金 |
所沢市 | 〖事業用〗所沢市スマートハウス化推進補助金 |
春日部市 | 春日部市企業等における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金 |
久喜市 | 重点対策加速化事業補助金 |
同じ設備に対する県や国などの補助金との重複受給にも制限があります。利用を検討している制度がある場合は、それぞれの要件を確認してください。
実績報告書は、補助対象事業の完了日から30日以内、または2027年3月15日のいずれか早い日までに提出する必要があります。報告期限までに、設備の設置工事と補助対象経費の全額支払いを完了させなければなりません。
さらに、設備の稼働後1年間の実績について、1年ごとに3年間報告する必要があります。工事や支払いのスケジュールだけでなく、導入後の報告体制も整えておきましょう。
本補助金を活用することで、事業所における省エネ・再エネ設備の導入費用を抑えながら、エネルギー利用の効率化や脱炭素化を進められる可能性があります。
例えば、太陽光発電設備や蓄電池を導入すれば、自社で利用する電力の一部を賄うことにつながります。また、熱利用設備やコージェネレーションシステムなどを活用することで、エネルギー利用の効率化を図れる場合もあります。
実際の導入効果は、設備の種類や規模、稼働状況、電力使用量などによって異なります。補助率や上限額だけで判断せず、導入前に費用対効果を試算し、自社の事業内容に適した設備を選定しましょう。
埼玉県の「企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」は、県内の事業所に省エネ・再エネ活用設備を導入する民間事業者を支援する制度です。
太陽光発電設備・蓄電池のほか、水力・バイオマス発電設備、熱利用設備、基盤インフラ設備、コージェネレーションシステムなどが対象となり、設備区分によって補助率や上限額が異なります。
申請にあたっては、次のポイントを押さえておきましょう。
県の認定を受けた対象事業者との契約が必要
設備区分ごとの性能・導入要件を確認する
他の補助金との併用制限を確認する
申請期間内に不備なく必要書類を提出する
実績報告の期限と、稼働後3年間の報告義務を把握する
第3次募集の締切は、2026年11月9日(月)17時です。申請を検討している事業者は、埼玉県の公式情報で最新の募集状況と必要書類を確認し、施工事業者の選定や見積もりの取得を早めに進めましょう。
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