千葉県では、中小企業者等による新商品・新技術の開発を支援する制度として、「新商品・新技術開発助成金」が実施されています。
本助成金は、「ちば中小企業元気づくり基金事業」の一つで、製品の高付加価値化や新規事業の展開などを目的とした、新商品・新技術開発等に要する経費の一部を助成する制度です。
令和8年度の助成率は、助成対象経費の2分の1以内です。小規模企業者の場合は3分の2以内となります。助成限度額は250万円で、助成対象期間は1年以内です。
本記事では、新商品・新技術開発助成金の概要、対象者、助成額、対象経費、申請方法、申請時の注意点をわかりやすく解説します。
新商品・新技術開発助成金は、千葉県内の中小企業者等が、製品の高付加価値化や新規事業の展開等を図るために行う、新商品・新技術開発等を支援する制度です。
「ちば中小企業元気づくり基金」は、独立行政法人中小企業基盤整備機構、千葉県、地域金融機関からの拠出により造成された基金であり、公益財団法人千葉県産業振興センターが運用管理しています。その運用益により実施される助成事業です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 新商品・新技術開発助成金 |
事業名 | ちば中小企業元気づくり基金事業 |
実施主体 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
対象地域 | 千葉県 |
対象者 | 主たる事業の実施地が千葉県内である中小企業者、小規模企業者等 |
対象事業 | 製品の高付加価値化、新規事業の展開等を図るための新商品・新技術開発等 |
主な対象経費 | 原材料・消耗品費、機械装置・工具器具関連経費、外注加工費、専門家謝金・旅費、委託費、事務費、賃金、産業財産権等関連経費など |
助成率 | 1/2以内 |
小規模企業者の助成率 | 2/3以内 |
助成限度額 | 250万円 |
助成対象期間 | 1年以内 |
令和8年度申請期間 | 令和8年4月1日から令和8年4月30日23時59分まで |
令和8年度事業期間 | 交付決定日から令和9年2月26日まで |
申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
代理申請 | 不可 |
募集状況 | 令和8年度の募集は終了 |
最新の公募情報は、以下リンクの公式ページよりご確認ください。
公式:新商品・新技術開発助成金の公募について
本助成金の対象となるのは、主たる事業の実施地が千葉県内である中小企業者、小規模企業者等です。
区分 | 内容 |
|---|---|
中小企業者 | 中小企業基本法第2条に規定する中小企業者 |
小規模企業者 | 中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者 |
実施地 | 主たる事業の実施地が千葉県内であること |
中小企業者および小規模企業者の規模は、主たる業種により以下のように整理されています。
業種 | 中小企業者の規模 | 小規模企業者の従業員数 |
|---|---|---|
製造業、建設業、運輸業、その他 | 資本金3億円以下または従業員300人以下 | 20人以下 |
卸売業 | 資本金1億円以下または従業員100人以下 | 5人以下 |
サービス業 | 資本金5,000万円以下または従業員100人以下 | 5人以下 |
小売業 | 資本金5,000万円以下または従業員50人以下 | 5人以下 |
以下のいずれかに該当する中小企業者は、助成対象者から除かれます。
対象外となる例 | 内容 |
|---|---|
大企業が2分の1以上所有 | 発行済株式の総数または出資価額の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者 |
大企業が3分の2以上所有 | 発行済株式の総数または出資価額の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者 |
大企業役員等の関与 | 大企業の役員または職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者 |
助成対象となるのは、製品の高付加価値化、新規事業の展開等を図るための新商品・新技術開発等です。
たとえば、以下のような取組が想定されます。
取組例 | 内容 |
|---|---|
新商品開発 | 新たな商品や試作品の開発 |
新技術開発 | 新たな技術・工法・サービスの研究開発 |
製品の高付加価値化 | 既存製品の機能向上、性能向上、用途拡大等 |
新規事業展開 | 新たな市場や事業分野への展開に向けた開発 |
ただし、生産設備の購入・製造や、通常の運転資金、営利販売のための原材料仕入れ等を目的とした申請は対象外です。
助成額は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
助成率 | 助成対象経費の1/2以内 |
小規模企業者の助成率 | 助成対象経費の2/3以内 |
助成限度額 | 250万円 |
助成対象期間 | 1年以内 |
令和8年度事業期間 | 交付決定日から令和9年2月26日まで |
応募者が多数の場合、採択となっても補助金交付額が要望額に満たない場合があります。
主な助成対象経費は以下のとおりです。
経費区分 | 内容 |
|---|---|
原材料・消耗品費 | 研究開発に直接使用する主要原材料、副材料の購入に要する経費 |
機械装置・工具器具関連経費 | 研究開発に必要な機械装置または工具器具の購入、製造、改良、据付、借用、保守、修繕に要する経費 |
外注加工費 | 試作品の開発に必要な原材料等の加工・設計を外注する際の経費 |
専門家謝金・旅費 | 試作、改良、デザイン、求評、市場調査等に関して専門家から指導・相談等を受けるための経費 |
委託費 | 試作品の研究開発等に係る分析・検査、市場調査等を外部機関に委託する経費 |
事務費 | 会議費、会場借料、通信運搬費、印刷製本費、資料購入費 |
賃金 | 事業遂行に必要な業務・事務を補助するために雇い入れた短期的なアルバイトに支払う経費 |
産業財産権等関連経費 | 本助成事業の成果に係る特許権等の取得に要する経費 |
その他 | 理事長が特に必要と認める経費 |
経費区分 | 主な注意点 |
|---|---|
原材料・消耗品費 | 受払簿を整備し、材料の種別・仕様別に受払年月日、数量等を記録・保管する必要あり |
原材料・消耗品費 | 原則として事業終了までに使い切る必要あり |
機械装置・工具器具関連経費 | 機械装置や工具器具を購入する場合、または自社で機械装置を製作するために部品等を購入する場合は、取得価格20万円以上/件のものが対象 |
機械装置・工具器具関連経費 | 機械装置のリース・レンタル、試作、改良、据付、保守、修繕に要する経費も対象 |
機械装置・工具器具関連経費 | 汎用性が高く使用目的が特定されないパソコン、プリンタ、タブレット端末、スマートフォン等は対象外 |
機械装置・工具器具関連経費 | 原則としてリースまたはレンタル |
機械装置・工具器具関連経費 | 購入の場合は特注品であること |
外注加工費 | 試作品開発に必要な加工・設計を外注する場合が対象 |
専門家謝金・旅費 | 専門家が助成事業者のもとへ赴く場合の旅費が対象 |
委託費 | 助成対象経費総額の2分の1を超えない額 |
事務費 | 会議費、会場借料、通信運搬費、印刷製本費、資料購入費などが対象 |
賃金 | 雇用契約書、作業日誌、源泉徴収関係書類等の整備・保管が必要 |
産業財産権等関連経費 | 事業完了までに出願手続きおよび費用の支払いが完了している必要あり |
機械装置等の導入は、原則としてリースまたはレンタルとされています。購入する場合は特注品である必要があり、本事業計画以外で使用することはできません。事業終了後の生産転用もできません。
また、委託費は助成対象経費総額の2分の1を超えない額とされています。助成対象経費の大部分が委託費や外注費で占められ、助成事業の中で自社が果たす役割が少ない申請は採択されません。
以下のような経費や事業は、助成対象外となります。
対象外経費・事業 | 内容 |
|---|---|
交付決定前の経費 | 交付決定日前に発注、購入、契約した経費 |
期間外の経費 | 事業期間終了後に納品、検収等を実施したもの |
生産設備 | 生産設備の購入・製造に係る経費 |
営利活動のための経費 | 通常の営利活動や運転資金に係る経費 |
販売目的の原材料仕入れ | 営利販売のための原材料仕入れ等 |
汎用性の高い物品 | パソコン、プリンタ、タブレット端末、スマートフォン等 |
外部機関の機械装置購入費 | 委託先など外部機関が機械装置等を購入・設置する費用 |
特許等と無関係な産業財産権費用 | 本助成事業の成果に係る特許等ではないもの |
弁理士への成功謝金等 | 弁理士への成功謝金、印紙代、日本の特許庁へ支払う費用 |
同一内容の他補助金採択事業 | 国庫補助金等、他の補助金・助成金、競争的資金の採択を受けた事業 |
助成金で購入したものや製作した試作品を営利販売することはできません。試作品開発を目的とする制度であり、量産・販売を目的とした通常の設備投資とは区別して考える必要があります。
令和8年度の申請受付期間は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
申請開始 | 令和8年4月1日 |
申請期限 | 令和8年4月30日23時59分 |
申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
GビズID | GビズIDプライムアカウントが必要 |
代理申請 | 不可 |
募集状況 | 令和8年度の募集は終了 |
申請を希望する場合は、件名に「元気づくり助成金申請希望」と記載し、企業名・担当者名・電話番号を明記のうえ、公益財団法人千葉県産業振興センター産学連携推進課へメールで連絡する形式でした。申請用URLは個別に案内され、Jグランツ上で検索することはできないとされています。
最新の公募情報は、以下リンクの公式ページよりご確認ください。
公式:新商品・新技術開発助成金の公募について
主な提出書類は以下のとおりです。
書類 | 内容 |
|---|---|
申請書・計画書 | Jグランツ上で提出 |
過去2年分の財務諸表 | 貸借対照表、損益計算書等 |
原価・費用内訳 | 製造原価内訳、工事原価内訳、販売費内訳など |
会社案内・パンフレット | 会社や製品等の概要が分かる資料 |
登記簿謄本 | 会社の登記簿謄本、全部事項証明書。発行日から3か月以内のもの |
従業員数を証明できる書類 | 法人事業概況説明書など、最新のもの |
その他追加資料 | 必要に応じて追加資料の提出や説明を求められる場合あり |
提出書類等は返却されません。また、記入漏れや添付資料の不備がある場合は受付できないため、余裕をもって準備する必要があります。
本助成金の一般的な流れは以下のとおりです。
行程 | 内容 |
|---|---|
1. 対象要件の確認 | 千葉県内での実施、中小企業者・小規模企業者要件、対象事業を確認 |
2. 事業計画の作成 | 新商品・新技術開発の内容、必要経費、実施体制を整理 |
3. 見積書等の準備 | 対象経費の積算根拠となる見積書、仕様書等を準備 |
4. GビズIDプライム取得 | Jグランツ申請に必要なGビズIDプライムを取得 |
5. 申請用URLの取得 | 産学連携推進課へメール連絡し、申請用URLの案内を受ける |
6. Jグランツ申請 | 申請期間内に電子申請 |
7. 書類審査 | 提出書類の内容を確認 |
8. 審査委員会・プレゼンテーション | 申請者が審査委員会で事業内容を説明 |
9. 採択・不採択通知 | 採択・不採択の結果が事務局から直接通知される |
10. 交付決定 | 採択内定後、交付に必要な手続きを実施 |
11. 助成事業実施 | 交付決定後に発注・契約し、事業を実施 |
12. 必要に応じた変更・中止・遅延手続き | 事業内容や経費配分の変更、中止・廃止、期間内完了が難しい場合は、所定の申請・報告を行う |
13. 中間検査 | 必要に応じて進捗確認を実施 |
14. 実績報告 | 事業完了後30日以内、または令和9年3月3日のいずれか早い日までに提出 |
15. 確定検査・助成額確定 | 実績報告に基づき検査を実施し、助成額を確定 |
16. 助成金請求・交付 | 助成金請求後、助成金を受領 |
17. 事業化報告 | 事業完了後、一定期間、事業化状況を報告 |
18. 書類保存 | 帳簿・証拠書類を5年間保存 |
審査では、外部委員を主とした審査委員会において、申請者が直接事業内容を説明するプレゼンテーションが行われます。プレゼンテーションも審査項目となっているため、事業の新規性、技術性、市場性、実現可能性を説明できるよう準備が必要です。
助成金は原則として確定後払いです。助成事業完了後に実績報告を行い、助成金額の確定通知を受けた後、助成金請求書を提出して助成金を受け取ります。なお、交付決定後に特に必要があると認められる場合は、一部概算払いが認められる場合があります。
本助成金は、新商品・新技術開発等を支援する制度です。
そのため、生産設備の購入・製造、通常の運転資金、営利販売のための原材料仕入れ、販売目的の商品製造などは対象外です。量産体制の整備や通常営業活動の経費として申請しないよう注意しましょう。
助成金で購入したものや、製作した試作品を営利販売することはできません。
また、特注購入した機械器具等について、助成事業終了後に生産転用することもできません。研究開発や試作に使用する目的で導入するものとして、事業計画内で明確に位置づける必要があります。
助成対象となるのは、助成事業期間内に支払いが完了する経費です。
交付決定日前に発注、購入、契約したものや、事業期間終了後に納品、検収等を実施したものは対象外です。助成対象にしたい経費については、申請段階では見積までにとどめましょう。
委託費は、助成対象経費総額の2分の1を超えない額とされています。
また、助成対象経費の大部分が委託費や外注費で占められ、助成事業の中で自社が果たす役割が少ない申請は採択されません。外部機関を活用する場合でも、自社が主体的に研究開発へ取り組む計画にする必要があります。
本助成金は、代理申請が不可とされています。
申請者自身がJグランツを利用し、必要書類を提出する必要があります。専門家等に相談する場合でも、申請操作や提出主体は申請者である点に注意しましょう。
受付期間中に受理された申請書については、外部委員を主とした審査委員会に諮られ、採択・不採択が決定されます。
申請者は、審査委員会の場で事業内容を直接説明する必要があります。プレゼンテーションも審査項目となっているため、事業内容、開発の必要性、技術的な特徴、市場性、事業化の見込みを整理しておきましょう。
助成対象事業が完了した場合は、令和9年3月3日まで、または助成対象事業が完了した時点から30日以内のいずれか早い日までに、実績報告書を提出する必要があります。
実績報告に基づき確定検査が実施された後、助成金が交付されます。実績報告に不備がある場合、助成金が減額される恐れがあるため、早めの報告が望ましいとされています。
助成対象事業が完了した日の属する会計年度の終了後2年間、毎年度終了後の翌年12月末までに、過去1年間の事業化状況を報告する必要があります。
助成金を受け取って終わりではなく、開発した新商品・新技術の事業化状況について、一定期間報告が必要です。
助成事業の経費については、帳簿およびすべての証拠書類を備え、他の経理や補助金と明確に区分して整理する必要があります。
証拠書類等は、助成対象事業が完了した年度の終了後5年間保存する必要があります。見積書、契約書、注文書、納品書、請求書、仕様書、振込通知書、領収書、通帳、実験データ、図面、写真などは、後から確認できるよう保管しておきましょう。
助成対象事業により取得し、または効用が増加した施設や備品等は、助成事業完了後も助成金交付の目的に沿って使用する必要があります。
目的外使用、貸付、譲渡、交換、担保提供等を行う場合は、理事長の承認が必要です。
新商品・新技術開発助成金は、千葉県内で主たる事業を実施する中小企業者・小規模企業者等が、新商品・新技術開発や製品の高付加価値化に取り組む際に活用できる助成制度です。
助成率は通常2分の1以内、小規模企業者は3分の2以内で、助成限度額は250万円です。対象経費には、研究開発に直接使用する原材料・消耗品費、機械装置・工具器具関連経費、外注加工費、専門家謝金・旅費、委託費、事務費、賃金、産業財産権等関連経費などが含まれます。
一方で、生産設備の購入・製造、通常の運転資金、営利販売のための原材料仕入れ、助成金で製作した試作品の販売、特注購入した機械器具等の生産転用などは対象外です。
また、交付決定前に発注・契約した経費は対象外であり、助成金は原則として確定後払いです。採択後も、変更・中止・遅延手続き、実績報告、事業化報告、帳簿・証拠書類の保存、財産管理などが必要となります。
令和8年度の募集は終了していますが、今後同様の公募が行われる可能性もあります。申請を検討する場合は、研究開発の内容、対象経費、見積書、GビズIDプライム、Jグランツ申請、プレゼンテーション審査、実績報告、事業化報告までを早めに整理しましょう。
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