中小企業を取り巻く環境は、生産年齢人口の減少や最低賃金引上げによる人件費増など、厳しさを増しています。そんな中で省力化・自動化を実現する設備を導入し、生産性の高いビジネスモデルへ転換していくことは、経営を安定化させるために重要です。
本記事では、省力化・自動化に活用できる代表的な補助金・助成金制度について、その選び方から活用のコツまでわかりやすく解説します。最新の公募情報と合わせてご覧ください。
企業の生産性を高め、省力化・自動化を図るためには、中小企業庁や各地方自治体が提供する補助金・助成金制度の活用が効果的です。
それぞれの補助制度には対象業種や要件が設定されているため、自社の事業目的や導入設備と合致した制度を選ぶことが大切です。ここでは省力化・自動化に使える補助金・助成金の選び方として2つのポイントを紹介します。
補助金や助成金を活用する際、まず注目すべきは目的への合致です。
設備投資や事業改革を促すもの、事業承継やデジタル化を支援するものなど、制度によって目的や重視される点が異なります。さらに、下記の視点を踏まえて検討することが重要です。
<補助金・助成金を選ぶ際のチェックポイント>
上記のように、補助率・対象経費・賃上げ要件・公募スケジュールなどを総合的に確認する必要があります。とりわけ、賃上げを計画している場合、加点や上乗せ補助率が適用される制度も多いので、将来の人件費見込みなどを含めた事業計画を練っておきましょう。
例えば「ものづくり補助金」では最低賃金要件が満たせないと採択が難しく、逆に「省力化投資補助金」など年平均3%〜4%の生産性向上を判定する制度では、達成見込みの数値を示すことがポイントとなるので、確認しておくことが大切です。
補助金・助成金は要件や公募スケジュールが頻繁に変わります。企業は自社の経営方針に合う制度をこまめに確認し、書類作成・事業計画の策定を早めに進めることが重要です。
補助金や助成金を使って省力化・自動化を推進する最大のポイントは、設備を導入した結果として省力化が実現できたことを証明できるかです。製造ラインの自動化やロボット導入など、実際に設備と事業計画の整合性を証明できるかが審査の肝となります。
例えば自動搬送ロボットの導入やAIを活用した検品システムの構築は、省力化効果・コスト削減効果などを数値化することが欠かせません。導入前後でどの程度の作業時間削減が見込めるか、生産性向上や売上拡大につながるか、定量的に提示しましょう。
こうした試算には外部専門家や生産設備メーカーの協力を得るのも効果的です。近年では自治体や商工会議所、専門家団体が無料相談を行っているケースもあるため、積極的に活用してください。
設備導入だけでなく、その後の運用フローや社員教育なども含めた計画を示すと採択率が高まります。特にAIやロボット関連は国の重点政策領域でもあり、高い補助率が期待できる場合があります。
それでは、次の章から省力化・自動化に使える具体的な補助金をご紹介していきます。
省力化投資補助金は人手不足に悩む中小企業等が省力化・自動化に役立つロボットやAI設備などを導入する際に利用できる補助金です。
2024年度から本格始動し、2025年度以降の補正予算等でさらなる拡充が図られ、大きな注目を集めています。特に「一般型」はオーダーメイドの投資計画も認められ、汎用機器に限らず多彩な設備投資が支援対象となるのが特徴です。

参照:省力化投資補助金PDF
一般型の最大のポイントは、個々の現場に合わせた省力化投資が幅広く認められる点です。例えば製造業であれば自動外観検査装置やロボットアーム、物流・倉庫業であれば自動搬送装置、飲食やサービス業では配膳ロボットなど、用途に応じて対象となる可能性があります。導入予定の設備が公募要領の内容とマッチするかを確認しましょう。
<省力化投資補助金(一般型)の概要>
上記の表から読み取れるように、「一般型」は多様な設備投資にも対応可能であり、設備内容に関して柔軟なところがメリットです。その代わり申請時にはより詳細な事業計画書が求められます。生産性指標の向上率や賃上げ計画など、定量的な根拠を示すことが必須となるので注意しましょう。
十分な生産性向上が認められるか、賃上げを裏付ける収益増が見込めるかがキーポイントです。例えば「導入後に製造ラインの稼働率が20%アップし、従業員2名の作業を軽減する」など、具体的な数字を示すと説得力が増します。
中小企業省力化投資補助金に関しては以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
参考:中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?カタログ注文型との違いや活用例・申請手順も解説
本補助金はこれまでに複数回公募されており、現在は2026年度に向けてさらなる拡充が検討されています。公募のタイミングは年3〜4回程度とされており、必ず事前にGビズIDの取得が必要です。
<一般型申請の一般的な流れ>
こうしたステップを踏む中で、申請書の記載内容や事業計画の具体性が最終的な採択可否を左右するといっても過言ではありません。特に現在の一般型申請では、最低賃金の見直しやロボット導入効果など「実効的な省力化」が重視されています。必要に応じて専門家へ相談するとよいでしょう。
採択ポイントは、①現状の人手不足度合いと投資効果の明示、②経営基盤の安定性、③賃上げ計画の現実性とも言われています。締切直前になると申請が集中し、事務局への問い合わせも増えるため、早期準備がおすすめです。
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業の業務効率化・生産性向上を目的として、ITツールやAIサービスの導入費用を支援する制度です。
以前は「IT導入補助金」として幅広く認知されておりましたが、より踏み込んだデジタル化の推進及びAIの活用が重要であることを広く周知する観点から、補助金の名称が「デジタル化・AI導入補助金」へと変更されました。
本補助金は、IT導入補助金と類似の考え方ですが、政府の方針として、会計システムなど汎用的なITツールの導入から、AI等のより戦略的なデジタルツールの導入にシフトしてきていると考えられます。
主に以下のようなソフトウェア・機器の導入が補助対象となるケースが一般的です。
<デジタル化・AI導入補助金で対象になりやすいツール例>
このように、多様なツールが補助の対象になり得ます。ただし、導入できるソフトウェアが事前登録された「IT導入支援事業者」の提供する製品に限られる場合もあるため、事務局の公式サイトで対象製品を確認しましょう。
デジタル化・AI導入による生産性向上は、省力化と合わせて取り組むと相乗効果が見込めます。RPA導入とロボット導入を連動させるケースも増えており、経営全体のDX推進につなげることが大切です。
デジタル化・AI導入補助金に関しては、以下の記事でより詳しく紹介しております。
参考:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは?補助額や申請方法、スケジュール、注意点などを解説
IT導入補助金の場合、補助率は1/2〜3/4程度で、補助上限額は最大450万円です。発注・契約前に交付決定通知を受け取る必要があり、先に契約してしまうと補助対象外となるため注意してください。
また、IT導入・AI導入により省力化を図っても、企業内の運用体制が整っていないと期待ほど効果が出ないケースがあります。導入後の研修や周辺業務の見直しによって真の効率化を目指す視点が重要です。
ものづくり・商業・サービス補助金(以下、ものづくり補助金)は、中小企業が新製品や新サービスの開発・改善を行うための投資を支援する代表的な補助金です。従来の設備投資よりも革新的な取り組みに焦点を当てており、省力化や自動化に繋がる技術導入も幅広く対象となります。
最新複合加工機を導入し、これまではできなかった精密加工が可能になり、より付加価値の高い新製品を開発したり、海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展したりするなども可能です。
ものづくり補助金は長年実施されてきた大規模な補助金であり、補正予算によって継続・拡充されていく可能性が高いと見られています。2026年は「新事業進出・ものづくり補助金」として再編される予定になっています。
補助率は原則1/2(小規模は2/3)で、上限を大きく超える部分の補助率が下がるなど段階制が設けられているケースがあります。具体的には総投資額の一部を補助してもらえる仕組みのため、企業にとってより大きな設備投資が可能になります。
<ものづくり補助金の概要>
ものづくり補助金については以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
参照:ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説
ものづくり補助金の審査では、以下のような観点が重視されます。
技術面:新規性・革新性が明確か、他社にはない強みがあるか
事業化面:市場ニーズを捉えており、事業収益が見込めるか
政策面:賃上げ・地域活性化・輸出促進など施策と合致するか
また、賃上げ要件や最低賃金要件を満たすと加点される場合があります。賃金改善の計画が不十分だと採択されづらいため、従業員の待遇改善に取り組む意思を示すことが重要です。
「省力化・自動化」はものづくり補助金の重点項目の一つです。その結果として生産コストが下がり、付加価値を高められれば、審査上の評価も高まります。自社のビジネスモデルと合わせて効果を具体的に説明してください。
小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所が窓口となっている小規模事業者向けの制度です。原則的には販路開拓やIT導入などをサポートする目的で運用されていますが、一部要件を満たせば省力化につながる取り組みにも適用可能です。
その一部要件とは、省力化そのものを目的とするのではなく、販路開拓や売上向上につながることが明確に説明できる点にあります。人手不足や業務非効率といった経営課題が事業計画上で整理されており、その課題解決として省力化を行うことで、顧客対応力の向上や新規受注の拡大など、事業成長に結び付く合理的なストーリーが示されている必要があります。
また、導入する設備やITツールは汎用的な業務効率化にとどまらず、自社の事業内容や販路開拓の取り組みと直接関連していることが求められます。
さらに、補助対象経費としての妥当性があり、商工会・商工会議所が制度趣旨に沿った計画であると判断できる内容であることも重要な要件となるので、専門家に相談しましょう。
対象者である小規模事業者とは、業種によって従業員5人以下または20人以下などと定められています。持続化補助金の補助上限額は通常枠で50万円程度ですが、賃金引上げやインボイス対応等の特別枠を活用すると最大200万円の上乗せまで拡大可能です。
<小規模事業者持続化補助金の概要>
例えば、顧客管理ソフトやオンライン予約システムを導入し、それによって工数削減と売上拡大が見込めるなら持続化補助金で支援を受けることができます。小回りのきく補助制度のため、初めて補助金を使う小規模事業者にもおすすめです。
小規模事業者持続化補助金に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
参考:小規模事業者持続化補助金とは?対象者や補助額、申請方法、スケジュールを解説
当補助金は、飲食店がオンライン予約システムを導入したり、ECサイト構築でITツールを入れたり、あるいはサブスクサービスの顧客管理を最適化するために活用するケースなど、かなり幅広く応用できます。省力化のためのクラウド会計ソフト導入も対象になりやすく、経理の負担軽減にも資するでしょう。
実際に商工会議所等のウェブサイトには採択事例が数多く掲載されているので、他社の取り組みを参考に自社計画を作成するのがおすすめです。申請にあたっては「経営計画書」や「補助事業計画書」が必須であり、採択後もフォローアップがあります。
持続化補助金は倍率が高めですが、商工会・商工会議所の支援で申請書をブラッシュアップできるのが利点です。特に販路拡大と省力化を同時に目指す取り組みは審査で評価されやすいので、両立するプランを検討することが望ましいでしょう。
新事業進出補助金は、中小企業がこれまでの事業領域を超えて新分野へ挑戦する際に支援を受けられる制度です。以前は事業再構築補助金として認知されていましたが、時代に合わせて再編されました。省力化・自動化に直結する設備導入というよりは、業種転換や新サービス開発に付随する投資をカバーするケースが多く、とりわけ新しい顧客層を取り込むプロジェクトに有効です。
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援してくれるため、「機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦する」 「医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出」するなど、幅広い事業転換に活用できます。
業態変換、製造工程の再編、サービス拡大など経営戦略上新しい動きを伴う投資に対して、機械設備やシステム導入費を補助する制度として活用できます。たとえば製造業が飲食事業を始める、サービス業が独自の生産ラインを持つ、あるいは異業種と協業して新市場に参入するといったケースです。
<新事業進出補助金の用途例>
補助事業終了後に確実な売上増や雇用増が期待できるかが重要です。政策的に「新市場獲得」や「独自性のある取組み」を支援する狙いがあるため、省力化以外も含めた総合的な計画を提示すると評価されやすいです。
新事業進出補助金に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
参考:中小企業新事業進出補助金とは?対象者や補助額、対象経費、申請スケジュールを解説
この補助金のメリットは、新分野への投資リスクを抑えられることが挙げられます。実際、新しい事業に踏み出す時は設備費などの初期コストが大きく、二の足を踏む中小企業は少なくありません。新事業進出補助金を活用できれば、資金面の不安を軽減しつつ開拓的なビジネスを立ち上げられます。
ただし、採択後に途中でプロジェクトを中止すると補助金の返還対象になる場合があるため、綿密な実行計画が欠かせません。加えて、人手不足対策や賃上げ施策とどう連動するかを明示することも、現在の政策判断では非常に重要です。
新事業進出によって収益源が分散され、更なる投資余力や社員教育コストにも充当できる好循環につなげるケースが期待されます。事業計画を広げすぎないよう、無理のない計画策定を意識してください。
東京都が独自に行っている「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、都内の中小企業が設備を導入する際に活用できる補助金です。省力化・自動化のための設備費用やDX関連投資を幅広く支援し、都内企業の競争力向上をサポートしています。

引用:第11回(令和7年度 第3回)躍進的な事業推進のための設備投資支援事業
対象者は、上図のように、以下のⅠ~Ⅴのいずれかに合致する事業を行っている必要があります。
Ⅰ. 競争力強化(中小企業者/小規模企業者):更なる発展に向けて競争力強化を目指した事業展開及び必要となる機械設備を新たに導入する事業
Ⅱ. DX推進:IoT、AI、ロボット等のデジタル技術の活用により、新しい製品・サービスの構築や既存ビジネスの変革を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
Ⅲ. イノベーション:都市課題の解決に貢献し国内外において市場の拡大が期待される産業分野において、新事業活動に取り組むことで、イノベーション創出を図るために必要となる機械設備を新たに導入する事業
Ⅳ. 後継者チャレンジ:事業承継を契機として、後継者による事業多角化や新たな経営課題の取り組みに必要となる設備等を新たに導入する事業
Ⅴ. アップグレード促進:競争力強化及び生産性向上を実現し、地域経済の中心となるべく成長するために必要となる機械設備を新たに導入する事業。※ゼロエミ要件及び賃上げ要件は必須。
本事業では、設備導入費の一部を補助し、都内中小企業が負担するコストを軽減します。例えば、生産ライン自動化用のロボット導入費やITシステム導入費、配送効率化のための機器などが補助対象になるケースがあります。
東京都特有の取り組みとして、都市型産業(小売、ファッション、クリエイティブ関連など)も積極的に支援対象となることが特徴です。
<東京都 設備投資支援事業の概要>
助成対象の範囲は年度ごとに見直されるため、最新の公募要領を確認しましょう。都内独自の助成なので、他の国の補助金と組み合わせると一層有利になる可能性があります。例えばものづくり補助金と併用できる場合もあるので要チェックです。
東京都の設備投資支援事業の活用事例として、株式会社昭和石材工業所の取り組みがあります。同社は令和4年度第3回公募において、区分は競争力・ゼロエミで採択されました。
事業計画のテーマは、世界初サイズの砕石機器における動力方式を変更することで、CO2排出量の削減と生産性向上を同時に実現するというものです。従来設備の課題であったエネルギー効率や環境負荷を改善しつつ、安定した生産体制を構築する点が評価され、環境対応と競争力強化を両立した好例となっています。
参考事例:株式会社昭和石材工業所様 R4 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業
東京都の支援事業は都内での経済波及効果が大きい計画ほど採択されやすいとされています。単なる設備投資だけでなく、売上拡大や新規雇用創出の見通しがあるかを具体的に示しましょう。
近年、多くの自治体が「中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進」を掲げ、補助事業を実施しています。クラウドシステムやAIを活用して業務効率化、製造工程のスマート化などを後押しするのが狙いです。特に都道府県や政令指定都市レベルでの独自制度も増えてきました。
自治体独自のDX支援補助金には、以下のような特徴があります。
自治体によって支援金額や応募要件が異なるため、まずは自社の所在地を管轄する自治体の商工労働部門等のホームページを確認しましょう。国の大型補助金に通らなかった場合でも、自治体レベルの補助で必要な投資を確保する企業も少なくありません。
自治体補助金のメリットは、地域密着型のサポートが期待できる点です。商工会・中小企業支援センター等の相談員が、補助金の活用やDX計画の立案を手厚くフォローしてくれる場合があります。
給付スケジュールは国の補助金ほど流動的ではないことが多いですが、総予算が少ないため公募期間は短めです。早期に情報を得て準備する必要があります。
DXの導入は一度に大きな変化を起こすので、社内体制の準備や人材教育が欠かせません。自治体補助金を受けながら段階的に導入範囲を拡げる戦略も有効です。
業務改善助成金は、厚生労働省が所管する助成金制度で、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げることを条件に業務改善のための設備投資費用などを助成します。賃上げ分の原資を確保するため、省力化機器などの導入に利用されるケースが増えています。
例えば業務改善助成金では、事業場内最低賃金を30円以上、45円以上、60円以上など区分ごとに引き上げることで助成額が変わります。

引用:業務改善助成金PDF
同時に、生産性向上につながる設備導入やコンサル費用等を助成対象とすることで、企業が賃上げと業務効率改善を両立できるよう制度設計されています。
最低賃金要件や賃上げ額が明確なので、現実的にどれだけ引き上げが可能か見積もってから申請する必要があります。また、業務改善助成金の交付決定を受けてから設備等を発注する順序が必須です。
業務改善助成金に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
業務改善助成金は予算枠が比較的狭く、申請のタイミングを逃すと受けられないケースもあります。さらに賃上げ対象となる労働者の範囲や、生産性向上に資する設備投資であることの証明など、詳しい要件が多岐にわたるので確認しましょう。
また、賃上げ後に賃金を戻してしまうと不正受給にあたる可能性があるため、賃金台帳や給与明細の整備を徹底する必要があります。こうした運用面の負荷がある点は理解した上で申請を検討してください。
設備投資金額が数百万円以下で、少人数事業場の賃金を引き上げたい場合に、業務改善助成金は好相性です。経理担当と連携し、給与計算ソフトとの整合性を早めに確認しておくと良いでしょう。
ここまで紹介してきた代表的な補助金・助成金の概要を踏まえ、中小企業がスムーズに活用するためのポイントを整理します。申請から導入、実績報告までの各段階で注意すべき事項を理解しておきましょう。
<主要補助金の補助率比較>
上表のように、補助率はおおむね1/2〜2/3、場合によっては3/4以上のものもあるのが特徴です。ただし、高い補助率のものは要件が厳しく、賃上げや最低賃金引上げなど追加条件を課されるケースが多いです。なお、補助金でカバーできない部分は自己資金で賄う必要がありますので、事前に資金計画を確認しておきましょう。
また、交付決定は事務局の審査結果に左右されるため、必ず採択されるわけではありません。申請の際は不採択の場合の資金計画も並行して検討する必要があります。
審査に通ったら即契約・発注できるよう、設備ベンダーとの打ち合わせや見積り取得を先行しておくとスムーズです。事前着手が認められない補助金も多いため、注意しましょう。
補助金申請では書類不備や誤記載で失格になる事例が少なくありません。以下にポイントをまとめます。
審査段階での減点リスクを避けるには、申請書と添付書類の整合性が重要です。数字が一致していない、生産性計算が曖昧、賃上げ要件の根拠が不十分などはよくある失敗例。社内担当者とベンダー双方で入念にチェックしましょう。
中小企業が省力化・自動化の設備投資を行う際に、補助金や助成金の活用は大きな支援となります。省力化投資補助金(一般型)やデジタル化・AI導入補助金は、人手不足や生産性向上の要望が高まる中で特に注目度が高い制度です。
さらにものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金、業務改善助成金なども、事業フェーズや経営方針に合わせて選択することができます。
補助金による助成を受けるには、要件に合った計画書の作成とタイミングを逃さない申請行動が欠かせません。とりわけ賃上げ要件や最低賃金の引上げに対応する制度が数多くあるため、経済環境や労働市場の動向を踏まえた経営戦略を立てることも同時に重要です。
もし、自社で補助金の申請に不慣れであれば、早期に専門家に相談し書類作成をサポートしてもらうのも有効です。活用できる支援策を最大限に引き出し、省力化や自動化を成功させて持続的な経営基盤を築いてください。
なお、創業初期や事業拡大期の資金繰りに困っている場合は、国や自治体だけでなく、日本政策金融公庫や各種金融機関が扱う優遇融資制度の併用も検討するとよいでしょう。複数の施策を組み合わせることで、さらなる成長のチャンスが広がります。まずは自社に合った支援制度を把握し、適切な時期に応募し、生産性と売上の拡大につなげていきましょう。
以下のようなお悩みを抱えていませんか?
投資を行う予定だがコストを削減したい
補助金について詳しい人が周りにいない
使える補助金がないか知りたい
新規事業などでまとまった経費を予定されている方は、補助金申請でコスト負担を軽減することができます。
しかし、自社に合った補助金を見つけるためには、相当の時間と手間が必要になります。
もし事業投資をお考えの方は、補助金の診断から申請サポートまでをワンストップで対応している補助金コネクトにお問い合わせください。