以下のようなお悩みを抱えていませんか?
申請書の書き方がわからない
どのような内容が採択されやすいのかわからない
過去に不採択になった経験がある
ものづくり補助金の採択率は過去5年間で50%~60%で推移しています。つまり、約半数の申請者が採択されていない状況です。ものづくり補助金の採択を勝ち取るには、効果的な事業計画書の書き方を理解することが不可欠です。
今回の記事では、ものづくり補助金の審査基準を理解し、採択率を高めるための事業計画書の書き方について詳しく解説します。ものづくり補助金の申請を検討している方は必ずご覧ください。
事業計画書はものづくり補助金に採択されるための最重要書類です。公募要領に基づき、A4で10枚以内にまとめることが目安となっています。審査員が理解しやすい構成で、具体的なデータと市場分析を盛り込むことが非常に重要です。
なお、ものづくり補助金の詳細については以下の記事もご覧ください。
参考:ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説
▼採択される事業計画書の主要セクション
補助事業の具体的取組内容
将来の展望と市場分析
会社全体の事業計画と数値目標
この項目では「なぜ補助事業に取り組むことが必要なのか」を現在の事業運営の情報を交えて説明します。ポイントは以下のとおりです。
課題の明確化 - 企業が直面している具体的な課題と解決計画を箇条書きで整理
目標の具体性 - 「3年間で売上を150%増加」など具体的な数値目標を設定
事業の独自性 - 市場分析や競合調査を行い、他社との差別化点を強調
将来展望の明示 - 補助金活用後の事業成長と社会貢献について説明
数字とデータの活用 - 公的データを引用し、説得力を高める
専門用語の多用は避け、図表を用いて効果を簡明に表現することも大切です。審査員が理解しやすいよう、シンプルかつ具体的な表現を心がけましょう。
ここでは、事業の成果が寄与する具体的なユーザー、マーケット、市場規模について説明します。「その成果の価格的・性能的な優位性・収益性」を現在の市場規模も踏まえて記載することが重要です。事業化に向けた「目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格」も簡潔に記載します。
西光エンジニアリングの採択事例では、「具体的なターゲット顧客」と「想定顧客との現時点の商談状況」を明記し、顧客像を明確にしています。このように、具体的な顧客イメージと市場での位置づけを明確にすることで、事業の実現性をアピールできます。
会社全体の事業計画表における「付加価値額」や「給与支給総額」などの算出根拠を明記します。付加価値額は「営業利益+人件費+減価償却費」で計算します。経営目標を具体化するには、「3年以内に売上高○○円」や「市場シェア○○%獲得」といった数値目標を明確にすることが重要です。
SWOT分析を活用して自社の強み・弱み、市場における機会と脅威を分析することも効果的です。また、「この補助事業は会社の将来計画の中でどんな意味を持っているのか」の説明も重要で、会社全体の戦略との整合性を示すことが必要です。
参考:SWOT分析とは?目的からやり方、活用のポイントまで解説
事業計画書の作成でお悩みの場合は、専門家のサポートを受けることも一つの方法です。補助金申請のプロは、採択されやすい事業計画書の作成ポイントを熟知しています。ぜひ、自社の強みを最大限に活かした事業計画書の作成を目指しましょう。
ものづくり補助金の採択において最も重要なのが審査項目を理解し、それに基づいた事業計画書を作成することです。2025年の第20次公募では、審査基準が見直され、5つの主要評価ポイントが設けられています。
▼ものづくり補助金の5つの主要評価ポイント
補助事業の適格性
経営力
事業性
実現可能性
政策面
まず確認されるのは、公募要領に記載された対象者、対象事業、対象要件等を満たしているかという点です。これは加点項目というよりも、申請資格があるかを判断する基本要件になります。
不適格となりやすい例
同一経費の重複申請
試作品開発の全工程を外注するような案件
公募要領に定められた要件を満たしていない案件
適格性の確認は審査の最初のステップであり、ここでつまずくと他の評価項目がいくら優れていても採択は難しくなります。
この項目では、経営目標の具体性および外部・内部環境の分析を踏まえた事業戦略の策定が評価されます。また、会社全体の売上に対する本事業の売上高の水準も審査されます。
採択率を高めるためには、SWOT分析を活用して自社の強み・弱みを明確に示し、事業戦略における補助事業の位置づけを具体的に説明することが重要です。審査員は、この補助事業があなたの会社の将来計画の中でどのような意味を持つのかを知りたいと考えています。
事業性の審査では、以下の点が重視されます。
付加価値創出や賃上げの目標設定
その実現可能性
市場規模や動向の分析
顧客ターゲットの明確化
顧客ニーズの調査・検証の有無
競合する製品・サービスとの差別化点や優位性を具体的に示すことで、採択率が高まります。市場においてどのようなポジションを取り、どのように競争優位性を確立するのかを具体的に説明しましょう。
「この事業は本当に実現できるのか?」という観点から、以下の点が評価されます。
必要な技術力の有無
競合と比較した優位性
実施体制
最近の財務状況
「この技術なら私たちはできます」と自信を持って言える根拠や、金融機関からの十分な資金調達の見込みも審査ポイントになります。また、費用対効果も重視され、投資額に対して得られる効果が見合っているかが問われます。
政策面では、あなたの事業が以下のような可能性を持つかどうかが評価されます。
地域の経済成長を牽引する可能性
ニッチ分野でのグローバル市場におけるトップの地位を築く潜在性
デジタル技術の活用、環境配慮、新しいビジネスモデルの構築などのイノベーション
例えば、補助事業による設備投資で地域の特産品製造の生産性が向上し、取引先の業績拡大や新たな雇用創出につながることを具体的に示すと高評価を得やすくなります。
これらの審査項目を理解し、それぞれの点に対して具体的かつ説得力のある説明を事業計画書に盛り込むことが、採択率向上の鍵となります。特に審査員が「この事業は実現可能で、投資する価値がある」と感じられるような内容を心がけましょう。
ものづくり補助金の審査では、加点項目の獲得が採択確率を大きく左右します。データによると、加点項目4個で最高採択率68.3%を記録しており、戦略的に加点を取得することが採択への近道となります(参考:中小企業経営支援事務所)。
以下に主な加点項目をまとめました。
区分 | 代表例 | 取得目安 |
---|---|---|
成長性 | 経営革新計画承認 | 2〜3か月 |
政策 | パートナーシップ構築宣言 | 3〜4日 |
災害等 | 事業継続力強化計画 | 30日 |
賃上げ | 年率2%+最低賃金+60円 | 自社の賃金体系要確認 |
女性活躍等 | えるぼし/くるみん認定 | 最短4か月〜2年 |
加点項目を効果的に取得するには、以下の3つのポイントを考慮しましょう。
自社に合う加点項目を狙う(取得の難易度や期間を考慮)
自社の事業とシナジーのある項目を選ぶ
専門家のアドバイスを活用する
効果的な加点戦略は、「取得しやすい項目」と「自社の強みを活かせる項目」をバランスよく組み合わせることです。最大6項目の加点申請が可能ですので、計画的に取り組みましょう。
加点項目の取得が難しい場合は、専門家のサポートを受けることも検討してください。加点項目の取得だけで採択率が30%以上上昇する可能性があるため、非常に重要な要素といえます。
参考:経営革新計画とは?メリットや承認を受けるためのポイント、申請方法を解説
電子申請の成否はものづくり補助金採択の大前提です。申請はすべてJグランツという電子申請システムを通じて行われるため、システムの特性を理解し適切に対応することが重要です。
まず、申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必須です。このID取得には約2週間かかることもあるため、申請を検討した時点で早めに手続きを始めましょう。
▼GビズID取得方法
「郵送申請」:書類を郵送して取得する方法
「電子申請」:マイナンバーカードを使って取得する方法(こちらの方が便利です)
参考:GビズIDとは?できることやメリット・デメリットを徹底解説
申請期限に関する注意点もあります。締切直前は応募者が集中してシステムが混雑するだけでなく、焦りからミスが発生しやすくなります。特に数値入力には概ね3時間弱かかるとのデータもあり、余裕を持ったスケジュールで準備することが採択率向上につながります。
以下のようなトラブルにご注意ください。
使用するブラウザ - Firefox、Google Chrome、Microsoft Edgeの最新版が推奨されています
スマートフォンやタブレットからの申請 - これらはサポート対象外です
長時間の操作中断 - ログイン後80分間操作しないとシステム接続が中断され、保存していない情報は破棄されます
申請書類はあらかじめWordなどで下書きを作成し、完成したものをシステムに転記する方法が推奨されています。添付書類はすべてPDFデータで提出する必要があり、事前に変換作業も必要です。
特例措置を申請する場合は、適用要件が未達成だと補助金の返還リスクがあるため、実現可能性を十分に検討した上で申請してください。
補助事業の対象となるのは採択後に実施する事業のみです。採択前に開始した事業は補助対象外となるため、採択から設備導入、実績報告書提出まで綿密なスケジュール管理が不可欠です。
電子申請で特に注意すべきことは、余裕を持った準備と適切なシステム利用です。申請書の作成からGビズIDの取得まで、計画的に進めることが採択への第一歩となります。
ものづくり補助金の申請には多くの企業が挑戦していますが、採択率は年度によって30~40%と決して高くありません。実際の採択事例と不採択事例を分析することで、効果的な事業計画書作成のヒントが得られます。
実際に採択された事業計画書には共通の特徴があります。松下農園の事例では、「植物工場」という革新的なビジョンを基にストーリーを構築し、既存の栽培データを根拠に設備導入による品質・生産性の改善効果を客観的な数値で提示しました。また、福地金属株式会社は金型内製化による競争力強化をグラフや表で丁寧に説明し採択されています。
▼成功事例に共通する要素
自社の強みや独自性を明確に伝える記述
具体的な数値やデータによる効果の説明
市場ニーズや顧客像の明確化
地域経済への貢献など政策面の効果
これらの要素を事業計画書に取り入れることで、審査員に対して事業の価値と実現可能性を効果的に伝えることができます。
不採択にはいくつかの共通の理由があります。財務状況に合わない過剰投資や、単なる設備の入れ替えのような革新性のない計画は不採択となりやすいです。さらに、審査項目を踏まえていない申請書や、事業計画が抽象的で実現可能性が低いものも採択されません。
以下のような計画は特に注意が必要です。
老朽化した既存設備の単純な入れ替え(革新性が低いと判断される)
同業他社も同様に導入可能な設備投資(競合優位性が見られない)
現状の課題や事業効果の詳細な記述がない計画(具体性が不足)
財務状況と見合わない過大な投資計画(実現可能性が低いと判断される)
これらの要素が含まれる事業計画書は、審査の過程で不採択となる可能性が高くなります。
採択率向上には事業計画書の質を高めることが不可欠です。ものづくり補助金データポータルによると、事業計画書の作成に30時間以上費やした場合の採択率は50%を超え、120時間以内で最も高くなります。
加点項目の取得も非常に重要です。加点項目がない場合の採択率は33.4%ですが、3個で57.2%、4個で60.4%まで上昇します。つまり、加点項目の戦略的な取得が採択への近道となるのです。
また、以下のポイントを押さえることも採択率向上に効果的です。
十分な準備期間を確保し、余裕をもったスケジュール管理を行う
市場ニーズや市場規模を具体的なデータで明確に示す
売上見込みを論理的に説明し、根拠を明示する
可能であれば、専門家や支援機関のアドバイスを積極的に取り入れる
ものづくり補助金の採択を目指す際は、これらの成功・不採択事例から学び、戦略的に事業計画書を作成することが重要です。
ものづくり補助金の採択を勝ち取るためには、戦略的なアプローチが不可欠です。本記事で解説したように、採択率50~60%の競争の中で成功するには、具体的なデータと明確な目標に基づいた事業計画書の作成が鍵となります。
本記事で挙げたものは重要な項目のみになり、詳細の記載方法は、公募要領を紐解き、自社の事業計画との整合性を取ることが必要になってきます。
申請に不安がある方は、専門家を活用することで、採択率をさらに高めることができます。補助金コネクトでも支援していますので、申請される際には是非お問い合わせください。
本記事の内容を活かして、補助金申請で採択を獲得されることをお祈りしています。
以下のようなお悩みを抱えていませんか?
投資を行う予定だがコストを削減したい
補助金について詳しい人が周りにいない
使える補助金がないか知りたい
新規事業などでまとまった経費を予定されている方は、補助金申請でコスト負担を軽減することができます。
しかし、自社に合った補助金を見つけるためには、相当の時間と手間が必要になります。
もし事業投資をお考えの方は、補助金の診断から申請サポートまでをワンストップで対応している補助金コネクトにお問い合わせください。