ブランディングは企業の事業戦略や商談など、さまざまな面に影響します。ユーザーに企業のイメージを想起してもらうためにブランディング戦略は非常に重要な要素といっても過言ではありません。
しかし、ブランドを構築させるためには、市場分析や専門家の意見などさまざま外注先に依頼したり、商品開発などの費用がかかるものです。
そこで、ここではブランディングに活用できる補助金と申請の流れ、採択されるポイントを紹介します。
ブランディングには、ロゴやパンフレットの制作、Webサイトの整備、新商品の開発、海外市場への展開など、さまざまな取り組みがあります。ここでは、こうした活動に活用できる主な補助金を紹介します。

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等の販路開拓や、業務効率化の取組を支援するため、必要経費の一部を補助する制度です。本補助金の上限額は50万円と定められておりますが、特例によって最大で250万円まで補助金が交付されます。
小規模事業者持続化補助金を利用するためには従業員の数や資本金額などの要件が定められており、原則小規模事業者や個人事業主などが対象です。
本補助金ではチラシやリーフレットの作成、企業PR動画やホームページなどの外注費などや、専門家によるブランド構築費用などに役立たせることができるため、小規模事業者におすすめな補助金のひとつです。
小規模事業者持続化補助金については以下の記事で詳しく紹介しております。
参考:小規模事業者持続化補助金とは?対象者や補助額、申請方法、スケジュールを解説
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、新製品・新サービスの開発や新市場への進出などを支援する制度です。新商品の開発や新たなブランドの立ち上げに伴う設備投資、システム構築などに活用できる場合があります。
ただし、ロゴや広告物の制作だけでは対象にならない可能性があるため、新事業の内容や補助対象経費を公募要領で確認することが重要です。
参考:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?対象者・補助額・対象経費をわかりやすく解説
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は、業務効率化や生産性向上につながるITツールの導入を支援する制度です。顧客管理や販売管理など、ブランド運営を支える業務システムの導入に活用できる場合があります。
ただし、登録されたITツールが対象となり、一般的なホームページやECサイトの制作費は対象外です。
参考:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは?補助額や申請方法、スケジュール、注意点などを解説
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や生産性向上につながる設備・システムの導入を支援する制度です。受注管理や在庫管理などの業務を効率化し、商品・サービスの品質向上や顧客対応の改善を目指す場合に活用を検討できます。
ただし、ブランディングそのものを目的とした広告やデザイン制作は、通常、制度の主な対象ではありません。
参考:中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?カタログ注文型との違いや活用例・申請手順も解説
企業がブランディングに取り組むメリットはさまざまあります。
・競合との差別化ができる ・優良顧客の獲得につながる ・広告コストの削減になる |
ひとつずつ紹介します。
ブランディングは同じ製品を提供している企業との差別化になります。ブランド価値が高い企業は、顧客から「安心・安全・高品質」というイメージを与えます。
競合先より商品の価格が高くても、「この企業の製品が良い」「多少高くても良いものを買いたい」という考えを持つ顧客であれば、価格競争に巻き込まれた場合でも一定の競争力を維持することができます。
企業のブランド価値が高いと、優良顧客であるファンが付くものです。自動車や家電メーカーなど、同じ企業の製品しか購入しないリピーターも多くいます。これは企業と顧客の関係が間接的な信頼に基づくものであるためです。
ブランディングを強化すれば、商品やサービスを購入する顧客は必然的にその企業を選択して思いうかぶようにもなるでしょう。
広告を失くすと思い出すことが失くなってしまいますが、顧客がSNSなどを使って他の顧客へ情報発信を行います。
そのため多額の広告宣伝をかける費用がなくなるため、広告コストの削減にもつながるのです。
そもそもブランディングにかかる費用はどのような経費なのか分からない方もいらっしゃることでしょう。
ブランディングの内容によるものの、主な例を挙げると以下のような費用が該当します。
・専門家の経費 ・商品、サービスの開発費 ・広告宣伝費 ・委託費(ロゴ、HP、パッケージなどのデザイン) |
ひとつずつ紹介します。
ブランディングを依頼する専門家のコンサル料金が発生します。企業規模やブランディング内容、契約期間によって価格は変動するものです。
企業の商品やサービスに関する研究費・開発費が発生します。業種によって開発費は大きく変動するうえ、状況分析、競合調査、ターゲット設定などから始めると、委託費用も加算されて割高になります。
ブランドの認知度を高めるため、広告展開を行う際に費用が発生します。テレビCMやデジタル広告、イベントなど媒体や規模によって費用は大きく変動します。
ブランドの顔ともいえるロゴや、商品パッケージのデザインにかかる費用です。企業のアイデンティティにもなりますが、費用はリーズナブルに済ませることもできれば数十万円以上にもなることがあります。
ブランディングに活用できる補助金は、国の制度だけでなく、地方自治体が独自に設けているものもあります。地域や対象事業によって利用できる制度は異なるため、事業所の所在地や取り組みの内容に合った補助金を探してみましょう。
仙台市の「アクセル・アップ支援(成長促進補助金)」は、新事業展開や生産性向上、高付加価値化、販路開拓、ブランディングなどに取り組む地域企業を支援する制度です。補助額は300万円以上400万円以下で、補助率は対象経費の2分の1です。
対象となる経費には、パッケージデザイン費やチラシの作成費、SNS広告費、展示会への出展料などが含まれます。商品やサービスのブランド力を高めるために、デザインの見直しや広告宣伝、販路開拓などを一体的に進めたい企業に適した制度です。
なお、2026年度の申請受付は7月24日に終了しています。次年度以降の募集については、仙台市の公式サイトで確認してください。
立川市の「立川産品販路拡大等支援事業補助金」は、市内の中小企業などが立川産品の販路拡大に取り組む際、経費の一部を支援する制度です。
補助率は対象経費の2分の1で、上限額は個別の事業者が30万円、団体などが60万円です。国内外の展示会への出展費用や、知的財産権の取得費用、販路拡大に用いる媒体の作成費用などが対象となります。
商品やサービスの認知度を高めたい場合や、展示会への出展を通じて新たな取引先を開拓したい場合に活用を検討できます。2026年度は申請を受け付けていますが、予算の範囲内での先着順となるため、申請前に市へ確認しましょう。
豊中市の「商品高付加価値化応援金」は、市内の中小企業者が商品の付加価値を高める取り組みを支援する制度です。豊中商工会議所が指定した専門家から支援を受けながら、高付加価値化計画に取り組むことが主な要件となっています。
対象となるのは、自社製品の広報・宣伝やブランディングの強化など、商品の高付加価値化につながる経費です。ブランド力を高めるための施策を検討している企業は、専門家の支援を受けながら活用を目指せます。
2026年度の申込期限は2027年1月29日ですが、予算や申込要件などの詳細は、豊中市の公式サイトで確認してください。
ここではブランディングに活用できる補助金の申請の流れを紹介します。
はじめに目的に合った補助金の調査から始めます。
補助金によって対象条件や対象経費が異なるため、業種やブランディング内容に合わせたものを探さなければいけません。
本記事で紹介した補助金は多くの業種に該当しますが、どれにすべきか分からない方は、専門家などに相談しておくとスムーズに進められます。
応募する補助金制度が決まったら事業計画書と申請書類の作成を行います。
各補助金のホームページを確認すると、補助金毎の事業計画書や申請書類のひな型が用意されています。
必要書類は補助金毎によって異なります。さらに、申請書などの必要な書類も異なるため、公募サイトで確認しておきましょう。
なお、事業計画書が申請の採択を大きく左右する要素なので、専門家のチェックを受けることをおすすめします。
書類の準備が完了した後は、補助金制度を運営している官公庁の窓口に提出しますが、認定経営革新等支援機関の確認を受ける書類が必要な補助金もあるため注意してください。
申請手続きが完了した後は、スケジュール通りに審査が進められ、採択された事業者には通知が届く流れです。
補助金の交付申請を行った後は、事業計画書に従って補助事業として施策を進めます。補助金によっては中間報告書の提出が必要となる場合があるため注意が必要です。
事業が終了した後は、実績報告として最終報告書を提出します。
事業でかかった費用や実施内容などをまとめ、官公庁の窓口に提出します。
その後確定検査が行われ、事業が計画通りに遂行されたとみなされると支給額の決定通知が交付され、補助金を受け取ることができる流れです。
補助金は申請しても必ず採択されるわけではありません。採択率は補助金によって異なるものの、50%以下となるケースも多いです。
採択率を高めるためにも、以下のポイントを把握してから申請手続きを行いましょう。
書類の不備があると採択にも大きな影響します。
当然ながら不備があれば再申請しなければいけません。特に補助金の申請を行ったことがない方は、どのような書類を用意すればよいのかわからず、しっかり準備ができていない傾向にあります。
再申請する前に期間が終了してしまったり、予算に到達して補助金が打ち切りになれば時間の公募まで待たなければいけないため、完璧な状態にしてから提出しましょう。
先程もお伝えした通り、事業計画書は補助金の採択の可否を決める重要な要素です。
事業計画書次第で補助金が決まるといっても過言ではないほどです。
事業計画書では、事業内容の他に適格性や新製品・サービスの技術面、事業化面や政策面など、審査はさまざまな点を考慮して行われます。
どこかひとつでも事業としての不安要素があると、採択される可能性が低くなってしまうため、事業計画書の完成度を高めた状態で申請することが大切です。
各補助金には加点ポイントが設けられており、要件を満たすと採択率も向上します。
ものづくり補助金を例に挙げると、加点が6点以上を満たして申請すれば採択率は100%に達します。

参考:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
加点項目を2個獲得するだけで、採択率は50%以上になることがわかるので、補助金に合わせた加点要件を満たせるか確認してみましょう。
補助金の採択率を高めるのに最も効率的なのは、専門家のアドバイスを受けることです。
専門家であれば、採択率を高める事業計画書の作成から加点のチェックまで行ってくれるため、スムーズに申請できるうえ、高い確率で採択されます。
補助金コネクトは、多くの企業様の資金調達のサポートを行っており、さまざまな補助金申請のお手伝いを行っております。
相談件数も1年間で1,000件以上あり、支援総額も1年間で5億円以上補助金採択率9割以上となる実績があります。相談料も無料なため、ブランディングに活用できる補助金を検討している方はぜひ一度ご相談下さい。
ここではブランディングに補助金を活用する際の注意点を紹介します。
補助金は原則後払いであるということには注意が必要です。
下図は、IT導入補助金の申請フローですが、見てわかる通り、ITツールを導入して実績報告した後に補助金が交付される仕組みです。

補助金は申請が認可されれば支払われるというイメージを持つ方も多いですが、ほとんどの補助金は事業の実施を行い、報告後に支払われる流れです。
つまり、ブランディングにかかる費用は自社で負担することになるため、資金面で注意しましょう。
事業計画の内容は無理のない計画であり、会社規模に応じた現実的な数値で記載しましょう。
事業計画書の内容を良く見せようと無理な計画を組んだとしても、実績報告で計画書通りにできない可能性も高いです。
無理な事業計画を組んで失敗してしまうと、事業自体が困難となったり、採択の取り消しにつながるリスクもあるので、専門家と相談して会社規模に応じた事業計画書の作成を行うようにしましょう。
ブランディングに活用できる補助金は、国の政策に加えて各自治体が用意している場合があります。
各補助金を活用できれば、コストをかけずに企業のイメージの確立に役立たせることができるので、利用しない手はないでしょう。
ただし、申請したからと言って必ず採択されるわけではないため、必ず専門家に相談してから申請することをおすすめします。
以下のようなお悩みを抱えていませんか?
投資を行う予定だがコストを削減したい
補助金について詳しい人が周りにいない
使える補助金がないか知りたい
新規事業などでまとまった経費を予定されている方は、補助金申請でコスト負担を軽減することができます。
しかし、補助金の調査から書類準備、申請までを自社で調べて行うのは非常に大変です。
「補助金申請は初めて」という方は、補助金申請の基本を資料にまとめていますので、無料でダウンロードして是非ご覧ください。

