事業承継やM&Aで使える事業承継・M&A補助金は、現在(2025年5月時点)11回公募がスタートしてます。
この記事では事業承継・M&A補助金の申請スケジュールと申請の流れ、必要書類について紹介します。
事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aなどを契機として新しい取り組みを行う中小企業を支援する制度です。
補助金の交付を受けられる対象者は、経営革新や経営資源の引き継ぎをする中小企業者や再チャレンジするために廃業する中小企業者・小規模事業者(個人事業主を含む)です。
新しい商品の開発やサービスの提供を行いたい、M&Aの成約に向けて取組を進めている、既存事業を廃業して新しい事業にチャレンジしたいといった方が対象となります。
事業承継・M&A補助金の対象経費は以下の通りです。
謝金
旅費
外注費
委託費(仲介・FA費用、デュー・ディリジェンスに係る費用など)、システム利用料、保険料、廃業費
事業承継・M&A補助金の対象経費は「使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定でき、なおかつ補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費」です。
また補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費も含まれます。
参考:事業承継・M&A補助金の対象経費とは?申請枠ごとの補助対象経費、対象外経費を徹底解説
事業承継・M&A補助金の補助率、補助額は以下のとおりです。
項目 | 買い手支援類型 | 売り手支援類型 |
---|---|---|
補助率 | 2/3以内 | 1/2又は2/3以内 |
補助下限額 | 50万円 | 50万円 |
補助上限 | 600万円以内 (800万円※) | 600万円以内 |
※デュー・ディリジェンスに係る費用は200万円、廃業費に関しては150万円上乗せされます。
参考:事業承継・M&A補助金とは?制度概要や対象者、補助額、申請方法などを解説
事業承継・M&A補助金の申請スケジュールは、執筆時点における第11回公募は以下のとおり進んでいます。
日付 | 内容 |
---|---|
公募要項公開 | 2025年3月31日 |
2公募受付開始 | 2025年5月9日 |
公募締切 | 2025年6月6日 17時 |
採択通知 | 2025年7月上旬 |
交付申請・交付 | 2025年7月中旬 |
開始時期を見逃さないよう、事業承継・M&A補助金の公式ホームページを確認しておきましょう。
事業承継・M&A補助金の申請手続きの流れは以下の通りです。
対象要件を確認する
認定経営革新等支援機関へ相談する
gBizIDプライムアカウントの取得
jGrantsでの交付申請
交付決定通知
補助対象事業の実施・実績報告
補助金交付を受ける
一つずつ紹介します。
はじめに事業承継・M&A補助金の対象要件を確認します。
中小企業基本法に該当するか?
承継・M&A・統合のどの段階にあるか?
「M&A支援機関登録制度」に登録された支援者を利用するか? など
対象要件や対象経費を確認し、補助金の申請ができるかをチェックします。
助金申請には、「認定経営革新等支援機関」(税理士、公認会計士、金融機関、商工会議所など)のサポートが必要です。 支援機関は、事業計画の策定や申請書類の作成支援を行ってくれます。
補助金コネクトでもご紹介が可能ですので、必要の方はお知らせください。
事業承継・M&A補助金の申請は「jGrants(Jグランツ)」という電子申請システムで申請します。
その際、gBizIDプライムのアカウントを取得しなければいけません。アカウントの取得は「gビズID | Home 」から行えます。
なお、アカウントを申請する際は、以下の書類等が必要です。
印鑑証明書または印鑑登録証明書(発行日から3か月以内のもの)
代表者の実印を押印した申請書
代表者のメールアドレスと電話番号(SMSが受診できるもの)
アカウントの発行には2〜3週間ほどのかかるので、早めに申請しておきましょう。
アカウントを取得後は、「jGrants」から交付申請を行います。申請方法は「事業承継・引継ぎ補助金 電子申請マニュアル」で確認できます。申請が完了したら審査が行われます。
審査がクリアしたら、交付決定通知が届きます。審査の結果に関して、交付申請者全員に対し、事務局からjGrantsを通じて、交付・不交付の通知を行います。
もし申請を取り下げる場合は、交付決定通知から10日以内に手続きしなければいけません。
交付が決定した後は、適宜補助対象事業の実施・実績報告を行います。採択されただけでは補助金を受け取ることができないため注意しましょう。
規定された状況報告と実績報告を行い、補助金の申請を行います。実績報告などに使用する書類は「事業承継・M&A補助金 」からダウンロードが可能です。
なお、補助金の交付については、補助対象事業の完了後、原則として、15日以内に実績報告書等を提出します。
正しく補助金交付申請を行わないと、減額や補助金自体が受け取れなくなるため注意してください。
実績報告が完了し、事務局が検査を行うと補助金が交付されます。
事務局の方で実施した事業内容の検査と経費内容などの確認、補助金の額を確定したのちに、精算払いする流れとなります。
事業承継・M&A補助金の必要書類は、公募時に必要な書類(をjGrantsにて提出する書類)と実績報告時に2パターンあります。
<公募時に必要な書類>
買い手支援類型(Ⅰ型) 法人 | 買い手支援類型(Ⅰ型) 個人 | 売り手支援類型(Ⅱ型) 法人 |
---|---|---|
・履歴事項全部証明書(申請日以前3カ月以内に発行されたもの) ・直近の確定申告の基となる直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書) ・常時使用する従業員1名の労働条件通知書 ・住民票(申請日以前3カ月以内に発行されたもの) | ・住民票(申請日以前3カ月以内に発行されたもの) ・直近3期分の確定申告書B第一表・第二表と所得税青色申告決算書 ・開業届及び所得税青色申告承認申請書の写し ・常時使用する従業員1名の労働条件通知書 | ・履歴事項全部証明書(申請日以前3カ月以内に発行されたもの) ・直近の確定申告書 ・確定申告の基となる直近3期分の決算書 ・株主名簿 (代表者の原本証明付き) ・常時使用する従業員1名の労働条件通知書 ・住民票(申請日以前3カ月以内に発行されたもの) |
上記の他にも「補助上限額、補助率等における、補助率に関する補助対象者の要件充足を証明する書類 」などがある場合は、別途必要書類の提出が求められます。
<実績報告時に必要な書類>
実績報告書
事業実施概要報告書
補助対象経費総括表
経費区分別内訳書
検査チェックシート
経費区分別証拠書類一覧
経費区分別の証拠書類
上記に加えて、加点材料となる書類や追加書類を提出すると補助率の軽減につながる書類も多数あります。詳細は採択後の交付申請時の手引書を参照しましょう。
書類準備に不安がある方は、補助金申請代行業者などの専門家に相談しながら申請することをおすすめします。
この記事では、事業承継・M&A補助金の申請スケジュール、申請の流れ、および必要書類をご紹介しました。
執筆時点で第11回の公募がスタートしております。事前に申請の流れを理解し、準備しておきましょう。特にgBizIDプライムアカウントは準備に時間がかかりますので、お持ちでない方は今すぐ手続きするようにしましょう。
申請では、必要書類を揃えて提出する必要があります。書類不備で不採択になってしまうケースも往々にしてありますので、専門家と一緒にチェックすることをおすすめいたします。
補助金コネクトでは、事業承継・M&A補助金の申請サポートとして、申請できる枠や対象経費、必要書類の確認などを行っております。
これから始める事業の準備で忙しい方や、補助金の申請をしたいが要件に該当しているかわからないという方も、ぜひ一度ご相談ください。