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事業承継・引継ぎ補助金の対象経費とは?申請枠ごとの補助対象経費、対象外経費を徹底解説

補助金
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更新:2024/05/24

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継やM&A等を行う企業を支援する補助金ですが、どのような経費が補助対象になるのでしょうか?

事業承継・引継ぎ補助金の対象経費は申請枠ごとによって異なるため、正しく理解し申請しなければいけません。この記事では事業承継・引継ぎ補助金の対象経費を解説します。

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事業承継・引継ぎ補助金の概要

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業・小規模事業者の事業承継やM&A等に要する経費の一部に対して交付される補助金です。

経営者が高齢化し、後継者も不足していることから、廃業の危機に見舞われている企業も増えていることでしょう。そんな経営者に向け、事業承継・引継ぎ補助金は事業承継やM&A、またそれらに付随する費用を補助してくれる心強い制度です。中小企業だけでなく、個人事業主でも利用できます。

また事業承継・引継ぎ補助金は、「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3つの枠が設けられています。

自社がどれに該当するかは、以下の記事からそれぞれの申請枠の詳細についてご確認ください。

事業承継・引継ぎ補助金とは?制度概要や対象者、補助額、申請方法などを解説

補助率・補助上限額

事業承継・引継ぎ補助金の補助率・補助上限額は、申請枠によって異なります。

<経営革新枠>

類型

補助上限額

補助率

創業支援類型(Ⅰ型)

経営者交代類型(Ⅱ型)

M&A類型 (Ⅲ型) 

600万円(一定の賃上げを実施した場合は800万円)

2/3または1/2以内

<専門家活用枠>

類型

補助上限額

補助率

買い手支援類型(Ⅰ型)

600万

2/3

売り手支援類型(Ⅱ型)

同上

1/2以内

※廃業費の補助上限額は150万円

<廃業・再チャレンジ枠>

類型

補助上限額

補助率

併用申請型

150万円

1/2又は2/3

再チャレンジ型

150万円

2/3

※併用申請型の場合は、各事業における事業費の補助率に従います。

経営革新枠の対象経費

事業承継・引継ぎ補助金の経営革新枠は、事業承継およびM&Aをきっかけとして、新商品の開発や新たな顧客層の開拓などの経営革新等にチャレンジする中小企業等を支援する制度です。

経営革新枠の対象経費は以下の表の通りです。

補助対象経費

主な対象経費項目

対象外経費の一部

店舗等借入費

国内の店舗・事務所・駐車場の賃借料・共益費・仲介手数料

店舗・事務所の賃貸借契約に係る敷金・礼金・保証金等

補助対象事業に直接関係のない店舗・事務所・駐車場の借入れに伴う費用

従業員専用の駐車場に係る費用

火災保険料、地震保険料  など

設備費

店舗の工事費

機器導入費用

DIY工事設備材料費

消耗品(事務用品・衣類・食器等、書籍代、包装紙等)

金型

中古品購入費 など

原材料費

試作品・サンプル制作費

主として販売のための原材料仕入れ・商品仕入れとみなされるもの 

見本品(試着品・試食品)や展示品であっても、販売する可能性があるものの製作に係る経費

産業財産権等関連経費

補助対象事業実施における特許権等取得に要する弁理士費用

事業承継に伴う特許権等の名義変更費用

日本の特許庁に納付される出願手数料等(出願料、審査請求料、特許料等) など

謝⾦

弁護士などの専門家に支払う経費

本補助金に関する書類作成代行費用

M&A 仲介手数料

デューデリジェンス費用

M&A コンサルティング費用等 

税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用及び訴訟等のための弁護士費 など

旅費

販路開拓目的とした出張の交通費や宿泊費

タクシー代

ガソリン代

高速道路通行料金

レンタカー代

旅行代理店の手数料

通勤に係る交通費 など

マーケティング調査費

自社で行うマーケティング調査に係る費用

切手、官製はがき、年賀はがきの購入費用

調査の実施に伴うノベルティ代、記念品代、謝礼 など

外注費

業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費

販売用商品の製造及び開発の外注に係る全部又は一部の費用

求人広告費

経営者及び従業員等のスキルアップの研修に係る費用 など

委託費

業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費

販売用商品の製造及び開発の外注に係る全部又は一部の費用

M&A 仲介手数料

デューデリジェンス費用

M&A コンサルティング費用等 

経営革新等に係る取組み自体とはならない場合の経理等の事務委託費 など

広報費

自社で行う広報に係る費用

切手、官製はがき、年賀はがきの購入費用 

自分で印刷作成する費用(用紙代、インク代等) 

ノベルティ代、記念品代、粗品代 など

会場借料費

販路開拓や広報活動に係る説明会等での一時的な会場借料費

補助対象事業と関係のない活動に係る会場借料

一時的な会場使用に伴う駐車場代

廃業支援費  

廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士等に支払う作成経費

登記事項変更等に係る登録免許税 

定款認証料、収入印紙代 

その他官公署に対する各種証明類取得費用(印鑑証明等) 

本補助金に関する書類作成代行費用

在庫廃棄費

在庫処分を専門業者に依頼した場合の処分費用

商品在庫を売って対価を得る場合の処分費

海外在庫

解体費

既存事業の廃止に伴う建物・設備等の解体費

消耗品の処分費 

海外で使用していたもの

原状回復費

借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用

自己所有物の修繕費 

原状回復の必要が無い、賃貸借物件及び設備機器等 

海外で使用していたもの

賃貸借契約が締結されていない物件やレンタル契約が締結されていない設備等

リースの解約費

リースの解約に伴う解約金・違約金

ファイナンスリース取引の解約に伴う解約金・違約金については、リース資産の売買に係る費用

移転・移設費用(創業支援類型とM&A類型のみ対象)

効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費

補助対象事業に直接関係のない機械装置の移転・移設費用

海外で使用していたもの

賃貸借契約が締結されていない物件やレンタル契約が締結されていない設備等

廃業費(廃業支援費、在庫廃業費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用)は、廃業・再チャレンジ枠と併用申請した場合のみ対象となります。

また、商品在庫を売却して対価を得る場合の処分費は補助対象外となりますので注意しましょう。

専門家活用枠の対象経費

事業承継・引継ぎ補助金の専門家活用枠は、M&Aを活用し経営資源を他社からもしくは他社へ引き継ぐ中小企業等に対して交付されます。

専門家活用枠の対象経費は以下の表の通りです。

補助対象経費

主な対象経費項目

対象外経費の一部

謝⾦

士業及び大学博士・教授等の専門家に支払う経費

経営資源引継ぎ以外の目的で行われたコンサルティング費用 

本補助金に関する書類作成代行費用 

ファイナンシャルアドバイザー(以下「FA」という。)・仲介費用と実質的に同等とみなされる費用 

 その他委託契約に基づく費用 など

旅費

補助対象事業を実施するための交通費や宿泊費

タクシー代

ガソリン代

高速道路通行料金

レンタカー代

旅行代理店の手数料

通勤に係る交通費 など

外注費

業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費

FA・仲介費用

委託費

業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費

再生計画書の作成等のコンサルティング費用

FA・仲介契約締結前のコンサルティング費用

経営資源引継ぎを伴わない不動産売買に係る費用 など

システム利用証

事業再編・事業統合等に伴う承継先又は、被承継先候補とのマッチングのためのプラットフォーム等への登録料及び利用料

ファイル共有サービス

データストレージ等の使用料

バーチャルデータルームの使用料

保険料

表明保証保険契約に関する保険料

生命保険契約に係る保険料 

 PL保険契約に係る保険料

廃業支援費  

事業の廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士・行政書士に支払う申請資料作成経費

登記事項変更等に係る登録免許税 

定款認証料、収入印紙代 

その他官公署に対する各種証明類取得費用(印鑑証明等) 

本補助金に関する書類作成代行費用

在庫廃棄費

在庫処分を専門業者に依頼した場合の処分費用

商品在庫を売って対価を得る場合の処分費

海外在庫

解体費

既存事業の廃止に伴う建物・設備等の解体費

消耗品の処分費 

海外で使用していたもの

原状回復費

借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用

自己所有物の修繕費 

原状回復の必要が無い、賃貸借物件及び設備機器等 

海外で使用していたもの

FA・M&A仲介業者に支払う委託費は、その発生時期や内容によって対象・対象外が分かれますので、事前に専門家に確認するようにしてください。たとえば、M&Aが完了し成功報酬を支払う場合でも、それが補助事業期間終了後であれば対象外となります。

廃業・再チャレンジ枠の対象経費

事業承継・引継ぎ補助金の廃業・再チャレンジ枠は、事業承継およびM&Aにより廃業し、新たな事業を開始しようとしている中小企業等に対して交付されます。

廃業・再チャレンジ枠の対象経費は以下の表の通りです。

補助対象経費

主な対象経費項目

対象外経費の一部

廃業支援費

廃業に関する登記申請の司法書士委託料

解散・清算・残余財産などの会計処理や税務申告に係る税理士費用

清算業務に関与する従業員の人件費

登記事項変更等に係る登録免許税

定款認証料、収入印紙代 

その他官公署に対する各種証明類取得費用(印鑑証明等) 

本補助金に関する書類作成代行費用 

在庫廃棄費

在庫処分を専門業者に依頼した場合の処分費用

商品在庫を売って対価を得る場合の処分費

海外在庫

解体費

建物・設備などの解体費

消耗品の処分費 

海外で使用していたもの

原状回復費

賃貸物件の原状回復費

自己所有物の修繕費 

原状回復の必要が無い、賃貸借物件及び設備機器等 

海外で使用していたもの

リース解約費

リース商品の解約に伴う解約金・違約金

ファイナンスリース取引の解約に伴う解約金・違約金については、リース資産の売買に係る費用

移転・移設費用

効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費

併用申請のみ計上可能

廃業支援費の上限額は50万円のため注意しましょう。また、在庫処分で対価を得る場合の処分費は対象外です。

まとめ

この記事では、事業承継・引継ぎ補助金の対象経費について紹介しました。

対象経費は3つの申請枠によって異なるため、事前に確認し自分にあった枠を選択するようにしましょう。

もしどの枠が適切かわからない場合は、補助金申請の支援事業者に問い合わせてみるのも良いでしょう。

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