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研究開発で使える補助金とは?申請の手順、注意点、注目のディープテック領域についても解説

補助金
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更新:2024/11/13

研究開発は、企業の成長にとって欠かせないものです。中でも近年ではディープテック領域に注目が集まっています。

ディープテックとは、差別化された高度な科学や技術のことで、半導体や量子コンピュータ、バイオテクノロジーなどの技術分野を指します。

しかしながら、ディープテックのような研究開発には莫大な資金が必要です。自己資金に限りのある中小企業や小規模事業者の方が研究を行うには、補助金などの資金調達が必要不可欠でしょう。

ここでは、研究開発で使える補助金と申請手順、注意点などを紹介します。

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ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)

概要

ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)とは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)がディープテック・スタートアップの研究開発や事業化の支援を目的とした支援基金のことです。

DTSU事業では以下の3つのフェーズに分かれて支援が行われます。

image

対象者

DTSU事業の対象者は、日本国内の民間企業のうち、国内に拠点を有する未上場事業者です。

さらに、以下の表のとおり、業種ごとの資本金と従業員の数を満たした企業であることが必要です。

業種

資本金

常勤従業員数

製造業・建設業・運輸業・及びその他の業種

3億円以下

300人以下

ゴム製品製造業

(自動車・航空機用タイヤ・チューブ製造業・工業用ベルト製造業を除く)

3億円以下

900人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

サービス業

(旅館業・ソフトウェア業・情報処理サービス業を除く)

5,000万円以下

100人以下

ソフトウェア業又は情報処理サービス業

3億円以下

300人以下

旅館業

5,000万円以下

200人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

対象事業

以下の3つの要件を満たした事業が対象となります。

  1. 経済産業省所管の鉱工業技術(例えば、ロボティクス、AI、エレクトロニクス、IoT、クリーンテクノロジー、素材、医療機器、ライフサイエンス、バイオテクノロジー、航空宇宙等。ただし、原子力技術に係るものは除く)であること。

  2. 具体的な技術シーズがあって、技術開発要素があることが想定されること。なお、スマートフォンアプリ開発のためのソフトウェアのコーディングなど、技術開発要素が少ないものや、既存製品(購入品)を利用しただけのものについては対象外。

  3. 競争力強化のためのイノベーションを創出しうるものであること。なお、実証段階にあっても、技術開発要素があると認められるものついては対象外。ただし、医薬品開発を加速する支援技術の開発や、医療機器、医療検査技術等、経済産業省所管の鉱工業技術に係る複合技術の開発は助成対象となる。

助成額・負担率

ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)の助成額と負担率は以下の表の通りです。

フェーズ

助成金の金額

NEDO負担率

STSフェーズ

3億円以内または5億円以内

2/3以内

PCAフェーズ

5億円以内または10億円以内

2/3以内

DMPフェーズ

25億円以内

2/3以内もしくは1/2以内

各フェーズをまたいで実施する場合は、最長6年間、最大助成金交付額は30億円となりますので注意が必要です。

対象経費

ディープテック・スタートアップ支援事業の助成対象となる費用は、事業を進めるために必要な研究開発やフィージビリティスタディ、量産化実証などです。

機械装置費や労務費、委託・共同研究費などが該当します。

<主な対象経費>

  • 機械装置費

  • 研究費

  • 委託・外注費

  • 人件費

  • 消耗品費

  • 旅費

  • 水道光熱費

  • 会議費

  • リース料

  • 資料購入費

  • 通訳・翻訳費

  • 運搬費

  • 謝金

  • 認証・登録費

  • 知的財産権関連費

対象事業以外に使用する経費は助成対象外となるため、注意しましょう。  

GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX事業)

概要

GX(Green Transformation:グリーントランスフォーメーション)とは、カーボンニュートラルや温室効果ガス削減のために取り組む活動や変革のことです。

2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた研究開発や実験に関する費用は莫大になることから、GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX)としてNEDOが支援してくれます。

おおよその概要はDTSU事業と変わりませんが、各フェーズごとの要件に違いがあります。

image

出典:「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」に係る公募要領

対象者

対象者は、ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)と同条件になります。

ただし、フェーズごとの要件に違いがあるので、詳しくは以下の表をご確認ください。

フェーズ

DTSU事業

GX事業

STSフェーズ

(実用化研究開発(前期))

①所定の期間内にVC等、CVC、事業会社から提案書に記載した助成事業期間中に要する助成対象費用の1/3以上の金額の出資を受けている、又は今後出資が予定されている未上場の事業者であること。

⓶3億円を超える補助上限で応募する提案者においては、「事業化連携に関わる連携先の関心表明書」または「海外技術実証に関する計画書」を提出すること

1⃣採択決定日以降のNEDOが指定する日までにVC等またはCVC、これらに類する者が株主構成に加わっていること

2⃣3億円を超える補助上限で応募する提案者においては、「事業化連携に関わる連携先の関心表明書」または「海外技術実証に関する計画書」を提出すること

PCAフェーズ

(実用化研究開発(後期))

①同上

⓶3億円→5億円に変更

③VC等またはCVCが株主構成に含まれていること、もしくはDTSU事業への応募に際し出資報告書あるいは出資意向確認書に記載された出資が実行されることに伴い所定の期間内にVC等またはCVCが株主構成に加わること

1⃣同上

2⃣3億円→5億円に変更

DMPフェーズ

(量産化実証)

①採択決定日以降のNEDO が指定する日までにVC等またはCVCが株主構成に加わっていること

⓶事業化に向けて、連携先との間で取り交わした量産化実証、共同研究、調達、販路開拓等に関する覚書等を提出すること。当該覚書等には量産化実証の目的、内容、実施場所、金額規模、スケジュール、準備状況、実証後の展開等が記載されていること

1⃣同上

2⃣事業化に向けて、連携先との間で取り交わした量産化実証、共同研究、調達、販路開拓等に関する覚書等を提出すること。当該覚書等には量産化実証の目的、内容、実施場所、金額規模、スケジュール、準備状況、実証後の展開等が記載されていること

PCAフェーズでは、補助上限額に関する要件がSTSフェーズより「3億円から5億円」まで引き上げられます。

また、DMPフェーズでは覚書等を提出したり、実証後の展開等が記載されているなど、多少細かな要件があります。

初めて申請される方には難易度が非常に高いため、補助金などの申請をサポートしてくれる専門家に相談しておきましょう。

助成額・負担率

助成額・負担率は、ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)と同条件になります。

対象経費

GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX)での対象経費は、ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)と同じです。

ただし、助成対象となる事業は、ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)の3つの要件に加え、以下の要件を満たす必要があります。

  • 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を踏まえて、CO2の排出削減に向けた野心的な目標を掲げるなど世界規模でのカーボンニュートラルの実現及び日本の産業競争力の強化のためのイノベーションを創出しうるものを対象とし、そのうち、太陽光・風力・水素等の非化石エネルギーの開発及び利用の促進、次世代のリチウムイオン電池、非化石由来の原料に転換する革新素材、その他省エネルギー実現に資する半導体・革新素材・AI の開発等のエネルギー利用の高度化の促進、又は事業所等から排出されるCO2の排出の抑制に係る事業であること。また、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略にある「国による投資促進策の基本原則」に則したものであること

ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発

概要

ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発とは、海外市場への展開を目的として海外企業と行う共同研究開発に対し、NEDOと相手国側支援機関が研究開発費用の一部を助成する制度です。

日本企業が海外企業と協力し、グローバルな視点で技術開発を進めることが可能となります。

相手国側の公的支援機関が実施する公募の応募要件や助成規模は、国によって異なります。対象国はカナダ、チェコ、フランス、スペイン、オランダ、シンガポール、イギリスです。

また本年度の公募に関しては、欧州を中心とする各国の研究開発・イノベーション支援機関の国際的なネットワークであるEurekaのGlobalstarsスキームを活用した多国間共同公募方式により実施されます。

つまり、提案者は対象7か国のうち1か国以上の企業との共同研究開発を提案することが可能となる仕組みです。

対象者

対象者要件は細かく定められていますが、主に以下の4点をすべて満たしている必要があります。

  1. 日本に登記されている未上場の中小企業であること

  2. 主要な研究開発拠点を日本国内に有すること

  3. 提案者の主任研究者が日本の居住者であること

  4. 相手国側事業者と共同研究契約(Consortium Agreement)を締結できること

加えて、先ほど紹介した対象国の企業との共同研究であり、以下の要件を満たす事業である必要があります。

  1. 経済産業省所管の鉱工業技術(量子、AI、ロボティクス、半導体、電子機器、エネルギー・環境、バイオテクノロジー、新素材、医療機器、航空宇宙等。ただし、原子力技術に係るものは除く。)であること。また、医薬品開発及び再生医療等製品に係る開発は原則として対象外とします。ただし、創薬支援技術の開発や、医薬品開発を加速する支援技術の開発、医療機器、医療検査技術等、経済産業省所管の鉱工業技術に係る複合技術の開発は助成対象とします

  2. 具体的な技術シーズがあって、技術開発要素があることが想定されること。

  3. 競争力強化のためのイノベーションを創出しうるものであること。

助成対象期間は交付決定通知書に記載する事業開始日から原則2〜3年です。この期間内に、研究開発を完了させることが求められます。

助成額・負担率

助成額は対象費用の2/3以内、上限額は1件あたり1億円となります。

助成金額は、企業の規模や研究開発の内容に応じて決定されます。

公募期間は2024年9月9日から2024年12月4日までとなっているので、活用される方は早めに共同研究開発の相手国側企業を特定しておきましょう。

対象経費

対象経費は機械装置費等、労務費、その他経費、委託費・共同研究費となります。

詳細は、「課題設定型産業技術開発費助成事業」事務処理マニュアルをご覧ください。

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業や個人事業主、組合などを対象とした生産性向上に向けた向けた機器設置費用や技術導入費を支援する補助金です。

ロボットやAIなどを導入することにより人材不足の問題や品質の安定化、新商品開発に伴う生産性の向上などを目的とした設備投資費用などに対して、最大8,000万円交付されます。

さまざまな設備投資が対象経費となるため、研究開発を行う際の補助金として活用されます。

経費

設備投資の一例

製造業

・ベルトコンベヤー

・ロボット

・複合加工機

・CADシステム など

建設業

・ドローン

・3Dレーザースキャナー

・施工管理システム

小売業

・清掃ロボット

・アプリ開発

・冷凍食品自動販売機

ものづくり補助金では、3つの申請類型が設けられており、それぞれ補助上限額や補助率だけでなく、要件も異なります。

ものづくり補助金に関しては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご確認ください。

参考記事:ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、新規分野に事業展開する企業や業種転換を行う企業に向けて交付される補助金です。

新市場へ進出する事業者や、事業転換や業種転換をする事業者に対し、補助金が交付されるため、商品開発やサービスの研究費用にも活用できます。

事業会構築補助金では、7つの申請枠が設けられており、それぞれ補助上限額や対象要件が異なります。

詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考記事:事業再構築補助金とは?申請枠から補助額、対象者、対象経費まで詳しく解説

研究開発で補助金申請する際の手順

ここでは研究開発で補助金申請する手順を紹介します。

なお、各補助金によって申請方法や手順が異なるため、詳しくは専門家に相談して一緒に申請しましょう。

費用の見積もりを取る

はじめに研究開発にかかる費用の見積もりを取得します。

補助金申請では、研究開発にどれくらいの費用がかかるのか、申請書に記載する必要があります。

また、複数の会社から見積もりを取り、比較検討することも大切です。補助金制度によっては相見積もり書の提出が求められることがあります。

補助金申請のスケジュールを確認する

補助金によって申請スケジュールは異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

補助金の種類

公募期間

ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)

2024年06月20日~2024年07月24日

GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX)

2024年06月20日~2024年07月24日

ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発

2024年09月09日~2024年12月04日

ものづくり補助金

2024年1月31日~2024年3月27日

事業再構築補助金

2024年4月23日~2024年7月26日

補助金の中にはすでに公募期間が終了しているものもありますが、次回の公募も開始される可能性があります。

気になる補助金がある方は、チェックしておきましょう。

必要書類を準備し申請する

補助金申請には、様々な書類が必要となります。具体的な書類は、各補助金制度によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

また初めて申請される方は、必要書類の準備に時間がかかることが想定されます。

書類に不備があったり、不足しているケースもあるため、書類準備の段階から専門家に相談して申請することをおすすめします。

審査結果が公表・通知される

補助金の申請手続きが終わった後は、審査結果が公表され、通知を受ける流れになります。

申請後も追加書類を提出したり、交付申請などの手続きが必要となることがあります。

なお、補助金は基本的に後払いになります。審査に合格したらすぐに振り込まれるものではないため、注意しましょう。

研究開発で補助金を申請する時の注意点

補助金に申請したとしても、必ず採択されるわけではありません。書類不備があったりすると、申請すら受け付けてもらえないケースもあります。

補助金を申請する際は以下の点に注意して手続きを進めましょう。

計画の名称は具体的かつ端的に記入する

研究計画の名称は具体的かつ端的に記入することが大切です。

難しい名称を記載したりすると名称から何の研究かが推測しづらくなり、適切な審査官に当たらなかったり、審査において不利に働く可能性も考えられます。

なるべき審査員の方がすぐに理解できる内容にしておくと、審査もスムーズに進みます。

開発後の事業化見込みを具体的に記入する

研究開発が成功した後の事業化見込みを具体的に記入します。開発に成功しても商品やサービスが売れなければ、公的資金の投入先として不適切であったと見られる可能性があるためです。

研究開発の補助金の多くは、会社の売上向上や、経済に大きな効果があるものに対して交付されます。

具体的な売り上げや見込み売上高をしっかり記入しておきましょう。

計画に必要な経費は細かく積算する

研究開発に関わる補助金の経費は細かく積算しておきましょう。

対象経費は補助金ごとによって異なりますが、不正利用を防ぐために厳しくチェックされています。

大まかすぎる記載では「本来経費に該当しない費用も含まれているのでは」と捉えられてしまう可能性もあるため、しっかり説明するようにしましょう。

図表を使用するなどビジュアル面を意識する

図表を使用するなどビジュアル面を意識することで、他社との申請書との差別化ができます。

また、ビジュアルは審査員の方に研究内容を理解してもらるためにも有効です。

審査員のすべてが業界や専門に精通しているわけではないため、図表などを活用してわかりやすくまとめるのも重要なポイントです。

まとめ

今回は研究開発で使える補助金を5つ紹介しました。

補助金によって対象要件や申請方法が異なるため、自社に合った補助金を選択するようにしましょう。

「どれが自社に適切かどうかわからない」という方は、専門家に相談するのがおすすめです。補助金コネクトでも、補助金申請に関するサポートを行っております。

事業を開始してしまうと補助金申請ができなくなってしまうこともありますので、大きな投資を予定されている方はお早めに相談されることをおすすめいたします。

無料相談をご希望の方は、以下よりお問い合わせください。

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