これから創業する事業者を支援する日本政策金融公庫ですが、必ずしも融資審査が通るわけではありません。
審査申込する前に、融資のポイントや落ちる理由などを理解し、対策しておく必要があります。
この記事では日本政策金融公庫の審査をクリアするために、認可されない理由とポイントについて紹介します。
ここでは、日本政策金融公庫の融資審査に落ちる主な理由を6つ紹介します。
なお、日本政策金融公庫の融資制度については以下をご覧ください。
日本政策金融公庫の創業融資制度とは?新規開業資金、新創業融資制度など4つの制度を解説
過去に滞納履歴があるなど、信用情報に問題がある方は審査が落ちる可能性が高まります。
信用情報とは、個人の年収や勤務先等の属性情報、ローンや公共料金等の支払い滞納履歴に関する情報のことです。
信用情報機関が管理しており、日本政策金融公庫を含めた金融機関は、融資審査時に申込者の信用情報を確認します。
過去に借入の滞納歴などがあると、日本政策金融公庫は融資を実行したとしても、返済が滞るリスクがあると判断するため、融資を認可しにくくなります。
具体的に以下のような項目に該当していると、信用情報に問題がある可能性が高いです。
クレジット決済やローンなどの支払滞納
税金の滞納
自己破産した履歴
債務性の履歴
もちろん、信用情報は永続的ではありません。
一般的には、遅延や滞納などの債務整理トラブルは5〜7年ほど残るとされています。自身の信用情報が気になる方は指定情報機関であるCICなどで確認してみましょう。
融資希望額が多すぎると、月々の返済額が増えてしまい、滞納リスクが高まることから融資審査が落ちることにもなりかねません。
創業時は売上もなく、資金繰りに苦労するため、まとめて多額の融資を受けておきたいと考える人もいらっしゃいます。
しかし、多額の融資を受けると債務超過にもなりかねず、事業が安定しない可能性も高まります。
そのような懸念点から、融資額は審査に大きく影響されるポイントの一つです。
融資額は、融資の使用用途を明確にし、適切な見積もりを基に審査されます。
相場からかけ離れた見積もりを提出したり、資金用途が不明確であれば、融資審査が通らなくなる可能性も高いです。
さらに信用力も低下してしまうため、再度融資審査の申込を行っても門前払いされてしまうリスクも高くなります。
申込者に十分な返済能力があるのかも融資審査のポイントです。
返済能力は、申込者の返済意識だけでなく、借入返済できるほどの利益を生み出せるのかを確認します。
創業してから事業が軌道に乗った場合の売上や利益などをシミュレーションし、十分借入返済できるのかを審査でチェックします。
借入を返済して、十分余剰金があるのであれば、審査が通りやすくなります。
一方で、借入返済した後の利益が少ないと、金利が上昇した時に返済額の方が上回ってしまうリスクが伴うため、十分返済できるほどの利益を生み出せるのかを確認して審査します。
融資審査時に提出する事業計画書の内容が、再現性のある計画書であるかも審査のポイントになります。
事業計画書は、今後の事業収益を数値化させたものであり、金融機関はそのデータを基に審査を行います。
しかし、数値だけを良く見せようとすると、再現性が低下してしまい、無理のある事業計画書になってしまいます。作成した事業計画書の妥当性を認識してもらうのは難しくなるでしょう。
また、日本での市場は、競合が多く存在し、激しい競争状態にあるため、他社との差別化部分も事業計画書でしっかり説明することが大切です。
ニーズが大きい業界に参戦するにしても、競合他社に勝つための戦略と、実現性のある事業計画を組み立てることが大切です。
代表者に十分な経験や実績があるのかも審査のポイントです。
創業する事業内容が、「過去に行ってきたのか」「前職の職種で経験があるのか」などをチェックします。
未経験の事業内容であると、創業しても成功する可能性が低くなります。
そのため、代表者の経歴なども審査対象です。
ここでは審査に落ちないためのポイントを3点紹介します。
日本政策金融公庫の融資申し込みをする前に、事前相談を行っておきましょう。
事前相談とは、融資申込する前に、日本政策金融公庫の担当者へ融資の相談を行っておくことです。
必要な書類や、融資審査をクリアするための事業計画書の作成ポイントなどのアドバイスをもらえます。
ただし、日本政策金融公庫の融資審査は、支店の承認を得る必要があるため、担当者が言った通りに事業計画書を作成しても、必ず融資が認可されるわけではありません。
とはいえ、事前相談せずに融資申し込みするより、認可される確率は大きく高まるため、まずは事前相談から始めましょう。
融資の申込をする前に、事前に計画を立て準備を行っておくことが大切です。
申し込み後は、日本政策金融公庫との面談があり、さまざまな質問をされるため、しっかり受け答えできるように準備しておかなければいけません。
受け答えするためには、創業する事業の計画を詳細に組み立てることが大切です。
質問内容は各支店によって異なるものの、代表的な例を挙げると以下のような質問が挙げられます。
創業の動機、目的、目標について
今回の事業に関する過去の経歴や職歴、資格について
商品やサービスの特徴
販売先やサービスのターゲット、見込み客の有無
市場の状況、今後の展望
他社との差別化ポイント
現在の従業員数と今後の予定
必要な設備資金や運転資金についての詳細
創業1年目の売上見込みや原価・経費の計画
軌道に乗った場合の想定売上についての根拠
上記のような質問に答えるためには、事業内容を細かく組み立てておかなければいけません。
そのため、融資申し込みする前に、事業計画と質問事項への受け答え準備を行っておくことが大切です。
日本政策金融公庫の融資を申込する際は、専門家の支援を受けるのが一番効果的です。
補助金申請支援者などに相談すれば、融資を認可されるポイントを教えてくれるだけでなく、事業計画書の作成サポートなども受けられます。
さらに、日本政策金融公庫の融資だけでなく、創業時に活用できる補助金や助成金なども提案してくれるため、スムーズに資金調達が可能です。
創業時に使える補助金は以下の記事でも紹介しています。
起業や開業で利用できる補助金・助成金9選!それぞれのメリットや注意点を解説
日本政策金融公庫の融資審査が落ちる要因は、信用情報に問題があったり、事業計画書の再現性が低いなどの要因が挙げられます。
その他にも融資希望額が多額であったり、資金使途が不明確であると、審査が不利に働きます。
創業者や中小企業を支援する日本政策金融公庫であっても、必ず融資が認可されるわけではありません。
融資審査の認可率を高めたい方は、ぜひ以下のお問い合わせフォームよりご相談下さいませ。