MBTIは、人の性格を16種類に分けることができる性格診断のことで、2022年頃から若者の間で流行っただけでなく、自己理解や他社理解を深める目的から、ビジネスシーンでも取り入れている企業もあります。
似たような診断テストにエニアグラム診断がありますが、こちらも企業が人材確保をする際に利用されることがあります。
これらは双方とも性格分析ツールとして活用されますが、異なる視点から評価することで、自身や他者の理解に役立ちます。
この記事ではMBTIとエニアグラムの相関関係、活用方法を紹介します。
MBTIは、マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター(Myers-Briggs Type Indicator)の略称です。
スイスの心理学者カール・ユングの性格理論をもとに、アメリカのイザベル・ブリッグス・マイヤーズとキャサリン・クックス・ブリッグス親子によって考案された性格診断テストです。
MBTI診断は人の性格を16種類に分ける性格診断であり、自己理解や他者理解を深めることに利用できます。
MBTI診断は「無料性格診断テスト | 16Personalities」で診断することが可能です。
ここではMBTI診断でわかることと、16の性格タイプについて紹介します。
MBTI診断では、2つの反する要素と4つの次元の組み合わせで人の性格を分類します。
自分や周りの人の性格が理解でき、人間関係の改善、キャリア選択などに役立てられています。
2つの反する要素と4つの次元は以下の通りです。
<心のエネルギーの向き先>
要素 | 特徴 |
---|---|
外向性(E) | 常に社交的な状況を求める |
内向性(I) | 自己省察と孤独を好む |
<物事のとらえかた>
要素 | 特徴 |
---|---|
感覚性(S) | 具体的な情報に基づいて捉える |
直観型(N) | 物事を抽象的にとらえて捉える |
<意思決定のやり方>
要素 | 特徴 |
---|---|
思考型(T) | 論理的で客観的な基準に基づいて物事を判断する |
感情型(F) | 倫理的で主観的な基準に基づいて物事を判断する |
<物事のすすめかた>
要素 | 特徴 |
---|---|
判断型(J) | 事前に計画したとおりに物事をすすめる |
知覚型(P) | 柔軟で臨機応変に物事をすすめる |
MBTIでは先ほどの要素を組み合わせ、16パターンの性格に分類されます。
性格タイプ(組み合わせ) | 特徴 |
---|---|
INTJ(内向性・直観・思考・判断) | 自信家であり努力家 |
INTP(内向性・直観・思考・知覚) | 空想家で独創的 |
ENTJ(外向性・直観・思考・判断) | 理論的で責任感が強い |
ENTP(外向性・直観・思考・知覚) | 創造的で好奇心旺盛 |
INFJ(内向性・直観・感情・判断) | 思いやりがあり、繊細 |
INFP(内向性・直観・感情・知覚) | 理想主義者で価値観を重視する |
ENFJ(外向性・直観・感情・判断) | 求心力があり積極的に支援する |
ENFP(外向性・直観・感情・知覚) | 創造的で情熱的 |
ISTJ(内向性・感覚・思考・判断) | 責任感が強く規則や指示を重視する |
ISFJ(内向性・感覚・感情・判断) | 人の感情に敏感で、義務感が強い |
ESTJ(外向性・感覚・思考・判断) | 堅実的で統率力が高い |
ESFJ(外向性・感覚・感情・判断) | 協調性があり、人間関係の構築が得意 |
ISTP(内向性・感覚・思考・知覚) | 好奇心が強く、行動力がある |
ISFP(内向性・感覚・感情・知覚) | 自己表現が豊かで、自然体を好む |
ESTP(外向性・感覚・思考・知覚) | 現実的で行動的 |
ESFP(外向性・感覚・感情・知覚) | 社交的で楽天的 |
なお、MBTIの性格タイプの詳細については、以下の記事もご覧ください。
MBTI診断の16タイプの特徴とは?診断方法や活用メリットも解説
エニアグラムとは9つの点を持った円周と、それらを繋いだ9つの線から成る幾何学的図形で、人の性格を9つの類型でとらえる性格類型論のことです。
ここでは、エニアグラム診断でわかることや、9つの性格タイプについて解説します。
エニアグラム診断では以下の3つの効果につながります。
自己理解が深まる
他社理解もできる
自分の特性がわかり、成長につながる
エニアグラム診断は、自分や他社の特性を理解することができるため、どのように人とコミュニケーションを取るべきか分かるようになります。
また、人の特性についても把握できるため、ビジネスの分野においては、自社に合った人材を見つけるなどにも役立ちます。
エニアグラムの9つの性格タイプは、以下の表の通りです。
9つの性格タイプ | 特徴 |
---|---|
タイプ1 | 改革する人 |
タイプ2 | 人を助ける人 |
タイプ3 | 達成する人 |
タイプ4 | 個性的な人 |
タイプ5 | 調べる人 |
タイプ6 | 忠実な人 |
タイプ7 | 熱中する人 |
タイプ8 | 挑戦する人 |
タイプ9 | 平和をもたらす人 |
上記のタイプについて紹介します。
正直で公正さをもっと重視し、真面目にしっかりしているタイプです。
人から頼られやすく、正しく間違えのないことをしたいと考える傾向にあります。
一方で、完璧さを求める傾向にあり、成果が出ないことに憤慨する場合もあります。
また、他人に対しても完璧さを期待してしまう傾向にありますが、怒りなどは顔に出にくいため、冷酷な人と見られやすいです。
人の助けになることに対して満足感を覚えるタイプです。
親切で困った人を見過ごせませんが、自分の手助けが役に立たないと怒りを覚えてしまいます。
とはいえ、コミュニケーション能力が高く、人との関係を重視します。
何事にも目標や目的を持って行動する人です。
明確な目標に対して効率的に動き、成功することで称賛を得たいと考えています。
一方で、成功するための犠牲をいとわず、そもそも成功が見込めないことは避ける傾向になります。
普通を嫌い、創造性やユニークさを重視します。感受性が高いですが、個を重視する傾向にあります。
好き嫌いがはっきりしていることもあり、興味があることには没頭し、専門性が高い分野での力を発揮することができます。
分析力や洞察力に長け、物事を始める前にしっかり調査する人です。
情報収集能力が高く、豊富な知識を持ち合わせていますが、特にアウトプットをすることはなく、傍観者でいる傾向にあります。
興味のないことに関しては全く調べず、情報共有なども苦手なため、コミュニケーション能力は低いです。
周囲との良好な関係を持ちたいと考え、安全性と誠実性を重視します。
協調性も高いですが、疑問や不満には果敢に挑戦する面もあります。
責任感も強いですが、一人行動が苦手で、間違いを恐れる傾向から、集団が決めた方向に流されてしまうケースも多いです。
いろいろなことにチャレンジするのが得意で、未来の計画などを立てて、夢を追いかけます。
しかし、楽観的な性格であり、楽しさを優先することもあります。
好奇心が強く、独創性も持ち合わせておりますが、苦しいことや悲しいことから逃げ出す傾向にあります。
自己主張が強く、自分の力を信じて物事に挑戦する人です。
自分が正しいと思うことだけに注力し、付いてきてくれる人を助ける傾向にあります。
一方で、攻撃的な態度をとったり、弱さを隠そうとするため、人からするとコミュニケーションが取りにくいと感じられる場合もあります。
気楽で安定性があり、自己主張をすることが少なく平和を重視している人です。
穏やかな生活を優先するため、周辺環境が乱れることを嫌います。
また、平和を優先するあまり、意思表示が苦手で優柔不断を思われることが多いです。
MBTIとエニアグラムは、ともに性格分析のためのツールですが、分類されるタイプの基準や視点が異なります。
視点の異なる2つのツールをうまく活用すれば、より細かく自身や他者の分析ができるようになるでしょう。
ただし、双方を活用して分析するためには、それぞれの相関や違いを理解しておくことが大切です。
ここではエニアグラムとMBTIの相関性と違いを紹介します。
両者の相関性をまとめた一覧表は以下のとおりです。
出典:ゆとりぶた
赤文字はMBTIのタイプごとで最もメジャーなエニアグラムを指し、青文字は真逆で最もマイナーなエニアグラムを表しています。
上記の表から最もメジャーなMBTIのタイプを確認することができます。
また、2つを連動させることで、自己理解と他者理解を一目で把握することが可能です。
例えばエニアグラムのタイプ8(挑戦する人)の方は決定力があり、MBTIでは、理論的で責任感が強いENTJや、堅実的で統率力が高いESTJに見受けられます。
つまり、ビジネスにおいてはチームリーダーや分析担当などに向いている性格だとわかるようになります。
上記のようにエニアグラムとMBTI診断の2つで分析することで、個々の性格や行動パターンを網羅することができ、さまざまなシーンで活用できます。
MBTIとエニアグラムには以下のような違いがあります。
MBTI・・・物事をどのように理解して判断するのかを明らかにする
エニアグラム・・・人間の根底にある恐怖や欲望を明らかにする
上記の通り2つは分類の基準や視点は異なります。
これらの2つのツールは、それぞれ異なる側面から性格を分析しますが、先程もお伝えした通り、一定の相関関係があります。
MBTIは認知的診断の焦点を充てて、性格を分析します。一方エニアグラムは欲望や恐怖などに焦点を充てるため、多角的な自己理解につながります。
さらに2つの分析は相関性があるため、自分に合った人間を見つけたり、チームメンバーのコミュニケーションの向上にもつながります。
また、自分の弱みや強みを理解することができるため、個々の目標を立てることにも役立ちます。
それぞれ独立で診断するより、2つのツールを使用することで、より詳細に自己分析や他者分析に役立てることができ、職場や日常生活における人間関係の質を高めることにもつながります。
MBTI診断では、16のタイプの性格に分けることができ、物事をどのように理解して判断するのかを明らかにすることが可能です。
エニアグラムは9つのタイプに分かれ、人間の根底にある恐怖や欲望を明らかにすることに役立ちます。
2つの分析ツールを組み合わせることで、より詳細な性格分析ができるため、職場や日常生活での人間関係の構築に活用することが可能です。