ものづくり補助金は、生産性の向上を目的とした新製品や新サービスなどの開発を行う企業の設備投資を支援する補助金です。
しかし、新品の設備となると投資費用も高額となることから、中古機械で補助金が受けられないのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では中古機械がものづくり補助金の対象となる条件と、認められないものを紹介します。
また最後には、ものづくり補助金の注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。
中古機械はものづくり補助金の補助対象となります。
ただし、対象となる条件や対象外となるものもあるため、ひとつずつ確認しておきましょう。
中古機械が対象となる条件は以下の2点です。
単価50万円以上となる
3者以上からの見積もりの取得
ものづくり補助金は、導入する機器やシステムの単価が50万円以上である必要があり、中古機器に関しても同様です。
また、中古機械を対象経費とする場合、中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを3者以上から取得しなければいけません。
同一の型式の中古品を販売する事業者を3者探すことは非常に難しいです。多く量産されている製品であったり、中古機械でもニーズが高い製品であれば、ものづくり補助金を活用することができる可能性が高まります。
中古機械の中で、対象として認められないものは、その価格設定の適正性が不明確なものです。
つまり、3者以上の相見積もりが取得できないものや、オークションやメルカリなど、フリマサイトなどで購入したものは経費として認められません。
ものづくり補助金とは、生産性向上を目的として中小企業等が行う、新製品・新サービスの開発、生産プロセスの向上などに必要な設備投資等を支援する補助金のことです。
正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」が正式名称であり、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が制度化し、全国中小企業団体が運営・管理を行っております。
ここでは概要と対象者、補助金額などについて紹介します。
ものづくり補助金の対象者は、以下の5つのいずれかに該当している企業、個人などです。
中小企業・個人事業主
組合や法人関連の中小企業者(企業組合・協業組合・商工組合など)
一部の特定事業者(生活衛生同業組合・酒造組合・内航海運組合・技術研究組合など)
特定非営利活動法人
社会福祉法人
対象となる中小企業や個人事業主の方は、業種や資本金、常勤従業員数によって以下の表の通り定められています。
業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
---|---|---|
製造業・建設業・運輸業・旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (旅館業・ソフトウェア業・情報処理サービス業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車・航空機用タイヤ・チューブ製造業・工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者などを対象とした補助金であるため、大手企業などは対象から外れる可能性があるため注意しましょう。
ものづくり補助金には、2種類の申請枠が設けられており、それぞれ補助額と補助率が異なります。
枠 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
製品・サービス高付加価値化枠 | 750万円~2,500万円(850万円~3,500万円) | ・中小企業:1/2 ・小規模店再生:2/3 |
グローバル枠 | 3,000万円(3,100万円~4,000万円) | ・中小企業:1/2 ・小規模店再生:2/3 |
カッコ内の補助上限額は、大幅賃上げを行う場合に適用されます。
ものづくり補助金は、それぞれ枠だけでなく、従業員の数によっても補助上限額に違いがあります。
ものづくり補助金の対象経費は、機械やシステムなどに関する設備投資だけでなく、外注費や専門家への相談料なども含まれます。
対象経費 | 主な経費項目 |
---|---|
機械装置・システム構築費 | 機器・装置、工具・器具の購入費用、制作借用に係る経費 専門ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費 改良・修繕又は据付けに要する経費 |
運搬費 | 運搬料、宅配、郵送料 |
技術導入費 | 知的財産権等の導入費用 |
知的財産権等関連経費 | 特許権などの知的財産権の取得に関わる弁護士費用 |
外注費 | 新製品、新サービスの開発に係る外注費 |
専門家経費 | 事業遂行のために依頼した専門家への報酬 |
クラウドサービス利用料 | クラウドサービスの利用に関する費用 |
原材料費 | 試作品の開発に係る資材の購入費用 |
海外旅費※ | 海外渡航費、宿泊費、交通費 |
通訳・翻訳費※ | 通訳、翻訳を依頼した費用 |
広告宣伝・販売促進費※ | が意外展開に必要な広告の作成および、媒体掲載などに係る費用 |
※グローバル枠の海外市場開拓に関する事業のみ対象
7つのステップに分かれます。
申請アカウントの取得
必要書類の準備
申し込み
採択発表
交付申請手続き・交付決定
事業の実施
補助金請求
ものづくり補助金は、GビズIDプライムアカウントが必須となり、取得するには2週間ほどの日数がかかります。そのため、申請する予定の方は、早めにアカウントを取得しておきましょう。
その後、事業計画書や従業員数の確認資料など、さまざまな書類を用意し、ものづくり補助金のサイトから申し込みします。
申込期限から2ヶ月程経つと、採択が発表され、その後交付申請を行います。
交付申請の後は、事業を1年ほど実施し、実績報告をして問題なければ補助金が交付される流れです。
ものづくり補助金については以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。なお、2025年2月末時点では、ものづくり補助金の申請受け付けは終了しており、次回公募に関しては未定です。
ものづくり補助金とは?対象者や申請要件、補助額、申請方法をわかりやすく解説
ものづくり補助金を申請する際は、本記事で紹介した中古機械が対象経費に該当するかどうか以外にも、以下の2点に注意しましょう。
中古機械を購入する際、投資金額が事業規模に対して妥当であるかをしっかり確認しておきましょう。
補助金がもらえるからという理由で、高額な機械を購入したいという方もいらっしゃいます。しかし、申請時に提出した事業計画通りの成果が見込めないなど、本要件等が未達の場合は返還義務が生じる可能性があるため注意しなければいけません。
中古機械であっても、正当な投資金額であるかを確認しておくことが大切です。
ものづくり補助金は実績報告が確認され、補助金の請求を行った後に支払われるため、資金繰りなどを含めてスケジュールに問題ないかチェックしておきましょう。
ものづくり補助金の事業の実施期間は、おおよそ10か月〜12か月と長期間です。補助金を受け取るまでは、自己資金や融資で事業を進める必要がある点に注意しましょう。
申請したからといっても受け取れるまでに1年近い日数がかかるため、中古機械を導入するスケジュールや、実績報告までの期間を確認しておくことが大切です。
ものづくり補助金は中古機械でも対象となります。
ただし、単価が50万円以上で、なおかつ3者以上の相見積もりが必要です。中古機械を導入する場合、見積もりの用意ができるかを確認しておきましょう。
また、見積もりを取れたとしても、ものづくり補助金にはさまざまな要件が定められております。要件を理解せずに中古機械を先に購入してしまうと、補助金が交付されないなどのリスクが生じてしまいます。
ご自身で補助金申請を行うことについて不安がある方は、ぜひ補助金コネクトへご相談下さいませ。ものづくり補助金を始め、数多くの補助金や融資のサポートを行っております。
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