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新創業融資制度とは?メリット、デメリット、審査のポイントを解説

起業する人が最初にぶつかる壁の一つに、資金調達の問題があります。

様々な調達方法の中でも、日本政策金融公庫の新創業融資は条件も良く取り組みやすいです。とはいえ起業する方の多くは借入を経験したことがなく、どのような融資制度なのか疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、新創業融資制度の概要とメリット・デメリット、審査ポイントについて解説します。これから起業する方はぜひ参考にしてください。

新創業融資とは

新創業融資は、これから起業する方を対象とした日本政策金融機関の融資制度の一つです。具体的な内容と要件を次の項で紹介します。

新創業融資の概要

新創業融資は創業者を対象として、最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)までの融資を受けられる制度です。2014年3月1日に実施された創新創業融資制度の改正により、創設2年未満の事業者であれば利用可能です。

ただし注意点として、新創業融資は単独では借入できません。民間の金融機関からの融資や、日本政策金融公庫公庫の融資と併用して借入することも条件のひとつです。そのため金融機関の融資が非承認となった場合は基本的には利用できないため注意してください。

新創業融資の要件

新創業融資を受けるためには以下の条件に該当している必要があります。

  • 新規事業を始める方、もしくは税務申告が2期以内の方

  • 創業資金総額の10%の自己資金がある方

特に自己資金の要件に関しては、以下の通り細かな条件が定められています。

<自己資金の要件を満たすものとする要件>

  • 現在勤めている企業と同じ業種で6年以上勤めている方、もしくは転職経験があっても通算して6年以上勤めた経験がある方

  • 大学などで習得した技能に関連した企業または職種に2年以上勤めた方

  • 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方

  • 民間の金融機関や公庫と併用して融資できる方

  • 一定の要件を満たした技術・ノウハウ等に新規性が見られる方

  • 新商品・新役務の事業化に向けた研究・開発、試作販売を実施するため、商品の生産や役務の提供に6ヵ月以上を要し、かつ3事業年度以内に収支の黒字化が見込める方

  • 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用予定の方

起業する事業が、「今勤めている企業と同じ業種の方」や「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」などに該当する場合は、本要件を満たすものとなります。

とはいえ、自己資金があれば必ず融資を受けられるというわけではなく、申込時に提出する事業計画書や申込者の状況次第です。あくまで自己資金は要件であり、必ず融資が認可されるわけではないため注意してください。

新創業融資のメリット

新創業融資のメリットは以下の5つが挙げられます。

融資審査が通りやすい

民間の金融機関の融資審査と比較すると、新創業融資の審査は通りやすいメリットが挙げられます。創業する事業内容が現在の勤め先にて経験がある方で、自己資金が10%という条件はそれほど厳しくありません。

創業して年数が経過してから民間の金融機関の融資を借入したい場合、年間の売上高や利益が良くないと融資は認可されません。新創業融資は政府系の金融機関である日本政策金融公庫が融資するため、起業者に対して前向きに審査してもらえます。

金利が低い

新創業融資の金利は「1%〜2%程度」であり、民間の金融機関より低いです。借入する金融商品によって異なりますが、金融機関の場合は1%〜10%程度です。

さらに新創業融資の金利は固定金利となるため、毎月安定した返済額になることから、キャッシュフローが回りやすいメリットにも繋がります。

担保・保証人が不要

新創業融資を借入する際、担保や保証人が不要となります。

民間の金融機関では不動産などの資産が担保となる傾向にあります。担保設定された資産は完済するまで外すことができないことから、他行からの融資を受けることが厳しくなります。新創業融資では担保が求められないため、資産を担保として民間の金融機関の借入と併用することも可能です。

申し込みから融資実行までが早い

融資の申し込みから審査、融資実行まで1か月程度でできる点は大きなメリットです。

民間の金融機関の場合、融資金額が大きいと支店の承認を得てから本部承認を得る必要があり、おおよそ2か月前後の期間を要します。新創業融資は申し込みからスピーディーに対応してくれるため、早く資金調達が可能となります。

6か月の返済据置期間がある

新創業融資は据置期間が設けられているため、創業時に返済に圧迫される可能性が低くなります。通常融資を受けた場合は、翌月から元本と利息を支払うことが多いです。

創業時は利益も出しにくいことから、新創業融資は設備資金と運転資金ともに、最大6か月を上限に返済を据え置くことができます。

新創業融資のデメリット

新創業融資のメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。ここでは2つ紹介します。

借入可能限度額がある

新創業融資の借入限度額は3,000万円であるため、場合によっては資金調達したい金額より不足する可能性もあります。とはいえ新創業融資は民間の金融機関や日本政策金融公庫の融資と併用して利用しなければいけないため、限度額はそれほど大きなデメリットとは言えないでしょう。

創業計画書や事業計画書等の書類作成に手間がかかる

新創業融資を受けるためには以下の必要書類を作成しなければいけません。

  • 借入申込書

  • 創業計画書

  • 月別収支計画書(資金繰り計画書)

  • 履歴事項全部証明書の原本(申込人が法人の場合)

  • 見積書(設備資金など)

融資を借入する方のほとんどが作成したことがないため、用意するまでに時間を要する場合が多いです。上記の他にも「身分証明書」や「勤務時の源泉徴収票」、「預金通帳など自己資金額がわかる書類」などを用意する必要もあります。

新創業融資の審査のポイント

新創業融資の審査の書類を提出したからといって融資の内定が出るとは限りません。審査をクリアするには以下の2点のポイントを意識しましょう。

十分な自己資金

新創業融資の審査は十分な自己資金が用意できるかがポイントです。本制度を利用するには創業資金総額の10%の自己資金がある方です。とはいえ10%ぎりぎりの金額ですと、「十分に返済できるのか」「生活費には影響がないのか」と判断され、審査が落ちるケースもあります。

また日本政策金融公庫の公式サイトによると、創業資金総額の約24%の自己資金が必要になる場合が多いと言われています。そのため10%では足りないことから、ある程度まとまった自己資金があると、審査が通りやすくなる傾向にあります。

返済計画の実現性

新創業融資の審査をクリアするためには、事業計画が安定し、毎月返済可能な収益が見込めるのかがポイントです。創業しても、ビジネスが成り立たず、収益が生めない事業であれば、返済能力が不足していると判断され、融資が認可されません。

新創業融資は事業と申込者に信用力がなければいけないため、返済計画の実現性が見込める事業計画を作成しましょう。

融資以外の資金調達方法

新創業融資以外にも資金調達する方法があります。ここでは2つ紹介します。

出資

出資とは株式を発行し資金を調達する方法です。投資家などが会社の株を購入し、資金援助します。基本的に出資を受けた企業は返済の必要がなく、リスクの高い事業にもチャレンジできるのがメリットです。

近年ではクラウドファンディングで資金を集める方も多いです。通常の出資とは異なり、資金提供してくれた方に商品など何らかの謝礼として返す方法であり、近年注目を浴びています。

補助金、助成金

創業時に補助金や助成金を出す自治体も多いです。東京都であれば、創業から間もない中小企業者等に対し「東京都創業助成事業」として最大300万円の補助金を設けています。その他にも「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」などもあります。

国だけでなく自治体からの助成金もあるため、創業する際は調べてみましょう。

まとめ

今回は新創業融資制度の概要とメリット・デメリット、審査ポイントについて解説しました。

新創業融資では、最大3,000万円まで融資を受けることができます。ただし自己資金として創業資金総額の10%が必要です。

民間の金融機関の融資審査と比べれば、比較的難しい条件ではないでしょう。とはいえ審査をクリアするためにはある程度まとまった自己資金と実現性のある事業計画が必要です。

低金利かつ保証人も不要ですので、新創業融資を申し込む際にはぜひ参考にしてください。

補助金申請をされる場合、事前に借り入れを起こしてから事業を実施し、補助金が振り込まれた後に返済を行うという方法もあります。興味のある方は是非ご自身の事業に当てはめて資金繰りを考えてみてください。

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