銀行に届け出ている印鑑を変更したい場合は、銀行で所定の手続きが必要です。変更の手続きは、どのような流れで進めれば良いのでしょうか。また、印鑑を変更した方が良いケースや、変更における注意点などを知っておくと、いざという時スムーズに手続きできます。
この記事では、銀行印の変更方法について、銀行ごとの流れも交えながら解説します。
法人が届け出ている銀行印を変更する方法は、銀行によって若干異なります。銀行ごとの変更方法を順に解説します。
みずほ銀行では、以下のものを準備したうえで、法人手続き受付店舗での手続きが必要です。
届け印(旧印鑑・新印鑑)
社判・ゴム判(利用している場合)
通帳・証書(発行している場合)
本人確認書類(来店者の本人確認書類に加え、登記事項証明書、印鑑登録証明書、官公庁から発行・発給された書類)
当該法人に在籍していることが確認できる書類(代表者以外の場合)
取引内容により、別途書類の提示が必要な場合もあります。
三菱UFJ銀行では、近隣の支店窓口で銀行印の変更を受け付けています。窓口は予約優先となっているため、来店予約をしたうえで以下のものを持参しましょう。
口座の通帳(証書)
届出印(新旧両方)
社判・ゴム版(使用している場合)
来店者の本人確認資料
当座預金を持っている法人は、上期書類に加え印鑑証明書と実印が必要です。
三井住友銀行では、支店窓口で届出印が変更できます。来店時には以下のものが必要です。
届出印(新旧両方)
通帳・証書
社判・ゴム判(使用している場合)
法人登記簿・商業登記簿謄本・商業登記簿抄本(発行日より3か月以内の原本)
印鑑登録証明書(発行日より3か月以内の原本)
実印
来店者の本人確認資料
来店前に予約をしておくと、スムーズに手続きできます。
ゆうちょ銀行に届け出ている銀行印を変えるには、以下の書類を持参のうえ、最寄りのゆうちょ銀行・郵便局の窓口で手続きを取ります。
届出印(新旧両方)
届出印を変更する口座の通帳・証書
来店者の本人確認書類
法人口座開設時に届け出た銀行印は、変更しない限り使い続けることができます。ただし、以下のケースに該当する場合は、銀行印の変更が必要です。
銀行印を紛失した・もしくは盗難に遭った場合は、口座を悪用されるリスクが高まるため、すぐに取引銀行へ連絡しましょう。銀行側で口座の取引停止の手続きをしてくれます。その後、銀行窓口へ出向いて銀行印の変更手続きを取りましょう。
銀行印を長く使っていたり落としたりすると、銀行印が欠けたり歪んだりする場合があります。この場合、届け出ている印影と同じものが出せなくなり、銀行印としての効力が失われてしまいます。新しい銀行印を用意し、変更手続きが必要です。
代表者が変わった・銀行印を新調したなどの理由で、新しい銀行印に変えたい場合も、窓口で手続きしましょう。
個人事業主などが、自らの苗字が入った銀行印を届け出ている場合、苗字が変更になった時の銀行印の取り扱いは銀行ごとで異なります。同じ銀行印を使える銀行もあれば、改印の手続きが必須となる銀行もあります。
ただし、旧姓の銀行印が使えても、融資取引などが必要になった場合、スムーズに手続きできない可能性があります。苗字が変わったら、銀行印も変更した方が安心です。
実印と銀行印は、役割が全く異なります。実印は、市役所などで印鑑登録をし、不動産や車などの購入などで必要なものです。一方、銀行印は銀行での各種手続きに必要となります。
同じ印鑑で実印と銀行印を登録していると、万が一紛失や盗難に遭った場合に悪用リスクが高まります。さらに、印鑑の変更手続きにも倍の手間がかかり、その分業務が滞ってしまうのです。実印と銀行印を同じものにしている場合は、すぐに変更しましょう。
銀行印を変更する時には、以下の点に注意が必要です。
銀行窓口の営業時間は、銀行法によって午前9時から午後3時までと定められています。一部の窓口では、午後3時以降も業務を行っているところがあります。
窓口に来店する際は、営業時間を確認する必要があるほか、予約が必要かを調べておくことが必要です。銀行によっては、前日までの来店予約が必要なところもあります。予約をせず当日窓口に出向いた場合は、手続きに時間がかかる可能性があるため注意しましょう。
銀行印の変更手続きを代理人ができるかについては、金融機関によって取り扱いが異なります。何度も足を運ぶ手間を減らすため、窓口へ出向く前に金融機関へ問い合わせておくと安心です。
代理人が銀行印変更の手続きをする場合は、委任状が必要です。まず本人が委任状に記入・押印し、代理人に渡します。その後、本人と代理人の身分証明書・新しく届け出る銀行印などを用意し、代理人が窓口へ出向きます。
代理人による手続きには時間と手間がかかるため、銀行印の変更手続きはできるだけ本人が出向くとスムーズです。
「銀行印を変更する方法」でも触れていますが、銀行印を変更する際には、以下のものが必要です。具体的に必要なものは、銀行や取引状況によって追加される場合があるため、ここでは一般的に必要とされているものを紹介します。
インターネット通帳で取引をしている場合は、銀行印の変更にキャッシュカードが必要な場合があります。
運転免許証・パスポート・住民基本台帳カード・マイナンバーカードなど、顔写真付きの身分証明書が必要です。代理人による手続きでは、本人と代理人両方の身分証明書を持参しましょう。また、社員が変更手続きを行う場合は、在籍を確認するため社員証や名刺なども必要です。
銀行印の紛失による変更であれば、今までの届出印は不要です。
これから登録する銀行印は、必ず持参しましょう。
窓口へ出向いてから、変更後の銀行印が有効になるまで、時間はどの程度かかるのでしょうか。
本人が窓口で手続きを取るのであれば、およそ10分程度で手続きできます。ただし、代理人での手続きでは時間がかかる可能性があるほか、当日の窓口の混雑状況次第で10分以上かかるケースもあります。時間に余裕を持っておくと安心です。
窓口への届け出が完了すると、基本的に新しい銀行印は即日効力を発揮します。しかし、銀行によっては若干時間差があるため、新しい銀行印をすぐに使いたい場合は窓口で確認しましょう。
今回は、銀行印の変更方法について解説してきました。変更方法について不明な点があれば、必ず取引先銀行へ確認してから手続きを取りましょう。