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【2024年11月施行】フリーランス保護の新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)を解説

経営財務
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更新:2024/08/20

「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が2023年4月28日に可決成立し、同年5月12日に公布されました。

同法は2024年11月1日に施行されます。

同法では、フリーランスに業務委託を行う発注事業者に対して、業務委託をした際の取引条件の明示、製品・サービス等の給付を受けた日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられています。

本記事では、フリーランス保護の新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の概要を、主に発注事業者の立場から詳しく解説します。

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フリーランス・事業者間取引適正化等法の概要

フリーランス保護の新法は2024年11月1日に施行されます。

そこで本章では、新法の概要、対象となる事業者や取引について解説します。

フリーランス保護新法では、働き方の多様化が進む中、フリーランスが発注事業者から業務委託(事業者間取引)を受けた際、安心して働ける環境を整備することを目的としています。

新法では主に以下の2つの環境整備をめざしています。

①フリーランスと発注事業者間の取引の適正化

②フリーランスの就業環境の整備

本記事では主に上記①の「フリーランスと発注事業者間の取引の適正化」について焦点を当て詳しく解説します。

対象となる事業者

新法の適用対象となる事業者とは以下の2つです。

対象

内容

フリーランス

【特定受託事業者】

業務委託の相手方である事業者で以下いずれかに該当するもの

①個人であって、従業員を使用しないもの

②法人であって、代表者以外に他の役員がなく、かつ従業員を使用しないもの

発注事業者

【特定業務委託事業者】

フリーランスに業務委託する事業者であって、以下のいずれかに該当するもの

①個人であって、従業員を使用するもの

②法人であって、役員がいる、または従業員を使用するもの

【業務委託事業者】

フリーランスに業務委託をする事業者(この範疇にはフリーランスも含まれます)

※ただしフリーランスでも、「従業員を使用している」「消費者を相手に取引している」方は新法の下でのフリーランスには該当しない点に注意

対象となる取引

新法の対象となる取引は以下の通りです。

image

出典: ここからはじめるフリーランス・事業者間取引適正化等法|公正取引委員会・中小企業庁

新法では、事業者からフリーランスへの委託、すなわち「B to B」が対象となります。

さらにフリーランスからフリーランスへの業務委託も対象となりますが、一方でフリーランスが消費者との間で行う取引は対象外です。(取引の相手方には事業者も含まれますが、この行為は単なる商品の販売行為と見なされるため)

また、形式的に業務委託契約を締結しているものであっても、実質的に労働基準法上の労働者と判断される場合、労働基準関係法令が適用され、本法は適用されないので発注事業者は注意が必要です。

ここで本法の対象となる「業務委託」についてあらためて定義しておきます。

「業務委託」とは、事業者がその事業のために他の事業者に給付に係る仕様、内容等を指定して、物品の製造、情報成果物の作成または役務の提供を委託することをいいます。

また本法の適用対象には、業種や業界の限定もなく、発注事業者からフリーランスへ委託する全ての業務が対象です。

下請法との違い

フリーランス保護新法と機能的によく似た法律に下請法(下請代金支払遅延等防止法)があります。

下請法とは、発注元が下請事業者に発注した商品・サービスに関して、代金の支払遅延、代金の減額、返品等の不利益を下請業者に与える行為を禁止する法律です。

しかし下請法は、発注元の企業の資本金が一定の金額以上になる場合に適用される法律です。(現行は発注事業者の資本金が、1,000万1円以上が対象)

参照元:ポイント解説 下請法|中小企業庁

一方、フリーランス保護新法の下では、発注事業者にこのような資本金要件の制限はありません。

フリーランスに業務委託を発注する委託事業者は、資本金額が1,000万円以下など、相対的に低いケースが多く、たとえ下請法で保護されない場合でも、フリーランス保護新法の下ではフリーランスが保護されるケースが増えるものと想定できます。

そこで発注事業者としても、フリーランスとの取引にあたり、フリーランス保護新法と下請法との違いもきちんと押えた上で業務委託する必要があります。

事業者の義務

前章において、フリーランス保護新法では目的として以下の2つの環境整備をめざしていることに触れました。

①フリーランスと発注事業者間の取引の適正化

②フリーランスの就業環境の整備

そこで発注事業者が守るべき義務項目を、発注事業者の種類別にまとめると以下のようになります。

義務項目

特定業務委託事業者以外(フリーランスに発注する事業者で従業員を使用していない)

特定業務委託事業者(従業員を使用している)

特定業務委託事業者(従業員を使用している)+継続的に業務委託を行う(下記の義務項目によって1カ月間、または6カ月)

書面等による取引条件の明示

報酬支払期日の設定・期日内の支払

禁止行為

募集情報の的確表示

育児介護等と業務の両立に対する配慮

ハラスメント対策に係る体制整備

中途解除等の事前予告・理由開示

以下の章では、上記義務項目のうち、発注事業者が特に注意しておかねばならない項目、取引条件の明示、期日における支払、禁止事項等について、さらに詳しく解説します。

取引条件の明示

発注事業者は、上記一覧表の発注事業者種類に関係なく全対象者が、フリーランスに業務委託をした際、書面等により、直ちに以下の取引条件を明示する必要があります。

  • 業務の内容

  • 報酬の額

  • 支払期日

  • 発注事業者・フリーランスの名称

  • 業務委託をした日

  • 給付を受領/役務提供を受ける日

  • 給付を受領/役務提供を受ける場所

  • (検査を行う場合)検査完了日

  • (現金以外の方法で支払う場合)報酬の支払方法に関する必要事項

期日における支払

発注事業者のうち、上記一覧表の特定業務委託事業者(含む継続的発注を行うもの)は、業務委託するフリーランスに対して、報酬支払期日の設定・期日内の支払が義務付けられています。

具体的には、発注事業者は発注した物品・サービス等を受け取った日から数えて、60日以内のできる限り早い日に報酬支払期日を設定し、期日内に報酬を支払うことが必要です。

禁止事項

発注事業者のうち、特定業務委託事業者に属し、かつ1カ月以上の業務委託をフリーランスにした事業者は、以下の7つの行為をすることが禁止されています。

  • 受領拒否

  • 報酬の減額

  • 返品

  • 買いたたき

  • 購入・利用強制

  • 不当な経済上の利益の提供要請

  • 不当な給付内容の変更・やり直し

要するに、新法の下では、フリーランスに特段の責任がないにもかかわらず、発注事業者が「発注した物品等を受けとらない」「発注時に決めた報酬を後で勝手に減額する」「発注した物品を受け取り後に返品する」などの行為を故意に行うことを禁じています。

上記の条件に当てはまる(可能性も含めて)発注事業者は、後で所管官庁から指導助言を受けたり、罰金を受けたりするリスクもありますので、十分その対応に留意して下さい。

またその他の禁止行為についても、発注事業者はフリーランスに対して十分な配慮が必要なので、詳細については以下の公式ページでご確認下さい。

参照先: ここからはじめるフリーランス・事業者間取引適正化等法|義務と禁止行為|公正取引委員会・中小企業庁

違反行為への対応

フリーランスは、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省等に対して、発注事業者に新法違反があったと思われる場合、その旨を申し出ることができます。

また行政機関は、申し出の内容に応じて、報告徴収・立入検査といった調査を行い、発注事業者に対して指導・助言のほか、勧告に従わない場合には命令・公表が可能です。

さらに命令違反には50万円以下の罰金が伴います。

そのため、発注事業者は取引したフリーランスから上記のような行政機関への申し出を受けないよう、日頃からフリーランスへの対応には十分な配慮が必要です。

また申し出したフリーランスに対して、発注事業者は、そのことを理由に契約解除や今後の取引を中止するなどの不利益行為を行うことも厳に慎む必要があります。

フリーランス・トラブル110番

ケースによっては、発生したトラブルがそもそも法違反なのか、よく判定できない場合があります。

その場合、フリーランスはフリーランス・トラブル110番に相談が可能です。

フリーランス・トラブル110番は、フリーランスが弁護士にワンストップで相談できる窓口で、2020年11月から設置されています。

もちろん本窓口を経由せず、直接法所管官庁(公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省)に申告することも可能です。

参照先: フリーランス・トラブル110番

まとめ

2024年11月施行のフリーランス保護の新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)について、実施の概要や発注事業者としての注意点など、詳しく解説しました。

フリーランス保護新法は受託事業者であるフリーランスを手厚く保護する法律であるとともに、業務委託の発注を行う事業者に対して各種義務の履行を厳しく求める法律です。

フリーランス保護新法に関心を持たず、これまでのように安易に発注事業者がフリーランスに対処していると、フリーランスに行政機関に相談されてしまい、毎日の業務に支障を来してしまう可能性さえあります。

そのようなリスクを負わないためにも、発注事業者としては、新法の趣旨や目的を十分理解し、ルールを守って事業運営に活かす努力が必要です。

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