少子化の影響により、人材採用の現場では、求人募集数よりも応募者数がはるかに少ない「超売り手市場」が大きな問題となっています。人材確保が難しくなっている中で、人材採用に失敗しないためには、重要ポイントを押さえて採用活動に取り組むことが必要です。
本記事では、人材採用に失敗しないための解決方法やポイントなどを解説します。
人材採用とは、自社の組織運営に必要な人材を確保するため、試験や面接などを実施して適切な人物を選び雇い入れることです。人材採用には、就業経験がない学生を採用する新卒採用と、社会人経験を持つ人材を採用する中途採用があります。
人材採用を行う目的には、主に以下の内容が挙げられます。
欠員を補う
人員不足を解消する
人材育成を促進する
企業の課題を解決する
企業組織を活性化させる
社風を一新する
事業拡大に向けて体制を整える
人材を「人財」と表現する企業もあるように、企業にとって人材は貴重な財産です。企業が描く将来像に合った人材を確保するには、人材採用の目的や採用基準・採用後の戦略などを明確にしておくことが重要です。
人材採用の現場では、常に企業が求める人材がすぐに見つかるわけではありません。人材採用の課題として、以下の内容が挙げられます。
採用のミスマッチ
人材が集まらない
内定辞退
定着率が低い
応募者に対応しきれない
KGI、KPIの設計ができていない
それぞれの課題について、詳しく解説します。
求職者が求める労働条件と、企業が求める人材要件との間で認識のずれが起こると、採用のミスマッチが発生します。ミスマッチが起こるのには、主に以下の原因が考えられます。
人材が持つスキル
就労条件(雇用形態・勤務時間・賃金など)
仕事内容
職場の人間関係
社風
上記の原因には、人間関係など入社後初めて分かるものもあり、ミスマッチを完全に防ぐことは難しいでしょう。
近年、働き方改革により仕事のあり方も多様化しており、これまでの採用方法ではミスマッチが増えてしまう可能性もあります。採用市場の動向に常に意識を向け、自社の労働条件と照らし合わせながら改善策を立てることが重要です。
少子高齢化のあおりを受け、生産年齢人口(国内の15歳から64歳の人口)は減少を続けており、そもそもの応募者も減っています。これに加え、求人の応募資格内容とターゲットが適切でない場合、応募が集まらない結果を招きます。応募資格内容のレベルがあまりにも高いと、求職者にとって応募のハードルが高くなり、結果として人材が集まらないのです。
また、ターゲットとしたい人材以外の応募が多いときは、応募資格の記載内容が適切ではないと考えられます。例えば、経験者を募集したい場合に、募集要項に経験不問と書いてしまうのは避けたいものです。自社がアピールしたい情報のみを広めても、ターゲットが求める情報が伝わらないと、人材が集まらなくなってしまいます。
内定を出したのに辞退されてしまう点も、採用担当者にとって大きな悩みです。特に、新卒採用よりも中途採用の方が、内定辞退が多い傾向があります。
内定辞退の理由は、より条件が良い企業から内定をもらった・労働条件の希望が受け入れられなかった・転職予定だったが現在の勤務先で引き留められたなど、さまざまです。中には、内定を出した後に、企業から内定者へ何もフォローせず、本人が不安に思い辞退するケースもあります。
内定を出し無事に入社したものの短期間で辞めてしまうと、定着率が低くなってしまいます。定着率が低くなる原因として、入社前と入社後のギャップが大きい・新入社員に対する研修制度やフォロー体制が十分整っていないなどがあります。
自社の厳しい面を入社前にしっかり伝えておくと、新入社員は覚悟を決めて入社でき、定着率のアップが期待できます。また、入社後に新入社員に対するフォロー制度を設け、新入社員の不安や疑問点などが解決できる場を作ると、安心して働けるでしょう。
応募条件が良い場合など、想定以上に応募者が多かった場合は、応募者に対応しきれないこともあります。例えば、募集人数が少ない求人の条件に「未経験者歓迎」との記載があったり、同じ条件で募集している他社よりも給与が高かったりすると、応募者に対応しきれなくなるでしょう。
応募者が多いと、応募者とのやり取りや内定までに手間と時間がかかります。求人募集に掲載する情報の量や内容を精査することで、応募者数を絞り込めるようになります。
明確な目標を設定せずに採用活動を始めてしまうと、採用ができない場合はもちろん、もし採用ができたとしてもそれが良かったのか悪かったのか、また選択した採用手法が良かったのか悪かったのかがわからず、次に進めなくなることがあります。
人材採用を行う際は、採用したいターゲットや予算に合わせたKGI(採用人数などの最終目標)、KPI(応募数、面接数などの中間目標)を設定し、振り返りをしながら次に進むことが大切です。もし自社に設定のための基準がない場合は同様の業種・職種で採用を行っている他社や求人メディアの担当者などから情報を得るとよいでしょう。
人材採用の課題を解決し、自社の方針や社風に合う人材を採用するには、以下のポイントを徹底することが重要です。
企業が求める人物像を明確化
過去の採用データの分析
SNSの活用
入社前後のフォロー強化
働き方の多様化
求人情報や求人票、採用手法の差別化
「人材採用の課題」の項において、上記のポイントについて触れた点もありますが、ここではさらに掘り下げてポイントを見ていきましょう。
最初に、採用したい人物像を明確にするために、採用ペルソナを設定します。採用ペルソナとは、応募者の年齢・性別・居住地・家族構成・職歴・ライフスタイルなどを基にして作り上げた、採用したい理想の人物像を指します。ペルソナと似た言葉にターゲットがありますが、ターゲットはペルソナほど人物像を細かく設定しません。
採用ペルソナの設定により、企業は応募者のイメージが湧きやすくなり、応募者も仕事が合っているか判断しやすくなります。また、自社に欲しい人材のイメージを、違う部署同士でも共有できるようになり、スムーズな採用活動が可能です。
年に一度行う新規採用とは異なり、中途採用の時期は決まっておらず、人材が必要な時に実施されます。中途採用を実施するときには、過去の採用データの分析が必要不可欠です。過去のデータを見返すことで、成功事例だけでなく課題が発生したタイミングが分かります。
成功事例は次回の人材採用で活かし、見つかった課題はできるだけ早いタイミングで解決できるよう、社内で精査しましょう。データ分析を行うことで、自社に合う人材を採用できる可能性が高まります。また、ここで前述したKPI設計ができていれば、分析が明確かつ容易になります。採用の可能性を上げるためにも、各種設計と日々のデータの蓄積はしっかりと行っておきましょう。
近年では、X・Instagram・Facebook・Tiktok・LinkedInなどのSNSを使い、情報発信をしたり求人募集を行ったりする会社も増えており、効果的な活用方法のひとつとして浸透しています。特に、若年層の人材を採用したい場合は、求職者とコミュニケーションが取りやすいほか、求職者もSNSから情報を集めているケースが多いのです。
SNSは、情報の拡散性が高い一方、アカウントの管理や投稿などにおける工数が多く、社員に負担がかかる場合もあります。対象としたい応募者や社内事情も踏まえながら、SNSの活用を検討すると良いでしょう。
人材採用は、完了したら業務が終わるものではなく、完了後のフォローも業務に含まれます。新入社員が安心して働けるよう、相談相手になることも重要な業務です。
入社前や入社直後は、相談できる相手が周囲におらず、1人で悩んでいる社員がいるかも知れません。この状態のまま何もフォローしないと、早期退職につながるおそれもあります。
入社前に定期的に連絡を取ったり、入社後は採用担当者や上司が様子を聞いてみたりすると、新入社員が相談しやすい関係性を構築できます。近年は、複数の企業に同時に応募し反応を見る求職者も増えており、これまで以上に細やかなフォローが求められます。
働き方が多様化している現代では、正社員や契約社員に対しても副業を許可する企業が増えています。時代の流れに合わせて新しい働き方を導入することで、求職者に対するアピールポイントにでき、採用率の向上や離職率の抑制につながります。
自由な働き方を求めている求職者の目を引くには、自社で導入している働き方を記載することが重要です。同時に、これから新しい働き方ができるよう、副業を許可するなどの制度の導入を打診すると、今後の人材採用にも良い影響を与えるでしょう。
求人情報、求人票の記載内容は、求職者が自社を理解する最初の情報であり、求職者が興味を持つかどうかは内容や書き方に大きく左右されます。他社との差別化を図ることで、ターゲットとしたい求職者にアプローチができます。
例えば、女性を採用したい場合は、育児やキャリアアップの支援についてのアピールが効果的です。経験者を採用したいのであれば、必要なスキルを求人票に記載したり資格手当などを導入したりすると差別化できます。
ただし、当然のことながら年齢や性別によって選考基準に差を設けることは男女雇用機会均等法に違反しますので、記載する情報および表現については十分な注意が必要です。最近では職業安定法の改正によって、求人企業が自社HPや求人メディア等に掲載すべき情報がより厳格化されています。それらを把握したうえで、上手に差別化を図っていきましょう。
また、自社にあったターゲットのみを抽出し、的確にアプローチをするためには、一つの採用手法のみに頼らず様々な採用手法を組み合わせることが重要になります。時には人材紹介サービスやスカウトサービスなど第三者のサービスを利用することで解決できることがあります。
それでは、多様な採用手法について解説していきます。
人材採用を効率良く進めるには、企業に合った手法の選択が必要です。採用で主に用いられている手法は、以下の8つです。
ポテンシャル採用
ジョブ型採用
人柄重視採用
アセスメント採用
SNS採用
リファラル採用
アルムナイ採用
それぞれの手法について、さらに詳しく解説します。
ポテンシャル採用とは、これまでの実務経験やスキルで判断するのではなく、求職者の仕事に対する意欲や熱意・潜在能力(ポテンシャル)などに目を向け、将来性を重視して採用する手法です。スキルを重視する選考方法では、潜在能力を見抜くことは難しいですが、ポテンシャル採用では協調性や人柄などを評価します。
求職者にとっても、ポテンシャル採用であれば未経験の業界にチャレンジできます。近年では、仕事にやりがいを求める求職者も多く、やる気のある人材を獲得できるチャンスが広がるのです。
ジョブ型採用とは、企業側が職務内容を明確に定義する職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、条件に合致する人材を採用する手法であり、ジョブ型雇用とも言われています。海外では主流となっている雇用制度ですが、日本でもコロナ禍をきっかけとしてジョブ型採用を導入する企業が増加しました。
ジョブ型採用は、業務内容や役割が明確に決まっており、原則として異動・転勤・残業命令などはできません。また、給与や報酬は業務内容や役割によって定められます。
人柄重視採用は、応募者のスキルや経験ではなく、素直さや向上心などの個性や性格・人柄などに重点を置いた採用手法です。応募者側から見ると、ポテンシャル採用と同様、未経験であっても応募できるメリットがあります。企業側では、幅広く人材を集めることができ、企業文化や社風との相性などによって対応を行うことができます。
人柄重視採用により、これまでになかった新しい視点やアイデアを取り入れられるほか、チームビルディングがスムーズに進められる点も、大きなメリットです。
アセスメント採用は、人材アセスメントを利用し、公平かつ客観的に応募者の適性を評価する採用手法です。アセスメントとは、調査に基づく客観的な査定・評価・分析という意味を持つ言葉です。
面接官による面接では主観が入りやすいですが、アセスメント採用ではバランスの取れた選考結果を出すことができます。ポテンシャル・ジョブ型などの採用手法においても、アセスメントにより能力や資質を数値化することでミスマッチのリスクも低減できます。ただし、コストがかかる点や、人事部の負担が増える点などは覚えておきましょう。
「人材採用の課題を解決する方法」の項で解説したように、SNSは今や採用活動に必要不可欠なツールです。SNS採用はソーシャルリクルーティングとも呼ばれ、Z世代にあたる新卒や第二新卒などでの活用に高い効果が期待できます。
SNS採用では、応募者のアカウントの登録内容や投稿内容から人柄を垣間見ることもできます。企業のリアルな情報が発信しやすく、基本的に無料で利用できる一方、常に新しい情報を発信するためのマンパワーが必要です。
リファラル採用は、社員や取引先など信頼できる人物から人材を紹介・推薦(リファラル)してもらう手法です。求職者は、実際に働いたり取引したりしている知人から企業のリアルな情報を知ることができ、ミスマッチを減らすことができます。
企業側は、求職者の情報を事前に紹介者から入手でき、条件が合えば即戦力となる可能性も高いと言えます。さらに、求人サイトの掲載料やイベントの出展料などのコストも軽減できます。
アルムナイ採用は、以前勤めていた人材が、転職や企業などの事情により退職したのち、再雇用する採用手法です。出戻り制度・カムバック制度などとも言われます。
アルムナイ採用では、自社の業務や理念を理解した人材が他社で経験やスキルを積んで
戻ることで、即戦力として活躍できます。採用コストや研修コストも大幅に削減できるうえ、退職しても戻りたい会社としてブランディング向上にもつながります。
人材採用の方法には、Webや紙媒体による求人広告の利用、イベントへの参加などがあります。具体的な方法として、以下のものが挙げられます。
求人サイトに掲載
求人検索エンジンに掲載
自社採用ページを制作
ハローワークに掲載
転職フェアに参加
求人誌に掲載
人材紹介サービスの利用
それぞれの方法の特徴について見ていきましょう。
求人サイトは、人材を募集したい企業が求人広告を掲載し、求職者の応募を募るサイトです。求職者は、好きなタイミングでいつでも閲覧・検索でき、幅広い人材を集めやすいメリットがあります。専門性が高い業種であれば、特定の業種や職種などに特化したサイトを利用すると、さらに効果が高まります。
なお、求人サイトの多くはメールなどで求職者をスカウトする機能がついています。最近では求職者からの応募を待つのではなく、求人企業側からスカウトメールを積極的に送付するスカウトサービスを中心としたサイトもあります。広告掲載だけで終わらず、スカウトにおける工夫、注力の度合いによって他社との差別化を図ることも可能です。
ただし、求人企業が守るべき求人情報やスカウト文面の記載ルールについては十分注意が必要です。
求人検索エンジンは、求人に特化した検索エンジンを指しており、求人ボックスやIndeedなどが一例です。無料で掲載できるものが多く、幅広い求職者が閲覧できるようになっています。有料オプションを利用すると、検索結果の表示画面の上部に表示できるシステムもあります。
なお検索エンジンにおいても掲載すべき情報には配慮する必要があります。求人検索エンジンは機能改変が頻繁に行われることから、より一層の注意が必要です。
自社のホームページに採用専用ページを設け、人材を募集する手法です。自社の方針や理念、アピールしたい点など生の声を詳細に掲載でき、雇用のミスマッチの発生リスクを低減できます。第三者を介した採用手法とは異なり企業から積極的にアプローチができるため、「攻めの採用」とも言われています。
自社採用ページで採用を行うメリットは、求める人材にエージェントを介さず直接アプローチできる点です。採用までの時間を短縮できるだけでなく、マッチングミスも防げます。その反面、サイト作成などの事前準備に時間がかかることや、閲覧数を増やすためのSEO対策など、内容のこまめな更新が必要です。
ハローワーク(公共職業安定所)は、国が運営する公的な雇用サービス機関であり、全国で利用可能です。100年以上の歴史があるとされており、知名度も高く幅広い年代の求職者が利用しています。地元企業の採用に強いほか、採用者によっては国や地方自治体が実施する助成金の受給も可能です。
転職フェアでは、多数の企業がイベント会場にブースを出展し、来場した求職者と直接話ができます。1日で多くの求職者と会うことができ、その場で面接できるサービスの利用により選考までの時間短縮につながります。都市部に比べ、地方での開催は少ない傾向にあるため、フェアの日程などを定期的にチェックすると良いでしょう。
求職者が有料で購入する求職情報誌・新聞の求人広告欄や折り込みチラシ・無料のフリーペーパーなどの紙媒体を使って募集する方法です。エリアごとに配布されるため、地域の人材を採用するのに効果が見込まれます。また、インターネットに不慣れな年齢層を募集したい場合にも、求人誌が欠かせません。
人材紹介サービスは、人材紹介会社が自社にマッチした人材を見繕って紹介してくれるサービスです。候補者の事前スクリーニングなどの工数が削減ができるため、求人広告や自社HPで応募数過多の場合や、応募段階でのミスマッチに悩む場合に適しています。料金は採用が確定してから発生する成功報酬型のものが多く、掲載課金型の求人サイトなどに比べると初期段階のコストが非常に小さいのもメリットといえるでしょう。
一方、最終的な1人あたりの採用コストは求人サイト掲載の2~3倍になってしまうこともあります。限られたスキルや経験を持った求職者を求めると更に高くなることもあるので、採用人数や求めるスキルによって慎重に判断する必要があります。
なお、人材採用には正社員採用以外にも長期インターンを採用するという方法もあります。インターン採用が初めての方は、マッチングサービスを利用する方法もありますのでご興味ありましたらご覧ください。
人材採用に向けて、以下の流れで進めていくと高い効果が見込まれます。
採用戦略・KPIを設計する
求職者へのアプローチ方法を検討する
採用の評価基準を設定する
採用選考を実施する
採用を通知する
採用活動を振り返る
各ステップでどのような行動をとれば良いのか、ひとつずつ解説します。
最初に、自社の現状をふまえ、企業が抱える問題解決や今後の成長などに向けた採用戦略を立てます。採用活動を効率良く行い、自社に合った人材を確保するには、以下のポイントを明確にしておくことが重要です。
採用の目的(組織の拡大・新規事業の立ち上げ・欠員補充など)
採用する人数・部署
入社時期
人材の条件(経験者もしくは未経験・求める資格など)
採用方法
採用コスト
母集団の数(応募人数)、面接人数、面接通過人数
人事評価の方法
上記のポイントが分かると、必要とする人材像が明確になり、また採用手法を進めながら日ごと、週ごと、月ごとの振り返りと次の打ち手が決められるようになってきます。
求める人材像が見えてきたら、人材像をターゲットとし、ターゲットに合う効果的なアプローチ方法を検討します。新卒採用であれば、SNSの活用や就活イベントへの参加、大学の就職課を通じた求人募集などが効果的です。中途採用では、ハローワークへの登録や転職イベントへの参加、転職エージェントからの紹介、リファラル採用などが利用候補に挙がるでしょう。
上記の方法からひとつ実施すれば、確実に求職者が集まるものではありません。自社の業務内容や現状を踏まえながら、適切な媒体をいくつか選択してアプローチ方法を検討しましょう。
求める人材を明確にしたうえで、採用の評価基準を設定します。このとき、配属先の上司や面接官などの主観で評価基準がぶれないよう、公平な視点で決められる評価基準を設定しなくてはいけません。
基準を設定するには、まず求職者に求めるスキルや経験などを言語化した人材要件定義を作成します。そして、自社に合った人材を獲得するため、実際に在籍している優秀な社員を分析したコンピテンシーモデルを作成します。
人材要件定義とコンピテンシーモデルを基にして採用ペルソナを設定したら、重視すべき評価基準を設定しましょう。基準を明確にすると、公平になるだけでなくミスマッチを防げます。
評価基準が決まったら、実際の採用選考に入ります。求人を出したのち、書類選考を経て面接や適性検査などを実施します。
採用選考で最も重視したいのは面接であり、書類だけでは把握できない人柄や熱意などを見極めることが大切です。
選考後およそ1週間以内に、応募者に対して結果を連絡します。電話・メール・SNS・郵送などの中から、自社でやりやすい方法を使って連絡しましょう。
採用通知を出す場合は、研修日や入社日などの予定を知らせておくと応募者が予定を組みやすくなります。一方、不採用になった応募者へは不採用通知を送りますが、不採用となった理由は明言しないのが一般的です。
最後に、一連の採用活動を振り返り、採用の目標は達成できたか・活動中に課題が発生したかなどを記録しておきましょう。特に、数値で把握できる応募者数・内定者数・辞退率などは記録に残しておくと次回の採用活動の参考にできます。
うまくできた活動はノウハウを残し、反対に反省すべき点があれば改善策を次回へ引き継ぎましょう。振り返りと改善を繰り返すことで、自社に合った採用活動が確立できます。
ここまで、人材採用の流れを解説してきましたが、人材採用を成功させ企業の発展を目指していくには、以下のポイントを踏まえておくようにしましょう。
自社に合う採用方法を見極める
求職者に情報を提供する
適切なKGI(ゴール)、KPI(中間目標)を設計する
職場環境の見直し
自社とフィットする人材を採用する
他社での成功事例を、自社でも同じように取り入れたとしても、必ずしも成功できるとは限りません。企業ごとで採用事情は大きく異なるうえ、自社の採用ターゲットと合致しないと成功には至らないのです。
求人サイトの選択や、自社の情報の発信手段、新卒又は中途どちらを採用するかなど、検討事項は多岐にわたっています。採用ターゲットに合わせて、これらをひとつずつ見極めながら、自社に合った方法で行う必要があります。また一つの採用手法でうまくいかない場合は、そのほかにも方法がないか、色々と試してみるのがおすすめです。
企業が求職者に伝えたい情報と求職者が知りたい情報が異なる場合、企業に対して求職者が興味を持ちにくくなる傾向があります。給与や労働時間などの雇用条件だけでなく、働く現場の雰囲気や先輩社員の生の声・将来の展望など、実際に働くうえでターゲットが知りたい情報を提供するようにしましょう。
それぞれの採用計画や手法におけるゴールは何か、またそれぞれのプロセスにおいて何をどこまで達成したいのかを明確に設定しておきましょう。そうすることで効果があったのかの振り返りができ、また次に同じ手法で採用する場合の目標設定にも役立ちます。現場の採用担当社としてはもちろん、経営者や会社全体としても採用の目的を見失わずに済みます。
求める人材を無事に採用できても、受け皿となる職場環境が悪いと、離職してしまうリスクが高まります。残業が当たり前になっている・コミュニケーションがスムーズに行かないなどの課題があれば、早急な改善が必要です。
職場環境を見直すことで、新入社員だけでなく既存の社員の離職率も低くなり、誰もが前向きな気持ちで働ける環境が構築できるでしょう。
学歴や職歴が優れていても、必ずしも企業に合うとは限りません。自社に合う人材を見つけるには、性格・価値・考え方・行動特性などに着目することが必要です。これがコンピテンシーであり、コンピテンシーを採用基準に含めることで、自社に合う人材なのか・活躍が期待できるかなどを判断しやすくなります。
人材採用は、企業の発展や将来を左右する大きな要素です。自社に合う人材を採用するには、本記事で解説した内容を参考にしながら、ひとつずつ着実に実行していきましょう。
人材採用には厚労省の助成金が活用できることがあります。詳しく知りたい方は、以下よりお問い合わせください。