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事業再構築補助金の概算払いとは?必要書類と請求手続き、注意点を解説

補助金
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更新:2024/07/05

補助金制度では、補助金の大半が事業完了後に支払われるのが一般的ですが、すでに納品・支払を行った補助対象経費について、補助金の支払いを受けられる制度が「概算払い」です。

事業再構築補助金においても、支払の必要があると事務局が承認したものに限り、概算払いが受けられます。本記事では、概算払いの概要や必要書類、請求の流れ、請求における注意点など、事業再構築補助金の概算払いについて詳しく解説します。

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事業再構築補助金の概算払いとは

事業再構築補助金の概算払いは、補助金の一部について先払いが受けられる制度です。通常、ほとんどの補助金は事業終了後の完了報告を終えた後で支払われますが、事務局が必要であると認めた経費は、特例として先に入金してもらえます。事業再構築補助金も同じように、事務局の承認がおりた経費については先に補助金の支払いが受けられるのです。

通常、事業再構築補助金が入金されるまでには、採択されたのち1年半から2年ほどかかります。一方で概算払いを利用すると、補助事業実施期間中に支払手続きが行われます。不備がなければ、申請から8営業日程度で承認され、補助金の受け取りが可能です。

概算払いにより、補助事業の進行がスムーズになるほか、資金調達の懸念もなくなります。補助事業には多額の経費がかかるため、補助金を早めに受け取ることで事業者にとって資金繰りがしやすくなる点が、概算払いの大きなメリットです。

なお、概算払いを受けられるのは、支払い済かつ納品済みである補助対象経費です。納品前には請求ができない点に注意しましょう。

概算払いと精算払いの違い

概算払いと似た言葉に「精算払い」がありますが、2つの支払い方法は補助金の入金タイミングが異なります。精算払いは、補助金制度における通常の入金方法であり、補助事業終了後に実績報告・補助金額確定・精算払い請求などを経て入金されます。

概算払いの上限金額

概算払いは、補助金の全額が受け取れるわけではありません。請求額の上限額は、以下の式によって定められています。

補助対象経費(支払い・納品済)× 補助率 × 0.9

例えば、300万円の機械装置を購入(支払い・納品)し、概算払いを利用する場合の計算式は以下の通りです。(申請枠:通常枠、補助率:2/3の場合)

300万円 × 2/3 × 0.9 =180万円

上記のように、概算払いで受け取れる上限額は、支払った経費の9割となっています。概算払いを検討されている場合は、全額の支払いではない点を必ず覚えておきましょう。

概算払いの必要書類

概算払いの申請に必要な書類は、以下の通りです。

書類

備考

補助金概算払請求書

経費明細書等

見積依頼書

仕様書があれば併せて提出

見積書

発注日時点で有効期限が切れていないもの。交付申請時に相見積書を提出していれば、相見積書も併せて提出

発注書・注文書

請書・注文確認書・契約書

納品書・引渡書または完了報告書

検収の日付・担当者名が記載されているもの

納品時の写真

購入物品ごとに必要。製造番号が設定されている場合は、表示部の拡大写真により納品を確認

請求書

振込先の口座が記載されている

銀行の振込金受領書または支払い証明書

Web振込の場合は、支払ったことを示す記録等の画面コピー

出納帳

補助事業者の通帳コピー

jGrantsで登録した振込先の確認のため

上記の書類のうち、補助金概算払請求書と経費明細書等以外は、実績報告時と同等の書類の準備が必要です。

概算払いの請求手続きの流れ

事業再構築補助金の概算払いの請求手続きは、どのような流れで進めれば良いのかを見ていきましょう。

まず、「概算払いの必要書類」の項で説明した書類を揃えます。活用書類が記載された補助事業の手引きは、採択後でも改訂されるケースがあるため、必要書類が変更となる可能性もあります。変更点がないか確認したうえで、書類を準備すると安心です。書類の準備に時間がかかることも多いため、早めに対応するようにしましょう。

書類が準備できたら、jGrantsから提出します。jGrantsへの入力方法については、事業再構築補助金の公式サイトにあるZIPファイル「Jグランツ入力ガイド」をダウンロードして、内容を参考にしながら手続きを取りましょう。

概算払いの申請が完了し、書類の不備などがなければ、8営業日ほどで承認を受けられます。銀行へ振り込まれるまでにかかる日数は、金融機関によって若干違いがあるほか、書類に不備があると修正や再提出を求められることもあります。余裕を持って申請をし、資金を無事に受け取れるよう、早めに準備を進めましょう。

概算払いの注意点

事業再構築補助金の概算払いを希望する場合には、注意点の内容も理解しておかなくてはなりません。ここでは、注意点を3つ解説しますので、きちんと把握しておきましょう。

概算払いの対象が限られる

「事業再構築補助金の概算払いとは」の項でも解説したように、概算払いの対象は納品済みかつ支払い済みの設備等にかかった経費に限られます。これから導入を検討する・もしくは購入する設備等にかかる費用は、概算払いが受けられません。

また、以下に該当する場合は概算払請求ができないと手引きに記載されているため、注意しましょう。

  • 補助対象経費として計上したものすべてが納品及び支払いまで完了し、かつ、事業計画のうち補助事業実施期間内の計画内容が完了している場合(補助事業が完了しているため、実績報告の提出が必要)

  • 交付決定時(計画変更承認時)に建物費を計上されており、かつ建物の改修であり、かつ改対象の建物に抵当権等の担保権が設定されている場合

つまり、精算払いでの申請が可能である・建物の改修に対して担保権が設定されているなどの場合、概算払い請求は不可能です。さらに、担保権が設定されていると、改修費用以外の購入費に関しても概算払いができません。これは、担保権の設定で資金を確保していると見なされるためです。

概算払いは、事業再構築補助金にかかる全ての経費に該当できる制度ではありません。申請する経費が概算払いの対象になっているかどうか、きちんと確かめてから申請しましょう。

申請できるのは1回のみ

事業再構築補助金において、概算払いの申請ができるのは、1回のみと規定されています。さまざまな理由で申請が認められなかった場合、再申請ができないだけでなく、2度目の申請で異なる経費を計上することも不可能です。このため、概算払いの申請は慎重に考えなくてはなりません。

概算払いを申請する場合は、書類の不備で却下される事態が発生しないよう、十分な確認が必要です。

申請しても認められない場合がある

事業再構築補助金の概算払いはあくまでも特例であり、精算払いが原則です。全ての申請に対して概算払いが認められるのではなく、申請内容を事務局側が審査し、概算払いの必要性がある経費のみが概算払いの対象となっています。

事業再構築補助金だけでなく、どの補助金でも概算払いの審査は厳しく見られます。活用できるのは、事業開始に概算払いの利用が必須だと認められたケースが中心です。資金に余裕がある事業者に対しては、概算払いが認められないことがほとんどです。

概算払いは実績報告時と同等の書類提出が求められるため、書類作成には相当な手間がかかります。にもかかわらず、上記で述べたように、必ず申請が認められるとは限りません。可能であれば、概算払い以外の資金調達手段の候補も考えておくと良いでしょう。

まとめ

本記事で紹介してきたように、事業再構築補助金の概算払いは、補助事業に必要な資金面に不安を感じる事業者にとってとても役立つ制度です。しかし、全ての申請で認められる制度ではなく、厳しい審査を経て認められた経費のみが概算払いを受けられます。

概算払い以外での資金調達は可能か・書類の準備に漏れはないかなど、概算払いに関してチェックすべき点はたくさんあります。確実に概算払いを受けるために、補助事業の手引きを確認しながら申請準備を進めていきましょう。

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