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イグジットとは?種類と戦略、成功の秘訣や注意点を解説

経営財務
M&A・事業承継
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更新:2024/02/04

投資家や起業家が投資のリターンを得るための出口戦略をイグジットと呼びます。イグジットにより投資資金の回収や利益の獲得を行うためには、適切にイグジットの種類を選択し投資を成功に導くことが重要です。

この記事では、イグジットについて詳しく説明しますので、株式を保有している投資家や起業家などの方はぜひ参考にしてください。

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イグジットとは

イグジット(exit)とは、企業の株式を保有している創業者・出資者・経営者などが株式を売却し、投資した資金を回収したり利益を獲得したりすることです。資金の回収により、投資した会社から撤退するため、出口・出るなどの意味を持つ「イグジット」という言葉が使われます。

出資者が企業に対して資金提供をする場合に、出資者はイグジットについて企業が立てた具体的な計画を基にして、投資資金が回収できるか・利益が獲得できるかなどの判断を行います。このため、イグジット計画は、企業の資金調達計画と大きく関係しているのです。イグジット計画を適切に定めることで、十分な資金調達が達成できると、創業者や経営陣のモチベーションが上がるきっかけにもなります。

イグジット計画は、主に以下の項目を中心として立てることが重要です。

  • イグジットの種類・手法のうち、どれを採用するか

  • いつイグジットを行うか

  • 創業者などにもたらされる利益がどのくらいになるのか

イグジットの具体的な種類については、後ほど詳しく解説します。

エグジットファイナンスとの違い

エグジットファイナンスは、イグジットと言葉が似ていますが、意味は大きく異なります。イグジットは、株式の売却により経営者が利益を得るものです。一方、エグジットファイナンスは、事業再建を目指す企業が早期に再生するため行われる融資をさしています。なお、エグジットファイナンスの「エグジット」は、再生手続きが終わることを意味しています。

イグジットの動向

イグジットは、大きく分けてIPO(株式公開)とM&A(事業承継)に分類されます。日本では、ベンチャー企業に対してイグジットを実施する場合、IPOを選択するケースが多くなっています。これは、創業者がイグジットをした後も、事業を継続する傾向があるためです。M&Aについての知識や経験が不足しているため、IPOを選択するケースもあります。

近年では、若手創業者を中心として、M&Aに対する抵抗感が薄れており、種類株式によりM&Aに対応するベンチャー投資も増えているのが実状です。これにより、M&Aで短期間のイグジットを実施する事例も増えると想定されています。

2段階イグジットとは

2段階イグジットとは、M&Aによるイグジットにより未上場企業が大企業の傘下に入ったのち、IPOを目指す手法です。この場合、未上場企業の創業者は、株式の過半数を大企業に売却することで、事業の成長を図ります。その後、創業者は株式を保有したまま企業に残り、大企業とともにIPOを目指していくのです。

創業者にとって、将来的なIPOと上場を見据えた企業価値評価によってM&Aができるため、通常のイグジットよりも売却価格を高くできる可能性があります。一方、大企業から見ると、IPOによる利益が確定する前に創業者が企業を去る可能性は非常に低くなり、信頼関係が構築されます。これにより相乗効果が継続的に生まれ、M&A後の事業で想定されるリスクを軽減できる点がメリットです。

日本と海外のイグジット戦略

日本と海外では、イグジット戦略の内容が異なります。国の事情も関係するイグジット戦略が、どのようになっているのかを見ていきましょう。

日本のイグジット戦略の特徴

「イグジットの動向」でも触れたように、日本ではIPOを選択する企業の割合が高いです。2019年に、株式会社三菱総合研究所が発表したデータによると、IPOが6割から7割に対して、M&Aが3割から4割となっています。

日本では、少子高齢化が大きな社会問題となっており、経営者の後継者問題にも影響しています。親族内で事業承継をするケースから、M&Aによる事業承継も増加傾向にあるのです。

海外のイグジット戦略の特徴

日本とは反対に、海外ではM&Aによってイグジットを行う企業が大半を占めています。先述した三菱総合研究所のデータによると、アメリカではイグジットの9割がM&Aで実施されていることが分かっています。

M&Aが大半を占める理由は、アメリカでは大企業がスタートアップ企業を買収して自社事業を強化しますが、スタートアップ企業は企業の売却益で新事業を始めるためです。

企業文化やビジネス環境などは、国や地域によって大きく異なります。イグジット戦略を立てる時は、これらの条件をしっかりと確認し、最適な戦略を取らなくてはいけません。

イグジットの種類

イグジットは、主に以下の5種類に分かれています。最適なイグジットを選択するには、種類ごとの特徴やメリット・デメリットを理解しましょう。

IPO

「イグジットの動向」でも解説したとおり、IPO(Initial Public Offering=イニシャル・パブリック・オファリング)とは株式公開を意味しています。未上場企業が証券取引所に株式を上場させると、新株の公開に加え、株主が保有する株式が売却されます。

IPOのメリット

IPOにより上場すると、企業の知名度が上がって信用度の向上も見込め、資金調達がしやすくなる点が大きなメリットです。また、株式の売却により経営者側に多額の資金が入ります。

創業者が経営権を持ったままで株を売却するため、経営権を手放したくない創業者にとってもメリットが大きいイグジットと言えます。

IPOのデメリット

IPO最大のデメリットは、上場するために証券取引所が定めている審査の厳しさと期間の長さが挙げられます。日本の株式売買高の大半を占める東京証券取引所では、プライム・スタンダード・グロースと3つの市場がありますが、このうちグロース市場は新興企業が多い市場です。プライムやスタンダードに比べ、株主数や流通株式数などの要件が緩和されており、新規上場するには以下の基準が定められています。

  • 株主数…150人以上

  • 流通株式数…1,000単位以上

  • 流通株式時価総額…5億円以上

この基準をクリアするには、少なくとも上場の3年前から社内体制や財務状況を整え、審査に通過しなくてはいけません。上場後も、株主や社会に対して上場企業としての責任を果たすことが必要です。

M&A

M&A(Mergers and Acquisitions=マージャーズ・アンド・アクイジションズ)も、「イグジットの動向」で触れてきました。事業承継・事業売却・株式の譲渡などにより、事業資金を回収する手法です。

M&Aのメリット

M&Aのメリットは、時間をかけずにイグジットできる可能性が高い点です。IPOは、上場準備に数年かかりますが、M&Aは条件が合う買い手が見つかればすぐに売却代金が手に入ります。

売却したい事業が赤字であったとしても、黒字に転じる可能性がある・将来性が見込まれるとみなされれば、売却できる可能性は十分にあるのです。

M&Aのデメリット

M&Aは、買い手が見つかればすぐに売却できる一方で、将来性が見込めない事業であると買い手が見つからず、売買契約が成立しません。

買い手が見つかり売買契約が進んでも、必ずしも希望価格で売却できない可能性もあります。想定していた金額よりも低くなる場合もあるため、注意が必要です。

MBO

MBO(Management Buyout=マネジメント・バイアウト)とは、創業者や出資者が保有する株式を、現経営陣が買い取る仕組みであり、創業者や出資者にとってイグジットに該当する手法です。経営陣は、投資ファンドからの出資や金融機関の融資を活用し、資金を調達して自社の株式を買い取ることで、経営権を獲得します。

MBOのメリット

MBOの実施により、企業の株主と経営陣の顔ぶれが同じになります。意見の違いがなくなることで意思決定がスムーズとなり、新事業の展開がしやすくなります。

企業秘密が外部に漏れにくくなる点もメリットとなるほか、中長期的な視点による経営が可能です。

MBOのデメリット

MBOでは、資金調達の手段をどうするかという問題点があります。株主と経営陣が同じであると、経営の監視体制が軟弱化する可能性があるほか、トップダウンの体制になってしまうリスクも想定されます。

また、親会社から離れると売上や利益が減少するデメリットも考えられます。

EBO

EBO(Employee Buyout=エンプロイー・バイアウト)は、従業員が株主を取得する手法であり、創業者や出資者からすると、MBOと同じくイグジットに該当します。従業員が取得した株主の割合によっては、経営を任せることもでき、EBOによる事業承継が可能です。

EBOのメリット

EBOでは、社内事情をよく知る従業員が株式を取得し経営権を買収するため、社内環境が大きく変わらない点がメリットです。他の従業員が、環境の変化を危惧して離脱するといったリスクも低くできます。

また、EBOを事業承継の手段にする場合、事業承継がスムーズにできるメリットも見逃せません。

EBOのデメリット

EBOのデメリットとして、資金調達の難しさが挙げられます。従業員個人が、株式を取得できる資金を保有していればスムーズに進みますが、買収価格に対して十分な資金がないと、金融機関からの融資も視野に入れなくてはなりません。

従業員としてのスキルと、経営者として求められるスキルは違うため、企業を引き継いだ従業員が経営者に適していない場合、企業の成長が想定よりも進まない可能性もあります。

LBO

LBO(Leveraged Buyout=レバレッジド・バイアウト)とは、融資によって得た資金を元手にして、企業や事業を買収する手法です。融資の活用により、一定のキャッシュフローを出している事業を買収するため、少ない資金で買収できます。

LBOのメリット

LBOは、既存の株主から株式を買い取るため、通常よりも株価が上乗せされるケースが多いです。この理由で、高い売却益が期待できるメリットがあります。融資により受け取った借入金の利息は損益に該当することから、節税効果も見込まれます。

LBOのデメリット

LBOの実施により、売り手である既存株主は経営権を失ってしまいます。また、事業により損失が発生した場合は、借入金の返済が難しくなるおそれもあるのです。借入金や利息は、経営の負担になる状況も想定されるため、綿密な事業計画が必要です。

イグジット成功の秘訣

イグジットを成功させるには、先ほど解説した種類の中から適切な手法を選択することが秘訣です。そのために、以下のポイントを押さえておきましょう。

明確なゴールを設定する

イグジットの実行では、理想像を明確にしたうえで、目指すゴールに向けた計画を立てることが重要です。先にゴールを設定しておくと、決めるべき事項もおのずと見えてきます。ゴールを設定する際には、以下の3つを目安とするとスムーズに決まります。

  • イグジットの対価として希望する金額

  • イグジット後の経営権の維持について

  • イグジットまでの期間設定

事業がスムーズに進む場合・計画が狂ってしまった場合など、複数の状況を想定し、それぞれの具体的な計画やシュミレーションをすることで、成功に近づけるでしょう。

選択肢を多く持つ

「イグジットの種類」で解説したように、イグジットの手法はひとつではありません。十分検討せずに手法を決めてしまうと、選択肢の幅が狭くなってしまいます。経営環境や社会情勢などの変化で、既に決定していた選択肢を変更する必要性に迫られることも考えられます。

どの手法でも対応できるよう体制を整え、自社に有利な条件でイグジットができるようにしておきましょう。

タイミングを見極める

イグジットの手法にM&Aを選択した場合、実行のタイミングによって得られる対価が大きく変動する可能性があります。できるだけ多く情報収集を行い、タイミングを見極めることが必要です。

社会情勢の変化などによっては、適切なタイミングを逃してしまうケースもあります。この場合は、再度イグジットのスケジュールを検討し、適切な手法を選択したうえで実行していきましょう。

企業価値を向上させる

イグジットの前に、できる限り企業価値を向上させておくことも重要です。企業価値が高いと、イグジットの際に有利な条件を提示でき、多額の利益も見込めるようになります。企業価値の向上には、収益性の高さや独自の強みなどがカギとなります。

イグジットの注意点

最後に、イグジット実行における注意点を見ていきましょう。

戦略の選び方に気を付ける

イグジットでは、戦略の選び方がとても重要です。経営権・資金調達・資本投下・タイミングなど、経営は意思決定の連続と言われています。戦略の選択を誤ると、経営者の意志に沿ったイグジットができなくなるでしょう。

目指すイグジットを確実に実行するには、戦略を慎重に検討し、それに向けた意思決定が求められます。

プランを状況に合わせて検討する

具体的な計画を立てイグジットを進めていたものの、状況が変わり計画通りに進まない場合もあります。この時、当初の計画に固執せず、状況に合わせた柔軟な計画変更も必要です。

計画を立てた段階では最適だと思っていたプランであっても、状況が変わると最適でなくなるケースも珍しくありません。IPOからM&Aへの変更など、状況や目的に合わせてプランを検討していきましょう。

まとめ

今回紹介してきたように、イグジットの手法は多岐にわたっており、目的や状況によって適切な手法が異なります。手法ごとのメリット・デメリットをふまえながら、自社に合ったイグジットを選んでいきましょう。

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