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M&A仲介会社5社を比較!手数料やメリット、デメリット、選ぶポイントなどを解説

M&A・事業承継
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更新:2024/02/04

M&A仲介会社とは、M&Aの取引相手の間に立って、中立的な立場からM&Aの成立を支援する業者のことです。仲介会社によって成約実績や事業規模、得意分野には幅があり、仲介会社選びでは慎重な態度が求められます。

本記事では、主要なM&A仲介会社を取り上げ、その特徴の解説や比較を行い、次にM&A仲介に係る手数料やメリット、デメリット、選ぶ際のポイントなど、詳しく解説します。

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M&A仲介会社とは

M&A仲介会社とは、M&Aアドバイザーが譲渡企業(売り手)と譲受企業(買い手)の間に立って、M&Aを成功に導くことを目的に中立的なアドバイスや支援活動をする会社をいいます。

M&Aを成功に導くためには、相手企業の選定からマッチング、法的な手続きや税務処理まで、アドバイザーに幅広い経験が必要です。マッチングに成功後も、最終的な成約に至るまで、双方の利害関係を調節して煩雑な手続きを進めねばなりません。

そのためにもM&Aアドバイザーの支援は必要不可欠といえます。そんなM&Aアドバイザーが所属して、顧客に対して様々な支援業務を行うのがM&A仲介会社です。

同じM&A仲介会社でも、その会社の歴史や構成員からサービス内容まで様々です。一人の担当者が最初から最後まで一貫してM&A支援を行う会社もあれば、譲渡企業と譲受企業にそれぞれ担当者やチームを貼り付けて各顧客の要望を調整するところまで様々です。

ここでは、大手M&A仲介会社を重要な観点で比較していきます。

大手M&A仲介会社5社を比較

M&A市場で大きな影響力を持つ大手M&A仲介会社5社について、会社の特徴を述べて、次に手数料、実績(成約件数/年間売上高)、サービス対応範囲について比較します。

日本M&Aセンター

日本M&Aセンターは1991年4月設立、東証プライム上場の老舗M&A仲介会社です。

東京本社を核に全国に支社・営業拠点があり、全国展開する一方、さらに海外にも事務所を設置、アジア全域をカバーしています。

日本M&Aセンターは、地銀の9割、信用金庫の8割、1,000を越える会計事務所と提携して国内最大級のM&A情報ネットワークを構築、友好的M&A支援で日本の成約実績No.1を誇るM&A仲介会社です。

M&Aキャピタルパートナーズ

M&Aキャピタルパートナーズは2015年10月設立、東証プライム上場のM&A仲介会社です。

営業拠点は東京オフィス、大阪オフィスの2拠点、M&A仲介事業を核に隣接領域でも様々な関連サービスを拡充中です。

また業界別にM&Aスペシャリストチームを結成して、専任コンサルタントが顧客に対して一貫した伴走サポートを提供しています。

ストライク

ストライクは1997年7月に設立、東証プライム上場のM&A仲介会社です。

営業拠点として、東京オフィスを核に、東は札幌から西は福岡まで全国に7つの拠点を設置しています。

当社の特徴は、1998年に国内業者で初めてインターネットにM&A市場「SMART」を開設したことです。ネット活用の先駆者として、全国の顧客から信頼を得て、現在まで多くの問い合わせが寄せられています。

また公認会計士が設立者であり、会計面に強く、M&Aのみならず企業再生にも積極的に支援活動を広げています。

名南M&A

名南M&Aは2014年10月に設立されたM&A仲介会社です。

本社は名古屋にあり、大阪オフィス、静岡オフィスとともに、東海エリア・近畿エリアをカバー、地域密着型のM&Aサービスを展開しています。

M&A支援ほか、IPO支援や、ベンチャーファンド運営を行いスタートアップへの投資支援活動にも注力中です。

M&A総合研究所

M&A総合研究所は2018年10月設立、比較的社歴が浅いM&A仲介会社です。

しかしその高い成長力から、すでに2022年6月には東証グロース市場に上場を果たしています(2023年8月、グロース市場からプライム市場に変更)。

営業拠点は東京本社を起点に大阪と名古屋、福岡にオフィスを構えています。

M&A総合研究所の特徴は、その成約までのスピード感で、通常依頼から成約まで1年以上かかるM&Aを当社は半分の6ヶ月で成約に持って行ける実績があり、豊富なデータベースとAIマッチングアルゴリズムの活用で他社との差別化を図っています。

【大手M&A仲介会社5社比較一覧表】

仲介会社

手数料

実績(成約件数/年間売上高)

サービス対応範囲

日本M&Aセンター

(譲渡企業)着手金+成功報酬(レーマン方式)

(譲受企業)着手金+中間金+成功報酬

539件/413億円(2023年3月期)

事前コンサルティング、戦略立案、マッチング、アフターサービス等

M&Aキャピタルパートナーズ

(譲渡企業)中間金+成功報酬(レーマン方式)

(譲受企業)中間金+成功報酬

199件/207億円(2022年9月期)

初期検討、企業価値査定、合意形成支援、デューデリジェンス支援、譲渡完了支援まで

ストライク

(譲渡企業)中間金+成功報酬(レーマン方式)

(譲受企業)中間金+成功報酬

195件/107億円(2022年9月期)

企業評価算出、条件交渉、デューデリジェンス、譲渡契約に至るまで全般

名南M&A

手数料に関しては、中小M&Aガイドラインに沿って対応(手数料の基準は公開なし)

73件/13億円(2022年9月期)

M&A仲介、コンサルティング、事業承継コンサルティングなど

M&A総合研究所

(譲渡企業) 完全成功報酬制(レーマン方式)

(譲受企業)中間金+成功報酬

61件/39億円(2022年9月期)

売却相談から、譲渡先選定・条件交渉、譲渡先決定・基本合意、契約締結・M&A成約まで全般

M&A仲介会社を利用するメリット

M&A仲介会社を利用する際のメリットは以下の3つです。

買い手候補が充実している

メリットの1つ目として、M&A仲介会社を利用すると、買い手候補が充実していて相手が見つかりやすいという点があります。

売り手がM&Aの買い手を探す場合、自分の知り合いの範囲内で探すなどどうしても候補者数に限りが出てしまい、必ずしも理想的な相手が見つかるとは限りません。

その点、M&Aの初期段階からM&A仲介会社に買い手探しを依頼すれば、取引実績を多く持つ仲介会社ほど買い手候補の最新データが充実しているので、売り手側としてもあまり苦労せず自社のニーズや条件に合った買い手候補を見つけることが可能です。

ワンストップでサポートを受けられる

メリットの2つ目として、M&A仲介会社を利用すれば、ワンストップでサービスが受けられる点が上げられます。

売り手、あるいは買い手の会社が単独でM&Aを行うとすると、相手探しからM&Aの成立までに最低でも1~数年以上かかり、さらに経験不足から必要以上の時間と労力を消耗します。

また経営者もM&Aに時間と労力を取られて会社経営がおろそかになり、経営に悪影響が出てしまう可能性が高いです。

しかしM&A支援をワンストップでサービス提供しているM&A仲介会社に依頼すれば、経営者に代わり複雑なM&A手続きを進めてくれるので、経営者は本業に集中する時間が作れます。

M&Aは非常に複雑かつ専門的な手続きを必要とする行為です。

その点、取引実績を多く持つM&A仲介会社ほど、多くの専任スタッフや外部専門家を擁しているので、M&A支援に係るサービスがワンストップで提供できます。

品質の高い資料作成をしてもらえる

メリットの3つ目は、専門性の高いM&A仲介会社を選べば、品質の高い資料を作成してもらえる点があります。

M&Aで相手探しから始まり成約に至るまで必要とされる資料は、売り手買い手問わず、膨大です。

自社で全て準備して書類に仕上げるには相当のエネルギーを使い簡単ではありません。

加えて取引の相手方に提供する資料のでき次第で、自社の相手に対する信用度や成約率まで変わってくることから資料作成は骨の折れる作業になります。

しかしM&A実績を多く持つM&A仲介会社ほど、品質の高い資料作成に長けており、要領良くまとめるスキルも持っています。

そのようなM&A仲介会社に支援を依頼すれば、依頼者として大きな負担を感じることなく、M&A取引を進められるでしょう。

M&A仲介会社を利用するデメリット

M&A仲介会社を利用する際のデメリットは以下の3つです。

手数料が高い

デメリットの1つ目として、仲介の手数料が高いというのがあります。

M&A仲介会社を利用したときの手数料には、M&Aプロセスの段階に応じて支払う着手金、中間報酬、成功報酬等と毎月支払が必要になる月額報酬があります。

また成功報酬の計算では、出し方の基礎にレーマン方式があり、M&A成約額に乗率を掛け、成約額が小さいほど乗率が上がる仕組みになっています。

そのためM&Aの売買額が小さいほど、取引全体の中で手数料額の占める割合が高くなり、手数料の割高感が増してきます。

加えてM&A仲介会社によって別途着手金や月額報酬等が必要な会社もあり、こちらは最終的にM&Aが成約しなくても支払済みなら戻ってこない手数料です。

このようにM&A取引では、成約の有無にかかわらず、戻ってこない手数料の存在や、取引額が小さいほど手数料の割合が高くなる構造から、総じて手数料が高い特徴があります。

担当者によって能力の差がある

デメリットの2つ目として、M&A仲介会社を利用しても、付いてくれる担当者によって能力の差があることが上げられます。

経営者の高齢化と後継者不足等の理由から、その解決策として今やM&Aは一種のブームといえます。

そのため次々と新しいM&A仲介会社が業界に新規参入していますが、M&Aは高い専門性と総合的判断力を要求される業務なので、それに見合った人材が不足しているのが現状です。

M&A仲介会社に支援を依頼しても、ケースによって経験不足の人材がアドバイザーとして担当するリスクもあり、さらに担当者により能力の差があることから、後のM&A成約率にも大きく影響してきます。

M&A仲介会社を選ぶ際には、取引実績に加えて、専任スタッフの数、担当者制かチーム制か、どんな外部専門家と提携しているかなど、多面的なチェックが必要です。

サポートが手薄になる可能性がある

デメリットの3つ目として、M&A仲介会社の選び方次第でサポートが手薄になる可能性があることが上げられます。

M&A仲介会社でもそれぞれ社歴や設立経緯、規模等により、専任スタッフの数、提携先数、サービスのカバー範囲など、様々です。

そのため、選んだM&A仲介会社によっては自社のニーズを全てカバーできないこともあり、サポートが手薄になってしまうリスクがあります。

その手薄となったサポート分野がM&A成約での重要ポイントだった場合、いくら手数料を払い続けたとしても、最後にはM&Aが不成立、あるいは成功の可能性すらないということに至ってしまいます。

仲介会社の選定では、サポート分野に関して、きちんとした事前調査が必要です。

M&A仲介会社に支払う手数料

M&A仲介会社を利用する際、かかる手数料(費用)は主に以下の通りです。

着手金

着手金は、M&A仲介会社に正式に仲介や支援業務を依頼したときに支払う手数料です。

手数料相場としては、金額が固定だったり、成功報酬の○%と指定されたりしています。

ただ最近はM&A仲介会社も完全成功報酬制をうたって、着手金を無料にしている会社も増えています。

着手金は決して低い金額ではないので、M&A仲介会社の利用の際には必ず確認が必要です。

中間報酬

中間報酬とは、M&Aのプロセスにおいて、一定の段階に達したとき、支払を求められる手数料のひとつです。

一定の段階とは、たとえば譲渡企業と譲受企業が基本合意書を締結したときなどです。

中間報酬の金額はもちろんM&A仲介会社によって異なりますし、必要としない会社もあります。

こちらもまた相場は、金額が固定だったり、成功報酬の○%と定められたりしています。

成功報酬

成功報酬は、M&Aが成立した際に支払う手数料です。

一般的に手数料全体の中では、成功報酬の額が占める割合が最も高くなります。

ただいくらかかるかはM&A仲介会社によって違っており、一般的には「レーマン方式」と呼ばれる成功報酬体系を用いて計算されるケースが多いです。

【レーマン方式による手数料率】

M&Aの取引金額

手数料率

5億円以下

5%

5~10億円未満

4%

10~50億円未満

3%

50~100億円未満

2%

100億円以上

1%

注意点として、M&Aの取引額が少額の場合、レーマン方式によらず、成功報酬費として固定で最低報酬額を決めている会社もありますので、必ず事前確認が必要です。

もちろんM&Aが成功しなければ成功報酬は発生しません。

M&A仲介会社を選ぶポイント

最後にM&A仲介会社を選ぶ際のポイントを3つ紹介します。

得意な業種や分野を確認する

M&A仲介会社を選ぶ際、その会社の得意とする業種や分野をきちんと確認することが大切です。

M&A仲介会社といっても千差万別で、業種を超えてM&A業務を行うオールラウンダー型から、地域特化型、業界特化型、加えて海外まで営業拠点を展開している会社まであります。

得意な業界や分野を持つM&A仲介会社を選べば、マッチングによる相乗効果も相まって、M&A成約率がさらに高まることでしょう。

逆に得意分野を持たない仲介会社を選べば、その分成約率が下がり、手数料や手間など、余計な出費や浪費を強いられます。

仲介会社選びでは、まずは得意な業種や分野のチェックを欠かさないようにしたいものです。

M&Aの実績を確認する

M&A仲介会社を選ぶ際、これまで成約してきたM&A実績を確認することが大事です。

ある意味、M&Aの実績はその仲介会社の実力を示しているため、選べる仲介会社が多くあれば、基本的には、より実績の高いM&A仲介会社を選ぶほうが無難でしょう。

なぜならそのような仲介会社はM&Aに係る多くの相手候補とつながりがあり、依頼すれば自社のニーズや条件に見合った相手をいち早く見つけてきてくれる可能性が高いからです。

さらにM&A成約案件の豊富な実績があれば、経験に基づいた的確なアドバイスも期待できます。

M&A仲介会社の実績は会社の公式サイトから確認できますし、成約事例などからその仲介会社がどのような業種や分野に強いかもチェックできます。

サービス内容と手数料を確認する

M&A仲介会社を選ぶ際、提供しているサービス内容と手数料の確認も重要です。

同じM&A仲介会社といっても、会社の規模や抱えている専任スタッフの人数によって提供しているサービス内容にはかなりの差があります。

サービス内容を詳しく調べずM&A仲介会社を選ぶと、あとで自社のニーズとマッチしていないのが分かって後悔することも多くなります。

もちろんM&Aに係る成功確率も下がってしまいます。

さらに手数料も依頼する前にきちんと項目と金額をチェックしておきましょう。

前述の手数料項目の内容でも解説したように、最終段階で支払う成功報酬はレーマン方式で計算されることが多く、M&A仲介会社が違っても、その額には差はないかもしれません。

一方着手金や中間報酬、月額報酬等の取扱いは仲介会社によって千差万別で、かなりの違いがあります。

手数料を支払う側としては、最終的に判断しなければならない要素はM&Aに係る支払総額です。

ところが最終的に成約を条件に支払う成功報酬と異なり、着手金や中間報酬、月額報酬などは、M&Aプロセスの途中で支払が必要な項目になります。

いったん支払えば、M&Aの成功の有無にかかわらず、戻ってこない手数料です。

それだけに手数料に関しては、その内容も含め慎重にチェックしておかねばなりません。

まとめ

主要なM&A仲介会社5社の特徴を比較しつつ、M&A仲介に係る手数料やメリット、デメリット、選ぶポイントなどを解説しました。

M&A仲介会社は業種や地域、取引規模等で強みに違いがあり、提供しているサービス内容も異なります。

加えて手数料体系もM&A仲介会社によってまちまちです。

自社がM&A取引を支障なく進められ、最終的に成約で終われるよう、M&A仲介会社選びは慎重に行いましょう。

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