SNSの普及に伴い、企業側が集客・情報発信などのツールとして用いられているLINE公式アカウントは、現在では約300万以上のアカウントが開設されています。年々利用する企業も増え、登録ユーザーも増加し続けていることから、今後も高い需要が見込めます。
今回は、LINE公式アカウントの種類や作成方法、使い方について解説します。LINEを使ってユーザーへの情報発信を行ったり集客に繋げたい企業はぜひ参考にしてください。
LINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINEアカウントを作成し、登録しているユーザーへ情報を届けることができるサービスのことです。
日本のLINE利用者数は9,300万人以上となり、国民の大半が利用しているサービスになります。LINEはスマホを所有している方の大半が利用しているアプリであり、LINE公式アカウントはボタン一つで友達追加してもらうことが可能です。企業側はユーザーへの情報発信が行いやすいメリットがあります。
LINE個人アカウントは一般ユーザーが使用するアプリであるのに対し、LINE公式アカウントは企業や店舗などの法人が利用することが多いです。また、LINE公式アカウントであるかは、以下の3つで判断することができます。
公式であることを証明する星マークがついている
アカウント名をタップするとプロフィールが表示される
友達リストの公式アカウントに掲載されている
LINE公式アカウントでは、以下に該当する業種やサービスはアカウントの作成ができない、もしくはサービスの提供を認めないと記載しています。
業種 | 作成できない商品・サービス |
---|---|
医療 | ■ 医薬品など ・日本国内で未承認の医薬品等 ・医薬品等の個人輸入代行 |
出会い | ■ 出会いの機会・場所を提供するもの ・出会い喫茶 ・出会いバー ・テレクラ ・ライブチャット ・インターネット異性紹介事業(出会い系サイト・アプリを含む) |
アダルト | ■ アダルト関連店舗・サービス ・性風俗店 (例:ソープランド、ファッションヘルス、デリバリーヘルス、セクキャバ、ハプニングバー、SMクラブ・バー、出張ホスト、回春エステ、ストリップ劇場、ピンク映画館、膝枕耳かき店) ・アダルトショップ (例:アダルトDVDショップ、アダルト書店、アダルトグッズ取扱店) ・その他店舗・サービス (例:メンズエステ、女性専用マッサージ、JKビジネス、添い寝・洗体) ■ アダルトコンテンツ (例:アダルトビデオ・DVD・映画・番組・動画配信、書籍・雑誌・コミック、ゲーム・アプリ・インターネットサイト・掲示板等) ■ その他アダルト ・アダルト関連店舗 ・サービスに関する情報提供 ・風俗・ライト風俗・メンズエステ等に関する求人情報提供 ・精力剤、媚薬、性行為・性機能に言及する健康食品・化粧品等 |
ネット関連ビジネス | ■ 情報商材 「儲かる/儲ける」等の内容を謳って集客し、メールマガジン登録、動画・DVD販売やセミナー開催等へ誘導するもの ■ 能力開発商材 「◯◯するだけ」等、消費者が簡単に始められるような内容を謳って、メールマガジン登録、動画・DVD販売、セミナー開催等へ誘導するもの ■ リアルマネートレーディング(RMT) アプリやオンラインゲームなどのアカウント、キャラクター、仮想通貨等を現実の通貨に換金できるサイト・サービス |
連鎖販売取引 | ■ ねずみ講、マルチ商法・MLM、ネットワークビジネス ・連鎖販売取引およびこれらに類する業態で営業を行うもの ・無限連鎖講(いわゆるねずみ講)へ勧誘、または紹介するもの ■ 霊感商法、モニター商法等 ・人間の不安・不幸・射幸心につけ込んで商品等を販売するもの ・違法とされる営業方法で商品等を販売するもの ・科学的な根拠が乏しい商品等を販売するもの |
クレジットカード現金化 | ■ ショッピング枠の現金化サービス 商品やサービスの代金を後払いするために設定されているクレジットカードのショッピング利用可能枠を換金する目的で利用するサービス |
ギャンブル | ■ カジノ ・換金可能なカジノ・オンラインカジノサービス ■ その他ギャンブル ・違法ギャンブルサービス |
個人情報 | ■ 個人情報販売 ・氏名、性別、生年月日等の個人を識別する情報の販売 |
模倣品・海賊版 | ■ 模倣品・海賊版 ・芸能人・キャラクター等の模倣品・海賊版・非公式グッズ販売 ・当社キャラクターの不正利用 |
上記の項目に該当するLINE公式アカウントは作成できないため、事前に該当しないかは公式サイトで確認しましょう。
ここではLINE公式アカウントの作成方法を3つのステップに分けて紹介します。
はじめに、アカウントの開設|LINE for Businessにある「アカウントの開設」をクリックし、「アカウントの作成」を行います。アカウントの作成をクリックすると「LINE公式アカウント」と「LINE広告」の2項目が表示されるので、LINE公式アカウントを選びましょう。
「アカウントの作成」をクリックした後は、「個人のLINEアカウント」か「メールアドレス」を登録することで作成できます。
個人のLINEアカウントを登録する場合は、公式アカウントと連携して開設できる。
メールアドレスの場合は名前やパスワードなどの必要情報を入力することで開設することができる
企業など複数人でLINEアカウントを使用するのであれば、メールアドレスで登録した方が、個人情報などの漏れを防ぐことにつながるため、おすすめです。
アカウントの作成が完了した後は、プロフィールを含め、以下の項目を記入します。
アカウント名
アカウント名の下に表示されるステータスメッセージ
プロフィール画像と背景画像
基本情報(住所・電話・営業時間など)
挨拶メッセージの設定など
これからLINE公式アカウントを使用する方は、基本的な使い方を理解しておきましょう。ここでは8項目の使用方法を紹介します。
LINEには一斉配信機能があります。一斉送信では主に以下の機能が利用できます。
500文字までのテキスト
スタンプ
写真や動画の添付
クーポン
ボイスメッセージ
ユーザーへアンケート など
上記のツールを利用することで友達登録してくれたユーザーへ、「セールのお知らせ」や「新商品の発表」などを行うことができます。さらに実際に利用または購入者の意見を聞くためのアンケートなどもLINE公式アカウントの魅力の一つです。
通常のLINEと同様に、友達登録してくれたユーザーと個別チャットする機能があります。一斉配信では伝えにくい内容や、個別対応する場合に用いることができます。
自動応答メッセージは、ユーザーから送られてきたメッセージの内容をAIが判断し、自動で応答メッセージを送ってくれるツールです。ただし、「挨拶」や「商品の使い方」「簡易なお問い合わせについての返信」などのみです。細かな内容や長文に関しては、個別チャットで返信する必要があります。
リッチメッセージとは、一つの画像に、「メッセージ」「リンク」などを組み合わせたコンテンツです。通常のLINEでは、メッセージやリンク先、画像を一つずつ送信しなければいけません。しかしリッチメッセージを使用すれば、複数回送る必要もなく、まとめて見やすいメリットがあります。
ショップカードとは、店舗や企業によって異なるものの、一般的にポイントカードのような機能です。リピーターを確保するためのポイントカードは、紛失や忘れる可能性が高いです。しかしショップカードはポイントカードの作成費用を削減できるうえ、スマホを常時しているユーザーが無くす可能性も低くなるメリットがあります。
ショップカード同様、クーポンも紛失する可能性があります。しかしクーポン配信を設定しておくことで、利用者も無くすことも少なくなり、さらに売上げUPにつながります。「クーポンの期限が近いから使おう」「クーポンあるから行こう」となる利用者を集客することができるでしょう。
LINEと同様、無料で友達登録したユーザーと通話、テレビ電話をすることができます。オンラインで確認したい場合などに有効です。
外部サービス連携は、LINEPayなどの他にPaypayやカード決済などで支払いたい利用者に対応した決済サービスです。
LINE公式アカウントには2種類あり、さらに料金プランも3つあります。それぞれの違いについて解説します。
LINE公式アカウントには「認証済アカウント」と「未認証アカウント」の2種類あります。
認証済アカウントはLINE公式アカウントの審査を通過することで取得でき、青色のバッチが付与されたものです。認証済アカウントであれば、基準をクリアしたものと捉えられるため、信用力が高まります。またLINEのアプリ内で検索された際、表示してもらえるメリットがあります。
一方未認証アカウントは、審査をしていないもしくは審査をクリアできていないアカウントです。検索しても表示されないデメリットがあります。
LINE公式アカウントは無料で使用できますが、メッセージなどに制限が設けられています。そのため料金プランは以下の3タイプに分かれており、送るメッセージ数によってわけることができます。
項目 | フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン |
---|---|---|---|
月額費用(税別) | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ数/月 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
追加メッセージ従量料金(税別) | 付加 | 5円/通 | ~3円/通 |
例えば友達登録したユーザーが200人いる場合、全員へ月で送れるメッセージ数は5通という計算になります。そのため友達登録が増えた場合は有料タイプのプランへ切り替えている方もいらっしゃいます。
ただし有料プランのメッセージ配信は従量課金制であるため、より多くメッセージを送りたい方はスタンダードプランを検討した方が良いでしょう。
今回は、LINE公式アカウントの概要と作成方法、使い方や種類について解説しました。
公式アカウントは企業や店舗といった法人が利用し、ユーザーに友達登録してもらうことで、情報発信することができます。
さらにユーザーからの問い合わせにも対応できる機能や自動応答メッセージなども兼ね備えている特徴があります。
無料で使えるフリープランでは、送れるメッセージ数に制限があるため、友達の数や発信したメッセージ数に合わせてプランを変えて利用しましょう。