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中小企業投資促進税制とは?最新動向と活用メリット、注意点を徹底解説

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更新:2026/04/08

中小企業が成長していくうえで、積極的な設備投資は欠かせません。しかし、資金力に限りがある中小企業にとって、多額の設備投資は負担も大きいのが現実です。

そこで役立つ制度のひとつが中小企業投資促進税制です。国は中小企業の生産性向上を後押しする目的で、税制優遇によってコストの一部を軽減できる施策を用意しています。

本記事では、最新の税制改正内容や具体的な利用方法、さらには注意点までをわかりやすく解説します。新たなソフトウェアや機械導入を検討中の方は、制度を活用することで大きな節税効果を狙うことができます。ぜひ最後までご覧いただき、貴社の経営力強化にお役立てください。

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中小企業投資促進税制とは

中小企業が設備投資を行う際に大変役立つ制度が、中小企業投資促進税制です。本制度を活用すると、新たに取得した機械装置やソフトウェアなどの導入コストに対し、特別償却か税額控除のいずれかを選択して節税できます。多額の設備投資が必要となる局面でも、税制面での後押しにより財務負担を緩和し、思い切った投資判断につなげることが可能です。

さらに、中小企業投資促進税制は中小企業者等の生産性向上を目的として設計されており、対象者の範囲も比較的広いのが特徴といえます。従業員規模や資本金額の小さい事業者でも適用が受けやすく、実際に利用している企業は年々増加している状況にあります。税制上の優遇を受けることで、結果的に手元資金を潤沢に残しながら新たな設備を導入し、経営改善や研究開発に挑戦しやすくなる効果があります。

中小企業投資促進税制の概要

中小企業投資促進税制は、租税特別措置法に定められた税制上の支援策で、一定の要件を満たす中小企業者等が国内で利用する新品の機械装置・ソフトウェアなどを取得・製作した場合に、当該取得した事業年度に特別償却または税額控除を認める制度です。対象期間(指定期間)内に対象設備を取得した場合、次のような優遇措置を選択適用できます。

  • 特別償却:取得価額の30%相当額を、通常の減価償却費に加えて初年度に償却可能

  • 税額控除:取得価額の7%相当額を法人税等から控除(資本金3,000万円超〜1億円以下法人は特別償却のみ、3,000万円以下の法人と個人事業主等は選択可)

参考:国税庁

基本的に、大企業よりも資金繰りに苦慮しがちな中小企業が設備投資に踏み切りやすいよう、税金の支払いを軽減してキャッシュフローを安定させることを目的としています。前倒し償却や直接的な税額控除を受けられる点は、他の投資優遇制度にはない大きな魅力といえるでしょう。

本制度は、1998年(平成10年)6月1日から段階的に延長を重ねており、企業の設備投資機運を高めるために何度も法改正が行われてきました。対象となる資産や適用期限は改正ごとに変更があるため、常に最新情報をキャッチアップすることが重要です。

なお、同じような税制優遇制度として「中小企業経営強化税制」や「先端設備等導入計画に基づく固定資産税の軽減制度」などもあります。これらは別要件・別制度ですので、自社の目指す設備投資目的によって、どの制度が最適かを吟味する必要があります。

参考:【2026年版】中小企業経営強化税制とは?最新改正・類型別要件・活用フロー・補助金併用まで解説

参考:先端設備等導入計画とは?概要やメリット、利用の流れを解説

適用期限と最近の変更点

中小企業投資促進税制は過去にも適用期限の延長や要件変更を度々実施してきました。2023年度の改正では、まず対象企業の一部要件の見直しが行われ、また不動産業や物品賃貸業など、2021年4月1日以降に追加された業種が対象に含まれています。さらに、令和7年度税制改正では2025年3月末の適用期限が2027年3月末まで延長され、継続的に利用しやすい環境が整えられた点が大きなポイントです。

以下に、執筆時点の公開情報を踏まえた最新の適用期限や、最近の主な変更点をまとめました。

項目

内容

補足

適用期限(指定期間)

2025年3月31日まで(令和5年度改正時点) → 令和7年度改正で2027年3月31日まで再延長

今後の情勢次第でさらに延長・変更となる可能性があるので注意

対象業種の追加

不動産業、物品賃貸業などが新たに対象に

2021年4月1日以降に取得した設備から適用可

適用除外となる設備・資産の見直し

旧来より除外されている中古品や貸付資産などに加え、一部ソフトウェア要件も見直し

デジタル複合機や試験機器などは中小企業投資促進税制では対象外なので要確認

改正により、幅広い業種が中小企業投資促進税制を使えるようになった一方、既に除外された資産も存在します。たとえば、事務所で通常利用されるパソコンや複合機(旧来の器具・備品区分)は対象から外されています。また、サーバー用OSなど特定のソフトウェアは適用除外ですので、自社の導入する資産が要件を満たしているか、常に最新の公的情報をチェックすることが大切です。

もし適用要件などに不安がある場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談するとよいでしょう。申請書類の作成や添付書類の収集などを円滑に進めるためにも、早い段階から専門家と連携しておくと手戻りを減らすことができます。

中小企業投資促進税制の要件

本制度を活用するうえで、まず押さえたいのは「自社が制度適用対象か」と「導入しようとしている設備が対象範囲に入るか」の2点です。中小企業投資促進税制の対象者は、青色申告をしている法人や個人事業主であり、資本金や従業員数が一定以下という定義が設けられています。また、導入する設備の種類や金額要件も細かく規定されています。まずは制度概要をしっかり把握し、要件を満たしているか確認しましょう。

対象事業者と対象業種

中小企業投資促進税制の適用対象となるには、以下のような事業者要件を満たす必要があります。

<主な対象事業者の要件>

区分

要件

注意点

資本金の額または出資金の額

1億円以下の法人(ただし、発行済株式総数の2分の1以上を大規模法人が所有している場合などは除外)

資本金1億円以下でも、親会社が大企業の場合は対象外になるケースがある

資本または出資を有しない法人

常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

直近3年の所得平均が15億円を超えると適用外(適用除外事業者)

個人事業主

従業員数1,000人以下、かつ青色申告を行っている

要件を満たしていない場合は適用不可

その他

農業協同組合・商店街振興組合等

組合でも利用できるが、収益や構造によっては別の要件確認が必要

上記に加え、製造業・建設業・卸売業・小売業・サービス業など広範な業種が対象要件になっています。性風俗関連特殊営業は除外されます。また2021年4月以降からは不動産業や物品賃貸業も追加で対象となったため、倉庫業や貸会議室運営などを行う事業者であっても利用を検討できます。また、大企業の子会社にあたる中小法人や、高所得法人(3年間の所得平均が15億円超など)は制度の適用を受けられない場合があります

参考:中小企業庁「中小企業投資促進税制」

対象設備と除外資産

中小企業投資促進税制が適用される設備には、「国内で事業の用に供される新品」の機械装置やソフトウェア、測定検査工具などが含まれます。一方で、中古資産や貸付の用に供する設備など、除外されるケースも多数存在するため、事前に確認が不可欠です。

<主な対象設備一覧>

設備区分

要件・金額条件

除外例

機械および装置

1台あたり取得価額160万円以上

中古品、貸付用、コインランドリー(管理委託)などは除外

測定工具・検査工具

1台120万円以上、 または1台30万円以上+合計120万円以上

電子計算機(パソコン)やデジタル複合機などは現行措置では含まれない

ソフトウェア

1つあたり取得価額70万円以上、 または同年度導入の合計70万円以上

サーバー用OSの一部、開発研究用、複写販売目的の原本ソフトウェアは対象外

普通貨物自動車(車両総重量3.5t以上)

車両総重量が3.5トン以上のものに限る

3.5トン未満、貸付目的の車両、営業用でない車両など

内航船舶

取得価額の75%相当額が対象(国土交通大臣へ届出必要な場合あり)

船舶によっては環境負荷低減への対応が必須となるケースあり

参考:中小企業庁「中小企業投資促進税制」

器具・備品区分であったパソコンや複合機は除外されるなど、従来とは適用範囲が変化している部分に注意が必要です。

このように、最新の改正情報で対象外となる設備が拡大している点に気を配りつつ、要件を満たせば多額の設備投資に対して大きな税メリットを見込めます。ただし、実際に制度を利用するには手続きが必要なので、次章で詳しい優遇措置の仕組みや申請手続きを解説します。

優遇措置の内容と申請手続き

ここでは、中小企業投資促進税制を活用した際の2つの優遇措置と申請手続きの流れを紹介します。優遇措置には「特別償却」と「税額控除」があり、企業規模や投資方針によってどちらを選択するか検討します。また、所有権移転外リース取引など一部例外もあるため注意が必要です。あわせて、申請時に必要な書類や提出時期なども確認しましょう。

特別償却と税額控除の違い

中小企業投資促進税制を利用する際、個人事業主や資本金3,000万円以下の中小企業などは「特別償却」または「税額控除」のいずれかを選択適用できます。資本金3,000万円超の法人(1億円以下)は特別償却のみ利用可能です。

<特別償却と税額控除の比較>

項目

特別償却

税額控除

内容

取得価額の30%を通常の減価償却費に上乗せして初年度に計上

取得価額の7%を法人税額から直接控除

メリット

当期の経費(減価償却費)を増やすことで課税所得を圧縮できる

納税額をダイレクトに減らせるため、実質的なコスト削減効果が高い

デメリット

将来の減価償却余地が減る(償却期間全体での節税額は変わらない)

納税額が少ない(赤字など)と控除しきれない可能性がある

適用対象法人

資本金1億円以下の中小企業者等

資本金3,000万円以下の中小企業や個人事業主など

税額控除の上限

無し

法人税額の20%まで(控除しきれない場合は翌期1年繰り越し可)

個人事業主や資本金3,000万円以下の法人では「特別償却」か「税額控除」のどちらを選ぶかがポイントです。税額控除は控除率7%自体は小さく見えますが、納税額そのものを直接減らすため、キャッシュアウトを抑える効果がはっきり見込めます。一方で、特別償却は取得価額×30%を一気に経費処理できるため、投資初年度の課税所得を大きく削減できるメリットがあります。しかし将来年度における減価償却費が圧縮されるため、長期的な節税メリットは並行するわけではありません。

どちらを選ぶかは、自社の収益状況・利益予想・キャッシュフローなど複合的に判断しましょう。赤字の場合など税額控除が活きにくいケースもあるため、設備投資のタイミングを含めて検討するのがおすすめです。

必要書類と手続きの流れ

中小企業投資促進税制の適用を受けるためには、確定申告時に所定の明細書を添付し、必要事項を申告書へ記入する必要があります。主な流れは以下のとおりです。

<中小企業投資促進税制の適用手続きフロー>

ステップ

内容

備考

1. 要件確認

自社が中小企業者等に該当するか、導入予定の設備が要件を満たすかを確認

最新の改正内容を必ず調べ、投資する設備が本当に対象かチェック

2. 設備取得

指定期間(2027年3月末まで※改正済)内に、新品設備・ソフトウェアを取得または製作、国内事業に使用開始

リースの場合は所有権移転外リース取引だと特別償却は不可、税額控除のみ対象

3. 仕訳処理

設備取得や稼働開始に伴う減価償却を計上

特別償却を選択する場合は、別途「割増(特別)償却費」として認識する必要がある

4. 申告書類

特別償却または税額控除に関する必要書類を添付し、確定申告書に金額を記載

法人なら「特別償却の付表」や「別表」など、個人は「中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除に関する明細書」などが必要

5. 税務署提出

作成した申告書・添付書類を期限内に税務署へ提出

控除上限等の要件に注意する。不備があった場合は更正が行われる可能性あり

特に重要なのはステップ4で、次のような書類が求められます。

  • 特別償却の場合(法人)

    • 「特別償却の付表(中小企業者等または中小連結法人が取得した機械等の償却限度額の計算)」

    • 適用額明細書(別表)

  • 税額控除の場合(法人)

    • 「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」

    • 適用額明細書(別表)

  • 個人事業主

    • 特別償却:青色申告決算書の「減価償却の計算」欄に割増(特別)償却額を追記

    • 税額控除:「中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除に関する明細書」を添付

これらの明細書の書き方には細かいルールがあります。少しでも記載内容に誤りや不足があれば、適用不可や修正が必要となるケースも考えられるため、早めに準備を進めることが肝心です。

また、事前承認や事後手続きが原則不要な点でスムーズな一方、他の税制優遇(中小企業経営強化税制など)と重複適用が制限される場合もあるので注意してください。税制の相互関係を踏まえながら、より自社に有利な制度を選ぶことが大切です。

まとめ

中小企業投資促進税制は、機械装置やソフトウェアなどの設備投資を行う際に、特別償却や税額控除によって資金負担を軽減できる有力な税制優遇策です。社内の生産性向上や競争力強化を目指し、最新の機器やシステムを導入したいと考える中小企業および個人事業主にとって、心強いサポートとなります。

2023年度改正では、対象業種の拡大や要件の見直しを経て利用しやすくなり、さらに2027年3月末まで適用期限が延長されるなど、積極的に事業成長を目指す中小企業の心強い後押しとなります。その一方で、税制適用にあたっては対象要件の確認、収益見込みやキャッシュフローに合わせた優遇措置の選択、必要書類の準備が大切です。他の税制や補助金との重複適用制限にも注意するようにしてください。

優遇制度を活用し適切な設備投資を行うことで、節税だけでなく企業の成長を加速させることができます。もし制度の使い方に迷う場合は、補助金コネクトまでご相談ください。補助金と合わせて、貴社に最適な資金計画をご提案させていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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