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株式譲渡の源泉徴収とは?株式譲渡における税金や注意点を解説

経営財務
M&A・事業承継
|
更新:2024/02/04

株式譲渡を行った場合、その譲渡益に対して納税の義務が発生します。

税金の徴収方法には源泉徴収や確定申告など様々なやり方がありますが、納税方法をうまく使い分けることで節税も可能です。

本記事では、株式譲渡の源泉徴収を基に、税金の種類や納税方法、取扱い上の注意点など詳しく解説します。

大きな資産を他人に譲渡しようとされている方、また逆に譲り受ける予定のある方は是非内容をチェックしてみてください。

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株式譲渡とは

株式譲渡とは、個人または法人が保有している会社の株式を他者(個人・法人等)に譲渡する行為をいいます。

またその際、譲渡益が発生すれば納税の義務が発生します。

株式譲渡の目的は、株式投資で個人等が保有していた株式を他者に譲渡して利益を得る一般的なものから、M&Aや事業承継等のツールとして活用するまで様々です。

いずれにしても株式の譲渡益が発生すれば納税の義務が発生するので、場合によって確定申告等の手続きが必要になります。

ただし状況で確定申告が必要ないケース、特定口座の方でも確定申告した方が良いケース、など色々あります。

次章では、株式譲渡に係る納税方法で、株式の保有者によく利用されている源泉徴収について詳しく解説します。

株式譲渡をする際の源泉徴収

株式を譲渡して得た譲渡益に対しては税金が課されます。その際、税金の納税方法としては、本人が税務署に対して行う確定申告のほか、証券会社に源泉徴収してもらう方法などがあります。

源泉徴収とは、給与・報酬・利子・配当等の支払者がそれらを支払う際に所得税・法人税等の税金を差し引き、それを国等に納付する制度をいいます。

一方で確定申告とは、1月1日~12月31日の1年間の所得(売上-経費)の金額とそれに対する税金の額を計算して、本人が直接税務署に申告する作業を指します。

株式譲渡の場合、一般的に証券会社経由で株式の売買を行うことが多いので、まずは証券会社に口座を開くことになります。

証券会社では、開設する口座の種類として特定口座と一般口座があり、また口座種類ごとに源泉徴収の有無があります。

以下の表は、株の証券口座の種類と源泉徴収の有無・確定申告の対応の違いです。

口座種別

譲渡所得の口座内での通算と年間取引報告書

配当金の口座内での損益通算

申告手続き

特定口座

(源泉徴収あり口座)

あり

(納税処理あり)

あり

(納税処理あり)

申告不要

(損益通算や損失を繰越する必要等がない場合)

特定口座

(源泉徴収なし口座)

あり

(納税処理なし)

なし

確定申告要

(年間取引報告書を使用して簡単に確定申告)

一般口座

(源泉徴収なし口座)

なし

なし

確定申告要

(株式譲渡した本人が年間の損益計算をして申告手続きする)

源泉徴収があるケース

証券会社の利用者が特定口座を開いて取引開始した場合、事前に「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」を選べます。

特定口座で「源泉徴収あり」口座を選ぶと、証券会社が株の1年間の譲渡所得の計算を行ってくれた上に、配当金との損益通算までして、最終的に納税処理まで行います。

つまり特定口座で「源泉徴収あり」口座のケースでは、本人による確定申告が不要になります。

ただし「源泉徴収あり」で確定申告が不要なケースは損益通算や譲渡損失を繰越する必要等がない場合でも、譲渡損失を繰越したり、一般口座、他社の特定口座と損益通算したりする場合には確定申告が必要になります。

源泉徴収がないケース

一方源泉徴収がないケースは、証券会社の利用者が特定口座を開いて「源泉徴収なし」を選択した場合か、最初から源泉徴収のない一般口座を開いた場合です。

特定口座で「源泉徴収なし」を選択した場合、証券会社は納税手続きまで行ってくれないので、利用者が直接税務署に対して確定申告を行う必要があります。

ただし特定口座内で証券会社が1年間の譲渡所得の取引及び損益の通算について「年間取引報告書」を作成してくれるので、確定申告ではその書類を添えて提出でき、簡単に手続きが済みます。一方で、配当金の口座内での損益通算処理はないので、必要があれば別途自分で計算する必要があります。

同様に一般口座を開いた場合、譲渡所得に関しては自分で確定申告が必要です。証券会社による「年間取引報告書」も利用できないので、全て自分自身で年間の譲渡所得及び損益通算等を計算して確定申告することになります。

株式譲渡の際の税金

本章では株式譲渡を行った際、課税される税金について解説します。

課税率

株式譲渡の際にかかる税金の種類と課税率は以下の通りです。

税金の種類

税率

所得税

所得額の15%

住民税

所得額の5%

復興特別所得税

所得税額の2.1%

個人の株主が株式を譲渡すると、譲渡益に対して譲渡所得税が課されます(法人の場合は法人税)。

譲渡所得税は、所得税、住民税、復興特別所得税から構成され、復興特別所得税については2037年までの目的税です。

以下税別に解説します。

所得税

税法上の所得は10種類あり、各々の所得によって税金の計算方法が異なっています。

個人が株式譲渡で得た所得の税金は譲渡所得税で、総合課税(※1)と分離課税(※2)の取り扱いがありますが、株式の場合は分離課税です。

また所得税と復興特別所得税は、発生後、翌年の3月15日までに確定申告を行い納税します。

一方法人が株主の場合は事業譲渡益に対して法人税が課され、実効税率は約30%となります。

(※)1総合課税とは、各種所得の金額を各々計算した後、それらを合算した総所得金額に対して超過累進税率を適用して所得税を計算する方法。総所得金額が大きいほど、高い税率が適用されます。

(※2)分離課税とは、政策上の理由等から、総合課税の対象となる所得から切り離し、個別に税率を適用して課税する方法です。

住民税

株式譲渡では所得税のほかにも地方税として住民税が課税されます。

総合課税の場合、住民税は10%ですが、株式譲渡は分離課税のため5%となっており、住民税に関しては総合課税より分離課税が優遇されています。

また所得税は確定申告時に納付しますが、住民税の納付時期は別になります。

確定申告を行った後、4月~ 5月頃にかけて地方自治体より住民税の納付書が送られてくるので、一括または3ヶ月ごと4分割で納税します。

ただし納付が遅れると延滞税がつくので払込期日に注意して納付するようにしましょう。

復興特別所得税

譲渡所得税では復興特別所得税も課されます。

東日本大震災の復興財源に充てる目的で復興特別所得税は作られており、2013年から2037年までの間、国民の義務として納税が必要です。

復興特別所得税の税率は所得税に対して2.1%です。

所得税及び住民税が「所得額」に対して各々税率が15%、5%であるのと違い、復興特別所得税は「所得税」に対して2.1%である点に注意しましょう。

すなわち、復興特別所得税の税率を年率に直すと、所得税税率15%×0.021=0.315%となり、復興特別所得税の実質年率は0.315%となります。

以上より、株式の譲渡所得に対する申告分離課税の税率は20.315%です。(所得税率15%+住民税率5%+復興特別所得税率0.315%)

税金の計算式

上記を計算式でまとめると、以下の通りとなります。

損益(所得額)=収入金額-取得費-費用等

・収入金額:株式を譲渡したときの売却価額

・取得費:株式の購入(取得)費用

・費用等:株式譲渡時にかかった手数料や諸費用

また株式譲渡にかかる税金は上記の損益(所得額)等に各税率を乗じて求めます。

株式譲渡税額=所得税額+住民税額+復興特別所得税額

所得税の計算式

所得税の計算式は以下の通りです。

所得税額=(所得額)×0.15

住民税の計算式

住民税の計算式は以下の通りです。

住民税額=(所得額)×0.05

復興特別所得税の計算式

復興特別所得税の計算式は以下の通りです。

復興特別所得税額=(所得税額)×0.021

株式譲渡の源泉徴収や税金での注意点

保有する株式の譲渡を行えば、ケースによって掛かってくる税金も相当な額になることが予想されます。

そのためにも株式譲渡では、源泉徴収や税金で注意したい点、節税できる方法など、きちんと理解しておきたいものです。

以下で、源泉徴収と税金でそれぞれ注意するポイントを説明します。

源泉徴収で注意するポイント

これまで解説したきたように、株式譲渡において、特定口座を使って税金処理を源泉徴収で済ますのは大変便利な方法です。

しかし特定口座(源泉徴収あり)をただ活用するより、ケースによっては確定申告した方が得になる場合もあるので、都度、確定申告すべきか、源泉徴収に頼るか、判断していくことが大切です。

一般的に、株式譲渡で譲渡損が出れば確定申告した方が得になりますが、譲渡益の額や株式の種類(上場株式か一般株式か)などによっても結果は違ってきます。

たとえば上場株式または一般株式を株式譲渡したときは、課税処理はそれぞれ別々に申告分離課税するよう規定されているので、上場株式等に係る譲渡損失の金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額から控除できません(損益通算不可)。

株式種類別の課税処理に関して、詳しくは以下の公式サイトでご確認下さい。

参照先:国税庁/株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)

ご自身で判断が難しい場合は、会計士・税理士等、税の専門家に相談した上で、源泉徴収あるいは確定申告の是非を判断したほうがいいでしょう。

税金で注意するポイント

株式譲渡では譲渡益が出ていれば源泉徴収で納税も可能です。一方、譲渡損失が出ているならば確定申告を行わないと税金面で不利になることが多くあります。

もし株式譲渡で損失が出た場合、確定申告で行いたいのは損益通算と繰越控除です。

複数の株式を譲渡して利益や損失が出た株式がある場合、確定申告で損益通算しておけば節税できます。

また損益通算しても、まだ損失が残っている場合、確定申告で繰越控除しておけば、翌年以降の利益と相殺できて節税につながります。

損益通算と繰越控除に関してより深く知りたい方は、下記国税庁のサイトで次のように説明されているので、こちらも参考にしてください。

【損益通算】

上場株式等を、金融商品取引業者を通じて譲渡したことにより生じた譲渡損失の金額は、確定申告により、その年分の上場株式等の配当に係る利子所得の金額および配当所得の金額(上場株式等に係る配当所得については、申告分離課税を選択したものに限る)と損益通算することができます。

【繰越控除】

損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、その年分の翌年以後3年間にわたり、確定申告により、上場株式等に係る譲渡所得等の金額および上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除することが可能です。

参照先:国税庁/上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除

損益通算及び繰越控除に関しても、源泉徴収と同様、素人判断は難しいので、税の専門家に相談した上で利用の可否を判断するようにしましょう。

まとめ

株式譲渡に関して、税金の処理を源泉徴収で済ませるか、それとも確定申告すべきか、判断に困る点が多々あります。

そんなときにはやはり公認会計士、税理士等、税の専門家のサポートを受けつつ、済々と納税手続きを進めていくことが大事だと考えます。

特に非上場株式を譲渡する際には、必ず専門家に相談するようにしましょう。

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