急速なテクノロジーの進化と産業構造が変化するなかで、一人ひとりのスキルセットのアップデートが不可欠となっています。こうした背景において、注目を浴びているのが「日本リスキリングコンソーシアム」です。
このコンソーシアムは、個人のキャリアを充実させるための多岐にわたるプログラムを提供するプラットフォームとして、多くの人々の学びと成長を支援しています。
この記事では、日本リスキリングコンソーシアムの具体的な活動内容、利用することのメリット、そしてどのようにして登録を行うのか、詳しく解説していきます。スキルアップやキャリアの充実を目指す方々の参考として、ぜひ最後までご一読ください。
日本リスキリングコンソーシアムとはリスキリングを推進している団体です。
日本リスキリングコンソーシアムは、2022年6月16日に設立され、設立当初から国や自治体、民間企業などが49団体参加して、リスキリングに関するトレーニングプログラムを提供しています。
参考:経済産業省「リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流」
2020年1月にスイス・ダボスにおいて世界経済フォーラム(World Economic Forum: WEF)の年次総会が開催されました。50回目を迎えた今会議では、「社会と仕事の未来」というセッションの2日目に「リスキリング革命(Reskilling Revolution)」が発表されました。今会議よりも前から、WEFは、社会全体でリスキリングに取り組む必要性を訴えており、本ダボス会議において、それが広く認知されるに至りました。
ここで、リスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」(出典:経済産業省/リクルートワークス研究所)を言います。
このようにして世界中でリスキリングの重要性が認知されたことで、日本でもリスキリングの重要性が認知されるようになった結果、日本リスキリングコンソーシアムは設立されました。
日本リスキリングコンソーシアムが設立された目的は日本社会が抱える問題を解決することにあります。
日本では、社会における労働人口の減少、地方と都市部/大企業と中小企業のデジタル格差、デジタル人材不足が問題となっており、これを企業がリスキリングを推進することによって解決しようという狙いがあります。
日本リスキリングコンソーシアムは、グーグル社の日本法人が主幹事となって、複数のパートナー郡によって構成されています。
パートナー | 役割 |
---|---|
リスキリングパートナー | スキルアップに必要なトレーニングプログラムを提供し人材育成を加速・サポートする |
ジョブマッチングパートナー | トレーニングプログラム受講者と企業をマッチングし就業支援を推進する |
協力・後援パートナー | 広範な連携を推進する |
後援パートナー | 企業・組織をつなぎ同コンソーシアムの活動・プログラムの周知と積極的な活用を促進する |
パートナーとして参画している企業・組織は年々増加しており、2023年9月現在、1,000以上の教育プログラムが就業支援と合わせて提供されています。提供されている教育プログラムは、誰でも受講することができ、デジタルスキルを中心に、初級から上級まで幅広いレベルのプログラムが提供されていることが特徴です。
研修プログラムは、大手から中規模の会社、女性、高齢者、ビジネスリーダー、新たな世代の若者たちまで、どなたにも利用可能です。また、初心者向けから上級AI技術者向けまでの、1000種類以上の研修内容を提供し、全ての人が技能向上を追求できるような環境が整っています。
トレーニングプログラムを通じて習得した能力を仕事に役立てるためのサポートが提供されています。正社員の職や転職のみならず、副業や独立業務、パートタイムの仕事といった多様な雇用形態にもマッチングの機会を広げています。
日本リスキリングコンソーシアムへの登録は、現代の労働環境において必要とされるスキルの習得とキャリアチャンスの拡大に寄与します。以下では、その主なメリットを解説していきます。
日本リスキリングコンソーシアムは、デジタルスキルの習得に特化した豊富なプログラムを提供しています。初心者から上級者まで、様々なレベルに合わせて1000種類以上のプログラムが取り揃えられているため、一人ひとりのニーズに応じた最適な学びを選ぶことができます。
習得したスキルを最大限に活かすことができる就業機会を提供します。正社員のポジションだけでなく、転職、副業、パートタイムの仕事まで、多岐にわたるマッチングのチャンスが広がっています。このようなサービスを利用することで、スキルセットに適した最適な職を見つけるサポートを受けることができます。
ユーザーのスキルセットや目標に応じて、最適なトレーニングプログラムを迅速に特定できる機能がコンソーシアムには装備されています。時間をかけずに、自分にとって最も適したプログラムを探し出すことができ、効率的に学びを深めることが可能となります。
日本リスキリングコンソーシアムが提供するプログラムを受講するためには、まずは、新規会員登録(無料)が必要となります。手順は簡単で、メールアドレスを仮登録して、その後、そのメールアドレスに送付されてくるコード入力画面に、メール本文に記載されている4桁のコードを入力し、送信するだけです。その後、登録フォームがメールで送付されてくるので、必要事項を入力して、ページの手順に沿って本登録を完了させます。
本登録まで完了すれば、日本リスキリングコンソーシアムが提供しているトレーニングプログラムを受講できるようになります。
条件にあったトレーニングの検索・申し込み・受講記録ができることに加えて、希望者には、就職支援サイトへのエントリーやパートナー企業の採用情報の紹介、就職活動情況の記録なども行うことが可能です。
登録情報や受講履歴に基づいて、おすすめのトレーニングプログラムや就職支援サイトが表示されるので、スキルアップや就職活動がしやすい環境が整います。
日本リスキリングコンソーシアムは、多岐にわたるプログラムを提供する一方で、利用者が最大の効果を得るためには、いくつかのポイントを考慮することが重要です。ここでは、その利用時の主な注意点を詳しく解説します。
日本リスキリングコンソーシアムの提供するプログラムは数が多いため、中にはまだ新しくて口コミ情報が少ないものも存在します。
口コミは実際の利用者の声を反映した情報源として非常に価値が高いものの、これが不足していると、プログラムの内容や品質を事前に詳しく知ることが難しくなる場合があります。
そのため、選択する際は、公式の情報や提供されるカリキュラムの詳細、講師の経歴や専門性を十分に確認することが推奨されます。
また、可能であれば、実際にプログラムを受講した方からのフィードバックを直接聞くことも有益です。
オンラインでの独学やセルフペースの学習が主となるリスキリングコンソーシアムでは、一人ひとりが自らの学習モチベーションを維持することが不可欠です。
しかし、日常の多忙さや、学習の進行中に遭遇する難易度の壁など、モチベーションを維持する障害となる要因は数多く存在します。
このような中で継続的に学び続けるためには、明確な目標設定や学習スケジュールの作成、仲間やグループとの学習、フィードバックの活用など、様々なサポート手段や戦略を駆使することが重要です。
定期的に自分の学習状況を振り返り、必要に応じて学習方法や進め方を見直すことも、持続的なモチベーションの鍵となります。
日本リスキリングコンソーシアムは、現代の変わりゆく社会において、必要なスキルを習得し、キャリアの可能性を拡げるためのプラットフォームとして注目されています。
その活動内容は、初心者から上級者までを対象にした幅広いプログラムの提供や、キャリアマッチングの支援にまで及びます。
利用するメリットとしては、最新のデジタルスキルの習得や、様々な働き方へのアクセスが挙げられます。そして、登録方法も簡潔で手軽に行えるのが魅力です。
日本リスキリングコンソーシアムを利用して、自身のキャリアとスキルを進化させ、未来のチャンスを掴んでいきましょう。