海外送金とは、日本から海外へお金を送りたい時に利用できるサービスです。海外に住んでいる家族に仕送りをしたい、海外留学している子供に学費を送りたいなどの場合に使われます。
この記事では、海外送金の仕組みやおすすめの海外送金サービス、銀行から海外送金をする際の利用条件など、海外送金における知識をご紹介します。海外送金の予定がある方は、参考にしてみてください。
最初に、海外送金の仕組みがどのようになっているのか、流れや手数料などを見てみましょう。
海外送金には、銀行から送金する方法と、海外送金に特化した海外送金サービス会社を利用する方法があります。
銀行からの送金では、まず送金したい人が銀行に対して送金手続きをし、送金する金額と各種手数料を支払います。
支払われたお金は、中継(コルレス)銀行を通じて海外にある受け取り銀行の口座へ送金されます。
最初の手続きから1週間ほどで、受け取り口座へお金が届きます。窓口での送金以外にも、Webやアプリで送金できる銀行が増えています。
一般の銀行ではなく、海外送金に特化した海外送金サービスを利用する方法もあります。この方法では、送金したい人がサービス会社へ入金し、サービス会社が受け取り口座へ振り込みを行う仕組みです。
サービス会社は、日本国内・海外の両方に口座を持っています。独自のネットワークの活用により、銀行からの送金よりも少ない手間で手続きが可能となります。
手数料も抑えられるため、利用する個人や法人が増えています。
海外送金をするには手数料が必要です。ここでは、一般的に支払う必要のある手数料の種類や支払うタイミングなどを解説します。
送金元の銀行に対して支払う手数料です。一般に、国内にある銀行への振込手数料よりも高額に設定されています。手数料は銀行ごとで独自に設定されているため、送金前に確認しておきましょう。
受け取り口座を保有する銀行に対して支払う手数料です。受け取り金額から差し引かれることが一般的です。
送金時、日本円から外貨へ通貨を両替する際に発生する手数料です。銀行が独自に定める為替レートに含んで計算します。
銀行から送金する場合に、送金元銀行と送金先銀行を中継するコルレス銀行に対して支払う手数料です。通貨や送金額によって手数料が変わるため、正確な金額は事前に分からないケースが多いです。
円貨取扱手数料とも呼ばれており、円建送金などで両替を伴わない場合に発生する手数料です。リフティングチャージ料がかかる時は、為替手数料はかかりません。
ここからは、おすすめの海外送金サービス会社をご紹介します。
1社目の「Wise」は、常に実際の為替レートを適用し、独自の仕組みにより格安の手数料で海外へ送金手続きが完了するサービスです。
手続きは全てオンラインで行います。海外送金以外にも、海外口座情報の取得、海外送金の受け取り、Wiseデビットカード発行なども可能です。アカウント登録はこちらから可能です。
それではWiseのサービス詳細を見ていきましょう。
Wiseの海外送金手数料は、固定手数料と変動手数料から構成されています。具体的な手数料は通貨によって異なるため、公式サイトに掲載されている手数料計算ツールに数値を入力してみましょう。
送金にかかる手数料が送金前に確定する仕組みになっており、後から追加で手数料を請求されることがなく安心です。
送金限度額も、手数料同様通貨によって異なります。具体的な限度額は、公式サイトの「送金できる通貨」のページから確認しましょう。
日本円からの送金であれば、送金回数に上限はありません。
入金方法によって異なるものの、着金までには最大2営業日かかります。
Wiseで送金・受け取りに対応している通貨は、以下の通りです。
オーストラリア・ドル
ブルガリア・レフ
ブラジル・レアル
カナダ・ドル
スイス・フラン
チェコ・コルナ
デンマーク・クローネ
ユーロ
イギリス・ポンド
香港・ドル
ハンガリー・フォリント
インドネシア・ルピア
インド・ルピー
日本円
マレーシア・リンギット
ノルウェー・クローネ
ニュージーランド・ドル
ポーランド・ズロチ
ルーマニア・レウ
トルコ・リラ
スウェーデン・クローナ
シンガポール・ドル
アメリカ・ドル
上記の通貨の他に、受け取りのみ対応している通貨が28種類あります。
Wiseの大きなメリットは、何と言っても手数料が安い点です。実際の為替レートを使うことで、手数料を抑えられます。送金額や手数料が送金前に明確に分かり、基本的に中継手数料は発生しません。
手続きはオンラインで誰でも簡単にでき、着金までの日数も最大で2営業日となっています。安全に素早く送金したい場合におすすめです。
Wiseは、オンラインで全て手続きが完了するため、支店がありません。送金は銀行振込もしくはデビットカードでのみの手続きとなり、現金や小切手では送金できません。
また、送金先によって送金条件や手数料が変わってくるため、事前に確認が必要です。海外に受け取りの口座が必要となる点も、Wiseの弱点と言えるでしょう。
詳細はWiseのページをご覧ください。
次にご紹介する「Revolut」は、アプリをダウンロードしてアカウントを開設するだけで、国内外の支払いや両替がスマホひとつでできる、イギリス発のサービスです。
安全にアプリが利用できるよう、詐欺防止やセキュリティなどの機能が充実しています。「Revolut」のサービス内容を順にご紹介します。
「Revolut」では、200以上の国や地域への送金において、手数料がかかりません。ただし、中継銀行における手数料が発生する場合もあります。
日本円を使って日本へ、もしくは日本から送金する限度額は、1回につき100万円です。また、最低額は1回につき900円となっています。
「Revolut」を使って海外送金をする場合の回数上限は、公式サイトからは確認できませんでした。
「Revolut」を使った海外送金は、SWIFTネットワークを利用して実行されます。送金手続きが完了し、受取人口座へ入金されるまでは、通常3~5営業日かかります。
「Revolut」では、2023年10月現在で41の通貨が外部送金に対応しています。また、送金受け取りが可能な国はおよそ200か国に上っています。いずれも、円貨建て送金と外貨建て送金の両方に対応可能です。
取り扱い通貨や国は変更される場合がありますので、公式サイトで最新情報を確認し手続きを取りましょう。
Revolutのメリットは、何と言っても送金手数料が安い点です。また、Revolutユーザー同士であれば、海外送金は即時入金されるため、スピーディーに受け取ることができます。アプリが使いやすいという声も多く、顧客からの評価も高まっているようです。
アプリが使いやすいメリットをご紹介しましたが、送金手段がアプリのみであることはデメリットにもなります。送金は銀行口座間でのみ対応しているため、現金受け取りができない点もデメリットです。
また、使い方などで分からないことがあった場合は、問い合わせ手段がアプリを通じたチャットのみとなります。
PayPalは、世界各国で利用されているオンライン決済サービスです。海外送金専門のサービスではありませんが、アカウントへ送金できるサービスであるため、オンライン銀行口座として利用しているユーザーも多くいます。
PayPalのサービス内容を、順に見ていきましょう。
PayPalの海外送金手数料は、1回につき499円と決まっています。その他に、自分が持っている通貨(日本円など)と異なる通貨(米ドルなど)で取引が行われた時に、通貨換算手数料がかかります。送金側が手数料を負担する場合は4%、受け取り側の負担では3%となります。
海外送金の限度額は、1回につき100万円までとされています。
PayPalの公式サイトでは、送金回数の上限についての記載は確認できませんでした。
PayPalアカウント同士で手続きがスムーズに進むと、送金者が送金手続きを完了した当日中に受け取りが可能です。一方で、PayPal口座に振り込まれたお金を銀行口座から引き出したい場合は、3~6営業日ほどかかります。
日本のPayPalアカウントで取引ができる通貨は、以下の22通貨です。
日本円
カナダドル
ユーロ
イギリスポンド
アメリカドル
オーストラリアドル
ニュージーランドドル
スイスフラン
香港ドル
シンガポールドル
スウェーデンクローネ
デンマーククローネ
ポーランドズロティ
ノルウェークローネ
ハンガリーフォリント
チェココルナ
イスラエルシェケル
メキシコペソ
フィリピンペソ
ニュー台湾ドル
タイバーツ
ロシアルーブル
PayPalとしては100通貨以上に対応可能です。
PayPalは、海外送金サービス以外にも、オンライン決済サービスとして広く利用されています。
PayPalアカウント、銀行口座、クレジットもしくはデビットカードがあれば、携帯電話と番号とメールアドレスを登録してすぐに口座開設が可能です。
アプリやWebで手続きが完結できるため、場所を選ばず送金できます。両替せずに外貨建て通貨を複数所持できるのも、PayPalの大きなメリットです。
海外送金手数料の項で紹介した通貨換算手数料は、ユーザーにとって大きな負担となります。他にも、銀行口座へ引き出す金額が一定未満であると手数料も発生します。
お金を引き出せるようになるまでの日にちも3営業日以上かかるため、早急にお金が必要な時には使いづらいと言えるでしょう。
海外送金サービスを利用するのではなく、普段使い慣れている銀行から海外送金をしたい場合、利用条件はどのようになっているのでしょうか。
ここでは、3つの銀行から海外送金をした場合の利用条件を、表を使って解説します。
銀行 | 手数料 | 限度額 | 着金日数 | 対象通貨・国 |
---|---|---|---|---|
2,500円~3,000円(三菱UFJダイレクトの場合) | 1回あたり100万円相当額未満(三菱UFJダイレクトの場合) | 通常3〜5営業日ほど | 12通貨(日本・アメリカ・EU・イギリス・オーストラリアなど) | |
750円(他に円貨送金手数料・海外中継銀行手数料がかかる) | 1回あたり100万円(送金時の円貨額で計算) | おおむね送金日+1日~3日程度 | 60通貨以上(主要通貨に加え、ブラジル・エジプト・タイなど) | |
送金する金額・通貨・国によって異なる | 1日1,500万円 | 最短0~2営業日ほど | 9か国+ユーロ圏(19か国) |
海外送金サービスの内容は会社ごとで大きく異なります。
送金サービス専門会社か銀行かによって利用条件が変わってくるため、利用前にしっかりと比較することが大切です。
是非自分に合った海外送金サービスを見つけてみてください。