補助金コネクト
Menuアイコン

よろず支援拠点とは?利用のメリットや注意点、支援事例などを解説

中小企業や小規模事業者は、日々売上拡大や経営改善など、さまざまな経営課題について悩みが尽きないと思います。

そんな問題の相談に乗ってくれるのが、よろず支援拠点です。相談することで経営者が抱えている問題をスムーズに解決できます。

そこで、この記事ではよろず支援拠点のメリットと注意点、支援事例について紹介します。

よろず支援拠点とは

よろず支援拠点とは、日本の地域経済を支えている中小企業・小規模事業者の活性化を図ることを目的に国が設置した無料の経営相談所です。

HP:よろず支援拠点とは | よろず支援拠点全国本部 

従来の支援機関では、各支店や地域ごとによって支援レベルの質の違いがあり、サポート体制にもばらつきがありました。そのため、相談してもサポートが不十分であったり、企業の悩みを解決できないなどの問題が生じておりました。

そこで2014年から新たによろず支援拠点を全国47都道府県に設置し、地域の支援機関との連携度も高め、相談体制の強化を行うようになった背景があります。

実際に下図のように、よろず支援拠点への相談件数は年々増加しております。

image

引用:よろず支援拠点とは | よろず支援拠点全国本部 

では具体的にどのような方がどんなサービスを受けられるのか、次の項から紹介します。

受けられるサービス

よろず支援拠点では、以下の3つのサービスを受けることができます。

サービス

内容

総合的・先進的な経営アドバイス

さまざまな分野の専門家によって経営アドバイスを受けられる

課題解決チームの編成

経営問題について、専門チームで課題解決のサポートを行ってくれる

ワンストップサービス

悩みに対しての解決提案や支援機関の紹介など、ワンストップで解決してくれる

企業が直面している売上拡大や経営改善などの問題を、専門家が解決方法の提案を行ってくれるうえ、相談内容に応じた支援機関の紹介なども行ってくれます。

ワンストップで解決してくれるため、早期に問題解決ができる特徴があります。

対象者

よろず支援拠点を利用できるのは、以下の項目に該当する中小企業・小規模事業者に類する人、創業予定の人です。

  • 中小企業

  • 小規模事業者

  • NPO法人

  • 一般社団法人

  • 社会福祉法人

ただし、事業者の対象地域が限定されている場合もあるため、利用できるかどうかは各拠点の公式HPをご確認ください。

よろず支援拠点で相談するメリット

よろず支援拠点で相談するメリットは以下の3点挙げられます。

  • 様々な角度から経営アドバイス

  • 専門家チームを編成してもらえる

  • ワンストップでの問題解決

利用を検討している人は、一つずつ確認してみましょう。

様々な角度から経営アドバイス

よろず支援拠点ではさまざまな角度から経営アドバイスをもらうことができます。よろず支援拠点はコーディネーターへ相談し、その後相談内容に合った専門家を紹介してもらう仕組みです。

事業不振や経営不振の悩みであれば、経営の専門家からアドバイスをもらうことができるため、経営改善につながります。

もちろん、よろず支援拠点は経営者との二人三脚での問題解決を行っていくため、経営者自身もアドバイスを受けた後は解決に向けて動く必要があります。

専門家チームを編成してもらえる

複数の問題を抱えている企業であれば、コーディネーターが専門家チームを編成して問題解決に取り組んでくれます。

中小企業や小規模事業者が抱える経営課題は、複数の問題が絡み合っていることもあり、短期間だけでは解決できない可能性も考えられます。

しかし、よろず支援拠点に相談すれば、専門家チームを編成してもらえるため、各問題の解決策が見つかり、スムーズに解決することができます。

ワンストップでの問題解決

よろず支援拠点は、幅広い相談に応じており、適切にサポートできる機関や専門家を紹介してくれるため、ワンストップで問題解決に取り組んでくれます。

複数の問題を抱えている中小企業や小規模事業者にとっては、解決するには時間と労力がかかります。

しかしよろず支援拠点であれば、一つの窓口への相談をきっかけに解決できるため、どこに相談すればよいか悩む必要もなくなるうえ、問題別ごとの機関に相談する必要もなくなります。

よろず支援拠点で相談するときの注意点

よろず支援拠点はスムーズに相談できるうえ、専門家からのサポートを受けられるメリットがありますが、注意しなければいけない点もあるため、事前に理解しておきましょう。

手続きのすべてをサポートしてもらえるわけではない

さまざまな分野の専門家の紹介をしてくれるよろず支援拠点であっても、一から全てサポートしてくれるわけではないため注意が必要です。

一度相談すれば、勝手に解決してくれるわけではなく、専門家と協力しなければいけません。例えば資金調達のため書類などは、作成のサポートを受けられますが、自身で作成する必要があります。

専門家に全て一任できるわけではない点は理解しておきましょう。

担当者によってスキルの差がある

よろず支援拠点では、相談する担当者を選ぶことができないため、担当者によってスキルの差がある点は注意しなければいけません。

当然ながら、相談経験が少ない若い担当者より、何度もサポートしてきた担当者の方が、問題解決に取り組む能力も高いです。

もちろん組織的に問題解決に取り組んでくれますが、経験が少ない担当者との意思疎通ができない場合もあるため、その点は注意しておきましょう。

よろず支援拠点利用の流れ

よろず支援拠点を利用する際は以下の流れで進めます。

image

近くの拠点に相談

はじめに、最寄りのよろず支援拠点を探し、電話・メール・FAXなどから相談予約を行います。最寄りの拠点を知りたい方は「支援拠点一覧 | よろず支援拠点全国本部 」で検索してみましょう。

相談時には特別必要な書類などはありませんが、経営や事業などの悩みを抱えている方は、担当者の方がわかるような事業計画書や財務状況などの書類を持参するとスムーズに相談が進みます。

また相談料は何度でも無料なため、解決できるまで相談しても良いでしょう。

コーディネーターのヒアリング

担当者であるコーディネーターが相談者の悩みをヒアリングしてくれます。解決方法の提案や、今後の事業の方向性などの策定などを行ってくれます。

フォローアップを受ける

解決策を提案したら終わりではなく、提案後も相談者のフォローアップを実施しています。新たな問題が生じた場合は、再度よろず支援拠点を利用してもよいでしょう。

よろず支援拠点の支援事例

ここではよろず支援拠点の支援実例を3つ紹介します。

  • 有限会社ジェイ&エムズ

  • 株式会社MIW

  • ひげた食品株式会社

実際どのような支援があったのかを確認してみましょう。

有限会社ジェイ&エムズ

有限会社ジェイ&エムズは、高知県宿毛市内で軽食喫茶店と観光レストランを経営する会社でした。

しかし、新型コロナウイルス以降、経営に大きな影響を受け、令和3年に「事業再構築補助金」の予算化をきっかけに事業の再構築を検討し、よろず支援拠点へ相談に訪れました。

よろず支援拠点は、カフェスイーツが県外流通で競争力がある商品になるのかと同時に、コロナが長期化した場合の経営分析を綿密に行いました。

そこで、観光レストラン事業を撤退し、カフェスイーツの外商に取り組むことを決めます。

さらにスイーツで県外のお客を確保するためには、ふるさと納税から始めるような提案を受け、なおかつ市役所やデザイナーから商品に関する的確なアドバイスと、ふるさと納税の商品ページのデザインのアドバイスをもらい、売れる体制を構築しました。

結果、某ポータルサイトでランクインし、1か月で毎月200万円の売上を継続できるようとなり、現在でも人気のあるカフェスイーツとして知られています。

今回は、観光レストランの事業撤退により、大幅なコスト削減だけでなく、さまざまな専門分野が協力し、一つのスイーツをつくり上げたことが成功のきっかけにもなりました。

参考:https://yorozu.smrj.go.jp/support/kochi_j-ems/

株式会社MIW

昭和50年に創業した株式会社MIWは、山口県で金属を切断、溶接し、建築の骨組みや工場設備などで使う部材などをつくる製缶業を営む会社でした。

製缶業は、加工に大幅な時間を費やしてしまい、工程管理も難しいことから余裕のある納期にしなければいけません。

しかしこの問題によって、切削加工事業者と納期や価格の調整が間に合わず、対応できないことも多かったと、代表者の南さんは語ります。

そこでよろず支援拠点に相談し、急な注文であっても対応できる体制を整えることができ、なおかつ新規顧客への営業活動もできる時間の確保が可能となりました。

よろず支援拠点は、予実管理と経営のヒアリング分析を行い、問題点の抽出から始めます。その結果、工程管理は紙ベースで現場に任せている状態であったため、予定と実績が合わないことがわかります。

そこで、マシニングセンタを導入し、オペレーターの配置、切削加工も内製対応できる体制を整え、工程管理をエクセルで行うことで、見える化できるようにしました。

最終的に手待ち時間が減り、工程も一元管理でき、納期までのスケジュールが可視化されたため、生産性が向上した成功事例です。

参考:https://yorozu.smrj.go.jp/support/yamaguchi_miw/

ひげた食品株式会社

昭和44年に創業した茨城県の納豆会社。全国から選び抜いた国産大豆を使用し、手作りで作る納豆は、地域から愛される商品でした。

しかしコロナ渦によって売上が低下し、なおかつ原材料価格高騰の影響も受けたため、このままでは厳しい経営環境になると思い、よろず支援拠点へ相談します。

よろず支援拠点は、さまざまな観点から分析した結果、直営農場やECサイトもあるのに、それがきちんと活用できていないことがわかります。

会社としては問屋さんやスーパーなどへの販売より、ECサイトなどを利用して個人向け販売に力を入れて消費者との距離を近づきたいと考えていたのにもかかわらず、なかなか売上が伸びていませんでした。

そこで、コストがかからない「本社工場の直売会」を実施。その後、テレビや新聞などにプレスリリースを配布、さらにニュースなどにも取り上げてもらうことで、個人向けの認知度を高める方法を取りました。

その結果、少しずつ成果につながり、直売会も盛り上がりを見せ、なおかつ都市部へのマルシェ出店も実現しました。

個人向けの認知度が高まればECサイトを来訪する方も増え、売上が安定します。なおかつ相談者が考える「消費者との距離を短く」という夢も、マルシェで現実になっています。

経営を見直しするだけでなく、相談者の夢も叶えた成功事例の一つです。

参考:https://yorozu.smrj.go.jp/support/ibaraki_higeta-shokuhin/

まとめ

よろず支援拠点は、日本の地域経済を支えている中小企業・小規模事業者の活性化を図ることを目的にした無料の経営相談所です。

経営アドバイスから専門家のチーム編成によって、ワンストップで問題解決に取り組んでくれます。

近年物価高やマイナス金利の解除など、経営者にとっては今後問題点も多くなることが予測されます。その場合はぜひよろず支援拠点に相談してみると良いでしょう。

関連記事

もっと記事を見る >
補助金コネクト
© 2024 補助金コネクト