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事業スキームとは?活用方法や作成のポイントなどを解説

事業を円滑に進め、企業としての目的を達成するには、事業スキームの正確な作成が欠かせません。そのためには、事業スキームについてしっかりと理解しておくことが必要です。

この記事では、事業スキームの概要や内容、作成のポイントなどを解説します。事業スキームの活用により計画を実現したいと考えている事業者の方は、参考にしてみてください。

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事業スキームとは

事業スキームの「スキーム」は、英語で「scheme」と書きます。ギリシャ語で「枠組みを持った計画」との意味であることから、現代でも「体系的な計画」「計画性のある枠組み」などの意味を持つ言葉です。

スキームは、今ある現実的な課題解決や目標達成などのために、具体的な戦略や手段などを立てる行為をさしています。これを踏まえて、事業スキームは組織のもとで目の前にある課題解決などを達成するため、継続的に遂行する事業計画を意味しています。

事業スキームという言葉は、営業や資金調達などに必要不可欠な事業計画書を活用する場面で多く聞かれます。スキーム図を使いながら、事業・人・お金・物などの関わり方を説明し、誰が見ても理解できるようになると、事業計画が円滑に進められるのです。

スキームという言葉は、先述した意味以外に「陰謀」「悪だくみ」などの意味も持っています。日本国内で使う分には問題ありませんが、アメリカ英語を使う海外企業での取引では使わない方が安心です。

事業プランとの違い

スキームとプランは、どちらも「計画」という意味を持つ言葉です。事業スキームと事業プランの違いは、計画内容にあります。スキームが実行段階における具体的な計画であるのに対し、プランは構想段階の抽象的な計画である点が大きな違いです。

スキームとプランの使い分けは、会社によって異なる場合があります。業務を遂行する場面においては、スキームとプランどちらの意味で会社側から指示を受けているのか、しっかりと確認する必要があります。

事業モデルとの違い

事業スキームと事業モデルも、混同することが多いものです。モデルという言葉は、「模型」「典型」「原型」などの意味を持っています。

この意味から、事業モデルは、事業での収益確保を目的とした構造や手法をさしています。事業での目的を達成する手段である事業スキームの中に、事業モデルが含まれているのです。

事業スキームの内容

事業スキームは、予測できないトラブルの発生や収益の悪化などの事態を防ぐために活用できます。上手に活用し、事業計画を実現していくには、以下の内容を組み込むことが必要です。それぞれの内容について、ポイントを押さえながら見ていきましょう。

事業コンセプトやビジョン

事業コンセプトは事業の概要を意味しており、事業スキームの基礎部分となっています。事業を通じて果たすべき使命や、顧客に対するメリットなどが、事業コンセプトの中心です。

事業ビジョンは、目指す未来像や展望・経営方針などをさしているため、実現できる可能性が高いビジョンを掲げるようにしましょう。数値に表して明確にゴールを決めるとともに、ビジョンの達成期限も定めると、より前向きな取り組みが可能です。

事業ドメインマネタイズの仕組み

事業ドメインは、事業活動における範囲や領域をさしており、物理的定義(製品そのもの)・機能的定義(製品を提供する方法)の2つに分けられます。事業ドメインを明確にすることで、自社の立ち位置の把握や販売手法などが設定可能です。事業ドメインを絞り込むために、市場調査や競合分析などを実施すると、事業成功の確率が高まります。

また、マネタイズとは収益を上げる方法であり、事業の継続や拡大には欠かせないものです。マネタイズの主な種類には、以下のようなものがあります。

マネタイズの種類

内容・方法

広告モデル

情報媒体(新聞・雑誌・ラジオなど)で広告を展開し、広告主から収入を得る

課金モデル

無料サービスの他に高機能なサービスを利用したいユーザーに対して、課金サービスを提供する

ECモデル

インターネット上で商品を販売する

サブスクリプションサービス

月額・年額などの定額制で、各種サービスを提供する

会社の業種や運営方法に合わせて、適切なマネタイズの選択が重要です。

会社の強み

事業スキームの策定には、自社の強みを積極的に盛り込みましょう。競合他社と明確に差別化を図るには、ハード面だけでなくソフト面での強みを積極的に打ち出すと効果的です。例えば、技術力・顧客対応力・自社に蓄積したノウハウなどが、代表的な強みです。

自社の強みは、VRIO分析を活用すると分かりやすくなります。VRIO分析とは、以下の4つの観点から競争優位性を分析するフレームワークです。

  • 価値(Value)

  • 希少性(Rarity)

  • 模倣可能性(Imitability)

  • 組織(Organization)

財務計画

事業スキームの活用には、適切な財務管理も欠かせません。目標売上高や利益を確保するために、売上予測・必要コスト・想定されるリスクなどをできるだけ明確に数値化し、財務計画を立てることが重要です。

財務計画を見やすくし、事業計画をより具体化するためには、図やグラフで可視化するのが効果的です。内容に応じて可視化の方法を使い分けると、金額の変化が分かりやすくなります。

事業スキームを活用できるケース

事業スキームは、ただ作成するだけでなく、活用して初めて役に立つものです。事業スキームを活用できる主なケースには、以下の2つが想定されます。

経営戦略の見直しや再構築をする場合

企業経営は、経営戦略に沿って取り組んでいきますが、経営戦略が必ずしも計画通りに進むとは限りません。経営戦略の見直しや再構築が必要な場面は、資金繰りの悪化や売上高の減少などが発生した場合です。経営戦略を見直さないまま事業を続けると、資金面や売上面での問題だけでなく、顧客からの信頼を失う恐れもあります。

事業スキームは、改善すべき点や今後の対策などを検討する際に活用できます。事業スキームにより、客観的な視点で問題点を洗い出すことで、改善策が見つかるでしょう。

資金調達をする場合

会社が資金調達をする手段として、金融機関・ベンチャーキャピタル・投資家などが挙げられます。資金調達をスムーズに行い成功させるためには、資金調達元にビジネスの魅力を理解してもらう必要があります。この時、事業の概要や魅力が記載された事業スキームを提出すると、事業の成功可能性が分かりやすく伝えられます。

事業スキームは、社内で活用するものと社外へ提出するものの2通りを作成しておきましょう。社外で提出するものは、内容のクオリティを重視することが大切です。

事業スキーム作成のポイント

効果的な事業スキームを作成するには、押さえておくべきポイントを事前に理解しておかなければいけません。ここでは、ポイントを4つ解説しますので、事業スキームに取り入れるようにしましょう。

事業内容を簡潔に説明

事業スキームは、社内の関係者だけでなく、金融機関やベンチャーキャピタルなど外部の人たちも目を通します。このため、事業内容をダラダラと書くのではなく、誰が見てもすぐに理解できるよう、分かりやすく簡潔に説明することが重要です。

事業スキームの作成後、今一度全体に目を通し、分かりにくい言い回しがないか・冗長表現がないかなどを確認しましょう。可能であれば、第三者に確認してもらうことも効果的です。

実施項目を明確に

事業スキームに記載する実施項目が机上の空論のような内容になっていると、実行できるかどうか不透明になってしまいます。抽象的に書くのではなく、人材や資金の確保・スケジュール調整の可否など、現場の声を取り入れながら実現性を高めることが重要です。

現場が抱える課題や実情を把握し、解決するために何を実施すべきかを明確にすると、ビジョンに近づけるようになります。

客観的な事実を入れる

目標や望みを高く掲げる行為は、決して悪いものではありません。また、今までの経緯や苦労を盛り込むことで、高い熱意を伝えたいと感じるかもしれません。

しかし、事業スキームの作成に、感情的な内容や仮説・予想などは全て不要です。内容が優れた計画でも、実行できなければ利益は生まれません。事業スキームには、客観的な事実や情報を盛り込むことが重要であり、その要素として具体的な数値を盛り込むと効果的です。

共通の用語を使用

事業内容を簡潔に説明しようとするあまり、業種で使われている専門用語を使ってしまうことがあるかも知れません。しかし、異なる業種の人たちへ事業スキームを提出したときに意味が伝わらず、意思疎通が図れなくなってしまいます。

スキームの意図を正確に伝え、誤解を招かないようにするため、どの業種の人でも理解できる共通の用語を使いましょう。

まとめ

今回解説したように、事業スキームは継続かつ具体的な計画であることが重要です。

会社が抱える課題を解決し、さまざまな目標を達成するために、事業スキームを効率良く活用していきましょう。

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