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人材確保等支援助成金とは?各コースの受給要件や受給額、申請の流れを解説

助成金
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更新:2024/02/04

従業員が定着せず、転職者が多いと人材の確保にも苦労してしまいますよね。

そんな時、目標達成すれば誰でも受け取れる人材確保等支援補助金を使って、良い働きやすい職場環境を目指してみてはいかがでしょうか。

本記事では人材確保等支援助成金についてわかりやすく解説しています。

人材確保等支援助成金について興味を持っている事業者の方はぜひご活用ください。

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人材確保等支援助成金とは

制度の概要

人材確保等支援助成金は、労働環境を向上させて人材の確保・定着を支援する制度です。

企業の中で全労働者が平等かつ適切に評価されることを目指しています。

取り組む内容によって大きく9つに分けられ、様々な面で補助が受けられます。

生産性要件とは

人材確保等支援助成金を申請するにあたり、必ず理解しておかなければならないのが生産性要件です。

生産性要件とは、企業の生産性がアップしているかを評価する指標です。

具体的には、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、3年度前より+6%以上伸びていることが求められます。

計算式の定義はやや複雑になるのですが、Excelを使って生産性を簡単に確認できる計算シートが公開されています。

image

引用:000797680.xlsx (live.com)

図の黒枠が生産性です。

この生産性要件を満たすと補助額が大きく跳ね上がりますので、申請時には確認しておくことをおすすめします。

人材確保等支援助成金のコース一覧

人材確保等支援助成金には以下の9つのコースが設定されています。

コース名

主な要件

助成金額

※()は生産性要件達成時

雇用管理制度助成コース

雇用管理制度の導入、離職率目標達成

57万円(72万円)

介護福祉機器助成コース

介護福祉機器の導入

導入費用20%(35%)

上限150万円

中小企業団体助成コース

構成中小企業の人材確保や職場定着支援を実施

要した費用の2/3を支給

人事評価改善等助成コース

従業員の賃金アップを含む人事評価制度を導入

80万円

建設キャリアアップシステム等普及促進コース

事業者登録、技能者登録、能力評価および見える化評価の事務手続を実施

建設事業主団体支給対象経費の2/3

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

技能の向上等をはかるための取組みを実施

中小建設事業主3/5(3/4)

作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

作業員宿舎等の確保

支給対象経費の2/3

外国人労働者就労環境整備助成コース

離職率目標の達成等

支給対象経費の1/2(2/3)

上限57万円(72万円)

テレワークコース

1回以上、対象労働者全員がテレワークを実施

経費30%

用件を達成すれば助成金がもらえ、この助成金は返す必要がありません。

人材確保等支援助成金の9つのコース

人材確保等支援助成金の9つのコースについてそれぞれ解説します。自社で取り組めるものがあるかどうか、確認してみてください。

雇用管理制度助成コース

雇用管理制度助成コースは最も申請しやすいとされるコースです。

以下の雇用管理制度を1つでも導入し、従業員の離職率低下を目指す事業主を支援する目的があります。

  • 諸手当等制度(住居手当、家族手当)

  • 研修制度(通信講座)

  • 健康づくり制度(健康診断)

  • メンター制度(コーチング)

  • 短時間正社員制度(保育事業主のみ)

低下させる離職率の目標値は労働者数で変わりますので、何ポイント低下させなければならないのか事前にチェックしておきましょう。

image

引用:000763496.pdf (mhlw.go.jp)

達成すれば57万円、生産性要件を満たしていると72万円が受け取れます。

介護福祉機器助成コース

介護福祉機器助成コースは、以下の介護保険機器を導入し、従業員の身体的負担を軽減させる取り組みをしている事業者が該当します。

  • 移動・昇降用リフト

  • 装着型移乗介助機器

  • 体位変換支援機器

  • 特殊浴槽

1つ10万円以上の最低単価が設定されています。

前述した雇用管理制度助成コースと同様の目標値を達成できれば、20%(生産性要件は35%)が支給されます。

上限は150万円なので活用の幅が広いのではないでしょうか。

中小企業団体助成コース

中小企業団体に属する構成中小企業者に対して、人材確保などの支援を行っている事業協同組合などが該当します。

要件は以下の通りです。

  • 改善計画を策定、都道府県知事の認定を受ける

  • 実施計画を策定、労働局長の認定を受ける

  • 実施計画を遂行

団体の規模によって上限は変わりますが経費の2/3が支給されます。

  • 大規模認定組合:1,000万円

  • 中規模認定組合:800万円

  • 小規模認定組合:600万円

人事評価改善等助成コース

賃金アップを含んだ評価制度を導入している企業の支援を目的としています。

「離職率低下」「賃金アップ」「計画開始3年の生産性向上」の3つが達成できていれば80万円支給されます。

なおこちらは令和4年4月1日以降、新規受付を休止しているので注意をしておきましょう。

建設キャリアアップシステム等普及促進コース

建設事業主団体が、中小構成員に対して人材確保などの支援を行っている以下の事業を支援する目的があります。

  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録費用を補助する事業※事業者登録、技能者登録、能力評価(レベル判定)、見える化評価などが該当

  • 上記の事務手続を支援する事業

  • これらを履歴蓄積に活用できるカードリーダーなどの各種機器、アプリなどのソフトウェアの導入を促進する事業

つまり中小企業の労働者が、より平等かつ客観的な基準で評価される体制を整える団体をサポートするというものです。

団体に応じて以下のように経費額が変わります。

  • 中小建設事業主団体:経費の2/3

  • これら以外の建設事業主団体:経費の1/2

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

建設事業主や団体が対象で、若者や女性の定着しやすい環境作りを進める取り組みを支援するコースです。

以下が対象となる取り組みの一部です。

  • 現場見学やインターンシップ

  • 研修会

  • 表彰制度

助成金額は以下の通りです。

対象者

区分

経費の助成割合

※()は生産性要件

建設事業主

中小建設事業主

3/5(3/4)

これら以外

9/20(3/5)

建設事業主団体

中小建設事業団体

2/3

これら以外

1/2

また作業訓練を促進する活動を行う訓練法人も該当し、経費の2/3の助成金が受け取れます。

作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

作業員宿舎など働きやすい環境を整備しようとしている建設事業主が対象です。

以下の3つの内、どれかに該当している必要があります。

  1. 被災三県に所在の作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借

  2. 建設工事現場に女性専用作業員施設を賃借

  3. 認定訓練実施に必要な施設や設備の設置、整備(職業訓練法人のみ対象)

それぞれ該当している事業主に応じて助成金額が異なっています。

  1. 経費の2/3

  2. 経費の3/5(生産性要件満たせば3/4)

  3. 経費の1/2

外国人労働者就労環境整備助成コース

外国人労働者が働きやすいよう、職場環境整備へ取り組む事業者を該当するコースです。以下を達成すれば、助成金額を受け取れます。

  • 外国人労働者を雇用

  • 外国人労働者の離職率が10%以下

  • 就業規則等の多言語化などを行う

受け取れる金額は以下の通りです。

  • 支給対象経費の1/2(上限57万円)

  • 生産性要件を満たせば、2/3(上限72万円)

テレワークコース

最近話題のテレワークを導入して、働きやすい環境を整備する事業主を支援するコースです。

なおこのコースでは、「機器等導入助成」か「目標達成助成」のどちらかを選ぶことになります。

要件は以下の通りです。

  • 機器等導入助成:期間内に1回以上、テレワーク対象者が全員テレワーク実施

  • 目標達成助成:実施後の離職率 ≦ 最初の離職率

それぞれ達成すると以下の額が支給されるようになっています。

  • 機器等導入助成:経費の30%

  • 目標達成助成:経費の20%(生産性要件を満たせば、35%)

申請の流れ

申請の流れは計画書を作成して事業を実施、その後達成したことを確認した上で助成金申請を行えば完了です。

主な流れは以下の通りです。

  1. 雇用管理制度計画を各都道府県労働局へ提出

  2. 実施

  3. 目標達成を確認

  4. 助成金の支給申請書を各都道府県労働局へ提出(終了後2ヶ月以内)

具体的な手続きについては労働局に確認するか、社会保険労務士等の専門家にアドバイスをもらうのも良いでしょう。

人材確保等支援助成金の注意点

目標達成していれば受け取れるという窓口の広さがメリットの人材確保等支援助成金ですが、いくつか注意点があります。

計画書提出のタイミング

雇用管理制度計画を提出するタイミングは、計画開始日の1~6ヶ月前の前日までと期限が設けられています。

例えば2023年1月1日に開始する場合、申請期限は2022年7月1日から11月30日までに提出しなければなりません。

もしも提出が遅れてしまうと、計画開始を延長することになりますので、注意しておきましょう。

創業直後の企業は受給できない

創業直後の企業が受給できません。申請した会計年度の前後の年と比較が必要ですので、導入前の離職率がわからない企業は対象外です。

正当な評価と長期運用のための体制整備が重要

助成金の受給目的で労働環境改善に取り組むだけでは不十分です。

従業員の正当な評価制度と長期的に行っていける体制作りがなければ、離職率の根本的な改善には至っていません。

そのため受給を最終目的とするのではなく、長期的な目線で従業員全体が働きやすい環境を目指せる計画を作成しましょう。

まとめ

人材確保等支援助成金は、離職率の低下や生産性が向上できていれば助成金が受給できるシンプルさが魅力の制度です。

現時点で「離職率を改善したい」「従業員により良い環境で働いて生産性を向上してもらいたい」とお考えの事業者の方は活用を検討してみてはいかがでしょうか。

なお気になったコースがあった場合は、急に廃止や休止が行われる可能性もあるので早めに申請しておくことをおすすめします。

まずはご自身の企業がどのコースに該当しそうか考えつつ、計画書を作成していきましょう。

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